JPS6341595B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、モータの回転運動を往復運動に変換
して内刃を駆動する往復動式電気かみそりに関す
るものである。

従来、この種の電気かみそりは、第１図ないし
第７図に示すように設けられている。まず、本体
ケース１内に設けられる本体フレーム２にはモー
タ３が取付けられ、このモータ３のモータ軸には
偏心ピン４を備えた偏心カム５が設けられてい
る。また、前記本体フレーム２の両側には係合溝
６が平行に設けられている。このような係合溝６
に下端が係合される弾性を有する弾性脚７を備え
たコの字形の振動子８が設けられ、この振動子８
の中央には大径部９と小径部１０とよりなる軸１
１が突出形成され、前記小径部１０には圧縮ばね
１２により上方へ付勢され止ピン１３により抜け
止めされた係合子１４が軸方向に移動自在に設け
られ、この係合子１４の周面はテーパー面とされ
ている。また、前記振動子８の裏面には、その長
手方向に直交する向きに長く形成されて前記偏心
ピン４が係合する係合孔１５が形成されている。

ついで、多数の内刃１６が平行に配列された内
刃体１７が設けられ、この内刃体１７の取付台１
８には前記軸１１と嵌合しつつ前記係合子１４が
嵌め込まれる凹部１９が形成され、この凹部１９
の周辺には前記止ピン１３が挿入される切欠２０
が正常な取付位置においてはたがいに直交する方
向に形成されている。

また、前記本体ケース１に着脱自在の外刃ケー
ス２１が設けられ、この外刃ケース２１には前記
内刃１６に接合する外刃２２が取付けられてい
る。

しかして、前記本体ケース１内には、開口２３
より軸１１を突出させつつ振動子８が取付けられ
ている。この振動子８の大径部９に溝２４内に位
置してひげくずの浸入を防止するフエルト２５が
取付けられている。そして、内刃体１７を直交方
向に向けつつ切欠２０に止ピン１３を挿入させた
後に90度戻すと内刃体１７は凹部１９に嵌め込ま
れる係合子１４と止ピン１３とにより挾持され
る。ついで、外刃ケース２１を取付ければ組立は
完了する。

このような状態でモータ３を駆動する偏心カム
５が回転運動をし、偏心ピン４により振動子８は
駆動されて往復運動をする。これにより、内刃体
１７は外刃２２に対して往復運動し、剪毛を行な
う。このときの各部の運動状態を第４図ａ，ｂな
いし第７図ａ，ｂに示す。そして、第５図と第７
図とにおいては弾性脚７が傾斜し、振動子８の高
さは低くなるが、圧縮ばね１２が存することによ
り内刃１６と外刃２２との接触圧が減少すること
はない。

このような従来の構造によると、モータ３と内
刃体１７との間の距離が大きく、その間の運動伝
達もこじれ等が起き易くて振動が大きくなる。し
かも、振動子８と内刃体１７とが往復運動する可
動物になるため、その質量が大きくて、この点か
らも振動は大きくなる。また、その結果、消費電
力も大きいものである。さらに、振動子８と内刃
体１７との連結部品が多いため、振動及び騒音が
増大する。

本発明は上述のような点に鑑みなされたもの
で、振動及び騒音の発生が小さく、さらに、モー
タの回転を振動子に円滑に伝達しうる往復動式電
気かみそりをうることを目的とするものである。

本発明は、内刃体が連結される振動子にその振
動方向と直交する方向に屈撓する弾性片を形成す
るとともにこの弾性片に筒を一体的に形成し、モ
ータ軸の軸心上の周囲を偏心運動する出力軸を振
動子の筒に嵌合させることにより振動子を内刃体
とともに往復動させるが、内刃体を振動子に直接
連結することによりモータと内刃体との間を短か
くし、可動部品の質量を小さくし、これにより、
振動及び騒音の発生を抑制し、消費電力を少なく
し、とくに、偏心運動する出力軸に嵌合する筒を
弾性片とともに一方向へ偏位させることにより筒
の孔と出力軸とを円嵌合させ、かつ、弾性片と筒
とを捩曲自在の柔軟部を介して一体的に形成する
ことにより、出力軸と筒とを常に垂直な軸心をも
つて遊びを有することなく円滑に嵌合させ、さら
に、内刃体と振動子とは外力を受けて浮き沈みす
るが、出力軸と筒とを充分な嵌合深さをもつて嵌
合させることによりモータの動力を無理なく振動
子に伝え、したがつて、モータと振動子との間で
発生する振動及び騒音の発生をきわめて有効に抑
制しうるように構成したものである。

