JPS6341172Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タイプライタのキヤリア移動装置、
特に、回転自在に軸支された左右のプーリ間にワ
イヤーを張架し、該ワイヤーの中途を、これらプ
ーリの軸と軸線が平行でモータによつて正逆転さ
れるキヤプスタンに複数回巻回し、モータの駆動
によりキヤプスタンを正転あるいは逆転させてワ
イヤーを左方あるいは右方へ移送することによ
り、そのワイヤーに連結したキヤリアを左右に自
動移動できるようにしたキヤリア移動装置に関す
る。

この種のキヤリア移動装置は、一般に、キヤプ
スタンの外周面に、ワイヤーを巻回案内する螺旋
溝を形成しておき、キヤプスタンの回転にともな
いワイヤーを螺旋溝に沿つて前側あるいは後側へ
螺進させつつ左方あるいは右方へ移送するように
なつている。従つて、張架されているワイヤー
は、左右のプーリに至る部分の角度（左右のプー
リ間を結ぶ水平な直線に対してなす角度）を徐々
に変えながら左方または右方へ移送されるため、
左右のプーリに捩れ力（プーリ軸の周面に圧接さ
せる応力）を作用させることになり、そのため該
プーリの回転が阻害されてワイヤーの移送、従つ
てまたキヤリアの移動がスムーズに行われなくな
る憂いがある。

本考案はこれをごく簡単に解消できるようにし
たものである。

すなわち、本考案は、左右のプーリの軸に球面
膨大部を設け、これにプーリの軸孔を嵌合させて
該プーリを回転自在にかつ前後方向に揺動自在に
自在軸受けしたことを特徴とする。

従つて、キヤプスタンの正転または逆転によつ
てワイヤーの巻回部分が前後に螺進し、該キヤプ
スタンから左右のプーリへ至るワイヤー部分の角
度が変化すると、プーリはワイヤーの張力によつ
てその角度変化分だけ球面膨大部の回りを前方ま
たは後方へ揺動し、上記ワイヤー部分と常に一直
線上に並び、常にこの状態でワイヤーの移送に伴
い回転されるため、プーリに捩れ力が作用せず、
その回転はスムーズに行われる。

以下には本考案を図示の実施例について詳細に
説明する。

第１，２図に示すように本キヤリア移動装置
は、正逆反転可能なステツプモータ１を駆動源と
していて、その正転及び逆転は、その回転軸に嵌
着した小ギヤー２、大ギヤー３を介して該大ギヤ
ー３と同軸のキヤプスタン４に伝達される。

ワイヤー５は左右のプーリ６，７間に張架さ
れ、そしてその中途は、キヤプスタン４の外周面
に所要複数回だけ巻回されている。

キヤプスタン４の外周面には、ワイヤー５を巻
回案内する螺旋溝８が形成されている。

左右のプーリ６，７は、平面Ｕ形の左右の軸受
枠９，１０にそれぞれ個別にではあるが同じくキ
ヤプスタン４の軸線と平行な軸１２によつて回転
自在にしかも前後方向に揺動可能に自在軸受けさ
れている。

すなわち、軸１２には球面膨大部１１が、また
プーリ６，７には軸孔６ａ，７ａが設けられ、そ
して該軸孔６ａ，７ａを球面膨大部１２に嵌合さ
せてあり、プーリ６，７は球面膨大部１２の回り
を回転できるとともに、前後方向に揺動できる。

左右の各軸受枠９，１０の前後側部１３，１４
の先端部分は鉤状（Ｃ字状）の軸支部１５，１６
になつていて、軸１２はこの軸支部１５，１６に
着脱自在に支承されている。

これら左右の軸受枠９，１０は、左右のフレー
ム板１７，１８に次のように装着されている。

すなわち、右側の軸受枠１０は、その前後側部
１３，１４を右側のフレーム板１８に形成の前後
のスリツト１９，２０（第１，４図）に単に外側
より挿通することにより、右側のフレーム板１８
に装着されている。

他方、左側の軸受枠９は、その延出片２１を第
５図に示すように左側のフレーム板１７に形成の
方形孔２２に挿通させるとともに、突設したねじ
２３を左側のフレーム板１７の円形孔２４に挿通
させ、そしてそのねじ２３にナツト２５を螺合さ
せることにより左側のフレーム板１７に装着さ
れ、またこのナツト２５を緊締することにより、
ワイヤー５は左右のプーリ６，７間において緊張
されている。

しかして、キヤリア２６は、このワイヤー５に
従来公知のように連結されているもので、ステツ
プモータ１が正転あるいは逆転すると、キヤプス
タン４が正転あるいは逆転されてワイヤー５が左
方あるいは右方へ移送され、それによつてキヤリ
ア２６が左方あるいは右方へ自動的に移動される
こと明らかである。

また、キヤプスタン４の正転または逆転によつ
てワイヤー５の巻回部分が前後に螺進し、該キヤ
プスタン４から左右のプーリ６，７へ至るワイヤ
ー部分の角度が変化すると、プーリ６，７はワイ
ヤー５の張力によつてその角度変化分だけ球面膨
大部１１の回りを前方または後方へ揺動し、上記
ワイヤー部分と常に一直線上に並び、常にこの状
態でワイヤー５の移送に伴い回転されるため、プ
ーリ６，７に捩れ力が作用せず、その回転はスム
ーズに行われる。

なお、第１図中符号２７は、ステツプモータ１
の回転軸に嵌着されたその冷却用のフアンであ
る。

以上の通り本考案は、左右のプーリの軸に球面
膨大部を設け、これにプーリの軸孔を嵌合させて
該プーリを回転自在にかつ前後方向に揺動自在に
自在軸受けしたので、キヤプスタンの正転または
逆転によつてワイヤーの巻回部分が前後に螺進
し、該キヤプスタンから左右のプーリへ至るワイ
ヤー部分の角度が変化すると、プーリはワイヤー
の張力によつてその角度変化分だけ球面膨大部の
回りを前方または後方へ揺動し、上記ワイヤー部
分と常に一直線上に並び、常にこの状態でワイヤ
ーの移送に伴い回転されるため、プーリに捩れ力
が作用せず、その回転がスムーズに行われるた
め、キヤリアをスムーズに移動させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切欠き平面図、第２図は正面図、第３図はプーリ
とその軸の関係を示す一部切欠き拡大平面図、第
４図は第１図における−線拡大断面図、第５
図は同じく−線拡大断面図である。 １……モータ、４……キヤプスタン、５……ワ
イヤー、６，７……左右のプーリ、６ａ，７ａ…
…軸孔、１１……球面膨大部、１２……軸、２６
……キヤリア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在に軸支された左右のプーリ間にワイヤ
   ーを張架し、該ワイヤーの中途を、これらプーリ
   の軸と軸線が平行でモータによつて正逆転される
   キヤプスタンに複数回巻回し、モータの駆動によ
   りキヤプスタンを正転または逆転させてワイヤー
   を左方または右方へ移送することにより、そのワ
   イヤーに連結したキヤリアを左右に自動移動でき
   るようにしたタイプライタのキヤリア移動装置に
   おいて、上記左右のプーリの軸に球面膨大部を設
   け、これにプーリの軸孔を嵌合させて該プーリを
   回転自在にかつ前後方向に揺動自在に自在軸受け
   したことを特徴とするタイプライタのキヤリア移
   動装置。