JPS6340275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トランスフアプレスにおいて、ブ
ランキング・プレスで１列２個取りされた左右非
対称のブランクを、同方向に修正してフイード・
バーに受渡しをする装置に関する。

この明細書において、前後とはブランクの送り
方向を基準とし、ブランクが送られて進む側を
前、これと反対側を後と称し、左右とは前に向つ
ていうものとする。

左右非対称のブランクを打抜くに際し、コイル
材の無駄をなくして有効に使用するために、左右
の向きの異なる２つのブランクを隣接して前後に
２個づつ打抜くことが好ましい。しかしながら、
２個取りされたブランクは互いにその向きが左右
に異なるから、そのままの状態でフイード・バー
に受渡し、トランスフアプレスに送り込むことは
できない。

この考案は、１列２個取りされた左右非対称の
ブランクをフイード・バーに受け渡しをする際
に、これらを同方向に修正するとともに、フイー
ド・バーへの受渡し位置に搬送して、フイード・
バーの動作とタイミングをあわせて受渡しをする
ことのできる受渡し装置を提供するものである。

以下、図面に基づいてこの考案の実施例につい
て説明する。

第１図および第２図は、トランスフアプレス本
体Ｐ１の後部からその後方にかけての部分を示し
ており、そこにはトランスフアプレス本体Ｐ１の
後方に所定間隔をおいてブランキングプレスＰ２
が配置されるとともに、トランスフアプレス本体
Ｐ１とブランキングプレスＰ２の間にブランク受
け台Ｂが配置されている。ブランキングプレスＰ
２には別途に備えられた送り装置（図示略）によ
つてコイル材Ｃが送り込まれ、ブランキングプレ
スＰ２によつてブランク（A_oまたはB_n、ただし
ｎ、ｍは正の整数）が打ち抜かれる。ブランク
（A_oまたはB_n）は、前後対象でかつその左端部と
右端部との幅が異なる左右非対称の台形状で、と
もに同形であつて、１回の打抜き加工で２個のブ
ランクA_o，B_nが左右方向に向きが異なつた姿勢
で打ち抜かれる。

また、ブランキングプレスＰ２のところには、
ブランク（A_oまたはB_n）をつかんで進退・相互
離間運動をする左右一対のフイード・バー１が、
トランスフアプレス本体Ｐ１からのびてきてい
る。両フイード・バー１には多数のフインガ１
Ａ，１Ｂ，１Ｃが左右で対をなすように取付けら
れているが、第４図を参照して、後端部のフイン
ガ１Ａとその隣のフインガ１Ｂは受け用のもので
あり、これらのフインガ１Ａ，１Ｂの取付け間隔
は、同フインガ１Ａ，１Ｂでブランキングプレス
Ｐ１で同時に打ち抜かれた２個のブランクA_o，
B_nを同時につかむことができるように同ブラン
クA_o，B_nの中心間距離ｅに等しく設定され、そ
れ以外のフインガ１Ｃは渡し用のものであり、２
対の受け用フインガ１Ａ，１Ｂのうち、前方の受
け用フインガ１Ｂと最後端の渡し用フインガ１Ｃ
の取付け間隔および隣り合う２対の渡し用フイン
ガ１Ｃ相互の取付け間隔は、フイード・バー１の
進退ストローク量Ｌに等しく設定されている。こ
のフイード・バー１によつて、ブランキングプレ
スＰ２で打ち抜かれたブランク（A_oまたはB_n）
が、ブランキングプレスＰ１からブランク受け台
Ｂを経由してトランスフアプレス本体Ｐ１に送り
込まれる。ブランク受け台Ｂは、フインガ１Ａか
らフインガ１Ａへと受渡し搬送されるブランク
（A_oまたはB_n）を、その受渡しの際に一時受けと
めておくためのものである。

ブランク受け台Ｂの上方に、流体圧シリンダ２
が設けられている。この流体圧シリンダ２は、そ
のロツド２ａが下方に向つて進退するとともに、
必要に応じて180゜回転するものであつて、そのロ
ツド２ａの下端に、吸着部材３が取付けられてい
る。この流体圧シリンダ２が取付けられたキヤリ
ツジ４が、その支持枠５内に設けられている。

