JPS63395B2 - - Google Patents
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- JPS63395B2 JPS63395B2 JP56182735A JP18273581A JPS63395B2 JP S63395 B2 JPS63395 B2 JP S63395B2 JP 56182735 A JP56182735 A JP 56182735A JP 18273581 A JP18273581 A JP 18273581A JP S63395 B2 JPS63395 B2 JP S63395B2
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Landscapes
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Description
本発明は離型性の改善されたセラミツクスの熱
間静水圧プレス(以下HIPと略記する)処理方
法、特にガラスをカプセル材を含む二次圧力媒体
として用いた前記HIP処理方法に関するものであ
る。 近年、熱効率の向上、燃料の節約、低公害、軽
量化を目指して高温ガスタービン、デイーゼルエ
ンジン、MHD発電など高温で稼動する機器の開
発が盛んであり、高温構造材料の形成が注目され
ており、従来の耐熱金属で満足な機械的強度を得
るに至らないことから資源の乏しい耐熱金属材料
の節約という観点もあつて、地上に豊富なセラミ
ツクスの利用が進められている。とりわけ、かゝ
るセラミツクス高温材料の中で、高温下で充分な
強度を有し、化学的に安定で熱衝撃にも強い材料
として窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(Si)など
は最も注目されている。 従来、このようなSi3N4焼結体等を製造する方
法としては、HIP処理によりSi3N4等を焼結させ
ることが知られており、例えば特開昭51−70208
号公報にSi3N4粉末もしくはその予備成形体をガ
ラスカプセルに封入、密封してHIP処理を施す代
表的な方法が記載されている。 しかしながらこのようにガラスをカプセル材と
して使用し、あるいは二次圧力媒体として使用す
るHIP処理においては、HIP処理時にガラスが焼
結体表面へ浸透し、表面附近に、Si3N4とガラス
との反応層が生成すると共にSi3N4とガラスとの
熱膨脹係数の差により焼結体角部が欠けたり、亀
裂が発生する等の欠点があつた。 そのため、かゝる欠点を防止すべく、上記HIP
処理において、Si3N4などセラミツクス原料粉末
を予備成形し、表面にBN粉等の離型剤をコーテ
イングした後、これをガラスカプセル中に封入、
あるいはガラス浴中に入れHIP処理することが行
なわれているが、実際、BNを十分に厚みをも
ち、かつ均一強固にコーテイングすることは難し
く、特に異形品の場合には尚更で、焼結体の変形
や密度むらの原因となるのみならず、例えばスプ
レーによる吹きつけや、溶剤に混合して塗布して
も、その後の操作過程で剥れ落ちることが多く、
塗布不完全な部分でセラミツクスとガラスが接触
して反応し、焼結体との接着が起り、処理後の離
型が困難となり又、ガラスが浸透する深さは、ガ
ラスの種類と、HIP処理の温度、圧力によつて
は、0.5〜1mmにも達するので、コーテイング層
の厚さに少くとも1mm程度要するが、上記手段に
よつてはかゝる厚さのコーテイングを行なうこと
は極めて困難である。 そこで、かゝる実情に対応し、本出願人は前記
の如きセラミツクス予備成形体あるいは、予備焼
結体をBN粉末中に埋設し、これを加圧成形する
ことによつて単純形状のブロツクとなし、その
後、該ブロツクを覆うようにガラスを配置して、
これをルツボに入れ、しかる後、ガラスを軟化
し、HIP処理する方法をさきに提案した。 しかしながら、この方法もガラスとBN粉末は
一応別個に配層され、結局BN粉末をコーテイン
グした場合と同様であり、処理後の離型に際し、
ガラス層の除去に稍々難があることが判明した。 かくて、本発明は、従来のガラスカプセル等を
用いたHIP処理によるセラミツクス焼結体のHIP
