JPS6338439B2 - - Google Patents

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JPS6338439B2
JPS6338439B2 JP59020722A JP2072284A JPS6338439B2 JP S6338439 B2 JPS6338439 B2 JP S6338439B2 JP 59020722 A JP59020722 A JP 59020722A JP 2072284 A JP2072284 A JP 2072284A JP S6338439 B2 JPS6338439 B2 JP S6338439B2
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iron
water
plating
plating film
phosphorus
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JP59020722A
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Shinji Kato
Yoshio Takagi
Hitoshi Ozawa
Hiroki Uchida
Yoshiomi Aoyanagi
Hiroshi Uotani
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Toyota Motor Corp
Uemera Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Uemera Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は耐摩耗性等の機械的性質に優れた摺動
部材の製造方法に関する。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 従来より、シリンダボアとの摺動を行なうピス
トンリング等の摺動部材は、その耐摩耗性、耐焼
付性を向上させるため、硬質クロムめつき、Mo
溶射、Fe・Cr系溶射等の種々の表面処理を施す
ことが行なわれている。このような摺動部材への
表面処理方法の一つとして、従来、鉄・リン電気
めつき浴を用いて摺動部材表面に鉄・リンめつき
被膜を形成することが知られており、この鉄・リ
ンめつき被膜の形成により、摺動部材の耐摩耗
性、耐焼付性を改善することができるが、摺動部
材の寿命を更に延長するため、鉄・リンめつき被
膜の耐摩耗性をより向上させたり、他の特性を付
与することが望まれている。 また従来、鉄・リン電気めつき浴としては、2
価の鉄イオンと次亜リン酸又はその塩とを含み、
更にホウ酸や塩化アンモニウム等を含むものが知
られているが、本発明者らの検討によると、この
種のめつき浴を用いて鉄・リン電気めつきを行な
つた場合、得られる鉄・リンめつき被膜の断面に
多数のクラツクが生じ、このクラツクが特に機械
的性能を要求する応用面では大きな障害となるこ
とを知見した。即ち、クラツクの発生した鉄・リ
ンめつき被膜はそれ自体のじん性が著しく低い
上、クサビ(ノツチ)効果によりめつきが施され
た素材そのもののじん性を低下させるものであつ
た。 また、無電解Ni―Pめつきをベースとした複
合めつきの場合には、浴中に分散させる微粒子は
不活性なものであることが必要で(活性だと浴中
の微粒子自体にNi―Pめつき被膜が形成されて
しまい共析できない)、例えば金属微粒子等の共
析ができないとか、共析できてもめつき膜の生成
速度が1時間当り20μ弱と遅い等の問題がある。 更に、耐摩耗性の要求される摺動部材として硬
質クロムめつきを使用する例が多いが、厳しい使
用条件での使用には耐久性が不足するという問題
がある。クロムめつきの代替材として時に使用さ
れるFe・Cr系溶射材の場合には、自分自身の耐
摩耗性は十分だが相手材(例えばねずみ鋳鉄、高
シリコンアルミニウム等)を摩耗させるという問
題がある。また、鉄めつき浴ベースの複合めつき
では、ベースの耐摩耗性および耐食性が不足して
