JPS6339577A - 耐熱性/耐酸性グルコアミラ−ゼを生産する嫌気性細菌 - Google Patents

耐熱性/耐酸性グルコアミラ−ゼを生産する嫌気性細菌

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JPS6339577A
JPS6339577A JP18341186A JP18341186A JPS6339577A JP S6339577 A JPS6339577 A JP S6339577A JP 18341186 A JP18341186 A JP 18341186A JP 18341186 A JP18341186 A JP 18341186A JP S6339577 A JPS6339577 A JP S6339577A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なグルコアミラーゼの生産に用いられる嫌
気性細菌に係り、さらに詳しくは、ぶとう糖等の製造等
におけるでん粉の糖化反応に好適な酸性条件下でもすぐ
れた耐熱性を有する耐熱性/耐酸性グルコアミラーゼを
生産するクロスツリジウム・エスピーに関する。
〔従来の技術〕
酵素は基質特異性が高く、常温、常圧下でも反応を触媒
できる特徴を有するが、−gに加熱やpH変化に対し極
めて不安定である。最近、酵素を固定化してバイオリア
クターに組み込み、異性化糖やL−アミノ酸が生産でき
るようになった。これらのりアクタの運転に際しては、
雑菌の繁殖防止や反応速度をあげるため、常温より高い
60℃以上の温度で行うことが望まれている。このため
、旧来の常温性酵素にかわり、加熱やpH変化にも安定
な、いわゆる耐熱酵素の開発が進められてきた。
現在、工業的に用いられているグルコアミラーゼは50
℃を越えると急速に酵素活性が失活する常温性酵素であ
り (酵素利用ハンドブック、 p62.他人書かん、
昭和57年)主としてリゾプス(Rh 1zopus)
属およびアスペルギルス(Aspergil is)属
がら生産されている。これらのグルコアミラーゼの作用
好適pHは4〜5である。
耐熱性に優れたグルコアミラーゼについては、V、Ba
saveswara等(Biochem、J、 、 1
93.379.1981年)やカドコシン等(特開昭6
0−54680号)の例があるが、いずれも熱安定性を
発揮するためにはp)16程度の中性条件が必要である
ところで、でん扮を原料とするぶとう糖の製造は10〜
40%)溶度のでん粉スラリーをα−アミラーゼにより
液化する液化工程と、この液化でん粉溶液をグルコアミ
ラーゼにより糖化する徳化工程の2工程により行われて
いる。液化工程においては原料でん粉中に含まれる不純
物の有a酸のためにpHは5以下、しばしば4以下を呈
する。このため先に本発明者らは4付近においてもすぐ
れた耐熱性を存する新規なα−アミラーゼを開発しく特
願昭59−236917号)、でん粉スラリーをアルカ
リで中和することなく酸性状態のままで液化することを
可能にした。しかしながら、液化工程にひき続いて行わ
れる糖化工程に使用するグルコアミラーゼに関しては、
pH4〜5の酸性条件下で糖化を行える耐熱性酵素はま
だ未開発である。先に述べたカドコシン等の耐熱性グル
コアミラーゼの作用好適pHは6付近であるため、糖化
工程を行うには液化でん粉溶液にアルカリを加えて中和
しなければならない。その結果、ぶとう糖や異性化糖等
のでん粉加工の最終製品を得る場合には、反応後に中和
剤を除去することが必要となり、イオン交換樹脂を用い
る脱塩工程への負化を著しく増大させている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、でん
粉を原料としてぶとう等を製造するにあたりpH4〜5
の酸性条件下、60〜70℃の高温下で作用可能なグル
コアミラーゼ、すなわち耐熱性/耐酸性に優れた新規な
グルコアミラーゼを生産する微生物を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための技術手段〕
本発明者らは耐熱性にすぐれ、かつ耐酸性を有する新規
なグルコアミラーゼを生産する微生物の探索を行った。
その結果、クロスッリジウムに属する偏性嫌気性細菌で
あるクロスッリジウム・エスピーG−0005(clo
