JPS6341168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、フインガーを有するタイプホイール
を使用する印字装置に関する。

（従来技術） 従来、コンピユータ等の出力装置として使用さ
れる印字装置には、ボール形式またはシリンダー
形式のタイプホイール全体をプラテンに打ちつけ
て印字を行なうタイプと、フインガー形式のタイ
プホイールを用いて印字を行なうタイプとがあ
る。フインガー形式のタイプホイールとは、円板
から放射状に延びたフインガーの各先端部片面に
活字を設けたもので、印字信号を受けて所定の活
字をハンマーにより打ちつけて印字するもので、
前者に比べて、装置も単純化され、印字速度も早
い利点がある。

このようなタイプの印字装置は、特開昭47−
21214号公報、特開昭48−101022号公報等に示さ
れており、使用されるタイプホイールは、各フイ
ンガー先端部に活字を１個または２個備えて、全
体で活字が円形に１列または２列に配列されてい
る。このような印字装置において、印字速度をさ
らに高速化させるためには、活字選択を行なうス
テツプモータが容易に間欠回転できるように、タ
イプホイールの慣性モーメントをできるだけ小さ
くすることが一方法である。活字を２列に配列す
るのは字数増やすためであるが、それだけ慣性モ
ーメントが増して、モータを高速で間欠回転させ
ることが困難になる。

また、フインガーを有するタイプホイールを使
用する印字装置においては、活字を配置する空間
に限りがあるため、フインガーに配置する活字の
大きさにおいても一定の制約が有つた。

（目的） 本考案の目的は、タイプホイールを極端に大き
くしたりすることなしに、活字の大きさを大きく
しうるとともに、重量の大きいモータと一緒に動
かすことなくタイプホイールのみをシフトさせて
所望の活字を選択できるようにした印字装置を提
供することにある。

（構成） 本考案は、先端部に単一の活字を有するととも
に長さの異なる２種類のフインガーを備え、長い
方のフインガー間に短い方のフインガーの活字を
配置するとともに、それぞれの活字を同一平面内
に配置したタイプホイールを有し、これを上下に
またはモータに対して移動させることによつてフ
インガー上の活字を選択してハンマーで印字を行
うようにしたものである。

以下、添付図面を参照して本考案を説明する。
第１図は、本考案に係る印字装置の主要部を示す
概略図である。

符号１はプラテンを示し、その両端部の支軸２
がフレームの両壁に装着され、その外側には、ノ
ブが取付けられてプラテン１を回転できるように
なつている。符号３は記録紙を示し、フレームに
取付けられた記録紙供給モータにより歯車列を介
してプラテンが間欠駆動されることにより送られ
る。符号４はインクリボンを示し、タイプホイー
ル５と記録紙３との間に両者から一定の間隔をも
つて介在し、その両端をキヤリツジに設けたリボ
ンホイールに保持されて、やはり別のモータによ
り間欠的に駆動される。タイプホイール５は、中
央円板部６と、中央円板部６から放射状に交互に
配列された半径方向に長さの異なるフインガー７
ａ，７ｂを有する。中央円板部６の中心には軸穴
が設けられ、この部分がタイプホイール軸８に嵌
合し、保持リングにより保持されている。この保
持リングを取外すことにより別のタイプホイール
に交換が可能である。各フインガー７ａ，７ｂの
片面先端部分には、それぞれ活字９ａ，９ｂがタ
イプホイール５の回転軸心８ａと同心的な直径の
異なる二つの円を構成するように配列されてい
る。タイプホイールのフインガー７ａ，７ｂは高
速で回転するので、回転方向には回転軸心８ａ方
向よりも大きい剛性が与えられ、また印字のため
に符号１０で示すハンマーにより打たれ、そして
元の位置に復帰しなければならないので、回転軸
心８ａ方向に弾性が与えられている。

本考案においては、活字９ａ，９ｂがタイプホ
イール上に単一の活字を有する長さの異なる２種
類のフインガーにより複数列に配置されているの
で、印字位置において単一のハンマー１０により
打たれるときに、一方の活字列を選択するための
機構が必要となる。符号１１はそのためのシフト
アームを示し、その両端には同方向の軸穴を有
し、その一端はタイプホイール軸８が回転可能に
嵌合し、他端はキヤリツジに設けた図示されない
シフトアーム支持軸に嵌合している。シフトアー
ム支持軸の位置は、印字位置において上下の活字
列の一方を正しく選択できるように設定される。
シフトアーム１１の上下方向にマグネツト１２，
１３がそれぞれ設けられている。マグネツト１
２，１３は、それぞれキヤリツジに支持され、印
字信号を受けて、シフトアーム１１を、シフトア
ーム支持軸を中心に揺動させることにより、タイ
プホイール５上の印字位置における上下の活字列
の一方を選択する。本実施例においては、シフト
アーム１１の揺動運動によりタイプホイール５の
上下運動を得たが、マグネツトを使用して直接上
下運動を与えることもできる。