いるという問題もある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、上記事情に鑑み耐摩耗性等の機
械的性質に優れた摺動部材につき鋭意検討を進め
た結果、鉄・リンめつき被膜を母相とし、これに
金属、無機、有機微粒子もしくは繊維が共析分散
された複合めつき被膜を形成した摺動部材を得る
場合、2価の鉄イオンと、次亜リン酸及び/又は
次亜リン酸塩と、水溶性アルミニウム化合物と、
水溶性チタン化合物及び/又は水溶性ジルコニウ
ム化合物とを含有する鉄・リン電気めつき浴に金
属、水不溶性無機及び有機微粒子並びに繊維から
選ばれる1種以上の水不溶性物質を分解させた複
合電気めつき浴を用いて、摺動部材素材に鉄・リ
ンめつき被膜を母相とし、これに前記水不溶性物
質が共析分散された複合めつき被膜を形成するこ
と、又は2価の鉄イオンと、亜リン酸及び/又は
亜リン酸塩と、水溶性チタン化合物及び/又は水
溶性ジルコニウム化合物とを含有する鉄・リン電
気めつき浴に金属、水不溶性無機及び有機微粒子
並びに繊維から選ばれる1種以上の水不溶性物質
を分解させた複合電気めつき浴を用いて、摺動部
材素材に鉄・リンめつき被膜を母相とし、これに
前記水不溶性物質が共析分散された複合めつき被
膜を形成することにより、クラツクがなく、耐摩
耗性等の機械的特性に優れた鉄・リンめつき被膜
母相を有する摺動部材が得られることを知見し、
本発明をなすに至つたものである。 以下、本発明につき更に詳しく説明する。 本発明において、2価の鉄イオンの供給源は特
に制限されないが、例示すると硫酸第1鉄、塩化
第1鉄、スルフアミン酸第1鉄、ホウフツ化第1
鉄などを挙げることができ、これらの1種を単独
で又は2種以上を併用して使用することができ
る。また、2価の鉄イオンの含有量も必ずしも限
定されないが、めつき浴1当り20〜80gとする
ことが好ましい。 また、本発明においては次亜リン酸及び次亜リ
ン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩の1種もしくは
2種以上又は亜リン酸及び亜リン酸ナトリウム等
の亜リン酸塩の1種もしくは2種以上を用いる。
これらリン化合物の使用量も制限されないが、め
つき浴1当り0.05〜20gとすることが好ましい。 この場合、本発明に使用するめつき浴は、次亜
リン酸及び/又は次亜リン酸塩を使用し、これに
水溶性アルミニウム化合物を加えた浴か、又は亜
リン酸及び/又は亜リン酸塩を使用した浴とする
もので、この種のめつき浴を用いて電気めつきを
施した場合、断面にクラツクのない鉄・リンめつ
き被膜が得られ、耐摩耗性を向上させることがで
きるものである。即ち、従来は上述したように
鉄・リンめつき被膜を電気めつきにより得る場
合、リン供給源として次亜リン酸や次亜リン酸塩
を用いためつき浴を使用しており、この種のめつ
き浴は光沢のあるめつき被膜が得られるものであ
るが、その断面を観察するとクラツクが多数発生
しているものであつた。しかし、リン供給源とし
て次亜リン酸や次亜リン酸塩を用いためつき浴に
アルミニウムイオンを添加するか、或いは次亜リ
ン酸や次亜リン酸塩の代りに亜リン酸や亜リン酸
塩を使用した場合、鉄・リンめつき被膜に対する
クラツクの生成を防止し得るものである。なお、
亜リン酸や亜リン酸塩を使用した浴に水溶性アル
ミニウム化合物を添加することは支障がない。 なお、水溶性アルミニウム化合物としては、硫
酸アルミニウメ、塩化アルミニウム等が挙げられ
るが、これに制限されるものではない。これらの
水溶性アルミニウム化合物は、その1種を単独で
用いてもよく、2種以上を併用するようにしても
よい。また、アルミニウムイオンの含有量はめつ
き液1当り0.05〜5g、特に0.1〜2gとすること
が好ましく、この範囲で良好なクラツク発生防止
効果を有する。 また、本発明めつき浴には水溶性チタン化合物
及び/又は水溶性ジルコニウム化合物を添加する
もので、これにより耐摩耗性の更に優れた複合め
つき被膜を得ることができる。ここで、水溶性チ
タン化合物、ジルコニウム化合物としては、例え
ばNa2TiF6、K2TiF6、(NH42TiF6、Ti
(SO42・Na2ZrF6、K2ZrF6、(NH42ZrF6、Zr
(SO42、4H2Oなどを挙げることができ、これら