処理法の改善を図ると共に前記提案を発展させ
BN粉末等、を特に圧力媒体としてのガラス内に
混合してガラスを脆化させ、或は両者の熱膨脹の
差にもとづく効果により更に離型性を向上せしめ
るものであり、前記BN粉末等、ガラスと反応せ
ず、かつHIP温度において固相で浮遊している粉
末を二次圧力媒体としてのガラスカプセル材又は
ガラス浴中に5〜30重量%添加混合し、かゝる混
合体を被処理セラミツクス成形体の周りに配して
HIP処理することを特徴とする。 以下、更に本発明の具体的な内容について詳細
に説明する。 先ず、本発明方法の基本的な構成は、焼結助剤
を含み又は含まないSi3N4粉末又はSiC粉末予備
成形体あるいはこれを予備焼結した予備焼結体等
からなるセラミツクス粉末成形体をガラスカプセ
ル中に封入し、あるいはガラス浴中に入れ、該ガ
ラスを二次圧力媒体としてHIP処理を行なうこと
である。 こゝで、前記Si3N4粉末成形体等の作成は圧縮
成形、射出成形あるいはN2ガス雰囲気焼結法、
ホツトプレス焼結法等既知の手段によつて行なわ
れたものであり、Y2O3粉、Al2O3粉末、MgO粉
末等の焼結助剤を添加するときはこれら添加量は
Si3N4粉末に対して10重量%以下であることが好
ましく、又、成形体の相対密度は特に高密度は必
要なく、92%以下の開気孔を有する成形体に適用
できることは言うまでもない。 なお、前記セラミツクス材としAl2O3、TiC−
Al2O3を用いることもある。 本発明で使用する前記ガラスとしては高温での
HIP処理を行なうため高軟化点のシリケートガラ
ス、例えばシリカガラス、バイコールガラス、パ
イレツクスガラスあるいはこれらの混合物であ
る。 そして、かゝるガラスは第1図に図示する如く
予め容器状に形成されている所謂HIP用ガラスカ
プセル1としてその内部に被処理成形体2を封入
するようにしてもよく、又第2図に図示する如く
グラフアイトルツボ3に収容されたガラス浴4と
してその中の被処理成形体2に対し二次圧力媒体
の役割をもたせるようにしてもよいが、何れにし
ても該ガラスがHIP処理時における二次圧力媒体
をなし、被処理体2の周りに存在していることが
肝要である。 以上のような本発明の基本的構成において、本
発明の特徴は、前記ガラスに対しBN粉末、B4C
粉末の如き、ガラスと反応せず、かつHIP温度に
おいて固相状態で浮遊している粉末を混合分散せ
しめることである。なお、混合粉末としてSiC、
を使用することもできる。 かゝる粉末は通常、ガラスとのぬれ性が悪いも
のであり、かつガラスに対し熱膨脹に差を有して
いる。従つてHIP処理後にその熱膨脹差によりも
ろく、クラツクが入り易い一面を有し、ガラスの
厚い層に比し外力によつてこわれ易く離型を容易
ならしめる。 なお、BN等の粉末のガラスへの混合割合は5
〜30容量%、就中5〜20容量%が好ましく5容量
%以下では被処理成形体へのガラスの付着が避け
られず、一方、30容量%以上では二次圧力媒体と
しての役割を阻害し、被処理成形体の十分な緻密
化を果せない結果を招く。 通常、BN粉末等は前述の如くガラスとのぬれ
性が悪いので、HIP処理中にガラス中に分散した
該粉末が成形体の周りに凝集し、離型剤として特
に成形体に塗布するまでもなく離型効果を達成す
る。そのためには、前記混合割合は凝集による離
型効果を満足するものである。 しかし、勿論被処理成形体に薄いBN等の粉末
層をスプレー等で塗布しておくことを妨げるもの
ではなく、むしろ該粉末層は従来の厚い塗布層に
比し極めて薄い層だけで十分その目的を達し得る
利点がある。好ましいかゝる粉末の粒径として
は、0.1〜10μであり、実用的には1〜5μである。 しかしてかゝるHIP時、固相状態を保持し、不
溶の粉末のガラスへの混入時期は、ガラスカプセ
ル作成前、又はガラス浴作成前であることが、工
業上有利であり、一般的にはガラスビーズに対し
添加し混合する。この場合、この粉末混合ガラス
ビーズは好ましい状態からすれば一旦所要の温
度、時間で例えばパイレツクスガラスの場合には
1400℃、2時間で溶融し均一な粉末混合ガラスイ
ンゴツトに形成し、ボールミル等、既知の粉砕手
段で粉砕することによつて粉末状混合ガラスと
