JPS6340972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、口腔内にＸ線管を挿入し、口腔内
でＸ線を放射するようにした口腔内挿入型の歯科
用Ｘ線管装置の改良に関する。

Ｘ線による透視や撮影においては、被検者並び
に術者に対する不必要な被曝を避けるためにＸ線
照射野はできるだけ絞つてある。このため、口腔
内という限られた範囲内でＸ線照射野の位置決め
操作をしなければならない上記装置においては、
Ｘ線照射野を検査部位に正確に一致せしめること
は難しく、このために従来においてはＸ線撮影の
撮り直しを行なつたり、あるいは透視検査におい
ては検査部位がイメージ管装置に捉えられるまで
Ｘ線を放射しなければならなかつた。

この考案は上記現状に鑑み、検査部位（診断部
位）に対してＸ線照射野を正確に一致させること
のできる装置を提供しようとするもので、棒状を
なし、その先端部にＸ線焦点を内蔵し、先端部側
面にＸ線放射窓を有してなる口腔内挿入型歯科用
Ｘ線管装置において、前記Ｘ線放射窓の周辺部
に、Ｘ線放射窓の周縁部への口腔中の舌の介入を
阻止する部材を付設し、その部材に、前記Ｘ線放
射窓から放射されるＸ線の照射面を指向する可視
光線を照射する光フアイバ導光体の先端端面を配
設したことを特徴とする口腔内挿入型歯科用Ｘ線
管装置にかかるものである。

すなわち、この考案では、光フアイバ導光体を
Ｘ線放射窓の周側部に付設してＸ線照射面を可視
光線で表示するようにする。この場合の表示中心
位置はＸ線放射光軸上に一致せしめる。これによ
つて、Ｘ線照射野の中心位置と可視光線の照射中
心位置とを一致させることができる。

また、光フアイバ導光体を用いるのは、可視光
源を口腔外に配設しておき、この光フアイバ導光
体を介して可視光線を口腔内に導入するようにす
るためである。これによつて、感電防止を講じる
必要のある光源を口腔内に挿入する必要をなく
し、Ｘ線管の口腔内への挿入を容易にする。

また、この考案では、舌による遮光を防止する
ため光フアイバ導光体の先端部をＸ線管に取付け
る部材でもつて可視光線の照射域への舌の介入を
阻止するようにする。

以下、図面に基づいてこの考案の具体的な構成
を説明する。

第１図は、この考案にかかる一実施例の特にＸ
線管の先端部分を口腔内に挿入した場合の外観斜
視図を示し、第２図は、その部分側断面図であ
り、第３図は、第２図のＡ−Ａにおいて矢印方向
に見たＸ線管の断面図であり、第４図は同じく第
２図のＢ−Ｂにおいて矢印方向に見たＸ線管の断
面図である。

これらの図において、Ｘ線焦点１は、Ｘ線管２
の先端部に内蔵されており、Ｘ線管２の外套管３
内面には、これに沿つて光フアイバ導光体４が２
条配設されている。光フアイバー導光体４は、透
光率の高いガラス繊維あるいは、アルミ蒸着膜等
で被覆された高純度メタアクリル樹脂から形成さ
れており、その先端部５は外套管３内面から引き
出されてＸ線放射窓６の周側部に外套管３から突
起せしめた部材７でもつて固定されている。尚、
第２図においては、この部材７は想像線で示して
ある。またその後端部４′は、外套管３基部の連
結部８内に配設され、その後端部４′端面にはこ
れと対向して可視光源９が設けてある。

これらの光フアイバ導光体４と可視光源９とは
外套管３に固装されており、また、この外套管３
は合成樹脂等から形成されて、棒状Ｘ線管２を着
脱式に被覆するようにされている。そして、光源
９の交換に際しては、この外套管３をＸ線管２か
ら抜き取つて取り替えができるようにされてい
る。

光フアイバ導光体４の先端面５′は、これから
照射される可視光線１０がＸ線放射光軸１１上の
所定位置で集光するように配設される。すなわ
ち、先端面５′はＸ線放射光軸１１とＸ線照射面
との交点Ｐに指向するように配設される。この場
合の交点Ｐ位置は、Ｘ線焦点とＸ線照射面との標
準距離に合わせて、Ｘ線焦点から概略30〜50mm離
れた位置となるように設定しておく。これによつ
て、Ｘ線照射野の中心位置をスポツト表示するこ
とができるとともに、そのスポツトエリアの大き
さからＸ線焦点とＸ線照射面との距離を調整する
ことができる。

