JPS6338791B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばビデオテープレコーダの如き
記録再生装置に適用するのに最適なテープカセツ
トであつて、特に、上下ハーフにて構成されて前
面に開口が設けられたカセツト筐体と、左右両端
部が上記カセツト筐体の左右両側壁に回動自在に
枢支されて上記開口を開閉できるように構成され
た前蓋と、上記前蓋の一端側の回動支点の後方に
配置されて上記カセツト筐体の一方の側壁に沿つ
て回動自在に構成されたロツクレバーと、上記ロ
ツクレバーを前方側に回動付勢するばねとからな
り、上記前蓋の内側で上記回動支点の後部近傍位
置に設けられた被ロツク用突起に上記ロツクレバ
ーのロツク爪を係合させて、この前壁を閉蓋状態
でロツクするように構成したテープカセツトに関
するものである。

〔背景技術とその問題点〕

この種テープカセツトでは、その非使用時には
前蓋の被ロツク用突起にロツクレバーのロツク爪
を係合させることによつて、前蓋が閉蓋状態でロ
ツクされるように構成されている。ところが従来
から使用者がいたずらでロツクレバーを回動させ
て前蓋のロツクを解除して前蓋を開蓋した際に、
ついうつかりしてロツクレバーから手を離して前
蓋を閉蓋させてしまうことがあつた。この場合ロ
ツクレバーはばねの反発力によつて、前蓋のロツ
ク位置よりも前方側に回動されてしまう為に、前
蓋を閉蓋位置に回動させても、前蓋の被ロツク用
突起がロツクレバーのロツク爪の下面に位置され
ることになる。従つて前蓋は閉蓋状態でロツクさ
れず、非使用時でも前蓋は開蓋可能な状態になつ
ていると言う、この種テープカセツトにとつては
極めて重大な欠陥があつた。

〔発明の目的〕

本発明は、上述の如き欠陥を是正出来るテープ
カセツトを提供しようとするものである。

〔発明の概要〕

本発明は上述したテープカセツトにおいて、上
記上ハーフの側壁に突起を設け、上記ロツクレバ
ーが上記前蓋のロツク位置よりも前方に回動され
る時に上記ロツクレバーを上記突起に当接させて
そのロツクレバーの前方への回動を規制させるよ
うに構成したテープカセツトであつて、前蓋を閉
蓋させた際には完全に前蓋をロツクさせることが
出来て、極めて信頼性の高いものが得られる。

〔実施例〕

以下本発明は、ビデオテープレコーダ用テープ
カセツトに適用した一実施例を図面に基づいて説
明する。

先ず第１図及び第２図に示す如く、前蓋１と、
カセツト筐体２を構成する上下ハーフ３，４は
夫々合成樹脂にて成形されたものである。そして
前蓋１は平面形状がほぼコ字状をなしていて、平
行状に相対向する左右両端部１ａの内側には、回
動支点である一対の第１支点ピン５が同一軸線状
態で一体成形して設けられている。また上下ハー
フ３，４は上下から嵌合されて複数本のビス（図
示せず）によつて一体に結合されてカセツト筐体
２を構成するが、そのカセツト筐体２内には左右
一対のリール６，７と、それらに巻装された磁気
テープ８等が収納される。

次に第２図及び第３図に示す如く、前蓋１はそ
の左右一対の第１支点ピン５によつてカセツト筐
体２の左右両側壁２ａに設けられた一対のピン係
合孔９に係合されて回動自在に取付けられる。そ
して前蓋１は第３図に実線で示した閉蓋位置と仮
想線で示した開蓋位置との間でほぼ90゜に矢印ａ
及びa′で示した上下方向に回動自在に構成されて
いて、この前蓋１の回動によりカセツト筐体２の
前面開口１０が開閉されるように構成されてい
る。そして前蓋１の一端１ａとカセツト筐体２の
一方の側壁２ａとの間の隙間１１内で一方の第１
支点ピン５の外周に巻装された捩りコイルばね１
２の反発力によつて、その前蓋１が第３図で矢印
a′方向である閉蓋方向に回動付勢されている。な
お捩りコイルばね１２はその中央部に形成された
コイル部１２ａによつて第１支点ピン５の外周に
挿入され、その前後両端部１２ｂ，１２ｃのう
ち、前端部１２ｂは前蓋１の一端部１ａの内側で
第１支点ピン５の前方位置に一体成形されたばね
係止部１３上に弾性に抗して押圧されている。

