JPH047672B2 - - Google Patents

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JPH047672B2
JPH047672B2 JP17672286A JP17672286A JPH047672B2 JP H047672 B2 JPH047672 B2 JP H047672B2 JP 17672286 A JP17672286 A JP 17672286A JP 17672286 A JP17672286 A JP 17672286A JP H047672 B2 JPH047672 B2 JP H047672B2
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Masahiko Ishida
Ryoichi Haga
Masami Tsucha
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なグルコアミラーゼとその製造
法に係わり、特にぶどう糖製造におけるでん粉の
糖化反応に好適な耐熱性/耐酸性グルコアミラー
ゼとその製造法に関する。 〔従来技術〕 耐熱性酵素は、常温用酵素に比べ、加熱やPHの
変化にも安定性が高く、酵素利用工業には極めて
有用である。現在、工業用に用いられているグル
コアミラーゼはリゾプス(Rhizopus)属および
アスペルギルス(Aspergillus)属から産生され
ており、いずれも常温性酵素であり、50℃を越え
ると急速な酵素活性の失活が起る(酵素利用ハン
ドブツクp62、地人書館、昭和57年)。耐熱性に
優れたグルコアミラーゼについては、V.
Basaveswra等(Biochem.J.,193,379,1981
年)やカトコシン等(特開昭60−54680号)の例
があるが、いずれも熱安定性を発揮するためには
PH6程度の中性条件が必要である。ところで、で
ん粉を原料とするぶどう糖の製造は、10〜40%濃
度のでん粉スラリーをα−アミラーゼにより液化
する液化工程及びこの液化でん粉溶液をグルコア
ミラーゼにより糖化する糖化工程の2工程により
行われている。液化工程においては、原料でん粉
中に含まれる不純物の有機酸のためにPHは5以
下、しばしば4以下を呈する。このため、先に本
発明者らはPH4においてもすぐれた耐熱性を有す
る新規なα−アミラーゼを開発し(特願昭59−
236917号)、でん粉スラリーを酸性状態のままで
液化することを可能にした。しかしながら、液化
工程にひきつづいて行われる糖化反応に使用する
グルコアミラーゼには、PH4〜5の酸性条件下で
作用可能な耐熱性酵素はまだ未開発である。先に
述べたカトコシン等の耐熱性グルコアミラーゼの
作用好適PHは6付近であり、このため、液化でん
粉溶液にアルカリを加えて中和しなければならな
い。その結果、ぶどう糖や異性化糖等の最終製品
を得る場合には、反応後に中和剤を除去すること
が必要となり、イオン交換樹脂を用いる脱塩工程
への負荷を著しく増大させている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、でん粉を原料としてぶどう等を製造するにあ
たり、PH5以下、60〜75℃の条件下で使用可能な
グルコアミラーゼ、すなわち偏性嫌気性菌を起源
とし、耐熱性に優れるのみならず、耐酸性をも有
する新規なグルコアミラーゼとその製造法を提供
することにある。 〔問題点を解決するための技術手段〕 本発明者らは、耐熱性にすぐれ、かつ耐酸性を
有する新規なグルコアミラーゼを得ることを目的
に、酵素及び酵素産生用微生物の探索を行つた。
その結果、60℃で培養した高温メタン醗酵液より
分離したクロスツリジウム属に属する偏性嫌気性
細菌であるクロスツリジウム・エスピーG−0005
(clostridium sp G−0005)(微工研菌寄第8737
号)が、酵素の特性が従来のグルコアミラーゼと
全く異なる新規な耐熱性グルコアミラーゼを産生
することを見い出し、本発明に至つた。本発明の
グルコアミラーゼを産生するクロスツリジウム属