stridium sp G−0005) (微工研菌
寄第8737号)が酵素の特性、特に酸性領域での耐熱
性について従来のグルコアミラーゼと異なる新規なグル
コアミラーゼを生成することを見い出し、本発明に至っ
た。本発明のクロスツリジウム属細菌は、濃厚有機廃液
の高温メタン醗酵スラリーを起源として分離したもので
ある。本菌の分離は次のようにして行った。まずメタン
醗酵スラリーを低速遠心分離(1000rpm、  5
分間)にかけ、粗大粒子を/、を降除去した後、殺閏生
理食塩水で希釈した。
これを菌液とし、でん粉粒を炭素源とする寒天平板上に
窒素雰囲気下で塗布し、60℃で嫌気的にでん粉粒を溶
解することなく生育するコロニーを分離した。さらに、
上記コロニーの希釈液か1マイクロマニユプレークによ
り栄養細胞を単離した。
寒天平板による分離とマイクロマニュプレークによる分
離とをさらに数回重ね、本発明の菌を得た。
本発明のクロスツリジウム属細菌は工業技術院微生物工
業技術研究所に寄託しである(受託番号:微工研菌寄第
8737号(FERM P−8737))。まず、本菌
の菌学的性質の詳細を説明する。なお、以下の記載にお
いて%は特に士旨示しない限り重量%である。
A、形態的性質 (1)栄養細胞の形態 下記のデキストリン・ペプトン培地の寒天平板上、嫌気
性雰囲気中、60℃で2日間培養した場合、栄養細胞は
0.3〜0.5 X 2〜4μmの大きさの直状の桿菌
である。上記の栄養細胞は単独あるいは連鎖して存在す
る。液体培養においても同様となる。また、細胞の多形
性はみられない。
なお、この菌の生物形態の顕微鏡写真を第1図に示す。
デキストリン−ペプトン培地の組成 デキストリン          1.5%ペプトン 
          0.5%酵母エキス      
    0.5%KHzPOn0.7% NazHPOa            O,2%Mg
5O,・7H!0         0.001%寒天
             2.0%チオグリコール酸
ナトリウム  0.1%水道水 pH6,0 (2)運動性の有無 運動性は認められない (3)胞子の有無 でん粉−ペプトン培地の寒天平板培養において胞子の形
成が認められる。胞子は栄養細胞内端部に形成され、直
径0.5μm程度の球状をなしている。
(4)ダラム染色性 陰性 B、各培地における生育状態 (1)コロニーの形態 でん粉−ペプトン培地の寒天平板培養でのコロニーは、
中心部がやや隆起した扁平な円形となり、周縁部は不規
則である。色素は産生ぜず、乳白色半透明である。
(2)肉汁寒天平板培養 生育は認められない 肉汁寒天培地組成 肉エキス          1.0%ペプトン   
       1.0%食塩     0.2% チオグリコール酸ナトリウム 0.1%寒天     
2.0% 蒸留水 pH6,。
(3)肉汁寒天斜面培養 生育は認められない (4)肉汁寒天穿刺培養 穿刺線にそってわずかに増殖していることが観察される
。色素の産生は認められない。
(5)肉汁液体培養 生育は認められない 肉汁培地の組成 肉エキス          1.0%ペプトン   
       1.0%食塩     0.2% チオグリコール酸ナトリウム 0.01%蒸留水 pH6,0 (6)肉汁・ゼラチン培養 生育は認められない。ゼラチンの液化も認められない。
肉汁ゼラチン培地の組成 肉エキス          1.0%ペプトン   
       1.0%食塩     0.2% ゼラチン         15.0%チオグリコール
酸ナトリウム 0.1%蒸留水 pH6,0 (7)リドマスミルク培養 酸を生成して赤変し、固く凝固する。ガスの発生が認め
られる。
C0生理的性質 (1)生育の温度範囲 49〜64℃で生育する。46℃、69℃では生育は認
められない。57〜61℃付近で良好に生育する。
(2)生育のpH範囲 pH4,8〜7.5で生育する。pH6,0付近で良好
に生育する。
(3)酸素に対する態度 ゛  偏性嫌気性 (4)0−Fテスト (Hugh La1fson法)
陰性。空気雰囲気中及び流動パラフィン重層による嫌気
性条件下共にガス生成を伴って生育し、酸の生成により
黄色となる。空気雰囲気中での培養においては、気相境
界部より約10下より、底部にかけて生育した。
培地組成 ペプトン          0.2%ぶとうt)! 