次に第３図に示す如く、前蓋１の一端１ａ側の
第１支点ピン５の後方側でカセツト筐体２の一方
の側壁２ａにはロツクレバー１５が回動自在に取
付けられている。このロツクレバー１５は第２図
にも示す如く、ほぼ直角な角部を有する上端部１
５ａの近傍に第２支点ピン１６とばね受部１７と
を、そして下端部にロツク爪１８とロツク解除用
突起１９とを合成樹脂にて互いに一体成形したも
のであつて、第２支点ピン１６が側壁２ａに設け
られたピン係合孔２０に係合されて、第３図で矢
印ｂ及びb′で示した前後方向に回動自在に構成さ
れている。なお捩りコイルばね１２の後端部１２
ｃがロツクレバー１５のばね受部１７に弾性に抗
して押圧されている。この結果ロツクレバー１５
は捩りコイルばね１２の反発力によつて矢印b′方
向である前方側に回動付勢されている。従つて捩
りコイルばね１２は前蓋１を閉蓋方向である矢印
a′方向に回動付勢すると共に、ロツクレバー１５
をロツク方向である矢印b′方向に回動付勢してい
る。そして第３図に実線で示す如く前蓋１の閉蓋
状態で、その前蓋１の一端部１ａの内側で第１支
点ピン５の後部近傍位置である後方側端縁１ｂ近
傍に一体成形された被ロツク用突起２１に、ロツ
クレバー１５のロツク爪１８が下側から係合され
て、その前蓋１が閉蓋状態でロツクされている。
なお被ロツク用突起２１の上端には円弧状面から
成る案内板２２が形成されている。

なお第２図に示す如く、両ピン係合孔９は上ハ
ーフ３の左右両側壁３ａの下端縁にほぼＵ字状を
なして設けられ、またピン係合孔２０は下ハーフ
４の一方の側壁４ａに設けられたほぼコ字状をな
すコ字状壁部２３部分の上端縁にほぼＵ字状をな
して一体成形されている。なおこのコ字状壁部２
３の内側には上下及び前方の３方に開放されたス
リツト２４が形成されている。そして前蓋１の第
１支点ピン５をピン係合孔９内に嵌合させ、また
ロツクレバー１５をスリツト２４内に収納してそ
の第２支点ピン１６の左右両端をピン係合孔２０
内に嵌合させた状態で上下ハーフ３，４を上下か
ら結合させることによつて、これらの第１及び第
２支点ピン５，１６が上下ハーフ３，４間で挾み
込まれるが、その挾み込みによつて捩りコイルば
ね１２に所定の初期応力が与えられて、前蓋１及
びロツクレバー１５が夫々前述した如く回動付勢
されることになる。

次にテープカセツトをビデオテープレコーダ
（図示せず）に装着すると、第３図に仮想線で示
す如くビデオテープレコーダ側に設けられたロツ
ク解除用部材２６にロツクレバー１５のロツク解
除用突起１９が押圧されて、このロツクレバー１
５が捩りコイルばね１２に抗して矢印ｂ方向に回
動される。この結果ロツク爪１８が被ロツク用突
起２１から外れて、前蓋１の閉蓋状態でのロツク
が解除される。そしてこれとほぼ同時にビデオテ
ープレコーダ側に設けられた開蓋用部材２７によ
つて前蓋１が捩りコイルばね１２に抗して矢印ａ
方向に開蓋されて、カセツト筐体２の前面開口１
０が開蓋されるように構成されている。

しかしてカセツト筐体１の組立ての際には、捩
りコイルばね１２の後端部１２ｃが上ハーフ３側
に仮止めされるように構成されている。そこでカ
セツト筐体１の組立てについて説明する。

先ず第４図に示す如く、捩りコイルばね１２を
そのコイル部１２ａによつて前壁１の一方の第１
支点ピン５の外周に挿入させる。そして前蓋１の
一対の第１支点ピン５を上ハーフ３の左右両側壁
３ａの下端縁に設けられたピン係合孔９内に嵌合
させる。なおこの際捩りコイルばね１２の前端部
１２ｂはばね係止部１３に係止され、かつ後端部
１２ｃは被ロツク用突起２１の上端に係止されて
いる。次に捩りコイルばね１２の後端部１２ｃを
その弾性に抗して矢印ｃ方向に押し込むと、その
後端部１２ｃは上ハーフ３の一方の側壁３ａに設
けられた突起３０によつて上ハーフ３側に仮止め
される。この突起３０は前蓋１の第１支点ピン５
とロツクレバー１５の第２支点ピン１６とのほぼ
中間位置で、上ハーフ３の側壁３ａと一体に成形
されたものである。そして第５図に示す如くこの
突起３０は水平部３１と、その水平部３１の前端
下部の垂直部３２とから成るほぼＬ形のものであ
り、垂直部３２には側壁３ａから水平部３１にか
けて斜め上方外方に向かうテーパ面３３が形成さ
れている。従つて捩りコイルばね１２の後端部１
２ｃを矢印ｃ方向に押し込んでいくと、後端部１
２ｃは突起３０のテーパ面３３にて案内されるこ
とによつて、矢印ｄに示す如く捩り上げられて突
起３０の水平部３１上にて仮止めされる。