細菌は、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
している(受託番号:微工研菌寄第8737号
(FERM P−8737))。まず、本菌の菌学的性質
の詳細を説明する。なお、以下の記載において%
は特に指示しない限り重量%である。 A 形態的性質 (1) 栄養細胞の形態 下記のデキストリン・ペプトン培地の寒天平板
上、嫌気性雰囲気中、60℃で2日間培養した場
合、栄養細胞は0.3〜0.5×2〜4μmの大きさの直
状の桿菌である。上記の栄養細胞は単独あるいは
連鎖して存在する。液体培養においても同様とな
る。また、細胞の多形性はみられない。 デキストリン−ペプトン培地の組成 デキストリン 1.5% ペプトン 0.5% 酵母エキス 0.5% KH2PO4 0.7% Na2HPO4 0.2% MgSO4・7H2O 0.001% 寒天 2.0% チオグリコール酸ナトリウム 0.1% 水道水 PH6.0 (2) 運動性の有無 運動性は認められない。 (3) 胞子の有無 でん粉−ペプトン培地の寒天平板培養において
胞子の形成が認められる。胞子は栄養細胞内端部
に形成され、直径0.5μm程度の球状をなしてい
る。 (4) グラム染色性 陰 性 B 各培地における生産状態 (1) コロニーの形態 でん粉−ペプトン培地の寒天平板培養でのコロ
ニーは、中心部がやや隆起した扁平な円形とな
り、周縁部は不規則である。色素は産生せず、乳
白色半透明である。 (2) 肉汁寒天平板培養 生育は認められない。 肉汁寒天培地組成 肉エキス 1.0% ペプトン 1.0% 食 塩 0.2% チオグリコール酸ナトリウム 0.1% 寒 天 2.0% 蒸留水 PH6.0 (3) 肉汁寒天斜面培養 生育は認められない。 (4) 肉汁寒天穿刺培養 穿刺線にそつてわずかに増殖していることが観
察される。色素の産生は認められない。 (5) 肉汁液体培養 生育は認められない。 肉汁培地の組成 肉エキス 1.0% ペプトン 1.0% 食 塩 0.2% チオグリコール酸ナトリウム 0.01% 蒸留水 PH6.0 (6) 肉汁・ゼラチン培養 生育は認められない。ゼラチンの液化も認めら
れない。 肉汁ゼラチン培地の組成 肉エキス 1.0% ペプトン 1.0% 食 塩 0.2% ゼラチン 15.0% チオグリコール酸ナトリウム 0.1% 蒸留水 PH6.0 (7) リトマスミルク培養 酸を生成して赤変し、固く凝固する。ガスの発
生が認められる。 C 生理的性質 (1) 生育の温度範囲 49〜64℃で生育する。46℃,69℃では生育は認
められない。57〜61℃付近で良好に生育する。 (2) 生育のPH範囲 PH4.8〜7.5で生育する。PH6.0付近で良好に生育
する。 (3) 酸素に対する態度 偏性嫌気性 (4) O−Fテスト(Hugh Laifson法) 陰性。空気雰囲気中及び流動パラフイン重層に
よる嫌気性条件下共にガス生成を伴つて生育し、
酸の生成により黄色となる。空気雰囲気中での培
養においては、気相境界部より約1cm下より、底
部にかけて生育した。 培 地 組 成 ペプトン 0.2% ぶどう糖 1.0% 食 塩 0.5% K2HPO4 0.03% ブロムクレゾールパープル 0.002% 寒 天 0.3% 蒸留水 PH6.0 (5) 硝酸塩の還元 陰 性 (6) VPテスト 陰 性 (7) MRテスト 陽性。赤変化する。 (8) インドール生成 ペプトン水に生育しないため測定できない。 (9) 硫化水素の生成 陰性(Kligrerの培地使用において) (10) でん粉の加水分解 陽 性 (11) クエン酸の利用 陽性(Simons培地使用において) (12) アンニウム塩の利用 ペプトン水に生育せず、測定できない。 (13) 色素の菌体外生成 陰 性 (14) ウレアーゼ 陰 性 (15) オキシダーゼ 陰 性 (16) カタラーゼ 陰 性 (17) 糖の資化性 糖の資化性及びダーラム管を用いたガス発生有
無の観察結果を第1表に示す。表中、資化性及び
ガスの生成が認められた場合には+、認められな
い場合には−の記号で示した。
