JPS6338416B2 - - Google Patents
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- JPS6338416B2 JPS6338416B2 JP60174091A JP17409185A JPS6338416B2 JP S6338416 B2 JPS6338416 B2 JP S6338416B2 JP 60174091 A JP60174091 A JP 60174091A JP 17409185 A JP17409185 A JP 17409185A JP S6338416 B2 JPS6338416 B2 JP S6338416B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は、超急冷凝固によつて作製される高耐
食高強度アルミニウム合金に関するものである。 [従来の技術] アルミニウムは加工性に優れ軽量かつ安価であ
ることから、通常の方法で作られた単体および合
金が広く用いられ、重要な金属材料である。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながらアルミニウムおよびその合金は日
の丸弁当に穴があくという周知の事実から窺える
ように、塩化ナトリウムを含む環境では孔食が容
易に発生し、耐食性がきわめて低い。したがつて
アルミニウム合金は、軽量合金更には組成によつ
ては軽量高強度合金として使用されているが、高
耐食性が求められる環境では使用しがたい。耐食
性が低い理由は不純物元素が介在物あるいは第2
相を形成し、腐食を加速しやすいためであり、ま
た耐食性を向上させる合金元素の添加も一般に固
溶範囲が狭いため困難である。 [問題点を解決するための手段] 一方、本発明者らは、溶融状態の合金を急冷凝
固させると、固溶限が拡大するため、通常の方法
で作製する合金より多種多様の合金元素を含む理
想の固溶体であるアモルフアス合金がしばしば得
られ、均一性の向上と耐食合金元素の添加の両効
果によつて著しく耐食性を改善しうることを見出
した。本発明者らはこれらの成果に基づき更に研
究を行なつた結果、アルミニウム合金はアモルフ
アス構造にはなりがたいが適切、適量の元素を添
加し、溶融状態から超急冷凝固させることによつ
て、きわめて微細な組織でかつ過飽和固溶体に特
徴的な高硬度を持ち、従来のアルミニウム合金と
比べて著しく孔食電位が高い高耐食高強度合金が
得られることを見出し、先に特願昭60−46497号
として出願した。 前記特願昭60−46497号として出願した高耐食
高強度アルミニウム合金は以下のとおりである。 Si、Ti、ZrおよびNbの1種または2種以上の
合計で0.2原子%以上15原子%以下を含み残部実
質的にAlからなり超急冷凝固によつて作製され
る高耐食高強度アルミニウム合金。 本発明者らは、更に超急冷凝固アルミニウム合
金について研究を行なつた結果、前記特願昭60−
46497号に出願した以外の組成であつても高耐食
高強度アルミニウム合金が存在することを見出
し、本発明を達成した。 すなわち、本発明は、CuおよびMnのいずれか
1種又は2種の元素を0.2原子%以上15原子%以
下含み残部は実質的にAlからなり超急冷凝固に
よつて作製されて、α―Al相に各元素が過飽和
に固溶したまま凝固していることを特徴とする高
耐食高強度アルミニウム合金、並びに、Cuおよ
びMnのいずれか1種又は2種の元素とNi、Si、
Ti、ZrおよびNbからなる群から選ばれるいずれ
か1種または2種以上の元素の合計が0.2原子%
以上15原子%以下含み残部は実質的にAlからな
り超急冷凝固によつて作製されて、α―Al相に
各元素が過飽和に固溶したまま凝固していること
を特徴とする高耐食高強度アルミニウム合金であ
る。 本発明合金作製のための溶融状態からの超急冷
凝固は、近年アモルフアス金属の作製に用いられ
ている種々の超急冷法のいずれを用いても良く、
例えば回転している円筒の外壁あるいは内壁に溶
融金属を吹き付ける単ロール法および遠心急冷
法、溶湯を圧延急冷する双ロール法、超急冷凝固
薄片を作るガス法、ピストンアンビル法、超急冷
