JP2740741B2 - ガス放電管 - Google Patents
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Description
マトグラフィーなどの紫外線光源等として用いられるガ
ス放電管に関する。
アーク放電による陽光柱発光を利用する放電光源であ
る。ガス放電管の代表的な例として、封入された重水素
の放電により紫外光を発する重水素放電管がよく知られ
ている。この重水素放電管では、その主な用途が分光光
度計等に用いる紫外用連続スペクトル光源であるため、
長時間の連続点灯において0.01%、0.001%と
いった微妙な出力変動が問題になる等から、多くの場合
厳しい特性が要求される。
ついて、図13ないし図15を参照して簡単に説明す
る。なお、このガス放電管は、管側部より光を取り出す
サイドオン型に構成された重水素放電管である。
では、アーク放電の発生によって光を取り出す発光部8
0がガラス製の外囲器71の内部に収容されており、
(図示しない)重水素ガスが圧力数Torr程度を有し
て外囲器71の内部に封入されている。この発光部80
は、金属製の放電遮蔽箱によって構成され、ステム72
によってマウントされているとともに、リードピン73
〜76を介して(図示しない)外部電源と接続されてい
る。
80では、ともに金属製の放電遮蔽後板81、放電遮蔽
下板82、放電遮蔽上板83、収束電極84、前面窓電
極85及び陰極スリット86から放電遮蔽箱が組み立て
られている。この放電遮蔽箱の内部には、熱電子を放出
する熱陰極88、熱電子を受容する陽極87及び両極間
に発生するアーク放電を収斂する収束電極84は、リー
ドピン73〜76以外とは接しない形態、すなわちフロ
ーティング形態で収容されている。
ついて説明する。
後の電力を供給することにより、熱陰極88が予熱され
る。この熱陰極88が十分に加熱された後に、熱陰極8
8と陽極87との間に150V程度の直流開放電圧を印
加する。このようにアーク放電の準備が整ったときに、
熱陰極88と陽極87との間に350〜500Vのトリ
ガ電圧を印加することにより、アーク放電が開始する。
このとき、矢印90の方向に進行する熱電子の流路は、
収束電極84による収斂効果及び放電遮蔽箱による遮蔽
効果によって、放電路91ただ一つに限定される。即
ち、熱陰極88より放出された熱電子は、収束電極84
により収斂された放電路91を通り、陽極87に受容さ
れる。ここで、アーク放電による高密度放電領域として
アークボール92が、収束電極84の前部空間において
陽極87と反対側に生じる。そのため、このアーク放電
により生ずる陽光柱発光から取り出される紫外光は、陽
極87の前方、すなわち矢印93の方向に投光される。
一つの例として、外囲器を兼ねる放電容器がセラミクス
から成るものも知られている。このガス放電管は陽極側
から紫外光を取り出す型式のものであり、熱陰極、陽極
及び収束電極がリード線以外とは接しないフローティン
グ形態でセラミクス製の放電遮蔽箱の内部に収容されて
いる。なお、このような重水素放電管の一例としては、
公報「特開平4−255662号」がある。
来のガス放電管では、陽極及び収束電極はそれぞれフロ
ーティング形態で放電遮蔽箱内に包含され、両極間の絶
縁状態は陽極と収束電極との間に空間をとることにより
維持されている。このため、長時間の発光を行うと、陽
極は熱電子の受容によって発熱し、収束電極も陽イオン
の衝突によって発熱するため、陽極及び収束電極自身は
かなりの高温になる。このとき、陽極及び収束電極の温
度が1000℃を越える場合もあり、電極自体は残留応
力により変形することもある。フローティング形態で設
置された陽極及び収束電極が高温下で変形すれば、予め
所望の間隔に設定されていた熱陰極と陽極との間の距離
が変化するので、収束電極と陽極との間において、熱電
子の流路が変形してしまう。したがって、アーク放電の
状態が不安定になり、放電管の発光の安定性を損ねる原
