JPS6341232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、管状ガラス容器内に２つの電極を有
し、少くとも一方の電極は巻かれた状態で前記の
容器内に挿入された後前記の容器に弾性的に掛合
する金属箔を以つて構成して成るガス放電レーザ
に関するものである。

上述したようなガス放電レーザは公開されてい
るオランダ国特許出願第6707615号明細書（特公
昭46−5623号公報に相当）に記載されており既知
であり、この場合、金属箔が巻かれた状態でレー
ザの放電管を構成する容器内に挿入され、その後
にこれらの金属箔が釈放され容器の内壁に弾性的
に対接するようにしている。この場合、剛性円筒
状電極をばね、ピン或いはその他の連結部材によ
つて容器内に固定するようにした米国特許第
3616027号、第3801929号および第3942133号明細
書に記載されているような構成に比べて、構成が
簡単且つ廉価となる。しかし、弾性的に対接する
金属箔より成る前述した電極は、発生されるビー
ムの方向を極めて一定にする必要があるレーザに
は用いることができないという欠点がある。すな
わち、上述した金属箔電極を陰極として有するレ
ーザは熱的に不安定となり、これにより、発生さ
れるレーザビームの方向が常に変化するというこ
とを確かめた。

本発明の目的は、熱的不安定性を生じることな
く前述したような金属箔の陰極を用いうるように
し、ビームがレーザからほぼ一定な方向に生じる
ようにしたレーザを提供せんとするにある。

本発明は管状ガラス容器内に２つの電極を有
し、少なくとも一方の電極は巻かれた状態で前記
の容器内に挿入された後前記の容器に弾性的に掛
合する金属箔を以つて構成して成るガス放電レー
ザにおいて、前記のガス放電レーザが前記の容器
の軸線に沿つて離間した少くとも２つの平面内で
円周的に配置した複数の点で所定の位置に間隔子
部材を有し、前記の金属箔が前記の間隔子部材に
おいてのみ前記の容器と掛合し、前記の金属箔の
残部が前記の容器の内壁から円周的にほぼ均一に
離間されるようにしたことを特徴とする。

本発明によれば、陰極はもはや極めて不確定に
ガラスに掛合することがない為、レーザは熱的に
極めて安定となり、レーザの作動中に発生するレ
ーザビームの方向の変化はもはやほとんど生じな
い。その理由は、輻射により電極から容器に伝達
される熱はほぼ回転対称となり、熱伝導による熱
伝達は間隔子部材を介してのみ行なわれる為であ
る。

本発明の一実施例では、前記の間隔子部材が、
前記の金属箔の内面を局部的にくぼますことによ
り形成したこの金属箔の局部的外方突起部を有す
るようにする。

本発明の他の実施例では、前記の間隔子部材
が、前記の金属箔の内面に溝をプレス成形するこ
とにより形成したこの金属箔内の外方突出円周突
条部を有するようにする。

前記のオランダ国特許出願第6707615号明細書
においては、電極が容器の内壁およびこの中に設
けられた電気的なリードスルーを押圧するように
している。本発明の例のガス放電レーザにおいて
は、電気的接続を上記のオランダ国特許出願明細
書と同様に、すなわち金属箔における突起部の少
くとも１つが電気的なリードスルーと接触するよ
うにして行なう。

本発明の更に他の実施例では、前記の間隔子部
材が容器の内壁上の多数の内方突出いぼ状突起部
を有するようにする。

突起部は例えば多数の局部的な突起部或いは２
つの円周状突条部とすることができる。

容器の内壁における突起部の１つを以つて電気
的なリードスルーを構成することができる。接点
ばね或いは導線接続により既知のようにして金属
箔電極との電気接触を達成することもできること
勿論である。

図面につき本発明を説明する。

第１図に示すレーザは管状容器１を有し、この
容器１はその中にレーザ細管２を有する。容器１
はその両端で金属端板３および４によりそれぞれ
封止し、これら端板の中心に孔をあけ、これらの
孔内に２つの管区分５および６をそれぞれ取付
け、これらの管区分５および６には、２つの反射
器９および１０をそれぞれ有する２つの反射器支
持体７および８をそれぞれ取付ける。上記の反射
器は多層ミラーとし、これらのミラーの光軸をレ
ーザ細管の軸線１１上に位置させ、これらのミラ
ーがレーザ共振器を構成するようにする。容器１
内には混合ガス、例えばHeおよびNeの混合ガス
を入れる。更に容器１内には金属箔陰極１２を入
れる。陽極は金属端板４を以つて構成する。金属
箔陰極１２は局部的に外方に突出する２組の突起
部１３を有し、これらの突起部１３は金属箔陰極
１２の円周の囲りに互いに規則的な間隔で配置さ
せ、これらの突起部により金属箔陰極の残部が容
器のガラス壁に掛合しないようにする間隔子部材
を構成するとともに回転対称的な熱伝達が行なわ
れるようにする。これら突起部の１つは容器の壁
部内の金属製電気リードスルー１４を押圧するよ
うにする。

