JPS6341622B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱分解装置における流動層燃焼塔など
の燃焼炉から発生する燃焼排ガスからダストを除
去するサイクロンのダスト閉塞を防止する方法に
関するものである。

〔従来の技術〕

この種のサイクロンにおいては、サイクロンの
アンダーフロー側の一部にダスト（灰や摩耗砂な
どの固形粒子）が堆積しついには閉塞を起こし、
運転に支障を来たすことがあるが、従来は、ダス
トの排出がなくなつたことにより閉塞が生じたこ
とを検知していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従つて、検知されたときには、閉塞の程度が大
きく、これを解除するためには燃焼装置の運転を
停止し、分解して閉塞物を取除き、その後再び組
立てを行う必要があつた。従つて燃焼装置の稼動
率低下による処理能力の低下を招き、また、多大
の手間を要する欠点があつた。

本発明は、従来の方法の上記の欠点を除き、燃
焼装置の運転を停止することなく閉塞が生じたこ
とを軽微なうちに発見し、さらに閉塞解除を行う
ことができる、サイクロンの閉塞防止方法を提供
することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、燃焼炉で発生する排ガスに含まれる
ダストをサイクロンで分離し、該サイクロンのア
ンダーフロー側に設けた圧力遮断機構を経由して
アツシユバンカに排出し、ダストを分離した排ガ
スを熱回収装置を経由して外部に放出するように
した燃焼装置のサイクロンの閉塞防止方法におい
て、前記サイクロンのアンダーフロー側の閉塞の
発生を検知し、前記アツシユバンカのアツシユ取
出口をシール状態に保つたまま、圧力遮断機構を
開き、排ガスを前記サイクロン、アツシユバンカ
を経て前記熱回収装置より下流側の排ガス経路に
バイパスして導き、そのとき生ずるガス流により
閉塞物を取除くことを特徴とするサイクロンの閉
塞防止方法である。

〔作用〕

本願発明は、サイクロンより下流側の熱回収装
置の流路抵抗がかなり大きいことを利用して、サ
イクロンの下部と熱回収装置の下流側とをバイパ
ス流路で連通して短絡し、大部分の排ガスを流路
抵抗の少ないバイパス流路に流し、そのときに生
ずる強いガス流を利用して閉塞を解除するように
したものである。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面を用いて説明する。

第１図において、１は熱分解装置に備えられて
いる、燃焼炉としての流動層式の燃焼塔であり、
発生する排ガスは、サイクロン２，５でダストを
除去し、熱回収装置としての、排ガスボイラ８と
熱交換器９，１０によつて排ガスの温度を下げ、
電気集塵機１４において微小なダストを除去した
後に煙突１５から大気へ放出し、一方、サイクロ
ン２，５で分離捕集されたダストは、サイクロン
２，５のダストホツパ３，６に短時間滞留した後
に、圧力遮断機構を有するダスト抜出し装置７，
４によつてアツシユバンカ１１に貯留され、適宜
アツシユ抜出し装置１３によつて熱分解装置系外
へ搬出する燃焼装置が形成されている。また、ア
ツシユバンカ１１と、熱交換器１０と電気集塵機
１４との間の排ガス経路とを接続するバイパス１
６が設けられており、バイパス１６に設けたバイ
パス弁１２は通常は閉じている。１７は押込ブロ
ワで、サイクロン２，５における排ガスの圧力は
大気圧より大きくなつている。

第２図はサイクロン２，５付近の詳細を示す。
ダスト抜出し装置４，７は二重ダンパ式の圧力遮
断機構としてダンパ２０，２１，２２，２３を備
え、上下のダンパをかわるがわる開閉し、サイク
ロン２，５内の大気圧よりも大きな圧力の排ガス
が、大気圧とほぼ等しいアンダーフロー側に吹抜
けることを防ぎながら、ダストを排出するように
なつている。５０，５１，５２，５３，５４，５
５は温度検出器、５６は制御装置である。

しかして、サイクロン２又は５のアンダーフロ
ー側、即ちダストホツパ３又は６から下方の管路
や装置に閉塞が起こるとサイクロン２，５又はダ
ストホツパ３，６内の温度が上昇するので、所定
の温度を越えたときに閉塞が生じたと判断して制
御装置５６より閉塞信号を発する。即ち、温度検
出器５０，５１，５２，５３，５４，５５及び制
御装置５６により、閉塞を早期に発見することが
できる。

この閉塞信号により、圧力遮断機構を形成する
ダンパ２０，２１，２２，２３とバイパス１６の
バイパス弁１２が開かれると、熱回収装置を経由
する通常の排ガス経路よりバイパス１６の経路の
方が抵抗が小さいので、大部分の排ガスはアンダ
ーフロー側に流れてアツシユバンカ１１に入り、
さらにバイパス１６を経て熱回収装置としての熱
交換器１０の下流側にバイパスされ、電気集塵機
１４を経て煙突１５から排出される。アツシユ抜
出し装置１３内のダンパを閉じるなどして、アツ
シユバンカのアツシユ取出口をシール状態に保
ち、排ガスがアツシユ抜出し装置１３から外部に
漏洩しないようにしておく。