因になる。また、陽極の損失が増大するため、放電管の
寿命を短縮させる原因にもなっていた。
る動作の安定性を向上でき、かつ長い寿命を有するガス
放電管を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、熱電子を放出する熱陰極
と、この熱陰極から放出された熱電子を受容する陽極
と、熱電子の経路を収斂する収束開口を有する収束電極
と、収束開口よりも大きい内径でかつ同軸上に配置した
貫通穴を有し、この貫通穴の背面側に位置する第1の開
口縁部に陽極を接触して設置させると共に、貫通穴の前
面側に位置する第2の開口縁部に収束電極を接触して設
置させる電気絶縁性の放電遮蔽板と、を収容する外囲器
を備え、第1の開口縁部の少なくとも2箇所を陽極の周
縁に接合させ、第1の開口縁部の他の部分を陽極の周縁
に合致させたことを特徴とする。
電気絶縁性の支持板を設置し、この支持板は、陽極に対
向する表面に凹部を有すると共に、凹部の周辺領域に第
1の開口縁部と陽極との接合部分を押圧する凸部を有
し、陽極を支持板と放電遮蔽板とで挟持することを特徴
としてもよい。
共に第1の開口縁部をもった窪み部を有し、この窪み部
は、支持板の凸部の高さと陽極の厚さとの和に一致する
深さを有し、支持板の前面に形成した外周縁部を放電遮
蔽板の背面に当接させたことが好適である。
コーナ部分を窪み部の底面に当接させ、支持板の円柱状
凸部と窪み部の底面との協働により、陽極を固定させた
ことが好適である。
れセラミクスで形成したことがより望ましい。
電極及び陽極の間にアーク放電が発生する際には、陽極
は熱電子の受容によって発熱し、収束電極も陽イオンの
衝突によって発熱する。陽極及び収束電極は、放電遮蔽
板の貫通穴の第1及び第2の開口縁部にそれぞれ接触し
て設置されているので、これら両電極間の絶縁距離を放
電遮蔽板によって維持させることができる。
所は陽極の周縁に接合しており、第1の開口縁部の他の
部分は陽極の周縁に合致していることから、陽極の表面
を放電遮蔽板の貫通穴から最大限に露出させている。そ
のため、陽極及び収束電極の放熱を促進させ、放電遮蔽
板を構成する電気絶縁性の材料における熱伝導率が一般
に小さくとも、陽極及び収束電極の近傍空間の温度を比
較的低温に維持することができる。
を挟んで保持する場合、支持板の複数個の凸部を利用す
ることにより、陽極の表面を最大限に露出させ、支持板
の凹部を設けることにより、陽極の放熱スペースを確保
している。そのため、陽極及び収束電極の放熱がいっそ
う促進されるので、陽極及び収束電極の近傍空間の温度
を従来よりもかなり低温に維持させることができる。
作用について、図1ないし図7を参照して詳細に説明す
る。なお、本実施例のガス放電管は、管側部より光を取
り出すサイドオン型の重水素放電管である。
ラス製の外囲器11の内部には、発光部20が収容され
ているとともに、重水素ガス(図示しない)が数Tor
r程度封入されている。頂部を封止して円筒状に成形さ
れた外囲器11の底部は、ガラス製のステム12によっ
て気密に封止されている。なお、外囲器11は、良好な
紫外線透過率を有する紫外線透過ガラスや石英ガラスな
どから形成されている。
13〜16が、それぞれ発光部20の底部から延びてス
テム12を貫通し、それぞれ絶縁材130,140,1
50,160に被覆されて外部電源(図示しない)に接
続されている。発光部20は、セラミクス製の放電遮蔽
板(スペーサ)21を挟んでセラミクス製の支持板22
と金属製の前面窓電極23とを貼り合わせた遮蔽箱構造
に組み立てられている。
て、図2ないし図7を参照して説明する。
角柱をなす支持板22には、縦貫通穴220と、凹型溝
221〜223と、凹部224と、4個の凸部225
と、4個の横貫通穴226とが形成されている。縦貫通
穴220は、断面凸状の支持板22後方の隆起部22A
を上下方向に貫通している。凹型溝221、凹部224
及び凹型溝222,223は、前方の平板部22Bの表
