JPS6340600B2 - - Google Patents

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JPS6340600B2
JPS6340600B2 JP8647482A JP8647482A JPS6340600B2 JP S6340600 B2 JPS6340600 B2 JP S6340600B2 JP 8647482 A JP8647482 A JP 8647482A JP 8647482 A JP8647482 A JP 8647482A JP S6340600 B2 JPS6340600 B2 JP S6340600B2
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JP
Japan
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dust removal
gypsum
cooling dust
exhaust gas
hydrogen chloride
Prior art date
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Expired
Application number
JP8647482A
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English (en)
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JPS58205590A (ja
Inventor
Naoharu Shinoda
Atsushi Tatani
Kenji Iwasaki
Susumu Okino
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP8647482A priority Critical patent/JPS58205590A/ja
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Publication of JPS6340600B2 publication Critical patent/JPS6340600B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】 石炭や油を燃焼した排ガスはダストや硫黄酸化
物などの環境汚染物質を含み、これを清浄化する
ための方法として、湿式排煙脱硫装置が広く実用
化されている。
特に広く普及している湿式石灰法排煙脱硫装置
では、その実用化上の課題として、吸収塔で溶解
度の小さなカルシウム化合物を取り扱う為、吸収
反応に伴なつて石膏が析出し、これが一部スケー
ルとなつて装置材料表面に固着し、ガス及び液の
流路を狭隘化さらには閉塞するトラブルが起こら
ないようにすることが重要であつた。この対策と
して種晶石膏を含むスラリーを使用する方法が採
用され、その効果が認められている。
一方、近年、燃料転換の必要性から石炭が多く
用いられるようになつてきたことや、大気清浄装
置からの排水による2次公害防止対策の強化に伴
なつて、湿式石灰法排煙脱硫装置ではあらたにス
ケール対策が必要であることを本発明者らは認識
するに至つた。
それは、石炭焚き排ガスの如き少なくともダス
ト硫黄酸化物を含む燃焼排ガスを冷却除じん塔に
導き、冷却除じん液と接触させて排ガスを増湿冷
却すると共に排ガス中のダストを除去した後、次
いで硫黄酸化物を吸収除去する吸収塔へ導いて、
カルシウム化合物を吸収剤として、排ガス中の硫
黄酸化物を捕集する湿式石灰法排煙脱硫装置に於
いて、該ダスト中に含まれるカルシウム化合物が
冷却除じん塔で、石膏スケールとなつて析出する
場合があること、更には排水量低減方法として吸
収塔からの余剰排水を冷却除じん塔での蒸発水補
給水の一部として再利用する方法を採用すること
によつて、その余剰排水中に含まれるカルシウム
化合物が濃縮され、スケールとなつて析出するこ
とがあることである。
即ち、吸収塔からの余剰排水を冷却除じん塔の
補給水として使用すること及びダストが捕集され
ることによつてもたらされるカルシウム化合物
が、冷却除じん塔内で石膏スケールとなつて固着
し、ガス及び液の流路を狭隘化することを防止す
る対策が必要であることを認識するに至つた。
従来、石膏スケールを防止する方法として利用
されている方法は(1)種晶を加える、(2)ソフトニン
グによりカルシウムイオンを化学的に除去する、
(3)排水量を多くして濃縮度を下げ石膏の結晶化を
防止するなどであるが、(1)の種晶スラリーを取り
扱う場合はスラリーによる摩耗や閉塞を防止する
工夫が必要であり厄介であること、(2)の方法では
工程が複雑で操作が厄介であること、さらに(3)の
方法では排水量が多く2次公害対策が必要で経済
性を損なうなどの問題がある。
本発明はかかる問題を解決し得る石膏スケール
防止法を提供するもので、冷却除じん塔へ供給さ
れるカルシウム量に見合つて塩化水素又はそれと
同等物を冷却除じん塔の冷却除じん液に添加する
ことを特徴とするものである。しかも添加する塩
化水素の量は化学反応平衡について種々研究を重
ねた結果、カルシウムの石膏として析出する濃度
を越えた量に対し、4.6倍モル以上でスケール防
止効果が顕著になる知見を得た。