第２図は本発明によるガス放電レーザの他の例
の一方の端部を示す断面図である。本例の場合、
間隔子部材は陰極１２における２つの円周突条部
１５を以つて構成する（これら円周突条部のうち
の一方のみを第２図に示す）。この場合、陰極を
金属端板３および導電細条１６を経て電源に電気
接続する。

第３図は本発明によるガス放電レーザの更に他
の例の一方の端部を示す断面図である。本例の場
合、間隔子部材は容器の内壁から内方に突出する
いぼ状部の形態の多数の局部的突起部１７を以つ
て構成し、これらの突起部を陰極が押圧するよう
にする。これらの突起部の１つを金属突起部１８
とし、この金属突起部１８が電気的なリードスル
ーを構成するようにする。

第４図は本発明によるガス放電レーザの更に他
の例の一方の端部のみを示す断面図である。本例
の場合、間隔子部材を容器の内壁上の数個の同軸
突条部１９を以つて構成する（これらの突条部の
１つのみを第４図に示す）。この場合、陰極への
電気接続は第２図と同様に行なう。

本発明によれば、レーザが安定となり、従つて
本発明レーザは、レーザビームにより記録担体を
読取る装置に用いるのに、或いはレーザビームに
より正確な溶接作業を行なう装置に用いるのに適
している。

本発明は陰極に対してのみ適用するのに限定さ
れるものではない。例えばCO₂レーザの場合には
陽極を前述したように構成することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガス放電レーザの一例を
示す縦断面図、第２〜４図は本発明によるガス放
電レーザの他の三例の一部を示す縦断面図であ
る。 １……管状容器、２……レーザ細管、３，４…
…金属端板、５，６……管区分、７，８……反射
器支持体、９，１０……反射器、１２……金属箔
陰極、１３，１７……突起部、１４……リードス
ルー、１５……円周突条部、１６……導電細条、
１９……突条部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管状ガラス容器内に２つの電極を有し、少く
   とも一方の電極は巻かれた状態で前記の容器内に
   挿入された後前記の容器に弾性的に掛合する金属
   箔を以つて構成して成るガス放電レーザにおい
   て、前記のガス放電レーザが前記の容器の軸線に
   沿つて離間した少くとも２つの平面内で円周的に
   配置した複数の点で所定の位置に間隔子部材を有
   し、前記の金属箔が前記の間隔子部材においての
   み前記の容器と掛合し、前記の金属箔の残部が前
   記の容器の内壁から円周的にほぼ均一に離間され
   るようにしたことを特徴とするガス放電レーザ。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のガス放電レー
   ザにおいて、前記の間隔子部材が、前記の金属箔
   の内面を局部的にくぼますことにより形成したこ
   の金属箔の局部的外方突起部を有するようにした
   ことを特徴とするガス放電レーザ。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載のガス放電レー
   ザにおいて、前記の間隔子部材が、前記の金属箔
   の内面に溝をプレス形成することにより形成した
   この金属箔内の外方突出円周突条部を有するよう
   にしたことを特徴とするガス放電レーザ。 ４ 特許請求の範囲第２項または第３項に記載の
   ガス放電レーザにおいて、前記の間隔子部材の少
   なくとも１つが前記の容器の壁部中の電気的リー
   ドスルーと接触するようにしたことを特徴とする
   ガス放電レーザ。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載のガス放電レー
   ザにおいて、前記の間隔子部材が、前記の容器の
   内壁上の内方突起部を有するようにしたことを特
   徴とするガス放電レーザ。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載のガス放電レー
   ザにおいて、前記の突起部を２つの円周状突条部
   としたことを特徴とするガス放電レーザ。 ７ 特許請求の範囲第５項または第６項に記載の
   ガス放電レーザにおいて、前記の突起部の少なく
   とも１つが電気的なリードスルーを有するように
   したことを特徴とするガス放電レーザ。