し、ガラスカプセルあるいは該混合ガラス粉末を
グラフアイトルツボ中に入れ、被処理成形体を埋
め込み、ガラス浴形成用ガラスとする。 なお、ガラス浴形成用ガラスは更に真空炉等で
一旦、溶融温度以上に加熱することによつて被処
理成形体の周りを囲む浴を形成し、爾後のHIP処
理工程へ移行する。 なお、叙上のようにしてBN粉末等を混合分散
したガラスを被処理成形体の周りに配した後は、
これは次いでHIP炉に装入され、HIP処理に付さ
れるがHIP処理は他の多くのHIP処理と同様、
Arガス、N2ガス等の不活性ガス雰囲気下で昇
温、昇圧し所定の高温高圧下で等方圧縮を行な
う。 HIP温度としては、被処理成形体の種類により
異なり、1000℃以上の温度が可能であるが、セラ
ミツクスは、焼結温度が高く、比較的高温で処理
する必要があるのでこれに合わせてガラスの種類
が選ばれる。Si3N4の場合HIP温度は通常は1400
℃以上、好ましくは1600〜1900℃である。しかし
被処理成形体の種類により2000℃位も可能である
が当然、被処理成形体の分解温度以下でなければ
ならず、殊に分解温度自体もHIP時の圧力の上昇
と共に高くなるので少くともそのHIP処理時の圧
力における分解温度よりも100℃低い温度より以
下で行なうことが好適である。 またHIP圧力は500気圧以上で行うのがよく、
500気圧以下ではHIP処理に長時間を要すると共
に、Si3N4の分解反応量が時間に比例して大きく
なるため焼結体の重量減少を招くのみならず、高
密度化自体が達成し難くなる。従つてHIP圧力は
少くとも500気圧、好ましくは700気圧以上にする
ことが望まれる。 しかし、HIP圧力は高ければ高い程、Si3N4の
分解反応が抑止され高密度化が達成され易いが、
昇圧に時間がかかり、かつ、昇圧用のコンプレツ
サをはじめ本体圧力容器などHIP処理装置が大型
化するので実用的でなくなる。従つて実用的には
2500気圧までの圧力でHIP処理することが望まし
い。 またHIP処理時間は20分〜5時間の範囲で処理
することが好ましい。 第3図、第4図は前記HIP処理時におけるガラ
スとBN粉末等とのぬれ性の悪さからくる粉末凝
縮の状態を示しており、HIP温度において前記ガ
ラス部分は溶融するとしても、粉末はガラスと反
応せず、かつHIP温度において固相状態を保持し
ていて成形体2の周りにBN等の粉末層5として
凝集し、層を形成して外殻をなすガラスとBN粉
末との混合部分1との間にガラスのみによる部分
6を介在せしめて、全体として離型剤を特に塗
布、吹付しないに拘らず離型を容易ならしめる状
態を現出している。 このようにしてHIP処理されたガラスカプセル
又はグラフアイトルツボ中のガラスは緻密化され
た成形体と共に取り出され、冷却されて次のガラ
ス除去作業において除去されるが、BN粉末等を
混合した本発明ガラスにおいては冷却時、両者の
熱膨脹の差によつて微小なクラツクの発現があり
両者ぬれ性が悪いため軽い衝撃を加えるだけで容
易に離型し、簡単に処理済焼結体を分離する。 かくして本発明方法によればガラスを二次圧力
媒体として使用するにあたり、処理後の離型作業
が簡易化され、作業合理化を果すと共に、HIP処
理には何らの障害はなく処理済焼結体にあつても
ガラスのクラツクによる除去の容易さから通常の
HIP処理焼結体に比し何ら遜色なく充分高密度化
が可能であり、高密度セラミツクス焼結体の製造
時における作業工程の簡素化の一環としてその実
効性が期待される。 以下、本発明方法を実施例によつて更に具体的
に説明する。 実施例 1 粒径1mmのパイレツクスビーズ(軟化点820℃)
に平均粒径2μのBN粉末を15容量%添加混合した
ものを1400℃、2時間溶融し、均一なBN混合ガ
ラスインゴツトを得た。このものはボールミルに
より容易に微粉砕され粉末状のガラスとなつた。 次に、このBN混合ガラス粉末を第2図に示す
ようにグラフアイトルツボ中に入れその中に
Si3N4粉末成形体を埋め込んだ。そして、これを
真空炉で1200℃、2時間の加熱を行ない埋設した
Si3N4成形体がガラスの連続体で覆われるように
した後、HIP炉内で1700℃、1000atm.で1時間
HIP処理した。かくして処理後取り出し、冷却す