タイプホイール軸８は、軸方向移動可能なユニ
バーサルジヨイント１４によりキヤリツジに取付
けられたモータ１５の、駆動軸１６に連結されて
いる。モータ１５の他方の側の軸１７には、セン
サー１８が取付けられており、印字信号を受け
て、タイプホイール５の同じ列の活字のうちの一
つを選択するための位置信号を、モータ駆動軸１
６を介してタイプホイール５に与える。この位置
信号による回転運動の伝達は、本考案において
は、タイプホイール５の上下の活字列の一方を選
択するために、タイプホイール軸８の上下運動お
よびこの運動に伴うタイプホイール軸８の軸方向
に運動を含むので、この運動に対応するための軸
方向移動可能なユニバーサルジヨイント１４が使
用され、よくその目的を果している。

図示されないキヤリツジは、別の印字信号を受
けて、プラテン１に平行なロツド上を印字ライン
に沿つて移動し、その間ハンマー１０によぐ印字
が逐次行なわれる。

第２図は、本考案によるタイプホイールの別の
実施例を示したもので、中央円板部６から放射状
に延びる長さの長いフインガー７ａと短いフイン
ガー７ｂとが交互にチドリ状に配列されており、
それぞれの先端部に活字９ａ，９ｂが配置されて
いる。長い方のフインガー７ａの活字を有する先
端部のすぐ下は、その先端部よりも細くなつてお
り、隣接するフインガー７ａのその細い部分の間
に、短い方のフインガー７ｂの先端活字部が位置
するようになつている。このように配列すること
により、長い方のフインガー先端部の下の細い部
分に、短い方のフインガー先端部の活字を配置す
ることができるので、タイプホイールの全体径を
小さくすることができ、その結果慣性モーメント
をさらに小さくすることができる。逆に、タイプ
ホイール径を小さくしないときには、それぞれ活
字の大きさを大きくするかまたは活字の数を増や
すことができる。

（効果） このように、本考案による印字装置において
は、長さの異なる２種類のフインガーを有する特
別なタイプホイールと、タイプホイールを移動さ
せるためのシフト手段とを有しているので、フイ
ンガーに配置する活字の位置を上下にずらして配
置することが可能となり、タイプホイールの大き
さを極端に大きくすることなく大きな活字をタイ
プホイールに設けることが可能である。

もちろんハンマーは複数設ける必要もなく単一
のハンマーで印字が可能である。

また、本考案では、長短両方のフインガーに設
けられたそれぞれの活字を同一平面内に配置した
ので、タイプホイールをカツプ状ホイールにした
場合に比べて、ホイールを配置するための空間を
小さくすることができる。さらに、それぞれの活
字を選択するために、タイプホイールを上下に移
動させるための空間も、カツプ状ホイールに比べ
て、きわめて小さくすることができ、移動するキ
ヤリツジ上のかぎられた空間を効率的に利用する
ことが可能になる。

また、モータに対して、タイプホイールを相対
移動させるためのシフト手段を有しているので、
重量の大きいモータを含めたタイプホイール駆動
装置をシフトさせる必要がないので装置全体を簡
単に構成することも可能になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、フインガー形式のタイプホイールの
一例を備えた印字装置の主要部を示す概略斜視
図、第２図は、本考案によるタイプホイールの別
の例を示す概略図である。 １……プラテン、５……タイプホイール、７
ａ，７ｂ……フインガー、９ａ，９ｂ……活字、
１０……ハンマー、１１……シフトアーム、１４
……ユニバーサルジヨイント、１５……モータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 放射状に延びたフインガーを有するタイプホイ
   ールを使用する印字装置において、プラテンに沿
   つて移動するキヤリツジと、先端部に単一の活字
   を有するとともに長さの異なる２種類のフインガ
   ーを備え、長い方のフインガー間に短い方のフイ
   ンガーの活字を配置するとともにそれぞれの活字
   を同一平面内に配置したタイプホイールと、該タ
   イプホイールを回転させるために前記キヤリツジ
   上に設けられたモータと、 前記長さの異なる２種類のフインガー上の活字
   を打つための単一のハンマーと、 前記長さの異なる２種類のフインガーに設けら
   れた活字を前記単一のハンマーで打つための前記
   タイプホイールを上下に、かつ前記モータに対し
   て相対移動させるためのタイプホイールシフト手
   段とを有することを特徴とする印字装置。