面から陥没形成されると共に、外囲器11の底部に向か
って順次延びることで、リードピン14及び絶縁材14
1を適切に収容することができる。4個の凸部225
は、陽極24の各コーナに対峙させるために、凹型溝2
21,222の開口縁部に近接して2個ずつ平板部22
Bの表面から突出している。4個の横貫通穴226は、
水平方向に延在し、上端部及び下端部において2箇所ず
つ貫通している。
するリードピン13と、凹部溝221〜223に収容さ
れたリードピン14とを介してステム12に保持されて
いる。矩形平板状に成形された陽極24は、リードピン
14の先端に溶接して固定され、4個の凸部225によ
って裏面から支持されている。この陽極24の後方に
は、陽極24の表面積に略匹敵した開口をなす凹部22
4により、放熱スペースが確保されている。
された放電遮蔽板21は、支持板22と比較して薄型か
つ幅広の断面凸状をなすと共に、貫通穴210と、凹部
211と、縦貫通穴212と、4個の横貫通穴213
と、2個の横貫通穴214と、4個の横貫通穴215と
を有している。貫通穴210は、陽極24に対峙させる
ために、略中央に貫通している。窪み部211は、陽極
24を収容するために、放電遮蔽板21の背面において
平板部22Aの表面から陥没すると共に、貫通穴210
の背面側に位置する第1の開口縁部を含んでいる。縦貫
通穴212は、前方の隆起部22Bを貫通している。4
個の横貫通穴213は、水平方向に延在し、支持板22
の4個の横貫通穴226に対峙している。なお、放電遮
蔽板21における2個の横貫通穴214は、後述する陰
極スリット27の係止爪271を収容する位置に形成さ
れ、4個の横貫通穴215は、後述する前面窓電極23
の係止爪231を収容する位置に形成されている。
片側は、縦貫通穴212を挿通させると共に、この下端
を放電遮蔽板21から露出させることにより、リードピ
ン15の先端を溶接させることができる。したがって、
電極棒216を介して放電遮蔽板21をステム12に保
持されることができる。また、熱陰極(フィラメント)
25の両端には、それぞれ電極棒250,251が溶接
され、電極棒250の先端を電極棒216に溶接し、電
極棒251の先端をリードピン16の先端に溶接するこ
とで、熱陰極25をステム12に保持させることができ
る。
た矩形の陽極24は、放電遮蔽板21の窪み部211に
収容され、陽極24の各コーナ部分は、放電遮蔽板21
の窪み部211の底面と支持板22の4個の凸部225
との協働によって挟持されている。丸みを帯びた略矩形
状の貫通穴210には、陽極24の4辺の大部分が合致
し、その第1の開口縁部の他の部分は陽極24の4コー
ナ部分に接合している。円形の表面を有する4個の凸部
225は、陽極24の4コーナ部分と接合し、陽極24
を押圧している。特に図7に示すように、矩形の窪み部
211は、4個の凸部225の高さと陽極24の厚さと
の和に一致した深さを有し、結果的に、支持板22の前
面に形成した外周縁部を放電遮蔽板21の背面に当接さ
せることができる。
属板を折り曲げ成形した収束電極26には、開口260
及び4個の横貫通穴263が形成されている。収束開口
260は、放電遮蔽板21の貫通穴210と同軸上に配
置されている。この開口260の周辺領域には、開口径
を制限する開口制限板261が溶接されている。開口制
限板261には、開口260を通過するように陽極24
に向かって屈曲された収束開口262が形成されてい
る。4個の横貫通穴263は、収束電極26の厚さ方向
に延在すると共に、放電遮蔽板21の4個の横貫通穴2
13に対峙している。
起部21B上に当接設置され、後方に折り曲げられた先
端部26Bと支持板22から突出させたリードピン13
の先端との溶接により、収束電極26は、放電遮蔽板2
1及び支持板22に固定されている。なお、この開口制
限板261と陽極24との間の距離は、放電遮蔽板21
の厚さよりも小さくなっている。ここで、放電遮蔽板2
1、支持板22及び収束電極26の各横貫通穴226,