るとき、グラフアイトルツボ中のガラスには微小
なクラツクが多数認められ軽い衝撃を与えること
によりSi3N4とガラスの離型が容易にでき離型性
は頗る良好であつた。又、処理後のSi3N4焼結体
の表面粗さは通常の焼結体に比べて遜色なく、む
しろ非常に良好であつた。 実施例 2〜8 次に実施例1に準じ、夫々ガラスの種類、粉末
の種類及び添加量、被処理物を変え、これに合わ
せてHIP条件を変えて離型性を調べた。その結果
を次表に示す。
間静水圧プレス(以下HIPと略記する)処理方
法、特にガラスをカプセル材を含む二次圧力媒体
として用いた前記HIP処理方法に関するものであ
る。 近年、熱効率の向上、燃料の節約、低公害、軽
量化を目指して高温ガスタービン、デイーゼルエ
ンジン、MHD発電など高温で稼動する機器の開
発が盛んであり、高温構造材料の形成が注目され
ており、従来の耐熱金属で満足な機械的強度を得
るに至らないことから資源の乏しい耐熱金属材料
の節約という観点もあつて、地上に豊富なセラミ
ツクスの利用が進められている。とりわけ、かゝ
るセラミツクス高温材料の中で、高温下で充分な
強度を有し、化学的に安定で熱衝撃にも強い材料
として窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(Si)など
は最も注目されている。 従来、このようなSi3N4焼結体等を製造する方
法としては、HIP処理によりSi3N4等を焼結させ
ることが知られており、例えば特開昭51−70208
号公報にSi3N4粉末もしくはその予備成形体をガ
ラスカプセルに封入、密封してHIP処理を施す代
表的な方法が記載されている。 しかしながらこのようにガラスをカプセル材と
して使用し、あるいは二次圧力媒体として使用す
るHIP処理においては、HIP処理時にガラスが焼
結体表面へ浸透し、表面附近に、Si3N4とガラス
との反応層が生成すると共にSi3N4とガラスとの
熱膨脹係数の差により焼結体角部が欠けたり、亀
裂が発生する等の欠点があつた。 そのため、かゝる欠点を防止すべく、上記HIP
処理において、Si3N4などセラミツクス原料粉末
を予備成形し、表面にBN粉等の離型剤をコーテ
イングした後、これをガラスカプセル中に封入、
あるいはガラス浴中に入れHIP処理することが行
なわれているが、実際、BNを十分に厚みをも
ち、かつ均一強固にコーテイングすることは難し
く、特に異形品の場合には尚更で、焼結体の変形
や密度むらの原因となるのみならず、例えばスプ
レーによる吹きつけや、溶剤に混合して塗布して
も、その後の操作過程で剥れ落ちることが多く、
塗布不完全な部分でセラミツクスとガラスが接触
して反応し、焼結体との接着が起り、処理後の離
型が困難となり又、ガラスが浸透する深さは、ガ
ラスの種類と、HIP処理の温度、圧力によつて
は、0.5〜1mmにも達するので、コーテイング層
の厚さに少くとも1mm程度要するが、上記手段に
よつてはかゝる厚さのコーテイングを行なうこと
は極めて困難である。 そこで、かゝる実情に対応し、本出願人は前記
の如きセラミツクス予備成形体あるいは、予備焼
結体をBN粉末中に埋設し、これを加圧成形する
ことによつて単純形状のブロツクとなし、その
後、該ブロツクを覆うようにガラスを配置して、
これをルツボに入れ、しかる後、ガラスを軟化
し、HIP処理する方法をさきに提案した。 しかしながら、この方法もガラスとBN粉末は
一応別個に配層され、結局BN粉末をコーテイン
グした場合と同様であり、処理後の離型に際し、
ガラス層の除去に稍々難があることが判明した。 かくて、本発明は、従来のガラスカプセル等を
用いたHIP処理によるセラミツクス焼結体のHIP
処理法の改善を図ると共に前記提案を発展させ
BN粉末等、を特に圧力媒体としてのガラス内に
混合してガラスを脆化させ、或は両者の熱膨脹の
差にもとづく効果により更に離型性を向上せしめ
るものであり、前記BN粉末等、ガラスと反応せ
ず、かつHIP温度において固相で浮遊している粉
末を二次圧力媒体としてのガラスカプセル材又は
ガラス浴中に5〜30重量%添加混合し、かゝる混
合体を被処理セラミツクス成形体の周りに配して