【表】 糖資化性試験用液体培地組成 炭素源(糖) 1.0% ペプトン 1.0% NaCl 0.2% チオグリコール酸ナトリウム 0.1% 蒸留水 PH6.0 (18) 無機塩培地への生育 生育は認められない。 これらの結果よりバージの細菌分類マニユアル
(Bergey,s Manual of Determinative
Bactreiology 8th Edition)に基づき、クロスツ
リジウムに属する細菌と同定した。 次に、本発明なる耐熱性グリコアミラーゼの酵
素的特性について記す。 なお、グルコアミラーゼ活性の測定は次のよう
に行つた。 グルコアミラーゼ活性測定の基質には可溶性で
ん粉(和光純薬製、生化学用)を用いた。まず、
5%可溶性でん粉溶液0.5ml,PH4.5の0.1M酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液0.5ml、純水1ml、酵素溶
液0.5mlを混合し、60℃で30分間酵素反応を行わ
せた。次いで、反応液中のぶどう糖量をグルコー
ス分析器(米国、イエロー、スプリングス・イン
スツルメント・カンパニー(Yellow Springs
Instrument Company)社製、グルコースオキシ
ターゼ法により測定する。)を用いて測定した。
グルコアミラーゼ活性の1単位は、上記測定条件
下で1分間に1μmolのぶどう糖を生成する能力と
定義した。 (1) 調製方法 実施例において詳細に説明するので、ここでは
簡単な説明にとどめる。 本発明になるクロスツリジウム属細菌G−0005
菌を、デキストリン・ペプトン及び酵母エキスを
含有する液体培地に接種し、嫌気条件下、60℃に
て1〜3日間培養する。培養液を遠心分離等によ
り菌体及びそれ以外の不溶物質を除去したいわゆ
る培養濾液を得る。次いで、培養濾液を、モレキ
ユラーシーブ膜濾過、塩析イオン交換クロマト、
ゲル濾過クロマト等、公知の方法を適宜利用して
本発明のグルコアミラーゼを濃縮するとともに、
それ以外の不純物を除く。 なお、液体培養における液体培地の炭素源とし
ては、上記デキストリンに限るものではなく、可
溶性でん粉、馬鈴薯でん粉、コーンスターチ、甘
薯でん粉、廃糖みつ等を用いてもよい。また、そ
の他の栄養成分も上記に限定するものではなく、
コーンステイープリカー、各種アミノ酸、ビタミ
ン、各種塩等を単独もしくは混合して用いてもよ
い。 (2) 作用及び基質特異性 本酵素は、馬鈴薯、とうもろこし、甘薯等ので
ん粉、およびこれらを加水分解して得た可溶性で
ん粉、デキストリン、マルトース等をぶどう糖に
加水分解するグルコアミラーゼである。マルトー
ス基質の場合、ぶどう糖生成速度は可溶性でん粉
基質の約1/2である。 (3) 至適PH 本酵素の60℃における作用PH曲線を第1図に示
す。本酵素の60℃における最適PH域は4〜5にあ
り、かつ、好適PHは(最適PHでの活性の80%を有
するPH域とする)3.8〜5.7にある。なお、反応の
際のPH緩衝液としては、塩化カリウム−塩酸(PH
2.0)、グリシン−塩酸(PH2.5〜3.5)、β:β′−ジ
メチルグルタル酸−トリス(ヒドロキシメチルア
ミノ)メタン−2−アミノ−2−メチル−1:3
−プロパンジオール(以下「GTA」と略称)(PH
3.5〜9)の0.05M緩衝液を用いた。 (4) PH安定性 本発明のグルコアミラーゼをPH2,3,4,
4.5,5,6,7,9の各PH下(0.05M塩化カリ
ウム−塩酸、0.05Mグリシン−塩酸及び
0.05MGTA緩衝液を使用)で70℃、30分間イン
キユベートした。そののち、反応液を希釈し、PH
4.5に調整したのち、可溶性でん粉を基質として
残存活性を測定した。その結果を第2図に示し
た。本発明のグルコアミラーゼはPH4.5〜5.0の範
囲で完全に活性が保持されていた。したがつて、
本グルコアミラーゼは酸性領域ですぐれた安定性
を有する酵素であることがわかつた。 (5) 至適温度 本発明のグルコアミラーゼの活性をPH4.5の条
件下、40,50,60,65,70,75℃の温度にて測定
したところ、第3図に示す結果を得た。本結果よ
り、至適温度は70℃付近にある。好適温度(最適