213,263はそれぞれ一直線状に整列している。し
たがって、放電遮蔽板21、支持板22及び収束電極2
6を貼り合わせた状態において、4本の金属製のリベッ
ト28を差込むことにより、これらを一体としてステム
12に固定させることができる。
の陰極スリット27は、放電遮蔽板21の段差領域の形
状に対応して3段に折り曲げられ、開口270及び2個
の係止爪271を有している。縦長矩形状に成形された
開口270は貫通している。陰極スリット27の上端及
び下端に成形された2本の係止爪271は、後方に折り
曲げられている。
すると共に放電遮蔽板21の一側方の前面上に設置さ
れ、2本の係止爪271を放電遮蔽板21の2個の横貫
通穴214に差し込むことにより、放電遮蔽板21に固
定されている。なお、開口270は、熱陰極25と開口
制限板261との間に配置されている。
折り曲げた断面略U字型をなすと共に、開口窓230及
び4個の係止爪231をも有している。矩形状に形成さ
れた開口窓230は、収束電極26の収束開口262と
同軸上に配置されている。前面窓電極23の両側端の上
部及び下部に成形された4本の係止爪231は、後方に
向かって突出している。なお、開口窓230は、収束開
口262の前方空間から紫外線を投光する位置に配置さ
れている。
前面の両側に設置され、4本の係止爪231を放電遮蔽
板21の4個の横貫通穴215に差し込むことにより、
放電遮蔽板21に固定されている。そして、陰極スリッ
ト27の前端を前面窓電極23の内面に接触させること
により、熱陰極25を配置させる空間とアーク放電を発
生させる発光空間とを分離させることができる。
(図示しない)から10W前後の電力を供給することに
より、熱陰極25に所定の定格電圧が印加され、熱陰極
25は予熱される。この熱陰極25が十分に加熱された
後に、熱陰極25と陽極24との間に150V程度の直
流開放電圧を印加する。
に、熱陰極25と陽極24との間に350〜500Vの
トリガ電圧を印加することにより、熱陰極25、収束電
極26及び陽極24の間にアーク放電が開始する。この
とき、矢印30の方向に進行する熱電子の流路は、収束
電極26の開口制限板261による収斂効果と、陰極ス
リット27及び前面窓電極23による遮蔽効果によっ
て、放電路31ただ一つに限定される。即ち、熱陰極2
5から放出された熱電子は、陰極スリット27の収束開
口270から開口制限板261の収束開口262を通過
し、放電遮蔽板21の貫通穴210を通って陽極24に
至って受容される。
域としてアークボール32が、開口制限板261の前部
空間において陽極24と反対側に発生する。そして、こ
の陽光柱発光としてのアークボール32から取り出され
る紫外光は、陽極24の前方方向、すなわち矢印33の
方向に出射され、開口窓230を通って投光される。
電遮蔽板21を介在してそれぞれ貫通穴210の両開口
縁部に接触して設置されている。そのため、これら両極
間の絶縁状態が、放電遮蔽板21の構成材料の絶縁性に
よって維持されている。アーク放電の発生時において、
陽極24は熱電子30の受容によって発熱し、収束電極
26も陽イオン(図示しない)の衝突によって発熱す
る。
10は、陽極24の表面をほとんど塞がず陽極24の表
面を最大限に露出させている。また、支持板22の凸部
225が、陽極24の裏面にほとんど接触せず陽極24
の裏面を最大限に露出させ、支持板22の凹部224が
陽極24の後方スペースを拡張させている。そのため、
陽極24及び収束電極26の放熱が促進され、放電遮蔽
板21及び支持板22を構成する電気絶縁性の材料がも
つ熱伝導率が一般に小さくとも、陽極24及び収束電極
26の近傍空間の温度を比較的低温に維持させることが
できる。
は、高温状態における残留応力による構成材料の変形
や、蒸発またはスパッタ現象による構成材料の損失など
の発生が低減する。すなわち、両電極間の距離の変動や
通電の発生によってアーク放電の状態が不安定になった
り、両極の構成材料の損失によってアーク放電の発生が