          1.o%食塩     0.5% KJPO*            0.03%ブロム
クレゾールパープル  0.002%寒天     0
.3% 蒸留水 p H6,0 (5)硝酸塩の還元 陰性 (6)VPテスト 陰性 (7)MRテスト 陽性。赤変化する。
(8)インドール生成 ペプトン水に生育しないため測定できない。
(9)硫化水素の生成 陰性(Kligrerの培地使用において)(10)で
ん粉の加水分解 陽性 (11)クエン酸の利用 陽性(Simons培地使用において)(12)アンモ
ニウム塩の利用 ペプトン水に生育せず、測定できない。
(13)色素の菌体外生成 陰性 (!4)ウレアーゼ 陰性 (15)オキシダーゼ 陰性 (16)カタラーゼ 陰性 (17)糖の資化性 糖の資化性及びダーラム管を用いたガス発生有無の観察
結果を第1表に示す。表中、資化性及びガスの生成が認
められた場合には+、認められない場合には−の記号で
示した。
(木頁以下余白) 第   1   表 糖資化性試験用液体焙地組成 炭素源(糖)1.0% ペプトン          1.0%NaC!   
         0.2%チオグリコール酸ナトリウ
ム 0.1%薫留水 pH6,0 (18)無機塩培地への生育 生育は認められない。
これらの結果よりバージ−の細菌分類マニュアル(Be
rgey’s Manual of Determin
ative Bocteri−ology 8th E
dition)に基づき、クロスツリジウムに属する細
菌と同定した。
次に、本発明の細菌を用いて生産した耐熱性グリコアミ
ラーゼの酵素的特性について記す。
なお、グルコアミラーゼ活性の測定は次のように行った
グルコアミラーゼ活性測定の基質には可溶性でん粉(和
光純薬製、生化学用)を用いた。まず、5%可溶性でん
粉溶液9.5mZ、  pH4,5の0.1M酢酸−酢
酸ナトリウム緩衝液0.5mZ、純水1m!。
酵素溶液0.5 mlを混合し、60℃で30分間酵素
反応を行わせた。次いで、反応液中のぶどう糖量をグル
コース分析HC米国、イエロー・スプリングス・インス
ッルメント・カンパニー(Yellow Spring
s Instrument Company)社製、グ
ルコースオキシダーゼ法により測定する。)を用いて測
定した。
グルコアミラーゼ活性の1単位は、上記測定条件下で1
分間に1μmolのぶとう糖を生成する能力と定義した
(1)調製方法 デキストリン1.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エ
キス0.5%、リン酸第1カリウム0.7%、リン酸第
2ナトリウム0.2%、硫酸マグネシウム・7水和物o
、ooi%、チオグリコール酸ナトリウム0.1%及び
水道水を含む液体培地(p H6,0) 32kgを内
容積5Nの培養槽10基に3.15 kgづつ分注し、
120℃で15分間殺菌した。それぞれの培養槽に上記
培地を用いて嫌気的に培養した本発明のクロスツリジウ
ム属細菌G−0005菌の菌体懸濁液0.35kgを添
加した。次いで、ガス出口に水封トラップを付し、培養
槽内気相部をアルゴンガス(酸素濃度lppm以下)で
十分置換後、嫌気条件下で培養した。
培養液のpHは6.0に、培養液の温度は60℃にそれ
ぞれ自動調整した。21時間培養後、培養液を合せ、6
000rpmで遠心分離し、菌体を除去した。回収した
上澄液についてガラス濾紙(東洋科学産業型、 GA−
100及びGC−50)メンブレンフィルタ (東洋科
学産業製、ポアサイズ1μm及び0.45μm)を用い
て加圧濾過し、菌体及びその他の固形物を除去して培養
濾液を得た。この培養濾液より10m1を採取し、純水
にて24時間透析したのち、グルコアミラーゼ活性を測
定したところ、培養濾液1gあたり0.05単位のグル
コアミラーゼが存在していた。
次に上記培養濾液29kgを中空繊維型モレキュラーシ
ーブ膜(分画分子量10,000.  米国アミコン製