本発明の一実施例を第８図ないし第１４図に基
づいて説明する。まず、本体ケース２６の上方の
支壁２７にはモータ２８が取付けられ、この支壁
２７の開口よりモータ軸２９が突出されてそのモ
ータ軸２９の先端には出力軸である偏心ピン３０
を有する偏心カム３１が固着されている。そし
て、前記支壁２７の上部両側には取付溝３２が形
成されているとともに両側端には圧縮ばね３３で
外方に付勢された係止ピン３４が設けられてい
る。このような係止ピン３４に係合させつつ外刃
３５を備えた外刃ケース３６が着脱自在に設けら
れている。

ついで、弾性のあるプラスチツクスにより振動
子３７が形成されている。この振動子３７は基面
３８とこの基面３８の両側に一体成形された弾性
のある弾性脚３９によりコの字形に形成されてい
るものである。これらの弾性脚３９の下端には前
記取付溝３２に嵌着されるコの字形の取付片４０
が一体形成され、中間部分には内方へ半円状に屈
曲する弾性部４１が形成されている。また、前記
基面３８には、その長手方向に沿つて薄い弾性片
４２が垂直に下方へ延出して一体的に形成され、
その弾性片の中央には前記偏心ピン３０が嵌合す
る孔４３ａを有する筒４３が垂直軸心をもつて一
体的に形成されている。また、弾性片４２には開
口４４が形成され、これにより、筒４３を両持状
態で弾性片４２に連結する柔軟部４５が形成され
ている。さらに、前記基面３８の両端には二個の
孔４５ａが形成されている。

ついで、多数の内刃４６が平行に配列された内
刃体４７が形成され、この内刃体４７には前記孔
４５ａに嵌合する支軸４８が一体的に形成され、
この支軸４８の先端は溶着されて前記内刃体４７
と前記振動子３７とは一体化されている。

このような構成において、振動子３７の筒４３
の孔４３ａに偏心ピン３０を挿入しつつ振動子３
７の取付片４０を取付溝３２に嵌着すると、内刃
体４７は第９図に示すように振動子３７を介して
本体ケース２６に取付けられる。そして、外刃ケ
ース３６を嵌着すれば組立は完了する。このと
き、外刃３５による圧接力により、弾性部４１が
撓んで内刃４６と外刃３５との圧接力は適当な状
態に維持される。

したがつて、剪毛後におけるひげくずの除去は
外刃ケース３６を取りはずすことにより行ない、
必要に応じて内刃体４７も取付溝３２より取付片
４０を取りはずすことにより分解しうる。

しかして、組立状態においてモータ２８を駆動す
ると、偏心カム３１の回転により第１１図ないし
第１４図に示す過程で振動子３７および内刃体４
７は動作する。すなわち、第１１図に示すもの
は、内刃体４７が中心位置にある状態で、偏心ピ
ン３０が幅方向に偏つているため弾性片４２は筒
４３を保持しつつ片方へ曲げられている。このと
き、筒４３と弾性片４２とは柔軟部４５により連
結されていることにより、弾性片４２が湾曲して
も柔軟部４５が変形し筒４３は垂直に維持され
る。この状態から偏心カム３０が90度時計方向に
回転したのが第１２図に示す状態であり、弾性片
４２は筒４３とともに中心に戻つているものの振
動子３７の基面３８は右方向に移動するため内刃
体４７も右方向にスライドする。このとき、弾性
部４１は多少伸びるため、内刃４６と外刃３５と
の圧接力はほぼ一定に維持される。つぎに、偏心
ピン３０が90度回動すると、第１３図に示す状態
になり、内刃体４７は中心位置に戻るとともに弾
性片４２は他方向に曲がる。このときも柔軟部４
５の屈撓作用により筒４３は垂直に維持される。
さらに、偏心ピン３０が90度回動すると、第１４
図に示す状態になり、弾性片４２は中央に戻つて
内刃体４７は左方向に移動する。