困難になったりすることが起こりにくくなる。したがっ
て、長時間の連続発光による動作時においても陽極24
及び収束電極26の位置は精度よく保持されるので、長
時間に亘り連続的に安定した動作が実現される。
作用について、図8ないし図12を参照して詳細に説明
する。なお、本実施例の放電管は、管頂部より光を取り
出すヘッドオン型の重水素放電管である。
ガラス製の外囲器41の内部に、発光部50が収容され
ているとともに、重水素ガス(図示しない)が数Tor
r程度封入されている。頂部を封止して円筒状に成形さ
れた外囲器41の底部は、ガラス製のステム42によっ
て気密に封止されている。なお、外囲器41は、良好な
紫外線透過率を有する紫外線透過ガラスや石英ガラスな
どから形成されている。
44〜49が、それぞれ発光部50の底部から延びてス
テム42を貫通し、それぞれ絶縁材440〜490に被
覆されて外部電源(図示しない)に接続されている。ス
テム42には、外囲器41の内部に排気及びガス封入を
行うために、チップ管332が取り付けられ、このチッ
プ管232は外部に向かって伸びて気密に封止されてい
る。発光部50は、セラミクス製の放電遮蔽板(スペー
サ)51を挟んでセラミクス製の支持板52と金属製の
前面窓電極53とを貼り合わせた遮蔽箱構造として組み
立てられている。
て、図9ないし図12を参照して説明する。
方に開放された円筒状に成形された支持板52には、6
個の縦貫通穴520〜525と、凹部526と、4個の
凸部527とが形成されている。6個の縦貫通穴520
〜525は、支持板52の円形の断面に対して略垂直方
向に貫通している。凹部526は、中央の表面から陥没
している。4個の凸部527は、凹部526の開口縁部
に近接して表面から突出している。
周領域で上下方向に貫通した縦貫通穴520〜525を
挿通するリードピン44〜49を介し、ステム42に保
持されている。矩形平板状に成形された陽極54は、4
個の凸部527で押圧されるように設置され、リードピ
ン49の先端に溶接した略L字型の電極棒540の一端
に接続されている。なお、凹部526は、陽極54の表
面積に略匹敵した開口をなすことで、放熱スペースを拡
張することができる。
2と略同一の外径を有した放電遮蔽板51には、貫通穴
510と、凹部511と、4個の縦貫通穴513〜51
6とが形成されている。貫通穴510は、放電遮蔽板5
1の円形の断面に対して略垂直方向に貫通している。窪
み部511は、放電遮蔽板51の背面の略中央に陥没
し、貫通穴510の第1の開口縁部を含んでいる。4個
の縦貫通穴513〜516は、放電遮蔽板51の円形の
断面に対して略垂直方向に貫通している。この放電遮蔽
板51は、窪み部511の外周領域で上下方向に貫通し
た縦貫通穴513〜516を挿通するリードピン44〜
47を介し、支持板52に保持されている。
蔽板51の窪み部511に収容され、陽極54の各コー
ナ部分は、放電遮蔽板51の窪み部511の底面と支持
板52の4個の凸部527との協働によって挟持されて
いる。丸みを帯びた略矩形状の貫通穴510には、陽極
54の4辺の大部分が合致し、その第1の開口縁部の他
の部分は陽極54の4コーナ部分に接合している。円形
の表面を有する4個の凸部527は、陽極54の4コー
ナ部分と接合し、陽極54を押圧している。矩形の窪み
部511は、4個の凸部527の高さと陽極54の厚さ
との和に一致した深さを有し、結果的に支持板52の前
面に形成した外周縁部を放電遮蔽板51の背面に当接さ
せることができる。
56には、開口560が形成されている。開口560
は、放電遮蔽板51の貫通穴510と同軸上に配置され
ている。この開口560の周縁領域には、開口径を制限
する開口制限板561が溶接されている。開口制限板5
61には、開口560を通過するように陽極54に向か
って屈曲された収束開口562が形成されている。
前面上に設置され、リードピン44の先端に溶接した直
線状の電極棒563の一端に接続されている。なお、こ
