JPS6339486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はガス通路の自動遮断装置に係り、詳し
くは、ガス漏れ検知装置などからの出力信号を受
けてガス通路を自動的に遮断する遮断機構付ガス
コツクに関する。

従来の技術 従来、ガス器具自体からのガス漏れに対して
は、これをガスセンサーなどにより検知してガス
の供給を遮断させる自動停止装置が各種提案さ
れ、また実施もされている。ガス配管からのガス
漏れに対しても同様に検知して、配管途中に設置
された独立の遮断弁を働かせてガスの供給を遮断
したりしている。

考案が解決しようとする問題点 前項で述べた従来技術によれば、ガス漏れの発
生場所が遮断場所よりも上流である場合には、直
面している火種の消去にはなつても、ガス漏れそ
のものを止めるものではなく、火災等の災害を完
全に阻止することが困難であつた。また、遮断弁
を配管途中へ設置することも、配管の有方によつ
ては取付困難であつたり、配管の切断・再配管な
ど工事も手間のかかる面倒なものであつた。

問題点を解決するための手段 前記の問題点を鑑みると、遮断場所はガス配管
のできるだけ上流が好ましく、また、再配管の容
易な場所が望ましいと言える。この観点に立脚す
れば、俗に中間コツクと呼ばれる元栓コツク内に
遮断機構が設けられたならばすこぶる便利であ
る。この見地に立つて考えられた本考案の一実施
例を、以下、図面に従つて説明する。

本体５６のガス通路４６，５８，６８途中にバ
ルブ６２及びシート６０からなる閉止弁部を設
け、この閉止弁部の下流に遮断弁部を構成してい
る。

先づ閉止弁部の構成は、本体５６のガス通路６
８，５８途中に形成された凹部６６にシート６０
を挿入し、このシート６０にバルブ６２を内挿し
て気密を確保するものであり、バルブ６２の本体
５６からの脱落防止にはＣリング７６を利用して
いる。また、このバルブ６２を回動するためにレ
バー１０がビス１４により装着されており、この
レバー１０にはカムフランジ２０が形成されてい
る。カムフランジ２０の厚さは外周の位置によつ
て〔ｔ〕〜〔t′〕まで変化するカム形状となつて
いる。

次に遮断弁部の構成は、ガス通路４６，５８の
上流側に対向する弁座５０を本体５６内に設け、
この弁座５０に着座可能となるダイヤフラム弁４
８を装着したピストン３０をケース３４から貫通
させる。このとき、ダイヤフラム弁４８の外縁は
本体５６とケース３４に挾装されて気密を確保し
ており、ケース３４とダイヤフラム弁４８とで形
成されるダイヤフラム室４９内のスプリング８０
は、常には、ダイヤフラム弁４８を前記の弁座５
０へ着座させる方向へ付勢している。この遮断弁
部が“開”状態のとき（第１図、第４図）は、ピ
ストン３０の係止溝３１と係止板７８が嵌合して
おり、係止板７８の一端はソレノイド４０のプラ
ンジヤー３８と連設しており、かつ、係止板７８
の回動軸８８にセツトされている（トーシヨン）
スプリング９２が、係止溝３１と係止板７８の嵌
合を解除しない方向へ付勢している。

一方リセツト部の構成は、ケース３４に形成さ
れている支持台９６，９６に貫通装着されたピン
２６を支軸として回動可能となる作動板２２の一
端が、別のピン２８を介して前述のピストン３０
に連設されている。加えて、作動板２２の他の一
端１８は、レバー１０のカムフランジ２０に当接
可能となるように位置している。

さらに、ソレノイド４０の作動入力は、ガス漏
れ検知器などの異常検知器から得られるように接
続配線してある。

作 用 第１図は、通常のガス供給時の状態を示すもの
である。このときに、ガス漏れ検知器などからの
出力信号が入力されると（トーシヨン）スプリン
グ９２の付勢力に抗してプランジヤー３８がソレ
ノイド４０内へ引き込まれる。従つて係止板７８
が、第３図中で反時計方向へ回動し、ピストン３
０の係止溝３１との係止が解除されるので、スプ
リング８０の付勢力によつてピストン３０に装着
されたダイヤフラム弁４８が本体５６の弁座５０
に着座しガス通路４６，５８を遮断する（第２
図）。

次に、上記の遮断状態を解除してリセツトする
には、レバー１０を90゜回動させてガス通路６８，
５８を“閉”にする。この回動に伴つて、カムフ
ランジ２０がその厚さの変化によつて作動板２２
の一端１８に当接し、かつ、作動板２２を第２図
中反時計方向へ回動させる。これにより、ピスト
ン３０はケース３４外へ引き出され、係止溝３１
が係止板７８の位置まで上つてくると（トーシヨ
ン）スプリング９２の付勢力により嵌合状態とな
る（第４図）。同時にプランジヤー３８はソレノ
イド４０から引き出されている（リセツト完了）。

次に、ガス通路６８，５８を“開”にすると通
常のガス供給時の状態へ復帰する訳であるが、ガ
ス漏れが依然発生しているときには、上記の遮断
状態が再現することとなる。

考案の効果 本考案の効果をまとめると以下のようである。

(i) ガス配管中における遮断場所が上流側（ボン
ベの直近）になるので安全性が高い。

(ii) 取付要領は元栓コツクと同じなのでガス配管
途中への設置が容易である。

(iii) 元栓コツクと遮断弁を一体としているので総
合的なコストダウンが可能である。

(iv) ソレノイドの入力信号の出力源は、ガス漏れ
検知器のみだけでなく感震検知器など異常検知
器の種類を問わない。

など多くの効果が期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はガス通路が“開”状態のときの正面断面図、第
２図は遮断弁部が遮断したときの要部を示す部分
断面図、第３図は外装ケースをはずしたときの平
面図、第４図はガス通路が“閉”状態のとき（遮
断弁部をリセツトしたとき）の正面断面図、第５
図はレバーの正面図、第６図はレバーの側面図で
ある。 １０……レバー、１４……ビス、１８……一
端、２０……カムフランジ、２２……作動板、２
６，２８……ピン、３０……ピストン、３１……
係止溝、３４……ケース、３８……プランジヤ
ー、４０……ソレノイド、４６，５８，６８……
ガス通路、４８……ダイヤフラム弁、４９……ダ
イヤフラム室、５０……弁座、５６……本体、６
０……シート、６２……バルブ、６６……凹部、
７６……Ｃリング、７８……係止板、８０，９０
……スプリング、８８……回動軸、９６……支持
台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体のガス通路途中にバルブを挿入し、このバ
   ルブにカムフランジを有するレバーを装着して構
   成される閉止弁部と、 ガス通路途中に形成される弁座と、この弁座に
   着座可能となるダイヤフラム弁を装着したピスト
   ンと、このピストンの動きを規制係止する係止板
   と、この係止板を回動させるソレノイドおよびス
   プリングで構成される遮断弁部と、 一端をピストンと連設し、他の一端を前記レバ
   ーのカムフランジと当接可能となるように位置し
   た作動板で構成されるリセツト部とで、全体が構
   成されることを特徴とする遮断弁付ガスコツク。