HIP処理することを特徴とする。 以下、更に本発明の具体的な内容について詳細
に説明する。 先ず、本発明方法の基本的な構成は、焼結助剤
を含み又は含まないSi3N4粉末又はSiC粉末予備
成形体あるいはこれを予備焼結した予備焼結体等
からなるセラミツクス粉末成形体をガラスカプセ
ル中に封入し、あるいはガラス浴中に入れ、該ガ
ラスを二次圧力媒体としてHIP処理を行なうこと
である。 こゝで、前記Si3N4粉末成形体等の作成は圧縮
成形、射出成形あるいはN2ガス雰囲気焼結法、
ホツトプレス焼結法等既知の手段によつて行なわ
れたものであり、Y2O3粉、Al2O3粉末、MgO粉
末等の焼結助剤を添加するときはこれら添加量は
Si3N4粉末に対して10重量%以下であることが好
ましく、又、成形体の相対密度は特に高密度は必
要なく、92%以下の開気孔を有する成形体に適用
できることは言うまでもない。 なお、前記セラミツクス材としAl2O3、TiC−
Al2O3を用いることもある。 本発明で使用する前記ガラスとしては高温での
HIP処理を行なうため高軟化点のシリケートガラ
ス、例えばシリカガラス、バイコールガラス、パ
イレツクスガラスあるいはこれらの混合物であ
る。 そして、かゝるガラスは第1図に図示する如く
予め容器状に形成されている所謂HIP用ガラスカ
プセル1としてその内部に被処理成形体2を封入
するようにしてもよく、又第2図に図示する如く
グラフアイトルツボ3に収容されたガラス浴4と
してその中の被処理成形体2に対し二次圧力媒体
の役割をもたせるようにしてもよいが、何れにし
ても該ガラスがHIP処理時における二次圧力媒体
をなし、被処理体2の周りに存在していることが
肝要である。 以上のような本発明の基本的構成において、本
発明の特徴は、前記ガラスに対しBN粉末、B4C
粉末の如き、ガラスと反応せず、かつHIP温度に
おいて固相状態で浮遊している粉末を混合分散せ
しめることである。なお、混合粉末としてSiC、
を使用することもできる。 かゝる粉末は通常、ガラスとのぬれ性が悪いも
のであり、かつガラスに対し熱膨脹に差を有して
いる。従つてHIP処理後にその熱膨脹差によりも
ろく、クラツクが入り易い一面を有し、ガラスの
厚い層に比し外力によつてこわれ易く離型を容易
ならしめる。 なお、BN等の粉末のガラスへの混合割合は5
〜30容量%、就中5〜20容量%が好ましく5容量
%以下では被処理成形体へのガラスの付着が避け
られず、一方、30容量%以上では二次圧力媒体と
しての役割を阻害し、被処理成形体の十分な緻密
化を果せない結果を招く。 通常、BN粉末等は前述の如くガラスとのぬれ
性が悪いので、HIP処理中にガラス中に分散した
該粉末が成形体の周りに凝集し、離型剤として特
に成形体に塗布するまでもなく離型効果を達成す
る。そのためには、前記混合割合は凝集による離
型効果を満足するものである。 しかし、勿論被処理成形体に薄いBN等の粉末
層をスプレー等で塗布しておくことを妨げるもの
ではなく、むしろ該粉末層は従来の厚い塗布層に
比し極めて薄い層だけで十分その目的を達し得る
利点がある。好ましいかゝる粉末の粒径として
は、0.1〜10μであり、実用的には1〜5μである。 しかしてかゝるHIP時、固相状態を保持し、不
溶の粉末のガラスへの混入時期は、ガラスカプセ
ル作成前、又はガラス浴作成前であることが、工
業上有利であり、一般的にはガラスビーズに対し
添加し混合する。この場合、この粉末混合ガラス
ビーズは好ましい状態からすれば一旦所要の温
度、時間で例えばパイレツクスガラスの場合には
1400℃、2時間で溶融し均一な粉末混合ガラスイ
ンゴツトに形成し、ボールミル等、既知の粉砕手
段で粉砕することによつて粉末状混合ガラスと
し、ガラスカプセルあるいは該混合ガラス粉末を
グラフアイトルツボ中に入れ、被処理成形体を埋
め込み、ガラス浴形成用ガラスとする。 なお、ガラス浴形成用ガラスは更に真空炉等で
一旦、溶融温度以上に加熱することによつて被処
理成形体の周りを囲む浴を形成し、爾後のHIP処
理工程へ移行する。 なお、叙上のようにしてBN粉末等を混合分散
したガラスを被処理成形体の周りに配した後は、
これは次いでHIP炉に装入され、HIP処理に付さ
れるがHIP処理は他の多くのHIP処理と同様、