の1種又は2種以上を添加することができる。な
お、その添加量はめつき液1当りチタン或いは
ジルコニウムとして0.05〜10g、特に0.1〜5gとす
ることが好ましい。 本発明めつき浴中に分散させる金属微粒子とし
てはPb、Sn、Mo、Cr、Si等の純金属及び合金
(例えばMo―Ni、Al―Si、Fe―Cr他)等が耐摩
耗性を向上させるので好ましい。Moおよびその
合金は、耐摩耗性だけでなく耐焼付性(耐スカツ
フ性)を著しく向上させる。Cr、Si及びその合
金は相手攻撃性が問題になることなく耐摩耗性を
向上させることができ、Crの場合はその複合め
つき被膜に軟窒化、窒化、浸炭することにより
Crの炭化物、窒化物を形成させ、より一層耐摩
耗性を向上させることも可能である。また、低融
点軟質金属であるPb、Snおよびその合金(Pb―
Sn、Sn―Pb、Pb―Sn―Sb、Pb―Sn―Cu)は潤
滑の悪い乾燥摩擦に近い条件で使用される場合、
低融点なので摩擦熱によりこれらの金属が摩擦面
に溶けて流れでて潤滑を行なうこともできる。 また、水不溶性無機微粒子としてはめつき被膜
の耐摩耗性、潤滑性、耐焼付性等を向上させるも
のが好ましく、例えばAl2O3、SiO2、ZrO2
TiO2、ThO2、Y2O3、CeO3等の酸化物、Si3N4
TiN、BN、C―BN等の窒化物、TiC、WC、
SiC、Cr3C2、B4C、ZrC等の炭化物、ZrB2
Cr3B2等の硼化物、フツカ黒鉛、MoS2、ダイヤ
モンド等の炭素の同素体などの1種又は2種以上
が使用される。 なお無機硬質微粒子は、耐摩耗性を著しく向上
させることは容易だが、その反面相手材を摩耗さ
せる危険が大である。従つて、相手材が比較的耐
摩耗性がない材料、たとえばねずみ鋳鉄、高シリ
コンアルミニウム合金の場合は、粒径1〜3μ程
度、めつき膜中の分散量10容量%前後が特に良い
結果を示す。 水不溶性有機微粒子としてはポリテトラフルオ
ロエチレン等のフツ素樹脂、その他の有機微粒子
が用いられ、繊維としては、炭素繊維、各種金属
のホイスカー、その他の繊維が用いられる。 前記微粒子の粒径は特に制限はされないが、通
常0.01〜200μであり、好ましくは0.1〜20μであ
る。繊維の場合には長さ0.01〜2000μ、特に0.1〜
60μとすることが好ましい。また、その鉄・リン
めつき被膜母相中への共析量は1〜60容量%、特
に5〜20容量%とすることが好適である。 本発明に係るめつき浴には、上述した成分に加
え、更に必要によつては電導度塩として硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム等を0〜200g/、
特に20〜150g/、PH緩衝剤としてホウ酸等を
0〜60g/、特に20〜50g/、2価或いは3
価の鉄イオンの錯化剤として酸性フツ化アンモニ
ウム等を1〜20g/、特に1〜10g/添加す
ることができる。また、前記微粒子を均一に分散
させるため、界面活性剤を添加することができ
る。 なお、本発明めつき浴のPHは0.5〜3.5とするこ
とが好ましい。 上述した複合めつき浴を用いて摺動部材素材を
めつきする場合、浴温は室温〜80℃、特に30〜70
℃とすることができ、また陰極電流密度は0.5〜
30A/dm2、特に2〜20A/dm2とすることがで
きる。更に、撹拌は必ずしも必要としないが、カ
ソードロツカー、スターラーやポンプによる浴撹
拌を採用することもできる。なお、陽極には一般
に鉄板が用いられる。 本発明複合めつき被膜が形成される摺動部材素
材の材質は必ずしも限定されない。通常ねずみ鋳
鉄(FCP1)、球状黒鉛鋳鉄、バネ鋼、工具鋼、
ステンレス鋼等が用いられるがこれに限定するも
のではなく、Al合金、Mg合金等でもよい。この
場合、その素材の材質等に応じた公知の前処理を
施した後、素材に直接又は適宜な下地めつき被膜
を介して、前記微粒子又は繊維が分散した鉄・リ
ンめつき浴を用いてめつきを行なう方法を採用す
ることができる。 ここで、本発明により得られる鉄・リンめつき
被膜母相中のリン含量は、必ずしも制限されない
が、好ましくはリン含量は0.1〜20%(重量%)、
より好ましくは0.1〜6%であり、特にリン含量
を0.7〜2%とすることにより、摺動部材の耐摩