このとき、アンダーフロー側の管路や機器を流
れる排ガスにより、堆積していたダストが吹飛ば
されて閉塞が解消され、アンダーフロー側に流れ
る排ガスのガス流により閉塞物を取除くことがで
きる。

所定時間後、又は、排ガスの流れ状態が正常と
なつて閉塞が解消されたことを、アツシユバンカ
１１内圧力又はバイパス弁１２付近の圧力、或い
はこれらの圧力とサイクロン２，５の内圧との差
圧或いは排ガス流量計などにより検出して判定し
たときにバイパス弁１２を閉じ、圧力遮断機構の
作動を定常の状態に復帰せしめる。

閉塞の発生の検知は次の如く行つてもよい。装
置の運転中に、適当な時期に、所定の時間の間、
圧力遮断機構とバイパス弁１２とを開放する。こ
のときアンダーフロー側に流れる排ガスの流れ状
態を直接又は間接に検知する。閉塞がないときの
正常なアンダーフロー側の排ガス流量を確認して
おき、この正常流量と検出流量とを比較すれば閉
塞の状態がわかり、許容限度を越えていれば閉塞
と判定し、所定時間の間続けて圧力遮断機構とバ
イパス弁１２とを開き排ガスをアンダーフロー側
に流してダストの堆積を除き、閉塞を解消する。

排ガス流れが正常であるかどうかは、流量計に
より直接検知したり、各部の圧力又はそれらの圧
力とサイクロン２，５内の圧力との差圧などによ
り間接的に検知することができる。また、燃焼塔
１の塔頂圧力の変化によつても検知することがで
きる。

また、排ガスの流れにより閉塞の解除作業を行
うとき、ハンマやバイブレータにより振動を与え
ると堆積したダストをくずしたり、固着したダス
トをはがし落とすのに効果がある。

以上は、押込ブロワ１７によつて燃焼塔１及び
排ガス経路の通気を行う場合の実施例であるが、
例えば燃焼塔１が一般の燃焼炉の場合では電気集
塵機１４と煙突１５との間に誘引送風機（図示せ
ず）を設けることも多いが、その場合に閉塞が発
生したときにも、アツシユ抜出し装置１３内のダ
ンパを閉じたままでダンパ２０，２１，２２，２
３とバイパス弁１２を開くと、熱回収装置を経由
する通常の排ガス経路よりバイパス１６の経路の
方が抵抗が小さいので、大部分の排ガスはサイク
ロン２，５からアツシユバンカ１１、バイパス１
６へとガス流となつて流れるので、このガス流に
より閉塞物は効率よく取除かれる。

〔発明の効果〕

本発明により、燃焼装置の運転を停止すること
なく、閉塞を早期に発見し、かつ閉塞物の除去を
短時間内に行い、装置の稼動率を損なうことなく
簡単に確実に閉塞解消を行うことができるサイク
ロンの閉塞防止方法を提供することができ、実用
上極めて大なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は全体の
フロー図、第２図はサイクロン付近の詳細なフロ
ー図である。 １……燃焼塔、２……サイクロン、３……ダス
トホツパ、４……ダスト抜出し装置、５……サイ
クロン、６……ダストホツパ、７……ダスト抜出
し装置、８……排ガスボイラ、９，１０……熱交
換器、１１……アツシユバンカ、１２……バイパ
ス弁、１３……アツシユ抜出し装置、１４……電
気集塵機、１５……煙突、１６……バイパス、１
７……押込ブロワ、２０，２１，２２，２３……
ダンパ、５０，５１，５２，５３，５４，５５…
…温度検出器、５６……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃焼炉で発生する排ガスに含まれるダストを
   サイクロンで分離し、該サイクロンのアンダーフ
   ロー側に設けた圧力遮断機構を経由してアツシユ
   バンカに排出し、ダストを分離した排ガスを熱回
   収装置を経由して外部に放出するようにした燃焼
   装置のサイクロンの閉塞防止方法において、前記
   サイクロンのアンダーフロー側の閉塞の発生を検
   知し、前記アツシユバンカのアツシユ取出口をシ
   ール状態に保つたまま、圧力遮断機構を開き、排
   ガスを前記サイクロン、アツシユバンカを経て前
   記熱回収装置より下流側の排ガス経路にバイパス
   して導き、そのとき生ずるガス流により閉塞物を
   取除くことを特徴とするサイクロンの閉塞防止方
   法。 ２ 前記閉塞の発生の検知が、前記圧力遮断機構
   を所定時間の間開いて排ガスをバイパスさせ、前
   記アンダーフロー側の排ガスの流れ状態により行
   われる特許請求の範囲第１項記載の方法。