の開口制限板561と陽極54との間の距離は、放電遮
蔽板51の厚さよりも小さくなっている。
接した電極棒550の両端をリードピン46,47の先
端に溶接することで、熱陰極55をステム42に保持さ
せることができる。矩形の平板状に成形された放電整流
板57は、熱陰極55と開口制限板561との間に介挿
されると共に、収束電極56の端部に溶接されている。
なお、熱陰極55は、放電整流板57を挟んで開口制限
板561と反対側に位置すると共に、放電整流板57の
頂部よりも上方に配置されている。
1と略同一の外径を有すると共に、下方に開放された円
筒状に成形され、頂部に開口窓530を有している。円
形状に形成された開口窓530は、収束電極56の収束
開口562と同軸上に配置され、中央部を貫通してい
る。なお、開口窓530は、収束開口562の上方空間
から紫外線を投光する位置に配置されている。この前面
窓電極53は、放電遮蔽板51の外周縁上に配置固定さ
れている。
(図示しない)から10W前後の電力を供給することに
より、熱陰極55に所定の定格電圧が印加され、熱陰極
55は予熱される。この熱陰極55が十分に加熱された
後に、熱陰極55と陽極54との間に150V程度の直
流開放電圧を印加する。
に、熱陰極55と陽極54との間に350〜500Vの
トリガ電圧を印加することにより、熱陰極55、収束電
極56及び陽極54の間にアーク放電が開始する。この
とき、矢印60の方向に進行する熱電子の流路は、収束
電極56の開口制限板561による収斂効果と、放電整
流板57及び前面窓電極53による遮蔽効果によって、
放電路61ただ一つに限定される。即ち、熱陰極55か
ら放出された熱電子60は、放電整流板57の上方から
開口制限板561の収束開口562を通過し、放電遮蔽
板51の貫通穴510を通って陽極54に至って受容さ
れる。
域としてアークボール62が、開口制限板561の上部
空間において陽極54と反対側に発生する。そして、こ
の陽光柱発光としてのアークボール62から取り出され
る紫外光は、陽極54の上方方向、すなわち矢印63の
方向に出射され、開口窓530を通って投光される。
電遮蔽板51を介在してそれぞれ横貫通穴510の両開
口縁部に接触して設置されている。そのため、これら両
極間の絶縁状態が、放電遮蔽板51の構成材料の絶縁性
によって維持されている。アーク放電の発生時におい
て、陽極54は熱電子60の受容によって発熱し、収束
電極56も陽イオン(図示しない)の衝突によって発熱
する。
10は、陽極54の表面をほとんど塞がず陽極54の表
面を最大限に露出させている。また、支持板52の凸部
527が、陽極54にほとんど接触せず陽極54の裏面
を最大限に露出させ、支持板52の凹部526が、陽極
54の後方スペースを拡張させている。そのため、陽極
54及び収束電極56の放熱が促進されるので、放電遮
蔽板51及び支持板52を構成する電気絶縁性の材料が
もつ熱伝導率が一般に小さくとも、陽極54及び収束電
極56の近傍空間の温度を比較的低温に維持させること
ができる。
は、高温状態における残留応力による構成材料の変形
や、蒸発またはスパッタ現象による構成材料の損失など
の発生が低減する。すなわち、両電極間の距離の変動や
通電の発生によってアーク放電の状態が不安定になった
り、両極の構成材料の損失によってアーク放電の発生が
困難になったりすることが起こりにくくなる。したがっ
て、長時間の連続発光による動作時においても陽極54
及び収束電極56の位置は精度よく保持されるので、長
時間に亘り連続的に安定した動作が実現される。
限られるものではなく、種々の変形を行うことが可能で
ある。
1及び支持板22の構成材料として通常のセラミクスを
用いているが、酸化ベリリウムや窒化アルミニウムなど
の高い熱伝導率を有する熱伝導セラミクスを用いること
もできる。この場合、放電遮蔽板21及び支持板22は
自己発熱により高温となる陽極24に対するヒートシン
クとして作用するので、発光部20の内部に蓄積される