支持枠５は、その左右両側部において、フレー
ム６の一端に設けられた摺動案内部材６Ａによつ
て摺動自在に支持されている。支持枠５の後端部
には、ねじ棒７の一端が回転自在に連結されてい
る。このねじ棒７はフレーム６の一端に設けられ
たねじ孔８にねじ込まれており、先端に取付けら
れたハンドル９を左右に回転させることにより、
支持枠５が前後に移動する。また、支持枠５の内
部には、その前後壁を端渡すように、案内棒１０
ａとねじ棒１０ｂが設けられている。案内棒１０
ａはキヤリツジ４を摺動自在に貫通し、ねじ棒１
０ｂはキヤリツジ４にねじはめられている。ねじ
棒１０ｂの前端は、支持枠５から前方に突出して
いる。その先端部には、スプロケツト１１が固定
されており、このスプロケツト１１は、支持枠５
の外側部に取付けられたパルスモータ１２にチエ
ーン１３で連結されている。このモータ１２を正
逆回転させることにより、キヤリツジ４が前後に
移動する。このモータ１２のカウンタにキヤリツ
ジ４の送り量を設定することにより、キヤリツジ
４を所定の距離だけ移動させることができる。

つぎに、第４図を参照しながら、ブランク受渡
し動作について説明する。第４図において、ブラ
ンキングプレスＰ２にはブランキングステーシヨ
ンSBが、ブランク受け台Ｂには２つの第１およ
び第２受渡しステーシヨンＳ１，Ｓ２が、トラン
スフアプレス本体Ｐ１の後部には第１加工ステー
シヨンSPがそれぞれ設定されている。いま、ブ
ランキングステーシヨンSBにおいて、２個のブ
ランクＡ２，Ｂ２が打ち抜かれたものとする（第
２図イ）。この時点で第１加工ステーシヨンSPに
は、このステーシヨンSPでの加工が既に終つた
ブランクBOが配置されている。第１および第２
受渡しステーシヨンＳ１，Ｓ２には、前回打抜か
れたブランクＡ１，Ｂ１が配置されている。ま
た、ブランクＡ３，Ｂ３は次回に打ち抜かれるも
のである。さて、ブランクＡ２，Ｂ２が打ち抜か
れると、各ステーシヨンのブランクＢ０，Ｂ１，
Ｂ２，Ａ１，Ａ２はフイード・バー１によつて所
定の距離Ｌだけ搬送され、ブランクＡ２，Ｂ２は
第１受渡しステーシヨンＳ１に、ブランクＢ１は
第２受渡しステーシヨンＳ２に、ブランクＡ１は
第１加工ステーシヨンSPに至る（第２図ロ）。第
１加工ステーシヨンSPでは、ブランクＢ０がつ
ぎの加工ステーシヨンに送られ、ブランクＡ１が
送り込まれてきて加工される。

この間、キヤリツジ４は支持枠５内で後退位置
にあり、この位置から流体圧シリンダ２のロツド
２ａが進出して吸着部材３が下降しつつある。こ
の吸着部材３は、その真下にブランクＢ２が運ば
れてくるように、あらかじめハンドル９を操作し
て支持枠５を移動させることにより、その位置が
調整されている。さらに吸着部材３が下降してき
てブランクＢ２を吸着すると、ロツド２ａが退入
して、ブランクＢ２が吸着部材３に吸着されたま
ま持ち上げられる。ブランクＢ２が上昇位置まで
持ち上げられると、ロツド２ａが丁度180゜回転し
て、ブランクＢ２は左右が反転させられる。その
後、ロツド２ａは再び下降を開始する。ブランク
Ｂ２が持ち上げられたのち、パルスモータ１２が
作動してキヤリツジ４が前進を開始する。

キヤリツジ４は、その後退位置から所定の移動
量だけ移動すると、停止するが、その移動量は、
丁度隣接して前後に打ち抜かれたブランクA_o，
B_oの中心間距離ｅに等しい。この位置で、シリ
ンダ２のワツド２ａが下限位置まで下降すると、
吸着部材３による吸着が解除されて、ブランクＢ
２が第１受渡しステーシヨンＳ１の受け台に載せ
られる。これにより、ブランクＢ２は、前に送ら
れたブランクＡ２と同じ位置であつて、かつ同じ
姿勢となる。そして、ブランキングステーシヨン
SBには、次回の打ち抜きに備えてコイルＣが送
り込まれる（第２図ハ）。