塩化水素は化学的作用が強く、塩化水素水には
石膏が良く溶けることは知られている。更に、冷
却除じん塔では排ガス中の硫黄酸化物の一部が冷
却除じん液に吸収され、更に排ガス中のO2によ
つて酸化され硫酸が生成するから石膏が更に良く
溶ける。これらを反応式で表わすと次の通りであ
る。
HCl+CaSO4・2H2O(固) →Ca2++HSO4 -+Cl-+2H2O …(1) H2SO4+CaSO4・2H2O(固) →Ca2++2HSO4 -+2H2O …(2) ところがダスト中に含まれるCaO、MgO、
Na2O、K2O、NH4OH、などのアルカリ成分が
水に溶解しOH-イオンを生成し、そのOH-
HSO4 -を中和、SO4 2-を生成することにより、逆
に石膏の析出を促がす反応を起こす。
CaO+Ca2++2HSO4 -+3H2O →2CaSO4・2H2O(固) …(3) MgO+Ca2++2HSO4 -+H2O →CaSO4・2H2O(固)+Mg2++SO4 2- …(4) Na2O+Ca2++2HSO4 -+H2O →CaSO4・2H2O(固)+2Na++SO4 2- …(5) K2O+Ca2++2HSO4 -+H2O →CaSO4・2H2O(固)+2K++SO4 2- …(6) 2NH4OH+Ca2++2HSO4 - →CaSO4・2H2O(固)+2NH4 ++SO4 2- …(7) (1)(2)の石膏溶解反応と(3)〜(7)の石膏析出反応が
併発する冷却除じん塔では、単純な量論関係で石
膏が析出するか溶解するかを判断することは困難
である。
冷却除じん塔へ供給されるカルシウム量に見合
つて塩化水素を冷却除じん液に添加し、石膏が析
出しないようにする為の条件としては、今回の本
発明者らの研究によれば第1図の相関が得られる
ことがわかつた。
即ち、カルシウム化合物がそれ単独で石膏を析
出し始める点を越えたカルシウム供給量の増加量
に対し4.6倍モルの塩化水素を供給すると丁度石
膏飽和状態が維持され、4.6倍モル以上の塩化水
素を供給すれば石膏未飽和状態となつて石膏スケ
ールは防止できること、反応に4.6倍モル未満の
塩化水素が供給される場合には石膏過飽和状態と
なつて、石膏が析出し、スケールトラブルを誘発
することを第1図は示している。
更に詳しく説明すると、第1図はガス量
1000000m3N/H(乾燥基準)中に、ダスト濃度
273mg/m3N、SOx濃度800ppmを含む排ガスを、
冷却除じん塔で冷却除じん液と接触させながら、
吸収塔からのカルシウム化合物を含んだ余剰排水
を冷却除じん塔に供給した時の石膏の飽和度が
100%になる塩化水素添加量を求めた結果の相関
図を表わすもので、温度は48℃、H2SO4生成量
77モル/Hである。塩化水素を添加しない時は該
ダスト及び前記余剰水からもたらされるカルシウ
ム化合物のモル供給速度が12.5モル/Hになつた
時が石膏の析出開始点であることを示し、12.5モ
ル/H以上のカルシウムが供給される場合は、カ
ルシウム供給増加量に対し4.6倍モルの塩化水素
を供給すると石膏の飽和度が100%に維持される
ことを示している。即ち図中の石膏飽和線の傾き
は1/4.6である。この図から明らかなようにカル
シウムと当量の塩化水素を供給するだけでは、石
膏のスケールを完全に防止するのに不足すること
がわかり、単純な量論関係で石膏の溶解、析出が
判定できないことを示すものである。
第1図の塩化水素供給量がゼロの時石膏飽和に
なるカルシウム供給量が12.5mol/Hが得られ
る。これはダスト濃度の増減及びダスト中のカル
シウム以外のアルカリ成分量の変化によつて変動
するものであるが、石膏飽和線の傾きはほゞ4.6
が満たされる結果が得られた。
なお第1図の結果は冷却除じん塔からの抜き出
し液が10m3/Hとした時の定常状態での物質収支
及び平衡計算から求められたものである。
更に、冷却除じん液にCl-イオンを所望濃度に
する方法として、塩化水素以外に塩化カルシウム
を除く水溶性の塩化物(例えばNaCl、KCl、
AlCl3、MgCl2などの工業的にも比較的安価に入
手できる塩化物が望ましい。)を酸性液に加えた
ものを用いても同様の効果が得られた。化学的に
水溶液中では塩化水素は解離してH+イオンとCl-
イオンとが生成し、それら各イオンが本発明に有
効であることから、他の塩化物からもたらされる
Cl-イオンがH+イオンと別々に供給されても、冷
却除じん液中では同じ効果が得られたものと考え
られる。但し、塩化カルシウムはCl-イオンを供
給すると同時にCa2+イオンも当量供給してしま
うので、別途供給されるカルシウム化合物からも
たらされるCa2+イオンに対して任意の当量比で
Cl-イオンを調整できないことから、本発明の効
果を得ることができなかつた。
また塩化物の供給源として海水を利用しても効
果があつた。海水を利用する場合は冷却除じん塔
での蒸発濃縮によつてCl-濃度が高くなりすぎる
ので、蒸発補給水には水道水を利用し、海水はカ
ルシウム化合物の冷却除じん塔への供給量に見合
う分だけ供給した。塩化水素はCl-と共にH+も当
量含んでいるのに対し、海水はH+は少ない。し
かし、排ガス中の硫黄酸化物の一部が冷却除じん
液に吸収される為、おのずとH+は硫黄酸化物か
ら供給されたので、塩化水素を供給した時と同じ
スケール防止効果が得られた。即ち、海水中に含
まれるCl-と排ガス中に含まれる硫黄酸化物から