温度での活性の80%を有する温度域とする)は53
〜73℃である。 (6) グルコアミラーゼ活性に及ぼす金属塩の影響 本発明のグルコアミラーゼの活性に及ぼす金属
塩の影響を第2表に示す。グルコアミラーゼ活性
の測定において各種の金属塩を5mMになるよう
に添加した。そして、金属塩無添加に対する活性
を%で表示した。なお、アンモニウム塩及び
EDTA添加の場合についても第2表に付記した。
マグネシウムイオン、カルシウムイオン、カリウ
ムイオンがグルコアミラーゼ活性作用を有するこ
とが認められる。ニツケルイオン、鉄イオンには
阻害作用が認められる。
【表】
【表】 活性測定条件 PH5.0(0.1Mクエン酸−第2クエン酸ナトリウ
ム緩衝液)活性測定温度:60℃ (7) 熱安定性 本発明のグルコアミラーゼを基質無添加下、PH
4.5にて、60〜80℃の加熱処理を行い、一定時間
毎(20,40秒、1,2,4,10,20,40分、1,
2,4,6,8,16時間、1,2,4,7,10,
15,20日)に処理液の一部を採取し、液中のグル
コアミラーゼ活性を60℃、PH4.5にて測定した。
これをもとに各温度における活性半減期を求め、
その結果を第4図に示した。70℃及び75℃におけ
る基質無添加下での活性半減期はそれぞれ、6時
間、1分間である。本グルコアミラーゼはこれま
で公知のグルコアミラーゼに較べ高度の耐熱性を
有している。一方、PH4.0,4.3,4.5,5.0,6.0の
各PHにおける基質無添加下、70℃での活性半減期
を求め、第3表に示した。この結果から、本グル
コアミラーゼは、クロスツリジウム・サーモアミ
ロリデイクム(Clostridium
thermoamylolyticum),サーモマイセス.ラヌ
ギノスス(Thermomyces lanuginosus),及び
タラロミセス・デユポンテイ(Talaromyces
duponti)により産生されるグルコアミラーゼよ
りも、特に、PH4〜5の酸性領域においてすぐれ
た耐熱性をもつことを示す。
【表】 (8) 耐熱性に及ぼす金属塩の影響 本発明のグルコアミラーゼの耐熱性に及ぼす金
属塩の影響を第4表に示す。グルコアミラーゼ水
溶液(0.05M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液に溶
解、PH4.5)に各種の金属塩を5mM濃度になるよ
うに添加し、70℃、1時間の加熱処理を行つたの
ち、PH4.5,60℃でグルコアミラーゼ活性を測定
した。そして、加熱処理前に対する加熱処理後の
活性、すなわち残存活性を%で表示した。 第4表から、ニツケルイオン、マンガンイオ
ン、マグネシウムイオンに保護効果のあることが
認められる。コバルトイオン、カルシウムイオン
については保護効果は認められない。亜鉛イオン
は耐熱性を著しく低下させる。
〔作用〕
以上述べたことから明らかなように、本発明の
新しい耐熱性グルコアミラーゼは、特にPH4〜5
の酸性領域での耐熱性において、従来の嫌気性細
菌の産生する耐熱性酵素と著しく異なる。 とこるで、ぶどう糖や異性化糖を製造するに
は、まず、原料のでん粉をα−アミラーゼで液化
し、そのあとグルコアミラーゼで糖化している。
液化の際、原料のでん粉を20〜40%の高濃度に仕
込むため、液のPHは酸性を呈する。このため、従
来の耐熱性α−アミラーゼ及び耐熱性グルコアミ
ラーゼを用いる場合には、作用PH域が中性域にあ
るため、アルカリで中和しなければならない。 これに対し、先に本発明者らが見い出した耐熱
性・耐酸性の新規なα−アミラーゼ(特願昭59−
236917号)及び、本発明の新規なグルコアミラー
ゼを用いることにより、液化での中和を行うこと
なく酸性の状態でのまま液化及び糖化を行うこと
が可能となり、ひいては反応後の脱塩工程への負
荷を大幅に軽減できる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を示し、さらに詳しく説
明する。 実施例 1 デキストリン1.5%、ポリペプトン0.5%、酵母
エキス0.5%、リン酸第1カリウム0.7%、リン酸
第2ナトリウム0.2%、硫酸マグネシウム・7水