金属粉を作製する回転液中噴出法、スプレー法、
キヤビテーシヨン法など、溶融状態からほぼ103
〓/秒以上の速度で急冷できる方法であればどの
ような方法も適用できる。 本発明の超急冷凝固によつて作製したアルミニ
ウム合金は通常の方法で作製された実用アルミニ
ウム合金に比べて著しく高い孔食電位を持ち高耐
食性を備え、かつ過飽和固溶に基づく高強度を備
えている。 次に本発明における成分組成を限定する理由を
述べる。 CuおよびMnはAlと共に溶融して超急冷凝固す
ることによつて生ずる合金を構成する相の中で最
も耐食性が低く、軟かいα―Al相に過飽和に固
溶することによつて高耐食性、高強度を保証する
元素である。 CuおよびMnのいずれか1種または2種の合計
が0.2原子%未満であると超急冷凝固によつて作
製したアルミニウム合金の耐食性は超急冷凝固金
属アルミニウム単体と大差なく、耐食性が十分に
高くない。 一方、CuおよびMnの1種または2種の合計が
15原子%を越えると、Mnのみを添加する場合を
除いて超急冷凝固しても脆くて使用が困難でな
る。 したがつて、本発明の第1の発明において、
CuおよびMnのいずれかの1種また2種の合計は
0.2原子%以上15原子%以下とする。 Ni、Si、Ti、ZrおよびNbのいずれか1種また
は2種以上は、CuおよびMnと置換して、耐食性
と強度を向上させる元素であるが、過剰に添加す
ると合金を脆化する。したがつて、本発明の第2
の発明においては、CuおよびMnのいずれか1種
又は2種の元素と、Ni、Si、Ti、ZrおよびNbの
群から選ばれるいずれか1種または2種以上の元
素との合計を0.2原子%以上15原子%以下とする
必要がある。 またこれらの超急冷凝固アルミニウム合金が
Mg、V、Cr、Fe、Co、Znなどを4原子%以下
含んでも本発明の目的を達成することができる。 尚これら超急冷凝固によつて作られる合金中の
添加元素は超急冷の際生ずる微細な結晶粒の粒界
にも細かく分散して分布しているため、熱処理し
ても結晶粒が成長しにくい。したがつて、本発明
の超急冷凝固アルミニウム合金を押し出し、圧
縮、加圧成型あるいは焼結などによつて所定の形
状に変えることも、条件を適切に選定すれば本発
明の目的を損うものではない。 [作用] 本発明において上記組成の溶融合金を超急冷凝
固して得られる合金では、母相であるα―Al相
に過飽和に合金元素が固溶し、母相の耐食性と強
度が著しく向上し、他に生ずる相はいずれも高耐
食高強度の相であるため、生成する合金はきわめ
て高い耐食性と強度を示す。 一方通常の方法で溶融アルミニウム合金を凝固
させると母相であるα―Al相にはほとんど合金
元素が固溶せず、種々の不純物元素が異相を生ず
るため高い耐食性が得がたい。しかし複雑な組成
のアルミニウム合金であろうと溶融状態では均一
に固溶している。したがつて、本発明組成の溶融
金属を超急冷凝固すると、アルミニウム合金を構
成する相の中で最も侵されやすいα―Al相に不
働態を補強する種々の元素が過飽和に固溶したま
ま凝固するので、不働態皮膜が破壊されにくく、
高耐食性高強度合金が得られる。 [実施例] 第1表に示す組成になるように原料金属を混合
し、アルゴンアーク溶解法により原料合金を作製
した。これらの合金をアルゴン雰囲気中で再溶融
し、1000―3000rpmの回転数で回転している直径
300mmの単ロール外周表面に溶融合金を吹き付け
る単ロール法を用いて超急冷凝固させることによ
り、厚さ0.01〜0.05mm、幅1〜3mm、長さ3〜20
mの超急冷凝固合金薄板を得た。これらの合金試
料を構成する相をX線回折で調べたところ、通常
の方法で作られた同一組成の合金に比べて共晶を
形成するSiおよび化合物相の回折強度が弱く、α
―Al相に添加合金元素が大量に固溶しているこ
とが判明した。また、合金組織を光学顕微鏡およ
び走査電子顕微鏡で観察したところ、0.5μm以下
の微細な組織からなつていることが判明した。 これら合金試料をシリコンカーバイド紙1500番
まで湿式研磨したのち、30℃の脱気した
0.5MNaCl溶液中で孔食電位を測定した。 測定された孔食電位と合金のビツカース硬さを