耗性及び耐焼付性を更に向上させることができ
る。また、鉄・リンめつき被膜母相の膜厚も特に
制限されないが、一般的には1〜250μ、特に50
〜150μとすることが好ましい。 なお、ベースとなる鉄・リンめつき被膜中の
Pwt%と耐食性、耐摩耗性との関係を第1図、第
2図にそれぞれ示す。鉄・リンめつきはPwt%を
高くすれば耐食性が著しく向上するので、Feめ
つきベースの複合めつきでは適用できない腐蝕雰
囲気で使用する摺動部材として、鉄・リンめつき
ベース(Pwt%は高い方が良く、8%以上が特に
良い)の複合めつきは優れた性能を示す。また、
ベースとなる鉄・リンめつきの耐摩耗性はFeめ
つき、Niめつき、Ni―Pめつき等に比較し著し
く優れている。従つて硬質粒子分散によつて、シ
ビアな摺動条件での耐摩耗性を得る場合、耐摩耗
性の劣るFeめつき、Niめつき、Ni―Pめつきよ
りも少量の硬質粒子共析量で優れた耐摩耗性を得
ることができ、硬質粒子による相手攻撃性も最小
に抑えることができる。 鉄・リンめつき被膜を母相とし、これに金属、
無機、有機微粒子もしくは繊維が共析分散された
複合めつき被膜が施された摺動部材は、複合めつ
き被膜を形成した後、そのまま使用してもよい
が、必要により適宜な後処理を行なつた後、使用
するようにしてもよい。このような後処理として
は、めつき被膜を例えば200〜700℃で1〜2時間
熱処理を行なつてめつき被膜の硬度を上げる方
法、めつき被膜をレーザー焼入、火炎焼入、その
他の焼入れ法を採用して硬度を上げる方法、めつ
き被膜に軟窒化、窒化、ホウ化等の浸透処理を施
す方法、めつき被膜上に更に潤滑性被膜、例えば
錫めつき被膜、鉛めつき被膜、ルブライト等の化
成被膜処理を形成する方法などが挙げられる。 本発明の摺動部材は、耐摩耗性等の機械的性質
が良好であり、例えばピストンリング、シリンダ
ボア、ピストンロツド、シヤフト、シフトホー
ク、キヤブレタスロツトルバルブ、クラツチハウ
ジング、ブレーキドラム、クラツチダイヤフラム
スプリング等として適用されるが、その相手方の
部材の材質は必ずしも制限されない。しかしなが
ら、相手方の部材の材質としては特に鋳鉄、鋼、
ハイシリコンアルミニウム合金、FRM等を用い
ることが好ましく、これにより本発明摺動部材の
効果が一層有効に発揮される。 なお、複合めつきは第3,4図に示すようにめ
つきすべき部材の所望箇所に施すことができる
(第3,4図中1は本発明複合めつき被膜をす)。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明においては、2価
の鉄イオンと、次亜リン酸及び/又は次亜リン酸
塩とアルミニウムイオンとを含むめつき浴、或い
は2価の鉄イオンと、亜リン酸及び/又は亜リン
酸塩とを主成分としためつき浴を用いてめつきす
ることにより、クラツクがなく、機械的特性に更
に優れためつき被膜が得られ、また水溶性チタン
化合物やジルコニウム化合物の添加によりめつき
被膜の耐摩耗性を更に向上させることができ、更
にめつき被膜のリン含量を10%より少なくなるよ
うに、より好ましくはリン含量が0.1〜6%とな
るようにすることにより、めつき被膜の耐焼付性
を更に向上させることができる。この場合、本発
明による摺動部材は鉄・リンめつき被膜を母相と
し、これにめつき浴中に分散させた微粒子もしく
は繊維が共析してこの母相中に分散した複合めつ
き被膜が形成されており、母相が鉄・リンめつき
被膜であるため良好な機械的特性を有し、かつ共
析微粒子又は繊維の特性が効果的に付与されたも
のである。 次に参考例及び実施例を示すが、本発明は下記
の実施例に制限されるものではない。 参考例 1 FeSO4・7H2O 250g/ NH4Cl 50〃 H3BO3 20〃 NH4F・HF 5〃 Al2(SO43・14―18H2O 1〃 NaH2PO2・H2O 0.1〃 PH 1.8 参考例 2 FeC2・4H2O 160g/ (NH42SO4 100〃 H3BO3 20〃 NH4F・HF 5〃 Al2(SO43・14―18H2O 5〃 NaH2PO2・H2O 3〃 PH 1.4 参考例 3 Fe(NH2SO32 Feとして50g/ NH4Cl 5〃 NH4F・HF 5〃 Al2(SO43・14−8H2O 2〃 NaH2PO2・H2O 10〃 PH 2.4 参考例 4 FeSO4・7H2O 250g/ (NH42SO4 100〃 NaH2PO3・2H2O 1〃 PH 2.1 参考例 5 FeSO4・7H2O 250g/ NH4Cl 50〃 H3BO3 20〃 NaH2PO3・2H2O 2〃 PH 1.8 参考例 6 FeCl2・4H2O 220g/ NH4F・HF 10〃 Al2(SO43・14―18H2O 5〃 H3PO3 1.5〃 PH 1.2 次に、上記めつき浴を使用し、浴温60℃、