和物0.001%、チオグリコール酸ナトリウム0.1%
及び水道水を含む液体培地(PH6.0)32Kgを内容
積5の培養槽10基に3.15Kgづつ分注し、120℃
で15分間殺菌した。それぞれの培養槽に上記培地
を用いて嫌気的に培養したクロスツリジウム属細
菌G−0005の菌体懸濁液0.35Kgを添加した。次い
で、ガス出口に水封トラツプを付し、培養槽内気
相部をアルゴンガス(酸素濃度1ppm以下)で十
分置換後、嫌気条件下で培養した。培養液のPHは
6.0に、培養液の温度は60℃にそれぞれ自動調整
した。21時間培養後、培養液を合せ、6000rpmで
遠心分離し、菌体を除去した。回収した上澄液に
ついてガラス濾紙(東洋科学産業製、GA−100
及びGC−50)メンブレンフイルタ(東洋科学産
業製、ポアサイズ1μm及び0.45μm)を用いて加
圧濾過し、菌体及びその他の固形物を除去して培
養濾液を得た。この培養濾液より10mlを採取し、
純水にて24時間透析したのち、グルコアミラーゼ
活性を測定したところ、培養濾液1gあたり0.05
単位のグルコアミラーゼが存在していた。 次に上記培養濾液29Kgを中空繊維型モレキユラ
ーシーブ膜(分画分子量10000、米国アミコン製
(Amicon.Co.)HlP10−20)で加圧濾過し、2Kg
に濃縮した。上記濃縮液について硫安を用いた塩
析を行い、飽和度(硫安飽和濃度に対す割合、%
で表わす)20%にて析出せず、飽和度55%にて析
出した固形物を14000rpmで遠心分離し回収した。
次いで飽和度55%の硫安溶液で固形物を洗浄し回
収した。次いで、固形物を0.05Mトリス−塩酸緩
衝液(PH7.5)に溶解し240gとした。次いで上記
緩衝液10を用いて、24時間の透析を2回繰返し
実施した。そののち、透析した液中の固形物を、
ガラス濾紙(東洋濾紙製、GC−50)を用いた濾
過で除去した。清澄化した透析液は310gであつ
た。 次に、上記透析液をジエチルアミノエチル化架
橋アガロースゲル(フアルマシア製、DEAEセフ
アロースCL−6B)を用いたイオン交換クロマト
(カラムサイズ44×500mm)により精製した。
0.05Mトリス−塩酸緩衝液で平衡化したゲルカラ
ムに上記透析液をチヤージし、洗滌した。次いで
緩衝液中の塩化ナトリウム濃度を直線勾配で上昇
しつつ展開した。グルコアミラーゼの溶出パター
ンを第5図に示す。塩化ナトリウム濃度0.25Mの
溶出位置にグルコアミラーゼ活性を有するピーク
が認められた。グルコアミラーゼフラクシヨンと
して360gを回収し、次いでモレキユラーシーブ
膜(分画分子量10000、米国アミコン製、PM−
10)を用い、純水10Kgを加えて加圧濾過し、脱
塩、濃縮を行い粗精製グルコアミラーゼ液160g
を得た。本溶液中のグルコアミラーゼ活性は3.3
単位/gであつた。 次に上記粗精製グルコアミラーゼにつきゲル濾
過により精製した。まず、上記グルコアミラーゼ
液100gを40Torrの減圧下で凍結乾燥し、これを
0.05Mクエン酸・第2クエン酸緩衝液(PH4.5)
4mlに溶解し、固形物を400rpmの遠心分離で除
去した。次に、上記緩衝液で平衡化した架橋デキ
ストランゲル(フアルマシア製、セフアデツクス
G−100)を充填したクロマトカラム(15×900
mm)に上記グルコアミラーゼ液1mlをチヤージし
同じ緩衝液で展開した。その結果を第6図に示し
た。溶出液量65mlの位置にグルコアミラーゼ活性
のピークが認められた。上記ゲル濾過を残りの粗
精製グルコアミラーゼについても実施し、精製グ
ルコアミラーゼフラクシヨン40gを得た。本フラ
クシヨンのグルコアミラーゼ活性は12単位/gで
あつた。 以上の精製操作により、培養濾液基準の比活性
は171倍に向上した。また、培養濾液基準の活性
回収率は23%である。培養濾液を基準とした各工
程の標品の比活性、収量、活性回収率を第5表に
示した。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1において、培養液から遠心分離により
菌体を含む固形物400gを回収した。 次いで、生理食塩水600gを加えてスラリー化