第2表に示す。 このように超急冷凝固によつて作製した本発明
のアルミニウム合金は比較例の99.999%Alより孔
食電位が50mV〜330mV高く、かつ、きわめて硬
度が高い高耐食高強度アルミニウム合金であるこ
とが判明した。
食高強度アルミニウム合金に関するものである。 [従来の技術] アルミニウムは加工性に優れ軽量かつ安価であ
ることから、通常の方法で作られた単体および合
金が広く用いられ、重要な金属材料である。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながらアルミニウムおよびその合金は日
の丸弁当に穴があくという周知の事実から窺える
ように、塩化ナトリウムを含む環境では孔食が容
易に発生し、耐食性がきわめて低い。したがつて
アルミニウム合金は、軽量合金更には組成によつ
ては軽量高強度合金として使用されているが、高
耐食性が求められる環境では使用しがたい。耐食
性が低い理由は不純物元素が介在物あるいは第2
相を形成し、腐食を加速しやすいためであり、ま
た耐食性を向上させる合金元素の添加も一般に固
溶範囲が狭いため困難である。 [問題点を解決するための手段] 一方、本発明者らは、溶融状態の合金を急冷凝
固させると、固溶限が拡大するため、通常の方法
で作製する合金より多種多様の合金元素を含む理
想の固溶体であるアモルフアス合金がしばしば得
られ、均一性の向上と耐食合金元素の添加の両効
果によつて著しく耐食性を改善しうることを見出
した。本発明者らはこれらの成果に基づき更に研
究を行なつた結果、アルミニウム合金はアモルフ
アス構造にはなりがたいが適切、適量の元素を添
加し、溶融状態から超急冷凝固させることによつ
て、きわめて微細な組織でかつ過飽和固溶体に特
徴的な高硬度を持ち、従来のアルミニウム合金と
比べて著しく孔食電位が高い高耐食高強度合金が
得られることを見出し、先に特願昭60−46497号
として出願した。 前記特願昭60−46497号として出願した高耐食
高強度アルミニウム合金は以下のとおりである。 Si、Ti、ZrおよびNbの1種または2種以上の
合計で0.2原子%以上15原子%以下を含み残部実
質的にAlからなり超急冷凝固によつて作製され
る高耐食高強度アルミニウム合金。 本発明者らは、更に超急冷凝固アルミニウム合
金について研究を行なつた結果、前記特願昭60−
46497号に出願した以外の組成であつても高耐食
高強度アルミニウム合金が存在することを見出
し、本発明を達成した。 すなわち、本発明は、CuおよびMnのいずれか
1種又は2種の元素を0.2原子%以上15原子%以
下含み残部は実質的にAlからなり超急冷凝固に
よつて作製されて、α―Al相に各元素が過飽和
に固溶したまま凝固していることを特徴とする高
耐食高強度アルミニウム合金、並びに、Cuおよ
びMnのいずれか1種又は2種の元素とNi、Si、
Ti、ZrおよびNbからなる群から選ばれるいずれ
か1種または2種以上の元素の合計が0.2原子%
以上15原子%以下含み残部は実質的にAlからな
り超急冷凝固によつて作製されて、α―Al相に
各元素が過飽和に固溶したまま凝固していること
を特徴とする高耐食高強度アルミニウム合金であ
る。 本発明合金作製のための溶融状態からの超急冷
凝固は、近年アモルフアス金属の作製に用いられ
ている種々の超急冷法のいずれを用いても良く、
例えば回転している円筒の外壁あるいは内壁に溶
融金属を吹き付ける単ロール法および遠心急冷
法、溶湯を圧延急冷する双ロール法、超急冷凝固
薄片を作るガス法、ピストンアンビル法、超急冷
金属粉を作製する回転液中噴出法、スプレー法、
キヤビテーシヨン法など、溶融状態からほぼ103
〓/秒以上の速度で急冷できる方法であればどの
ような方法も適用できる。 本発明の超急冷凝固によつて作製したアルミニ
ウム合金は通常の方法で作製された実用アルミニ
ウム合金に比べて著しく高い孔食電位を持ち高耐
食性を備え、かつ過飽和固溶に基づく高強度を備
えている。 次に本発明における成分組成を限定する理由を
述べる。 CuおよびMnはAlと共に溶融して超急冷凝固す
ることによつて生ずる合金を構成する相の中で最
も耐食性が低く、軟かいα―Al相に過飽和に固
