JPS6341134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は多段取り成形用の射出成形機に関
し、一層詳細には簡単な構造で、据え付け面積が
小さくて済み、低コストで製造できる射出成形機
に関する。

複数の金型を重積して射出成形する多段取り方
式は、同型締力で多数個取りが可能になり、成形
品のコストダウンと生産性の向上が図れるものと
して知られている。

その具体的な手段としては、例えば特公昭50−
18023号に開示されるように、固定金型と可動金
型の間に割金型を設け、それぞれの金型をリンク
結合して、型締め時にはもちろんのこと開放時に
はそれぞれの金型の間を一斉に開放するものが知
られている。

また特公昭54−29543号に開示されているよう
に、型締シリンダおよび補助シリンダを用いて固
定盤の左右の可動盤を同時に固定盤から離反させ
て型開きするものが知られている。

前者の場合は、型締シリンダは離型２個分のス
トロークを必要とし、後者の場合は、型締シリン
ダ２個分のストローク、補助シリンダが１個分の
ストロークで、前者，後者いずれの場合も型締シ
リンダの型開閉ストロークが非常に大きなものと
なり、型締シリンダも特別設計のものを用いるこ
とになり、コスト高になると共に据え付けスペー
スが大きくなる。特に後者の場合には、補助シリ
ンダによつて型締シリンダおよび２個の可動盤を
移動させるためその負荷は大きく、補助シリンダ
もこれに対応するだけのものを用いなければなら
ず、一層のコスト高につながることになる。

これらの公知例は、いずれも金型の複数組の分
割面を一斉に開くため、分割面が２組あれば２個
分のストロークの型締シリンダが必要となり、特
に深いキヤビテイを有する金型の場合には、２個
分のストロークでは設計が困難な場合もある。

この問題を解決するものとして、型開きを一斉
に行なうことをしないで、１個の分割面ごとに
次々と型開きすることが提案されている（特開昭
56−86730号）。

ここでは固定金型とこれを挾む２つの可動金型
において、固定金型とそれぞれの可動金型との間
を中心に支点を有し、両端にフツクを有するテコ
によつて交互に結合固定する手段が開示されてい
る。

この場合は可動金型にフツクを掛け替える時間
があるため、２工程の型開きを連続的に行なうこ
とができない。

本考案の目的は、２組の分割面を有する金型の
型開き時に一方の分割面は固定して型締めしたま
ま他方の分割面を開放して型開きして成形品を取
り出し、次いで、この成形品を取り出した金型の
分割面を型締めして固定し、直ちに該一方の分割
面を開放して型締めした状態にあつた分割面を開
放して成形品を取り出す方法を実施するための、
固定盤と型締シリンダをタイバーによつて連結固
定し、型締シリンダのピストンの先端にタイバー
に案内される可動盤を設け、この可動盤と上記固
定盤の間に中間プレートを配置し、この中間プレ
ートに固定盤と一体的に固定した移動シリンダの
ピストンを可動盤と同方向に移動可能に連結し、
上記中間プレートの両側に金型を設け、これらの
金型がそれぞれ対向するように固定盤と可動盤に
も金型を設け、型締め時にはこれらの金型の全部
が型締め状態に嵌合するように型締シリンダと移
動シリンダのストロークを調整すると共に中間プ
レート内部には、両面側のキヤビテイに通ずるホ
ツトランナー部およびノズルタツチ部を設けたこ
とを特徴とする多段取り成形用の射出成形機を提
供するにある。以下この考案の実施例を図面を参
照して詳細に説明する。

第１図において１は固定盤、２は中間プレー
ト、３は可動盤で、中間プレート２および固定盤
３はそれぞれタイバー４に沿つて摺動し、中間プ
レート２は固定盤１と一体に固定されている移動
シリンダ５のピストン６によつて移動し、可動盤
３は型締シリンダ７のピストン８によつて移動す
る。

９はノズルで、中間プレート２に斜方向から結
合して樹脂を射出する。

第２図ａ，ｂ，ｃはそれぞれ金型の開閉工程を
示すもので、図ａは型締（射出，冷却）工程を示
している。

移動シリンダ５は引込み状態で、型締シリンダ
７は押圧状態にある。

１０ａ，１０ｂはキヤビテイで、それぞれ固定
盤１に設けた金型１１と中間プレート２の固定盤
側に設けた金型１２との間および可動盤３に設け
た金型１３と中間プレート２の可動盤側に設けた
金型１４との間に形成されている。

