JPS6338883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 この考案は流体分離装置の接続継手の構造に関
するものである。

(2) 従来の技術 近時、半導体製造工程で主としてシリコンウエ
ハーの洗浄に用いられる超純水は、最近の技術の
急進歩により増々その純度を高めることが要求さ
れている。

ところが、純度を高めれば高めるほど流体分離
装置の配管に使用されている金属管よりの金属イ
オンが溶出し易くなるという問題があつた。

このため、金属管に代つて塩化ビニル管が使用
されている。塩化ビニル管は金属管のように金属
イオンの溶出問題が少なくなるが、一方配管内の
殺菌を効率よく行なうための熱水（80〜100℃）
による殺菌、即ち、高温による熱水殺菌は、塩化
ビニル樹脂が耐熱性に弱いため不可能である。

この塩化ビニルに代つてテフロン系樹脂やポリ
サルホン系、ポリプロピレン系の樹脂が流体分離
装置の配管やモジユールに使用されているが、し
かしこれらの樹脂も高温では強度が低下するため
特に上記装置の継手部に使用することは強度を弱
くし、更に継手部のパツキン締付力やモジユール
交換時の取付不良等により樹脂継手の部分が破損
する等の不都合が生じ易いのである。

(3) 考案が解決しようとする問題点 半導体用超純水の純度向上に伴い流体分離装置
の熱水殺菌が必須となり、かかる熱水殺菌に対し
ても強度が充分で、かつ金属イオン等の溶出が無
い流体分離装置の接続継手を提供することを目的
とする。

(4) 問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するため、この考案は流体
分離装置の接続継手に耐蝕ステンレス等の金属継
手を用い、且つその内面に耐熱樹脂をコーテイン
グし、強度と金属イオンの溶出を皆無とした点に
ある。

(5) 実施例 以下、この考案の実施例を添付図面にもとづい
て説明する。

第１図の流体分離装置は基本的な構成であり、
中空糸膜１と筒状ケース２並びにヘツダー部３、
注型樹脂部４のモジユール部分であり、一般にこ
の部分は過性能が低下すれば交換できるように
構成されている。

５は接続継手、６は配管部である。

この考案は接続継手５の改良に関するものであ
る。

即ち、流体分離装置のモジユール部分以外は半
永久的に使用されるため、充分な機械的強度と耐
久性、並びに耐熱性が要求されるのである。

特にモジユールとの接続継手５にはモジユール
交換の度に、作業時の各種応力（引張圧縮曲げ）
が加わり易く強度が要求されるのである。

そのため、この考案では第２図に示す如く、接
続継手５の材質を耐蝕金属継手１１とすると共
に、その接液面に耐熱樹脂のテフロンをコーテイ
ング１２したものである。

また接続継手５の外面は洗浄の容易さ、衛生性
を考慮してステンレス鋼が好ましく、ステンレス
鋼であるため充分な強度と耐熱性を有するのであ
る。

尚接液部表面については、テフロンコーテイン
グ以外に各種のコーテイング樹脂が使用可能で、
例えば熱硬化性エポキシ樹脂や、ポリサルホン、
ポリエーテルサルホン、ポリプロピレン、ポリフ
ツ化ビニリデン等の熱可塑性樹脂が使用可能であ
る。

(6) 効果 以上のように、この考案によると、金属継手部
の接液部に耐熱性樹脂をコーテイングされている
ので金属イオン等の溶出が無く、超純水の純度を
高めることができ、また金属継手部が耐蝕ステン
レス鋼であるので接続継手の強度が大であり、モ
ジユール取付時交換時における破損事故が防止で
きると共に洗浄が容易である等の効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る流体分離装置の縦断面
図、第２図は接続継手の要部断面図である。 ５……接続継手、１２……耐熱樹脂。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 平行に集束した複数本の中空糸状膜または管
   状膜群を網状物で覆い、これらを筒状ケース内
   に収納して両端部を注型樹脂ケースに固着し、
   該ケースの一端または両端を、継手を介して接
   続した流体分離装置において、上記継手を耐熱
   樹脂で内面をコーテイングした耐蝕金属製とし
   たことを特徴とする流体分離装置の接続継手。 (2) 耐熱樹脂が熱変形温度150℃以上の熱可塑性
   あるいは熱硬化性樹脂である実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の流体分離装置の接続継
   手。 (3) 耐熱樹脂が三フツ化塩化エチレン樹脂である
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の流体分
   離装置の接続継手。 (4) 継手が耐蝕ステンレスである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の流体分離装置の接続継
   手。