し、菌体スラリー1000gを得た。次いで菌体スラ
リーより40gを分取し、フレンチプレス(大岳製
作所製)用加圧セルにセツトした。次いで油圧プ
レスにより、1600Kg/cm2の圧力をかけたのち、細
口より5ml/分の速度で大気中に噴出させて菌体
を破砕した。残りの菌体スラリーについても上記
操作を行つて菌体破砕スラリー1000gを得た。 次いで、菌体スラリーより16000rpmの遠心分離
により固形物を除去しさらにガラス濾紙(東洋濾
紙製、GA−100,GC−50)及びメンブレンフイ
ルタ(東洋濾紙製、ポアサイズ1,0.45μm)を
用いて加圧濾過し、菌体破砕上澄液800mlを得た。 次いで、菌体破砕上澄液に70℃、5分間の熱処
理を行い、熱変性を起しやすいたん白質を変性さ
せた。5℃以下まで冷却したのち、8000rpmの遠
心分離により固形物を除去した。得られた熱処理
上澄液は760mlであつた。 次に、実施例1記載の手法により、硫安沈澱、
透析、イオン交換クロマト、ゲル濾過の各精製を
実施した。菌体破砕上澄液を基準とした各工程の
標品の比活性、収量、活性回収率を表6に示し
た。
〔発明の効果〕
本発明の新規な耐熱性/耐酸性グルコアミラー
ゼは、特にPH4〜5の酸性領域下にてすぐれた耐
熱性を有するため、でん粉を原料としてぶどう糖
を製造する際、でん粉溶液を中和することなく酸
性状態での糖化が可能となる。これに比べ、従来
公知の耐熱性グルコアミラーゼを用いる場合に
は、でん粉溶液を中性化するためにアルカリを添
加しなければならない。したがつて、本発明のグ
ルコアミラーゼを用いることにより、でん粉溶液
の中和工程が不要となり、かつ反応後の脱塩工程
への負荷を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のグルコアミラーゼの活性に及
ぼすPHの影響を示す特性図、第2図は本グルコア
ミラーゼの熱安定性に及ぼすPHの影響を示す特性
図、第3図は本グルコアミラーゼの活性に及ぼす
温度の影響を示す特性図、第4図は本グルコアミ
ラーゼの耐熱性を示す特性図、第5図は本グルコ
アミラーゼのジエチルアミノエチル架橋アガロー
スゲルを用いたイオン交換液体クロマトグラフに
おけるグルコアミラーゼ活性溶出パターン図、第
6図は本グルコアミラーゼの架橋デキストランゲ
ルを用いたゲル濾過におけるグルコアミラーゼ活
性溶出パターン図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質を示す耐熱性グルコアミ
    ラーゼ。 (1) 作用至適PH:4〜5 (2) 作用至適温度:70℃ (3) 安定PH:4.5〜5.0 (4) PH4.5かつ温度70℃における酵素活性半減期
    が6時間以上 (5) PH4.0かつ温度70℃における酵素活性半減期
    が5.5時間 (6) 分子量:3.8×104 2 クロスツリジウム属に属する下記理化学的性
    質のグルコアミラーゼ生産菌を培養し、菌体及び
    培地中に該グルコアミラーゼを蓄積せしめ、菌体
    及び又は培地中から該グルコアミラーゼを回収す
    ることを特徴とする耐熱性グルコアミラーゼの製
    造法。 (1) 作用至適PH:4〜5 (2) 作用至適温度:70℃ (3) 安定PH:4.5〜5.0 (4) PH4.5かつ温度70℃における酵素活性半減期
    が6時間以上 (5) PH4.0かつ温度70℃における酵素活性半減期
    が5.5時間 (6) 分子量:3.8×104 3 クロスツリジウム属に属するグルコアミラー
    ゼ生産菌がクロスツリジウム・エスピーG−0005
    であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記
    載の耐熱性グルコアミラーゼの製造法。
JP17672286A 1986-07-29 1986-07-29 耐熱性グルコアミラ−ゼ及びその製造法 Granted JPS6336778A (ja)

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