Dk4A/dm2の条件においてAC8P・T6のアルミ
ニウム合金に30μの鉄・リン電気めつきを施し
た。 また比較のため、下記のめつき浴を使用し、浴
温55℃、Dk10A/dm2の条件でAC8P・T6のア
ルミニウム合金に30μの鉄・リン電気めつきを施
した。 参考例 7 FeCl2・4H2O 80g/ FeSO4・7H2O 100〃 (NH42SO4 25〃 NaH2PO2・H2O 10〃 PH 1.4 得られた鉄・リンめつき被膜を切断し、その切
断面を5%ナイタールにて2秒間エツチングした
後、金属顕微鏡(倍率400倍)にてクラツクの有
無を調べた。その結果、参考例1〜6のものには
クラツクが認められなかつたが、参考例7のもの
には多数のクラツクが認められた。 参考例 8 AC8A・T6規格のアルミニウム合金にて形成
されたピストン材を使用し、通常の前処理(亜鉛
置換及び青化銅ストライクめつき)を施した後、
下記組成の鉄・リンめつき浴を用いて30μの鉄・
リンめつき被膜(リン含量1.0%)を形成した。 次に、得られた摺動部材を電解研磨又は化学研
磨によりエツチング処理したA390・T6規格のア
ルミニウム合金のシリンダボア材と組合せ、後述
する摩耗及び焼付け試験を行なつた。 鉄・リンめつき浴組成及びめつき条件 FeSO4・7H2O 250g/ (NH42SO4 100〃 NaH2PO3・2H2O 1〃 K2TiF6 2〃 PH 2.1 浴 温 60℃ DK 4A/dm2 参考例 9 AC8A・T6規格のアルミニウム合金にて形成
されたピストン材を使用し、前処理(亜鉛置換及
び青化銅ストライクめつき)を施した後、下記組
成の鉄・リンめつき浴を用いて30μの鉄・リンめ
つき被膜(リン含量4.0%)を形成した。 次に、得られた摺動部材を電解研磨又は化学研
磨によりエツチング処理したA390・T6規格のア
ルミニウム合金のシリンダボア材と組合せ、後述
する摩耗及び焼付け試験を行なつた。 鉄・リンめつき浴組成びめつき条件 FeCl2・4H2O 160g/ (NH42SO4 100〃 H3BO3 20〃 NH4F・HF 5〃 Al2(SO43・14―18H2O 5〃 NaH2PO2・H2O 3〃 Na2ZrF6 2〃 PH 1.4 浴 温 60℃ Dk 4A/dm2 参考例 10 参考例8のめつき浴からK2TiF6を除いためつ
き浴を用いた以外は参考例8と同様にして試験し
た。 参考例 11 参考例9のめつき浴からNa2ZrF6を除いためつ
き浴を用いた以外は参考例9と同様にして試験し
た。 参考例 12 鉄めつき被膜を30μ形成したAC8A・T6規格の
アルミニウム合金ピストン材と電解研磨によりエ
ツチング処理したA390・T6規格のアルミニウム
合金シリンダボア材とを組合せ、後述する摩耗及
び焼付試験を行なつた。 摩耗試験はLFW―1摩擦摩耗試験機を使用し、
摩耗深さを評価した。また、焼付試験は機械試験
所式摩擦摩耗試験機を使用し、焼付荷重を評価し
た。結果を第1表及び第2表に示す。
【表】
【表】 第1、2表の結果から明らかなように、鉄・リ
ンめつき被膜は鉄めつき被膜より耐摩耗性及び耐
焼付き性に優れていることがわかるが、更に参考
例8と10、参考例9と11とを比較することによ
り、鉄・リンめつき浴に水溶性チタン化合物
(K2TiF6)や水溶性ジルコニウム化合物
(Na2ZrF6)を添加することにより、耐摩耗性の
向上した鉄・リンめつき被膜が得られることが認
められる。 次に実施例と比較例を示す。 実施例 1 AC8P・T6規格のアルミニウム合金にて形成さ
れたピストン材を使用し、通常の前処理(亜鉛置
換及び青化銅ストライクめつき)を施した後、下
