JPS6341371Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、粉体を圧縮空気を用いて輸送する空
気輸送装置に係り、さらに詳しくは、空気輸送装
置中に分岐管を設けることで、従来よりも幅広い
能力範囲での運転ができるように構成した空気輸
送装置に関するものである。

従来においては、空気輸送装置は、１台の装置
で２個のタンクを使用しており、また、輸送配管
も装置１台に対して１系統であつた。また、輸送
に用いるコンプレツサも一定の能力のものを用い
ていた。そのため、コンプレツサの能力に基づい
た一定の能力でしか粉体の輸送ができず、その能
力の50％以下の能力範囲での運転は不可能であつ
た。

本考案は、以上のような従来の欠点を改良する
ためになされたもので、空気輸送装置の複数個の
タンクの各出口部に分岐管を設けることにより、
数種類の能力で粉体を輸送できるように構成した
空気輸送装置を提供することを目的としている。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳
細に説明する。

図は本考案の一実施例を説明するものである。
第１図は本考案の一実施例の構成を示す概略構成
図である。第１図において、符号１で示すものは
コンプレツサであり、コンプレツサ１は、例え
ば、内燃機関９の出力軸に連結していて、内燃機
関９の回転数を変えてその回転数を適宜変え、ま
た、コンプレツサ１用のサクシヨン弁１０の絞り
を適宜変えることにより、圧縮空気の吐出容量を
数段階に切換えることのできるものにした。符号
２，２ａで示すものはタンクである。コンプレツ
サ１とタンク２は配管ａ，ｂで接続されており、
コンプレツサ１とタンク２ａは配管ａ，ｃで接続
されている。符号３で示すものは吐出管である。
また、符号４で示すものは分岐管である。吐出管
３はタンク２と分岐管４とを接続している。符号
６および符号８で示すものは輸送配管であり、輸
送能力を違わせるために、輸送配管６と輸送配管
８は口径が異なつている。

分岐管４は二股に分かれており、その吐出口の
うちの一方は輸送配管６へ、他方は輸送配管８へ
と接続されている。

符号５，７で示すものは出口弁である。出口弁
５は分岐管４と輸送配管６の間に、また、出口弁
７は分岐管４と輸送配管８の間にそれぞれ設けら
れている。

符号３ａで示すものはタンク２ａ用の吐出管、
符号４ａで示すものは分岐管であり、吐出管３ａ
はタンク２ａと分岐管４ａとを接続している。分
岐管４ａを分岐管４と同様に二股に分かれてお
り、その吐出口のうちの一方は輸送配管６へ、他
方は輸送配管８へ接続されている。

分岐管４ａと輸送配管６の間には出口弁５ａ
が、また、分岐管４ａと輸送配管８の間には出口
弁７ａが、それぞれ設けられている。

第２図に示すものは分岐管４，４ａの断面図
で、管体Ａの側面に穴をあけ、管体Ｂを取付けた
状態の二股構造となつている。管体Ａと管体Ｂ
は、管径が大小に区別されている。

即ち、分岐管４，４ａは、その吐出口を管径の
大きい管体Ａと管径の小さい管体Ｂとで構成され
たものとなつている。

このように、本実施例の空気輸送装置は、タン
ク２の吐出管３に設けた分岐管４と、タンク２ａ
の吐出管３ａに設けた分岐管４ａのそれぞれ管径
の同じ側の吐出口を出口弁５，５ａ，７，７ａを
介して集合させて管径の異なる２本の輸送配管
６，８を形成させたものである。

出口弁５，５ａ，７，７ａおよびサクシヨン弁
１０には、例えば、電磁開閉弁を用い、出口弁
５，５ａ，７，７ａの開閉装置は、内燃機関９の
回転数調整装置やサクシヨン弁１０の開閉装置と
電気的に連動されており、輸送する粉体流量に応
じて、内燃機関９の回転数を適宜調整し、それに
応じて開く出口弁５，５ａ，７，７ａの選択およ
びサクシヨン弁１０開動作を自動的に制御しうる
ようにしてある。