このような過程を繰り返しつつモータ２８の回
転運動は往復直線運動に変換されて内刃体４７は
往復運動する。そして、モータ２８から内刃体４
７との間における連結部分は偏心ピン３０と筒４
３の孔４３ａとの一個所であるため、遊びが少な
く騒音が出ない。また、この弾性片４２に支持さ
れた筒４３は弾性脚３９の高さ寸法内に存在し基
面３８から内刃体４７への連結部材が突出しない
ため、モータ２８と内刃体４７との距離が短か
く、これにより、駆動状態が円滑で振動発生の要
因が少ない。とくに、偏心ピン３０と筒４３の孔
４３ａとを常に垂直な軸心をもつて遊びを有する
ことなく円滑に嵌合されることができ、軸心の倒
れによるこじれの発生を防止することができ、振
動子３７が内刃体４７に加わる外力により浮き沈
みしても偏心ピン３０と筒４３とを充分な嵌合深
さをもつて嵌合させることができ、したがつて、
モータ２８と振動子３７との間で発生する振動及
び騒音の発生をきわめて有効に抑制することが可
能である。

本発明は上述のように構成したことにより、内
刃体と振動子とを直接連結することにより、モー
タと内刃体との間を短かくし、したがつて、可動
部品の質量を小さくし、振動及び騒音の発生を抑
制するとともに消費電力を少なくすることがで
き、とくに、偏心運動する出力軸に嵌合する筒を
弾性片とともに一方向へ偏位させることにより筒
の孔と出力軸とを円嵌合させることができ、かつ
弾性片の屈撓時に柔軟部の捩曲作用により筒を出
力軸とともに垂直な軸心に維持して嵌合部のこじ
れを防止し遊びを有することなく円滑に嵌合させ
ることができ、さらに、出力軸と振動子の筒とは
軸方向に相対移動しても充分な嵌合深さをもつて
モータの動力を確実に無理なく伝達することがで
き、したがつて、モータと振動子との間で発生す
る振動及び騒音をきわめて有効に抑制しうる等の
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例を示す分解斜視図、第２図
は内刃体の背面を示す斜視図、第３図は振動子の
背面を示す一部を切欠いた斜視図、第４図ａ，ｂ
ないし第７図ａ，ｂは動作過程を示す縦方向およ
び水平方向の断面図、第８図は本発明の一実施例
を示す分解斜視図、第９図は外刃ケースを取りは
ずしたときの縦断側面図、第１０図は組立状態の
縦断側面図、第１１図ａ，ｂないし第１４図ａ，
ｂはその動作過程を示す縦方向および水平方向の
断面図である。 ２６…本体ケース、２８…モータ、２９…モー
タ軸、３０…偏心ピン（出力軸）、３７…振動子、
４２…弾性片、４３…筒、４３ａ…孔、４５…柔
軟部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体ケースにモータに連結されてそのモータ
   軸の軸心上の周囲を偏心運動する出力軸を設け、
   内刃体と直接連結されるとともに前記本体ケース
   に支持されて前記内刃体とともに直線方向に往復
   動する振動子を設け、前記振動子にその往復動方
   向に沿わせて形成されるとともにその往復動方向
   と直交する方向に屈撓する薄い弾性片を設け、こ
   の弾性片の中間部に開口を形成し、前記弾性片に
   その弾性片との間で捻曲する柔軟部を介して両持
   状態で前記開口位置で連結された筒を設け、この
   筒に前記出力軸が嵌合する孔を形成したことを特
   徴とする往復動式電気かみそり。