この実施例では、光フアイバ導光体４を２条設
け、異なる２箇所から１点に集光させるようにし
ているが、これに限定されるものではない。例え
ば、光フアイバ導光体４の先端部５を複数本に分
岐させ、その各先端端面をＸ線放射窓６の周縁に
配設するとともに、その各先端端面をＸ線放射光
軸１１に対して直角な面となるように配設して、
Ｘ線照射野の境界線上を可視光線でリング状に照
射するようにしても良い。この場合には、Ｘ線照
射面全域をより鮮明に表示することができる。ま
た光フアイバ導光体４を１条設け、１箇所から前
記交点Ｐ位置に集光させるようにしても良い。こ
の場合であつてもＸ線照射野を充分直示すること
ができる。

また、図においては、可視光源９は２条の光フ
アイバ導光体４に対応して２個設けているが、こ
れに代えて、各光フアイバ導光体４の後端部４′
を１つに束ね、これを１個の可視光源９に対向せ
しめても良い。この場合には可視光源９は１つで
すむ。

光フアイバ導光体４の先端部５を固定する部材
７は、外套管３の周側から突起せしめられる。こ
れは、可視光線１０の照射野に対する被検者の舌
の介入を阻止して、舌による可視光線１０の遮断
を防止しようとするものであり、併せて舌に対す
る被曝をも防止しようとするものである。

この考案にかかるＸ線焦点１は、Ｘ線管２の先
端部内に設けてあるが、その具体的な構成は第２
図に示す。この図において１２は陽極に相当する
金属性中空管でその先端部にはＸ線焦点１が内蔵
され、それに対向する陰極Ｋは、その管軸上のＸ
線管装置本体１３内に設けられる。そして、陰極
線は、この管１２内を直進しＸ線焦点１に衝突し
てＸ線を発生させる。この場合、金属性中空管１
２は鉛遮蔽筒１４で被覆されており、その１箇所
にはＸ線放射窓６が穿設されて、Ｘ線はここから
外部に放射される。また、この中空管１２は直接
接地されており防電撃の措置が講じられている。
尚、図においては、Ｘ線高電圧発生装置は、明ら
かであるため省略してある。

かかる装置において、検査部位とＸ線照射野と
を一致させるには、光源９を点燈させ光フアイバ
導光体４を介して口腔内に可視光線１０を導光
し、これを検査部位に照射する。そして、スポツ
ト表示位置と検査部位の中心位置とを一致せしめ
る。これによつて、検査部位とＸ線照射野とを完
全に一致させることができる。

以上の如く、この考案は、Ｘ線管に配設した光
フアイバ導光体でもつて検査部位を照射するよう
にしたので、光源を口腔内に挿入する必要がな
く、したがつて、口腔内でのＸ線管の位置決め操
作も容易になる。同時に、Ｘ線管の口腔内への挿
入も容易になる。また光フアイバ導光体のＸ線管
に対する取付部材でもつてスポツト光の照射野へ
の舌の介入を阻止するようにしたので、舌による
スポツト光の遮断を防止することができ、検査部
位に対するＸ線照射野の位置決めもより確実に行
なうことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例装置のＸ線
管を口腔内に挿入した状態の外観斜視図を示し、
第２図はその部分側断面図を示す。第３図は、第
２図のＡ−Ａにおいて、Ｘ線管を矢印方向に見た
断面図であり、第４図は同じく第２図のＢ−Ｂに
おいてＸ線管を矢印方向に見た断面図である。 １……Ｘ線焦点、２……Ｘ線管、４……光フア
イバ導光体、５′……光フアイバ導光体の先端端
面、６……Ｘ線放射窓、７……口腔内の舌の介入
を拘束する部材、１１……Ｘ線放射光軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棒状をなし、その先端部にＸ線焦点を内蔵し、
   先端部側面にＸ線放射窓を有してなる口腔内挿入
   型歯科用Ｘ線管装置において、前記Ｘ線放射窓の
   周辺部に、Ｘ線放射窓の周縁部への口腔中の舌の
   介入を阻止する部材を付設し、その部材に、前記
   Ｘ線放射窓から放射されるＸ線の照射面を指向す
   る可視光線を照射する光フアイバ導光体の先端端
   面を配設したことを特徴とする口腔内挿入型歯科
   用Ｘ線管装置。