以上の如く捩りコイルばね１２の後端部１２ｃ
を上ハーフ３側に仮止めした後、第４図に示す如
く前蓋１と一緒に上ハーフ３を下ハーフ４の上方
から矢印ｅ方向に下降させて嵌合させれば、第３
図に示したカセツト筐体２が組立てられる。そし
てこの際捩りコイルばね１２の後端部１２ｃが上
ハーフ３側に仮止めされている為に、その後端部
１２ｃを下ハーフ４側の当接部であるロツクレバ
ー１５のばね受部１７にその捩りコイルばね１２
の弾性（ばね力）に抗して極めて簡単かつ正確に
当接させることができる。

しかして以上の如く構成され、かつ組立てられ
た本発明のテープカセツトによれば、上述した捩
りコイルばね１２の後端部１２ｃを仮止めさせる
突起３０によつて、ロツクレバー１５の前方への
回動が規制されることになる。即ち第６図に示す
如く、前蓋１の開蓋状態でロツクレバー１５が前
蓋１のロツク位置よりも矢印b′方向である前方側
に回動されると、ロツクレバー１５の上端部１５
ａが突起３０の水平部３１の後端側下面３１ａに
当接される。この為にロツクレバー１５の回動が
規制されて、ロツクレバー１５がそれ以上前方側
に回動されることは阻止される。そして前蓋１が
矢印a′方向である閉蓋方向へ回動されると、前蓋
１の被ロツク用突起２１の上端に形成されている
案内面２２がロツクレバー１５のロツク爪１８を
押圧し、その際のすべり作用によつてロツクレバ
ー１５は仮想線で示す如く極めて円滑に矢印ｂ方
向である後方側に回動されて逃がされる。従つて
前蓋１を閉蓋方向へ回動させた際には完全に前蓋
１をロツクレバー１５によつてロツクすることが
できる。

〔応用例〕

以上本発明の一実施例に付き述べたが、本発明
はビデオテープレコーダ以外の各種記録再生装置
やその他各種の情報処理装置用のテープカセツト
に適用可能である。

〔発明の効果〕

本発明は上述した如く、上ハーフの側壁に突起
を設け、ロツクレバーが前蓋のロツク位置よりも
前方に回動される時にそのロツクレバーを突起に
当接させて、そのロツクレバーの前方への回動を
規制するように構成したものであるから、前蓋が
開蓋されている際にロツクレバーが必要以上に前
方側に回動されることを阻止出来る。従つて前蓋
を閉蓋させた際には完全に前蓋をロツクさせるこ
とが出来て、極めて信頼性の高いものが得られ
る。しかも突起は、構造的には上ハーフと一体成
形によつて極めて簡単に製造出来るので、コスト
高になることもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明をビデオテープレコーダ用テープ
カセツトに適用した一実施例を示したものであつ
て、第１図は平面図、第２図は要部の分解斜視
図、第３図は前蓋のロツク及びロツク解除を説明
する要部の一部切欠き拡大側面図、第４図はカセ
ツト筐体の組立て方法を説明する第３図と同様の
側面図、第５図は突起部分の拡大斜視図、第６図
は突起によつてロツクレバーの回動が規制される
状態を説明する拡大側面図である。 なお図面に用いた符号において、１……前蓋、
１ａ……前蓋の左右両端部、２……カセツト筐
体、２ａ……カセツト筐体の左右両側壁、３……
上ハーフ、３ａ……上ハーフの左右両側壁、４…
…下ハーフ、５……第１支点ピン（回動支点）、
１０……前面開口、１２……捩りコイルばね、１
５……ロツクレバー、１８……ロツク爪、２１…
…被ロツク用突起、３０……突起である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下ハーフにて構成されて前面に開口が設け
   られたカセツト筐体と、左右両端部が上記カセツ
   ト筐体の左右両側壁に回動自在に枢支されて上記
   開口を開閉できるように構成された前蓋と、上記
   前蓋の一端側の回動支点の後方に配置されて上記
   カセツト筐体の一方の側壁に沿つて回動自在に構
   成されたロツクレバーと、上記ロツクレバーを前
   方側に回動付勢するばねとからなり、上記前蓋の
   内側で上記回動支点の後部近傍位置に設けられた
   被ロツク用突起に上記ロツクレバーのロツク爪を
   係合させて、その前蓋を閉蓋状態でロツクするよ
   うに構成したテープカセツトにおいて、 上記上ハーフの側壁に突起を設け、上記ロツク
   レバーが上記前蓋のロツク位置よりも前方に回動
   される時に上記ロツクレバーを上記突起に当接さ
   せてそのロツクレバーの前方への回動を規制させ
   るように構成したことを特徴とするテープカセツ
   ト。