記組成の鉄・リンめつき浴を用いて30μの鉄・リ
ンめつき被膜(リン含量1.0%)を形成した。 次に、得られた摺動部材を電解研磨又は化学研
磨によりエツチング処理したA390・T6規格のア
ルミニウム合金のシリンダボア材と組合せ、前述
した摩耗試験を行なつた。 鉄・リンめつき浴組成及びめつき条件 FeSO4・7H2O 250g/ (NH42SO4 100〃 NaH2PO3・2H2O 1〃 K2TiF6 2〃 SiC 50〃 PH 2.1 浴 温 60℃ Dk 4A/dm2 比較例 1 AC8P・T6規格のアルミニウム合金にて形成さ
れたピストン材を使用し、前処理(亜鉛置換及び
青化銅ストライクめつき)を施した後、下記組成
の鉄・リンめつき浴を用いて30μの鉄・リンめつ
き被膜(リン含量4.0%)を形成した。 次に、得られた摺動部材を電解研磨又は化学研
磨によりエツチング処理したA390・T6規格のア
ルミニウム合金シリンダボア材と組合せ、前述し
た摩耗試験を行なつた。 鉄・リンめつき浴組成及びめつき条件 FeCl2・4H2O 160g/ (NH42SO4 100〃 H3BO3 20〃 NH4F・HF 5〃 Al2(SO43・14―18H2O 5〃 NaH2PO2・H2O 3〃 C―BN 10〃 PH 1.4 浴 温 60℃ Dk 4A/dm2 比較例 2 AC8P・T6規格のアルミニウム合金ピストン材
とFC23比較のねずみ鋳鉄シリンダボア材とを組
合せ、前述した摩耗及び焼付け試験を行なつた。 比較例 3 AC8P・T6規格のアルミニウム合金ピストン材
と電解研磨でエツチング処理したA390・T6規格
のアルミニウム合金シリンダボア材とを組合せ、
前述した摩耗試験を行なつた。 比較例 4 鉄めつき被膜を30μ形成したAC8P・T6規格の
アルミニウム合金ピストン材と電解研磨でエツチ
ング処理したA390・T6規格のアルミニウム合金
材とを組合せ、前述した摩耗試験を行なつた。 更に、同様にして第3表に示すめつきを施した
ものの摩耗試験を行なつた。 結果を第3表に併記する。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は鉄・リンめつき被膜の腐蝕特性を示す
グラフ、第2図は鉄・リンめつき被膜の摩耗特性
を示すグラフ、第3図は本発明複合めつき被膜の
ピストンリングへの適用例を示す断面斜視図、第
4図は本発明複合めつき被膜のシリンダボアへの
適用例を示す断面斜視図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2価の鉄イオンと、次亜リン酸及び/又は次
    亜リン酸塩と、水溶性アルミニウム化合物と、水
    溶性チタン化合物及び/又は水溶性ジルコニウム
    化合物とを含有する鉄・リン電気めつき浴に金
    属、水不溶性無機及び有機微粒子並びに繊維から
    選ばれる1種以上の水不溶性物質を分散させた複
    合電気めつき浴を用いて、摺動部材素材に鉄・リ
    ンめつき被膜を母相とし、これに前記水不溶性物
    質が共析分散された複合めつき被膜を形成するこ
    とを特徴とする摺動部材の製造方法。 2 2価の鉄イオンと、亜リン酸及び/又は亜リ
    ン酸塩と、水溶性チタン化合物及び/又は水溶性
    ジルコニウム化合物とを含有する鉄・リン電気め
    つき浴に金属、水不溶性無機及び有機微粒子並び
    に繊維から選ばれる1種以上の水不溶性物質を分
    散させた複合電気めつき浴を用いて、摺動部材素
    材に鉄・リンめつき被膜を母相とし、これに前記
    水不溶性物質が共析分散された複合めつき被膜を
    形成することを特徴とする摺動部材の製造方法。
JP2072284A 1984-02-09 1984-02-09 摺動部材の製造方法 Granted JPS60165389A (ja)

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JP2072284A JPS60165389A (ja) 1984-02-09 1984-02-09 摺動部材の製造方法

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