以上のようにして、トランスフアプレス本体Ｐ
１が２サイクル動作をする間にブランキングプレ
スＰ２は１サイクル動作を行なつて２個のブラン
クA_o，B_nが打ち抜かれ、これらのブランクA_o，
B_nは、そのうちの一方のみが、180゜回転され左
右が反転されたのち、トランスフアプレス本体Ｐ
１の１サイクル動作毎に１個ずつフイード・バー
１によつてと第１加工ステーシヨンSPに送られ
る。

以上説明したように、この考案によれば、ブラ
ンキングプレスで打抜かれた２つのブランクは、
まずフイード・バーによつて２つのブランク受け
部まで搬送され、ついで２つのブランク受け部の
一方にあるブランクはフイード・バーによつてそ
のままトランスフアプレス本体に搬送されるが、
そこ残されたブランクはブランク吸着部材によつ
て吸着されて持上げられ、キヤリツジが前進しか
つこの前進中にブランク吸着部材が180度回転す
ることによつて先にフイード・バーによつてトラ
ンスフアプレス本体に搬送されたブランクと同方
向の向きとなつてそのブランクがあつたブランク
受け部に置かれ、フイード・バーの次回のサイク
ルで先のブランクと同様にしてトランスフアプレ
ス本体に搬送される。したがつて、左右の向きの
異なる２種類のフランクを、フイード・バーのサ
イクルと同期してタイミング良くブランキングプ
レスからトランスフアプレス本体に受渡しするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示す、第１図およ
び第２図は、トランスフアプレス本体のブランキ
ングステーシヨンの部分を示す平面図および側面
図、第３図は、第１図の−線に沿う断面図、
第４図は、ブランクの動作を示す説明図である。 Ｐ１……トランスフア本体、Ｐ２……ブランキ
ングプレス、Ｂ……受け台、２……流体圧シリン
ダ、２ａ……ロツド、３……吸着部材、４……キ
ヤリツジ、A_o，B_n……ブランク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブランキングプレスＰ２によつてコイル材Ｃよ
   り前後に隣接して同時に１つずつ打抜かれた同形
   状であるが左右の向きの異なる２種類のブランク
   A_o，B_nを左右の向きを同方向に修正してトラン
   スフアプレス本体Ｐ１に受渡しする装置であつ
   て、 トランスフアプレス本体Ｐ１とブランキングプ
   レスＰ２の間にブランク受け台Ｂが配置され、ブ
   ランク受け台Ｂの上面に２つのブランク受け部が
   前後に隣接して設けられ、これらのブランク受け
   部の上方を前後方向に往復動しうるようにキヤリ
   ツジ４が配置され、キヤリツジ４に昇降自在かつ
   回転自在なブランク吸着部材３が設けられ、 左右一対のフイード・バー１が、トランスフア
   プレス本体Ｐ１からブランク受け台Ｂを経由して
   ブランキングプレスＰ２のところまでのびてお
   り、ブランキングプレスＰ２によつて同時に打抜
   かれた２つのブランクA_o，B_nを同時に２つのブ
   ランク受け部まで搬送しうるように同２つのブラ
   ンクA_o，B_nの中心間距離ｅに等しい間隔で２対
   の受け用フインガ１Ａ，１Ｂが両フイード・バー
   １にそれぞれ取付けられるとともに、２つのブラ
   ンク受け部の一方にあるブランクA_o，B_nのみを
   トランスフアプレス本体Ｐ１まで搬送しうるよう
   に受け用フインガ１Ａ，１Ｂより前方に一対の渡
   し用フインガ１Ｃが取付けられ、 キヤリツジ４の片道の移動距離が２対の受け用
   フインガ１Ａ，１Ｂの取付け間隔に等しく設定さ
   れている、 トランスフアプレスにおけるブランク受渡し装
   置。