Arガス、N2ガス等の不活性ガス雰囲気下で昇
温、昇圧し所定の高温高圧下で等方圧縮を行な
う。 HIP温度としては、被処理成形体の種類により
異なり、1000℃以上の温度が可能であるが、セラ
ミツクスは、焼結温度が高く、比較的高温で処理
する必要があるのでこれに合わせてガラスの種類
が選ばれる。Si3N4の場合HIP温度は通常は1400
℃以上、好ましくは1600〜1900℃である。しかし
被処理成形体の種類により2000℃位も可能である
が当然、被処理成形体の分解温度以下でなければ
ならず、殊に分解温度自体もHIP時の圧力の上昇
と共に高くなるので少くともそのHIP処理時の圧
力における分解温度よりも100℃低い温度より以
下で行なうことが好適である。 またHIP圧力は500気圧以上で行うのがよく、
500気圧以下ではHIP処理に長時間を要すると共
に、Si3N4の分解反応量が時間に比例して大きく
なるため焼結体の重量減少を招くのみならず、高
密度化自体が達成し難くなる。従つてHIP圧力は
少くとも500気圧、好ましくは700気圧以上にする
ことが望まれる。 しかし、HIP圧力は高ければ高い程、Si3N4の
分解反応が抑止され高密度化が達成され易いが、
昇圧に時間がかかり、かつ、昇圧用のコンプレツ
サをはじめ本体圧力容器などHIP処理装置が大型
化するので実用的でなくなる。従つて実用的には
2500気圧までの圧力でHIP処理することが望まし
い。 またHIP処理時間は20分〜5時間の範囲で処理
することが好ましい。 第3図、第4図は前記HIP処理時におけるガラ
スとBN粉末等とのぬれ性の悪さからくる粉末凝
縮の状態を示しており、HIP温度において前記ガ
ラス部分は溶融するとしても、粉末はガラスと反
応せず、かつHIP温度において固相状態を保持し
ていて成形体2の周りにBN等の粉末層5として
凝集し、層を形成して外殻をなすガラスとBN粉
末との混合部分1との間にガラスのみによる部分
6を介在せしめて、全体として離型剤を特に塗
布、吹付しないに拘らず離型を容易ならしめる状
態を現出している。 このようにしてHIP処理されたガラスカプセル
又はグラフアイトルツボ中のガラスは緻密化され
た成形体と共に取り出され、冷却されて次のガラ
ス除去作業において除去されるが、BN粉末等を
混合した本発明ガラスにおいては冷却時、両者の
熱膨脹の差によつて微小なクラツクの発現があり
両者ぬれ性が悪いため軽い衝撃を加えるだけで容
易に離型し、簡単に処理済焼結体を分離する。 かくして本発明方法によればガラスを二次圧力
媒体として使用するにあたり、処理後の離型作業
が簡易化され、作業合理化を果すと共に、HIP処
理には何らの障害はなく処理済焼結体にあつても
ガラスのクラツクによる除去の容易さから通常の
HIP処理焼結体に比し何ら遜色なく充分高密度化
が可能であり、高密度セラミツクス焼結体の製造
時における作業工程の簡素化の一環としてその実
効性が期待される。 以下、本発明方法を実施例によつて更に具体的
に説明する。 実施例 1 粒径1mmのパイレツクスビーズ(軟化点820℃)
に平均粒径2μのBN粉末を15容量%添加混合した
ものを1400℃、2時間溶融し、均一なBN混合ガ
ラスインゴツトを得た。このものはボールミルに
より容易に微粉砕され粉末状のガラスとなつた。 次に、このBN混合ガラス粉末を第2図に示す
ようにグラフアイトルツボ中に入れその中に
Si3N4粉末成形体を埋め込んだ。そして、これを
真空炉で1200℃、2時間の加熱を行ない埋設した
Si3N4成形体がガラスの連続体で覆われるように
した後、HIP炉内で1700℃、1000atm.で1時間
HIP処理した。かくして処理後取り出し、冷却す
るとき、グラフアイトルツボ中のガラスには微小
なクラツクが多数認められ軽い衝撃を与えること
によりSi3N4とガラスの離型が容易にでき離型性
は頗る良好であつた。又、処理後のSi3N4焼結体
の表面粗さは通常の焼結体に比べて遜色なく、む
しろ非常に良好であつた。 実施例 2〜8 次に実施例1に準じ、夫々ガラスの種類、粉末
の種類及び添加量、被処理物を変え、これに合わ
せてHIP条件を変えて離型性を調べた。その結果
を次表に示す。
【表】