次に、以上のように構成された本実施例の操作
について説明する。

コンプレツサ１の圧縮空気の吐出容量を２段階
に切換えるようにして、輸送配管６の系統で運転
する場合は、電気的な指令により、出口弁７，７
ａを閉じ、出口弁５，５ａを開き、コンプレツサ
１からの圧縮空気をタンク２，２ａに同時に供給
し、タンク２内の粉体は吐出管３、分岐管４、出
口弁５を介して、タンク２ａ内の粉体は吐出管３
ａ、分岐管４ａ、出口弁５ａを介して、いずれも
輸送配管６を通して輸送する。この場合、後記の
輸送配管８の系統で運転する場合よりも大きい能
力の輸送が可能となる。なお、コンプレツサ１の
圧縮空気の吐出容量も後記の輸送配管８の系統で
運転する場合よりも多容量に切換えることにな
る。

また、輸送配管８の系統で運転する場合は、即
ち、前記の場合よりも小さい能力で輸送する場合
には、コンプレツサ１の圧縮空気の吐出容量を前
記の場合よりも小容量に切換え、出口弁５，５ａ
を閉じ、出口弁７，７ａを開く。そして、前述と
同じような要領で、タンク２，２ａ内の粉体を輸
送配管８を通して輸送する。

これらの指示、作動は、すべて、電気的な操作
により、自動制御によつて行なう。

なお、粉体輸送を行う場合、輸送管中における
粉体の閉塞現象を防止して、より少ない空気量で
より多くの粉体を輸送することが最大の目的とな
るが、そのためには管内流速をある範囲内にする
必要がある。このため、この場合のように管径の
異なる輸送配管系統を形成し、それぞれの管径に
対応させた空気量で粉体の輸送を行わせることに
より、１台の装置で数種類の粉体輸送能力を最適
効率で発揮させることが可能となるのである。

また、輸送配管６，８からの輸送能力をもつと
多段に切換えて行ないたいときは、つぎのように
して行なうこともできる。

コンプレツサ１の圧縮空気の吐出容量は多段階
に切換えるようにしておく。

まず、タンク２内の粉体を輸送配管６を通して
輸送する場合は、出口弁７，７ａを閉じ、出口弁
５ａも閉じ、出口弁５のみを開いて、コンプレツ
サ１からの圧縮空気をタンク２へ供給し、吐出管
３、分岐管４、出口弁５、輸送配管６を通して粉
体を輸送する。また、タンク２ａ内の粉体を輸送
配管６を通して輸送する場合は、逆に、出口弁５
を閉じ、出口弁５ａを開いて行なう。両方のタン
ク２，２ａ内の粉体を同時に輸送配管６を通して
輸送する場合は、出口弁５，５ａの両方を開いて
行なう。

また、タンク２内の粉体およびタンク２ａ内の
粉体を輸送配管８を通して輸送する場合は、前述
と同じような要領で、出口弁５，５ａを閉じ、出
口弁７，７ａどちらか一方または両方を開いて３
段階の能力から適宜選んで行なう。

無論、これらの指示、作動は、すべて、電気的
な操作により、自動制御によつて行なう。

本実施例では、以上のように構成されていて操
作されうるので、１台の空気輸送装置を従来より
幅広い能力で運転することが可能である。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、１台の空気輸送装置で必要に応じて能力を変
えられるため、従来の２台の輸送装置より安価
で、また無駄なエネルギを使わずに済むことか
ら、省エネルギ、省費用の空気輸送装置を実現す
ることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を説明する概略構成
図、第２図は分岐管の縦断面図である。 １……コンプレツサ、２，２ａ……タンク、
３，３ａ……吐出管、４，４ａ……分岐管、５，
５ａ，７，７ａ……出口弁、６，８……輸送配
管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉体を貯蔵した複数個のタンクと、このおのお
   ののタンクの吐出管に管径が異なつた複数個の吐
   出口を有する分岐管をそれぞれ設け、前記それぞ
   れの分岐管の管径の同じ側の吐出口を集合させる
   ことによつてそれぞれ管径の異なる複数個の輸送
   配管を形成し、前記分岐管の吐出口と前記輸送配
   管が形成される点との間に弁を設けるとともに、
   圧縮空気の吐出容量を可変自在なコンプレツサの
   吐出口と前記複数個のタンクのおのおのの吐出管
   とを接続することによつて、１台の装置によつて
   数種類の粉体輸送能力で運転することができるよ
   うに構成したことを特徴とする空気輸送装置。