もたらされるH+が、塩化水素を供給した時と同
じ効果を発揮したものと考えられる。
本発明方法によれば、例えば、カルシウム化合
物を含むダストが硫黄酸化物の一部と共に冷却除
じん塔で捕集され石膏が析出する場合や、吸収塔
からのカルシウム化合物を含んだ余剰排水を冷却
除じん塔の補給水として利用することによつて、
濃縮による石膏析出が起こる場合に、塩化水素、
塩化カルシウムを除く水溶性塩化物、海水から選
ばれた少なくとも一つを加えることによつて石膏
析出が起こりにくくなり、カルシウム供給増加量
に対して4.6倍モル以上のCl-イオンとなるよう塩
化水素あるいはその同等物を加えることによつて
完全に石膏析出が防止できるもので、従来のよう
に厄介な種晶調整やソフトニングが不要で、スラ
リーハンドリング、ID−ジヨン、閉塞、スラツ
ジ廃棄物の増大、工程の煩雑さなどが無くなる上
に、すぐれたスケール防止効果が得られる。
実施例 1 湿式石灰石膏法排煙脱硫パイロツトプラントに
於いて、石炭燃焼灰273mg/m3N、硫黄酸化物
800ppmを含む石炭焚き排ガス2000m3N/Hを液
ガス比2/m3Nで冷却除じん液をスプレーする
冷却除じん塔に導入した。排ガスの増湿冷却に伴
つて蒸発する水を補給するため石膏分離上澄液を
40/Hで供給する一方、冷却除じん液の一部を
連続的に20/Hで系外へ抜き出しながら、定常
状態運転を維持した。
石膏分離上澄液は石膏が飽和状態にまで溶解し
た液であり、冷却除じん塔での水分蒸発によつて
濃縮されるので石膏結晶が析出した。この時の溶
解カルシウムは12.5ミリモル/であつた。
そこで次にダスト中に含まれるカルシウム化合
物を分析によつて求めるとCa=0.54ミリモル/g
であり、石膏分離上澄液中のカルシウムはCa=
18ミリモル/であつたので、その供給量を計算
し1015ミリモル/Hを得、これから塩化水素を添
加しない時の石膏飽和溶解濃度と系外抜き出し流
量から求められる溶解石膏抜き出し量250ミリモ
ル/Hを差し引くと、カルシウム供給増加量765
ミリモル/Hが得られる。この値の4.6倍モルに
相当する3519ミリモル/Hの塩化水素を添加し、
平常状態運転を維持した所、冷却除じん液中の石
膏結晶が消滅し、スケールトラブルのない運転が
達成できた。
塩化水素は燃料の種類によつては排ガス中に含
まれる場合があるので、かかる場合は塩化水素添
加量をその分だけ低減することができる。また、
塩化水素の添加方法は、冷却除じん液にCl-イオ
ンが所望濃度に調整されれば良いことから、排ガ
ス中に塩化水素ガスを注入する方法や塩化水素水
を直接、冷却除じん液に添加する方法の他、排ガ
スに同伴してカルシウム化合物が供給されない場
合には石膏分離上澄液に塩化水素をPH調整しなが
ら加え、石膏分離上澄液に含まれるカルシウム化
合物濃度の約4.6倍モル濃度の塩化水素となした
後で冷却除じん塔へ補給する方法が調整しやすく
便利であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成の要となる冷却除じん液
の2水石膏結晶の飽和溶解線を、塩化水素供給量
とカルシウム化合物供給量の相関関係から求めた
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 少なくともダストと硫黄酸化物を含む燃焼排
    ガスを、冷却除じん液と接触させて排ガスを増湿
    冷却すると共に該燃焼排ガス中のダストを除去す
    る冷却除じん塔と、次いで冷却除じん塔から排出
    された硫黄酸化物を含む排ガスを吸収液と接触さ
    せて該硫黄酸化物を除去する吸収塔から構成され
    る湿式排ガス処理装置に於いて、該冷却除じん塔
    にもたらされるカルシウム化合物の石膏析出開始
    濃度を越えた増加量に対し4.6倍モル以上のCl-
    オン濃度となるよう、塩化水素、塩化カルシウム
    を除く水溶性塩化物、海水から選ばれた少なくと
    も1つを供給し、該冷却除じん液中での2水石膏
    結晶の晶析を防止することを特徴とする冷却除じ
    ん塔スケール防止方法。
JP8647482A 1982-05-24 1982-05-24 冷却除じん塔スケ−ル防止方法 Granted JPS58205590A (ja)

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JPS58205590A JPS58205590A (ja) 1983-11-30
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JP8647482A Granted JPS58205590A (ja) 1982-05-24 1982-05-24 冷却除じん塔スケ−ル防止方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0589895U (ja) * 1992-05-15 1993-12-07 株式会社クボタ 遠心型送風機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0589895U (ja) * 1992-05-15 1993-12-07 株式会社クボタ 遠心型送風機

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