(Amicon Co、)HIPIO−20)で加圧濾
過し、2 kgに濃縮した。上記濃縮液について硫安を
用いた塩析を行い、飽和度(硫安飽和濃度に対す割合、
%で表わす) 20%にて析出せず、飽和度55%にて
析出した固形物を14.00Orpmで遠心分離し回収
した。次いで飽和度55%の硫安溶液で固形物を洗浄し
回収した。次いで、固形物を0.05M )リス−塩酸
緩衝液(pH7,5)に溶解し240gとした。次いで
上記緩衝液101を用いて、24時間透析を2回繰返し
実施した。そののち、透析した液中の固形物を、ガラス
濾紙(東洋濾紙型、 GC−50)を用いた濾過で除去
した。清澄化した透析液は310gであった。
次に、上記透析液をジエチルアミノエチル化架橋アガロ
ースゲル(フラクション、 DEAεセファロースCL
−6B)を用いたイオン交換クロマト (カラムサイズ
φ44 X 500mm)により精製した。0.05M
トリス−塩酸緩衝液で平衡化したゲルカラムに上記透析
液をチャージし、洗滌した。次いで緩衝液中の塩化ナト
リウム濃度を直線勾配で上昇しつつ展開した。グルコア
ミラーゼの溶出パターンを図6に示す。塩化ナトリウム
濃度0.25Mの溶出位置にグルコアミラーゼ活性を有
するピークが認められた。グルコアミラーゼフラクショ
ンとして360gを回収し、次いでモレキュラーシーブ
膜(分画分子量10,000.米国アミコン製、 PM
−10,)を用い、純水10kgを加えて加圧濾過し、
脱塩、濃縮を行い粗精製グルコアミラーゼ液160gを
得た。本溶液中のグルコアミラーゼ活性は3.3単位7
gであった。
次に上記粗精製グルコアミラーゼにつきゲル濾過により
精製した。まず、上記ゲルコミラーゼ液100gを0.
04Torrの減圧下で凍結乾燥し、これを0.05M
クエン酸・第2クエン酸緩衝液(pH4,5)4−に溶
解し、固形物を400Orpmの遠心分離で除去した。
次に、上記緩衝液で平衡化した架橋デキストランゲル(
ファルマシア製、セファデックスG−100)を充填し
たクロマトカラム(φ15 X 900mm)に上記グ
ルコアミラーゼ液1−をチャージし同じ緩衝液で展開し
た。その結果を第7図に示した。
溶出液i65+nZの位置にグルコアミラーゼ活性のピ
ークが認められた。上記ゲル濾過を残りの粗精製グルコ
アミラーゼについても実施し、精製グルコアミラーゼフ
ラクション40gを得た。本フラクションのグルコアミ
ラーゼ活性は12単位/gであった。
以上の精製操作により、培養濾液基準の比活性は171
倍に向上した。また、培養濾液基準の活性回収率は23
%である。培養濾液を基準とした各工程の標品の比活性
、収量、活性回収率を第2表に示した。
なお、液体培養における液体培地の炭素源としては、上
記デキストリンに限るものではなく、可溶性でん粉、馬
鈴薯でん粉、コーンスターチ、甘薯でん粉、廃糖みつ等
を用いてもよい。また、その他の栄養成分も上記に限定
するものではなく、コーンステイープリカー、各種アミ
ノ酸、ビタミン、各種塩等を単独もしくは混合して用い
てもよい。
(2)作用及び基質特異性 本酵素は、馬鈴薯、とうもろこし、甘薯等のでん粉、お
よびこれらを加水分解して得た可溶性でん粉、デキスト
リン、マルトース等をぶとう糖に加水分解するグルコア
ミラーゼである。マルトース基質の場合、ぶどう糖生成
速度は可溶性でん粉基質の約2である。
(3)至適pH 本酵素の60℃における作用pH曲線を第2図に示す。
本酵素の60℃における最適pH域は4〜5にあり、か
つ、好適pHは(最適pHでの活性の80%を有するp
H域とする)3.8〜5.7にある。
なお、反応の際のp H11衝液としては、塩化カリウ
ム−塩酸(pH2,0)、グリシン−塩酸(pH2,5
〜3.5)、β:β−ジメチルグルグル酸−トリスヒド
ロキシメチルアミノメタン−2−アミノ−2−メチル−
1:3−プロパンジオール(以下「GTAJと略称)(
pH3,5〜9)の0.05M緩衝液を用いた。
(4)pH安定性 本発明によるグルコアミラーゼをpH2,3゜4、4.