熱の外部への放熱が促進される。そのため、ガス放電管
の動作の安定性を更に高めることが可能となる。
ス放電管においては、放電遮蔽板の貫通穴の第1の開口
縁部の少なくとも2箇所を陽極の周縁に接合させ、この
第1の開口縁部の他の部分を前記陽極の周縁に合致させ
ることにより、陽極及び収束電極は、放電遮蔽板の貫通
穴を介在してその第1及び第2の開口端にそれぞれ接触
して設置されている。ここで、放電遮蔽板の貫通穴が陽
極の表面領域を最大限に露出させることができ、陽極及
び収束電極の放熱を促進させ、陽極及び収束電極の近傍
空間の温度を従来よりもかなり低温にすることができ
る。
態における残留応力による構成材料の変形や、蒸発また
はスパッタ現象による構成材料の損失などの発生が低減
する。すなわち、両電極間の距離の変動や通電の発生に
よってアーク放電の状態が不安定になったり、両電極の
構成材料の損失によってアーク放電の発生が困難になっ
たりすることが起こりにくくなる。したがって、長時間
の連続発光による動作時においても陽極及び収束電極の
位置は精度よく保持されるので、長時間に亘り連続的に
安定した動作が実現される。
を挟んで保持する場合、支持板の複数個の凸部を利用す
ることで、陽極の表面領域を最大限に露出させることが
でき、支持板の凹部を設けることで、陽極の放熱スペー
スを確保することができる。そのため、陽極及び収束電
極の放熱がいっそう促進されるので、陽極及び収束電極
の近傍空間の温度を従来よりもかなり低温に維持させる
ことができる。
動作の安定性が向上した、寿命の長いガス放電管を提供
することが可能となる。
視図である。
である。
前の状態を示す斜視図である。
付け前の状態を示す斜視図である。
板との位置関係を示す平面図である。
視図である。
る。
る。
視図である。
51…放電遮蔽板、22,52…支持板、23,53…
前面窓電極、24,54…陽極、25,55…熱陰極、
26,56…収束電極、210,510…貫通穴、26
0,560…収束開口。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱電子を放出する熱陰極と、 この熱陰極から放出された前記熱電子を受容する陽極
と、 前記熱電子の経路を収斂する収束開口を有する収束電極
と、 前記収束開口よりも大きい内径でかつ同軸上に配置した
貫通穴を有し、この貫通穴の背面側に位置する第1の開
口縁部に前記陽極を接触して設置させると共に、前記貫
通穴の前面側に位置する第2の開口縁部に前記収束電極
を接触して設置させる電気絶縁性の放電遮蔽板と、を収
容する外囲器を備え、 前記第1の開口縁部の少なくとも2箇所を前記陽極の周
縁に接合させ、前記第1の開口縁部の他の部分を前記陽
極の周縁に合致させたことを特徴とするガス放電管。 - 【請求項2】 前記陽極を挟んで前記放電遮蔽板と反対
側に電気絶縁性の支持板を設置し、この支持板は、前記
陽極に対向する表面に凹部を有すると共に、前記凹部の
周辺領域に前記第1の開口縁部と前記陽極との接合部分
を押圧する凸部を有し、前記陽極を前記支持板と前記放
電遮蔽板とで挟持することを特徴とする請求項1記載の
ガス放電管。 - 【請求項3】 前記放電遮蔽板は前記陽極を収容すると
共に前記第1の開口縁部をもった窪み部を有し、この窪
み部は、前記支持板の凸部の高さと前記陽極の厚さとの
和に一致する深さを有し、前記支持板の前面に形成した
外周縁部を前記放電遮蔽板の背面に当接させたことを特
徴とする請求項2記載のガス放電管。 - 【請求項4】 矩形の前記陽極の少なくとも二つのコー
ナ部分を前記窪み部の底面に当接させ、前記支持板の円
柱状凸部と前記窪み部の底面との協働により、前記陽極
を固定させたことを特徴とする請求項3記載のガス放電
管。 - 【請求項5】 前記放電遮蔽板及び前記支持板は、それ
ぞれセラミクスで形成したことを特徴とする請求項2記
載のガス放電管。
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