上記各実施例より本発明方法を実施する粉末混
合ガラスによるものは、所要の割合において十分
所期の離型目的を達し、かつHIP処理による緻密
化が図られることが理解される。
合ガラスによるものは、所要の割合において十分
所期の離型目的を達し、かつHIP処理による緻密
化が図られることが理解される。
第1図はカプセル法による被処理成形体封入態
様を、又第2図はガラス浴法による同じく被処理
成形体封入態様を示す各概要図、第3図及び第4
図は粉末層凝集状態を示す図で第3図は全体図、
第3図A部分拡大図である。
様を、又第2図はガラス浴法による同じく被処理
成形体封入態様を示す各概要図、第3図及び第4
図は粉末層凝集状態を示す図で第3図は全体図、
第3図A部分拡大図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 シリケート系ガラスを二次圧力媒体としてセ
ラミツクス粉末成形体を熱間静水圧プレス処理す
る方法において、前記シリケート系ガラスに該ガ
ラスと反応せず、かつ熱間静水圧プレス処理温度
において固相で浮遊している粉末を5〜30容量%
添加混合した混合体を前記被処理成形体の周りに
配して前記熱間静水圧プレス処理を行うことを特
徴とするセラミツクスの熱間静水圧プレス処理方
法。 2 シリケート系ガラスがシリカガラス、バイコ
ールガラス、パイレツクスガラスから選ばれたガ
ラスである特許請求の範囲第1項記載のセラミツ
クスの熱間静水圧プレス処理方法。 3 添加粉末がBN粉末である特許請求の範囲第
1項又は第2項記載のセラミツクスの熱間静水圧
プレス処理方法。 4 添加粉末が炭化硼素(B4C)である特許請求
の範囲第1項又は第2項記載のセラミツクスの熱
間静水圧プレス処理方法。 5 添加粉末の粒度が0.1〜10μである特許請求の
範囲第3項又は第4項記載のセラミツクスの熱間
静水圧プレス処理方法。 6 被処理成形体がSi3N4、SiC、Al2O3、TiC−
Al2O3から選ばれた粉末成形体である特許請求の
範囲第1項ないし第5項の何れかに記載のセラミ
ツクスの熱間静水圧プレス処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56182735A JPS5884713A (ja) | 1981-11-13 | 1981-11-13 | セラミツクスの熱間静水圧プレス処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56182735A JPS5884713A (ja) | 1981-11-13 | 1981-11-13 | セラミツクスの熱間静水圧プレス処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5884713A JPS5884713A (ja) | 1983-05-20 |
JPS63395B2 true JPS63395B2 (ja) | 1988-01-06 |
Family
ID=16123516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56182735A Granted JPS5884713A (ja) | 1981-11-13 | 1981-11-13 | セラミツクスの熱間静水圧プレス処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5884713A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04346828A (ja) * | 1991-05-22 | 1992-12-02 | Kozo Ishizaki | 見かけ無重量下での材料の処理方法 |
-
1981
- 1981-11-13 JP JP56182735A patent/JPS5884713A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5884713A (ja) | 1983-05-20 |
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