5. 5. 6. 7. 9の各pH下(0,05M塩
化カリウム−塩酸、 0.05Mグリシン−塩酸及び0
゜05MGTA緩衝液を使用)で70℃、30分間イン
キュベートした。そののち、反応液を希釈し、pH4,
5に調整したのち、可溶性でん粉を基質として残存活性
を測定した。その結果を第3図に示した。
本発明によるグルコアミラーゼはpH4,5〜5.0の
範囲で完全に活性が保持されていた。したがって、木グ
ルコアミラーゼは酸性領域ですぐれた安定性を有する酵
素であることがわかった。
(5)至適温度 本発明によるグルコアミラーゼの活性をpH4゜5の条
件下、40.50.60.65.70.75℃の温度に
て測定したところ、第4図に示す結果を得た。本結果よ
り、至適温度は70℃付近にある。好適温度(最適温度
での活性の80%を有する温度域とする)は53〜73
℃である。
(6)グルコアミラーゼ活性に及ぼす金属塩の形容 本発明によるグルコアミラーゼの活性に及ぼす金属塩の
影響を第3表に示す。グルコアミラーゼ活性の測定にお
いて各種の金属塩を5mMになるように添加した。そし
て、金属塩無添加に対する活性を%で表示した。なお、
アンモニウム塩及びEDTA添加の場合についても第3
表に付記した。マグネシウムイオン、カルシウムイオン
、カリウムイオンがグルコアミラーゼ活性作用を有する
ことが認められる。ニッケルイオン、鉄イオンには阻害
作用が認められる。
第   3   表 活性測定条件 pH5,0(0,1Mクエン酸−第2クエン酸ナトリウ
ム緩衝液)活性測定温度:60℃(7)熱安定性 本発明によるグルコアミラーゼを基質無添加下、pH4
,5にて、60〜80℃の加熱処理を行い、一定時間毎
(20,40秒、  1. 2. 4.10.20.4
0分、1゜2.4,6,8.16時間、1,2,4,7
.10゜15、20日)に処理液の一部を採取し、液中
のグルコアミラーゼ活性を60℃、pH4,5にて測定
した。
これをもとに各温度における活性半減期を求め、その結
果を第5図に示した。70℃及び75℃における基質無
添加下での活性半減期はそれぞれ、6時間、1分間であ
る。本グルコアミラーゼはこれまで公知のグルコアミラ
ーゼに較べ高度の耐熱性を有している。一方、pH4,
0,4,3,4,5,5,0゜6、0の各pHにおける
基質無添加下、70℃での活性半減期を求め、第4表に
示した。この結果から、本グルコアミラーゼは、クロス
ツリジウム・サーモアミロリデイクム(Clostri
dium thermoamylo−1yticum)
 + サーモマイセス・ラヌギノスス(Thermom
yces lanuginosus)、及びタラロミセ
ス0デュポンティ(Talaromyces dupo
nti)により産生されるグルコアミラーゼよりも特に
、pH4〜5の酸性領域においてすぐれた耐熱性をもつ
ことを示す。
(本頁以下余白) (8)耐熱性に及ぼす金属塩の影響 本発明によるグルコアミラーゼの耐熱性に及ぼす金属塩
の影響を第5表に示す。グルコアミラーゼの水溶液(0
,05M酢酸−酢酸す) IJウム緩衝液に溶解、pH
4,5)に各種の金属塩を5mM濃度になるように添加
し、70℃、1時間の加熱処理を行ったのち、pH4,
5,60℃でグルコアミラーゼ活性を測定した。そして
、加熱処理前に対する加熱処理後の活性、すなわち残存
活性を%で表示した。
第5表から、ニッケルイオン、マンガンイオン、マグネ
シウムイオンに保護効果のあることが認められる。コバ
ルトイオン、カルシウムイオンについては保護効果は認
められない。亜鉛イオンは耐熱性を著しく低下させる。