１５ａ，１５ｂはランナで、それぞれ金型１２
および金型１４内に設けられており、中間プレー
ト２の側壁からキヤビテイ１０ａ，１０ｂまで導
かれている。

１６はホツトランナで、ノズルタツチ部１７か
ら中間プレート２内を貫通してランナ１５ａ，１
５ｂまで導かれている。

ノズルタツチ部１７にノズル９が接合して、キ
ヤビテイ１０ａ，１０ｂまで溶融樹脂が充填さ
れ、冷却される。

図ｂはキヤビテイ１０ｂの成形品１８ｂの取出
し工程を示している。

型締シリンダ７のピストン８と共に可動盤３が
後退し、金型１３と金型１４との間が開放され、
成形品１８ｂが取り出される。

図ｃはキヤビテイ１０ａの成形品１８ａの取出
し工程を示している。

移動シリンダ５のピストン６を突出すことによ
つて、中間プレート２が可動盤３側へ移動し、金
型１３と金型１４が型締状態になり、金型１１と
金型１２との間が開放され、成形品１８ａが取り
出される（なおこの場合、図ｃにおいてキヤビテ
イ１０ｂは空隙状態にある）。

このように成形品１８ｂ，１８ａが次々と取り
出された後は、図ａの型締工程のサイクルに戻
る。

成形品の取り出し工程は、型締工程の後まずｃ
のように型締シリンダ７のピストン８の位置と、
移動シリンダ５のピストン６の突出しが同時に行
なわれて、成形品１８ａを取り出し、次にピスト
ン８はそのままでピストン６が後退して成形品１
８ｂを取り出すようにしてもよい。

この考案に係る射出成形機は以上のように構成
されていて、型締シリンダのストロークは通常の
射出成形機と同じでよいため、型締シリンダ，型
締ピストン，可動盤などの型締シリンダ装置は汎
用のものをそのまま使用できるので、製造上便利
であり、安価でできる。また２個の金型の開閉制
御は、固定盤に固設した移動シリンダによつて行
なわれるため、２個の金型を同時に開閉する従来
のものに比べて、動作が確実であり、リンク等の
複雑な機構を設ける必要もなく、２個の金型は、
１個ずつ交互に開閉されるので、型開ストローク
は１個分でよく、装置の全長が短くてすむ。また
２個の金型のうち冷却時間を、長く要するものを
後で型開きするようにすれば、冷却時間の異なる
ものも合理的に成形することができる。さらにま
た前述の特公昭50−18023号のように不要な重量
物を移動することもないので、一方の金型は従来
の装置と同様に、他の一方の金型は移動シリンダ
に低圧型閉装置を付与することによつて、容易に
金型間の異物を検知することができ、確実な金型
保護が図れる。さらにまた、ノズルタツチを斜方
からなすようにしたので、直交するように設けた
ものと比べ、据え付け面積を要せず、汎用の射出
装置を用いることができ、後部に設けた旋回用ピ
ンを中心にわずかに旋回させるだけでスクリユー
の交換清掃も容易に行なうことのできるなどの著
効を奏する。

以上本考案につき好適な実施例を拳げて種々説
明したが、本考案はこの実施例に限定されるもの
ではなく、考案の精神を逸脱しない範囲内で多く
の改変を施し得るのはもちろんのことである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る射出成形機の実施例を示
し、第１図はその構成の要部を示す説明図、第２
図はその動作の説明図である。 １……固定盤、２……中間プレート、３……可
動盤、４……タイバー、５……移動シリンダ、６
……ピストン、７……型締シリンダ、８……ピス
トン、９……ノズル、１０ａ，１０ｂ……キヤビ
テイ、１１，１２，１３，１４……金型、１５
ａ，１５ｂ……ランナ、１６……ホツトランナ、
１７……ノズルタツチ部、１８ａ，１８ｂ……成
形品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定盤と型締シリンダをタイバーによつて連結
   固定し、型締シリンダのピストンの先端にタイバ
   ーに案内される可動盤を設け、この可動盤と上記
   固定盤の間に中間プレートを配置し、この中間プ
   レートに固定盤と一体的に固定した移動シリンダ
   のピストンを可動盤と同方向に移動可能に連結
   し、上記中間プレートの両側に金型を設け、これ
   らの金型がそれぞれ対向するように固定盤と可動
   盤にも金型を設け、型締め時にはこれらの金型の
   全部が型締め状態に嵌合するように型締シリンダ
   と移動シリンダのストロークを調整すると共に中
   間プレート内部には、両面側にキヤビテイに通ず
   るホツトランナー部およびノズルタツチ部を設け
   たことを特徴とする多段取り成形用の射出成形
   機。