(本頁以下余白) 第   5   表 (9)分子量 本発明によるグルコアミラーゼの分子量はゲル濾過クロ
マト法(スエーデン、ファルマシア製セファデックスc
Ltooを使用)による溶出パターンから3.8 X 
10−’と測定される。
〔作 用〕
以上述べたことから明らかなように、本発明細菌より産
生される新しい耐熱性グルコアミラーゼは、特にpH4
〜5の酸性領域での耐熱性において、従来の嫌気性細菌
の産生ずる耐熱性酵素と著しく異なる。
ところで、ぶどう糖や異性化糖を製造するには、まず、
原料のでん粉をα−アミラーゼで液化し、そのあとグル
コアミラーゼで糖化している。液化の際、原料のでん粉
を20〜40%の高濃度に仕込むため、液の[)Hは酸
性を呈する。このため、従来の耐熱性α−アミラーゼ及
び耐熱性グルコアミラーゼを用いる場合には、作用pH
域が中性域にあるため、アルカリで中和しなければなら
ない。
これに対し、先に本発明者らが見い出した耐熱性・耐酸
性の新規なα−アミラーゼ(特願昭59−236917
号)及び、本発明による新規なグルコアミラーゼを用い
ることにより、液化での中和を行うことなく酸性の状態
のままで液化及び糖化を行うことが可能となり、ひいて
は反応後の脱塩工程への負荷を大幅に軽減できる。
〔実施例〕
実施例1 ポリペプトン0.56%、酵素エキス0.56%、リン
酸第1カリウム0.78%、リン酸第2ナトリウム0゜
39%、硫酸マグネシウム・7水和物0.001%、チ
オグリコール酸ナトリウム0.1%、水道水を含む合成
培地(p H6,5)2000g調製し、その270g
を500d容坂ロ振盪フラスコ7個に分注し、それぞれ
を121°C115分間殺菌した。一方、デキストリン
、馬鈴薯でん粉、マルトース、ぶどう糖、ラクトース、
シュークロース及びフラクトースの各炭素源についてそ
れぞれの10%溶液30gを調製し、110’C,15
分間の殺菌を行った。ついで、上記坂ロフラスコに炭素
源溶液をそれぞれ無菌的に添加した。
そののち、あらかじめ、デキストリンを炭素源とした上
記液体培地を用いて調製した本発明の嫌気性細菌クロス
ツリジウムG−0005の菌体懸濁液30m1づつを各
振盪フラスコに添加した。次いで、ガス出口に水封トラ
ップを付したのち、フラスコ内に窒素ガスを注入して嫌
気条件とし、60℃で振盪培養した。40時間後、各振
盪フラスコから培養液40gを採取した。次いで、採取
した各培養液試料の半量を分取し、15.OOOrpm
の遠心分離により菌体を除去し、培養上澄液を調製した
。残りの培養液試料については、水冷却下にて超音波破
砕処理を行い、次いで15.00Orpmの遠心分離に
より固形物を除去し菌体破砕培養液上澄液を調製した。
次いで、各炭素源毎の培養上澄液及び菌体破砕培養液上
澄液中のグルコアミラーゼ活性を測定した。なお、活性
測定にあたっては、各試料を純水を用いて24時間透析
処理し、次いで70℃、5分間の熱処理を加え、さらに
遠心分離で固形物を除去した試料を用いた。測定の結果
を第6表に示した。
(本頁以下余白) 実施例2 馬鈴薯でん粉1.5%、ふどう糖0.2%、コーンステ
イープリカー0.3%、硫酸アンモニウム0.3%、リ
ン酸第1カリウム0.3%、硫酸マグネシウム0.01
%、硫酸第1鉄0.01%、硫酸マンガン0.01%、
システィン0.1%、水道水を含む液体培地(pH6、
5) 3.15kgを内容積51の培養槽に入れ、次い
で、  121℃、15分間の殺菌を行った。次いで、
60°Cまで冷却したのち、培養槽内の気相部を窒素ガ
スで置換した。次に、あらかじめ、上記液体培地を用い
て調製した本発明の嫌気性細菌クロスツリジウム属細菌
G−0005の菌体懸濁液0.35kgを添加し、次い
で、ガス出口に水封トラップを付したのち、気相部、培
地内に窒素ガスを注入し、嫌気状態となし、培養を開始
した。培養のpHは6.5.温度は60℃に調節した。
41時間後、培養を停止し、培養液3.55kgを得た
。次いで、遠心分離により菌体を含む固形物を除去し、
さらにガラス濾紙(東洋濾紙型、 GA−100,GC
−50)及びメンブレンフィルタ(東洋濾紙製、ポアサ
イズ1μm、  0.45μm)を用いて加圧濾過し、
培養濾液3.25kgを得た。培養濾液の一部をとり、
純水に対して24時間透析したのち液中の活性を測定し
たところ、培養濾液1gあたり0.12単位のグルコア
ミラーゼ活性が認められた。
〔発明の効果〕
本発明の細菌の産生ずる新規な耐熱性/耐酸性グルコア
ミラーゼは、特にpH4〜5の酸性領域下にてすぐれた
耐熱性を有するため、でん粉を原料としてぶどう糖を製
造する際、でん粉溶液を中和することなく酸性状態での
糖化が可能となる。
これに比べ、従来公知の耐熱性グルコアミラーゼを用い
る場合には、でん粉溶液を中性化するためにアルカリを
添加しなければならない。したがって、本発明の細菌の
産生ずるグルコアミラーゼを用いることにより、でん粉
溶液の中和工程が不要となり、かつ反応後の脱塩工程へ
の負荷を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明細菌(クロスツリジウム属細菌G−00
05)の生物形態を示す顕微鏡写真、第2図は本発明細
菌により生産されたグルコアミラーゼの活性に及ぼすp
Hの影響を示す特性図、第3図は前記グルコアミラーゼ
の熱安定性に及ぼすpHの影響を示す特性図、第4図は
前記グルコアミラーゼの活性に及ぼす温度の影響を示す
特性図、第5図は前記グルコアミラーゼの耐熱性を示す
特性図、第6図は前記グルコアミラーゼのジエチルアミ
ノエチル架橋アガロースゲルを用いたイオン交換液体ク
ロマトグラフにおけるグルコアミラーゼ活性溶出パター
ン図、第7図は前記グルコアミラーゼの架橋デキストラ
ンゲルを用いたゲル濾過におけるグルコアミラーゼ活性
溶出パターン図である。 特許出願人 株式会社日立製作所 代理人 弁理士 平 木 祐 輔 pH 第3図 pH 温度(−Cン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、温度49℃〜65℃で生育し、且つ、耐熱性/耐酸
    性グルコアミラーゼ生産能を有するクロスツリジウム・
    エスビー。 2、微生物が微工研菌寄第8737号と同定される性質
    を有する特許請求の範囲第1項記載のクロスツリジウム
    ・エスビー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0317369A (ja) * 1989-06-13 1991-01-25 Fujisash Co 同面引違いサッシ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4604352A (en) * 1984-09-18 1986-08-05 Michigan Biotechnology Institute Co-culture production of thermostable enzymers and ethanol

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