溶することによつて高耐食性、高強度を保証する
元素である。 CuおよびMnのいずれか1種または2種の合計
が0.2原子%未満であると超急冷凝固によつて作
製したアルミニウム合金の耐食性は超急冷凝固金
属アルミニウム単体と大差なく、耐食性が十分に
高くない。 一方、CuおよびMnの1種または2種の合計が
15原子%を越えると、Mnのみを添加する場合を
除いて超急冷凝固しても脆くて使用が困難でな
る。 したがつて、本発明の第1の発明において、
CuおよびMnのいずれかの1種また2種の合計は
0.2原子%以上15原子%以下とする。 Ni、Si、Ti、ZrおよびNbのいずれか1種また
は2種以上は、CuおよびMnと置換して、耐食性
と強度を向上させる元素であるが、過剰に添加す
ると合金を脆化する。したがつて、本発明の第2
の発明においては、CuおよびMnのいずれか1種
又は2種の元素と、Ni、Si、Ti、ZrおよびNbの
群から選ばれるいずれか1種または2種以上の元
素との合計を0.2原子%以上15原子%以下とする
必要がある。 またこれらの超急冷凝固アルミニウム合金が
Mg、V、Cr、Fe、Co、Znなどを4原子%以下
含んでも本発明の目的を達成することができる。 尚これら超急冷凝固によつて作られる合金中の
添加元素は超急冷の際生ずる微細な結晶粒の粒界
にも細かく分散して分布しているため、熱処理し
ても結晶粒が成長しにくい。したがつて、本発明
の超急冷凝固アルミニウム合金を押し出し、圧
縮、加圧成型あるいは焼結などによつて所定の形
状に変えることも、条件を適切に選定すれば本発
明の目的を損うものではない。 [作用] 本発明において上記組成の溶融合金を超急冷凝
固して得られる合金では、母相であるα―Al相
に過飽和に合金元素が固溶し、母相の耐食性と強
度が著しく向上し、他に生ずる相はいずれも高耐
食高強度の相であるため、生成する合金はきわめ
て高い耐食性と強度を示す。 一方通常の方法で溶融アルミニウム合金を凝固
させると母相であるα―Al相にはほとんど合金
元素が固溶せず、種々の不純物元素が異相を生ず
るため高い耐食性が得がたい。しかし複雑な組成
のアルミニウム合金であろうと溶融状態では均一
に固溶している。したがつて、本発明組成の溶融
金属を超急冷凝固すると、アルミニウム合金を構
成する相の中で最も侵されやすいα―Al相に不
働態を補強する種々の元素が過飽和に固溶したま
ま凝固するので、不働態皮膜が破壊されにくく、
高耐食性高強度合金が得られる。 [実施例] 第1表に示す組成になるように原料金属を混合
し、アルゴンアーク溶解法により原料合金を作製
した。これらの合金をアルゴン雰囲気中で再溶融
し、1000―3000rpmの回転数で回転している直径
300mmの単ロール外周表面に溶融合金を吹き付け
る単ロール法を用いて超急冷凝固させることによ
り、厚さ0.01〜0.05mm、幅1〜3mm、長さ3〜20
mの超急冷凝固合金薄板を得た。これらの合金試
料を構成する相をX線回折で調べたところ、通常
の方法で作られた同一組成の合金に比べて共晶を
形成するSiおよび化合物相の回折強度が弱く、α
―Al相に添加合金元素が大量に固溶しているこ
とが判明した。また、合金組織を光学顕微鏡およ
び走査電子顕微鏡で観察したところ、0.5μm以下
の微細な組織からなつていることが判明した。 これら合金試料をシリコンカーバイド紙1500番
まで湿式研磨したのち、30℃の脱気した
0.5MNaCl溶液中で孔食電位を測定した。 測定された孔食電位と合金のビツカース硬さを
第2表に示す。 このように超急冷凝固によつて作製した本発明
のアルミニウム合金は比較例の99.999%Alより孔
食電位が50mV〜330mV高く、かつ、きわめて硬
度が高い高耐食高強度アルミニウム合金であるこ
とが判明した。
【表】
【表】
【表】
[発明の効果]
以上詳述した通り、本発明の超急冷凝固によつ
て作製したアルミニウム合金は、α―Al相中に
耐食性と強度を向上させる各種元素を過飽和に含
み、かつその他の相はすべて高耐食高強度相であ
るため、従来実現しえなかつた高耐食性と高強度
を備えた合金である。 また本発明の合金の作製には既に広く用いられ
ている液体超急冷技術のいずれをも適用できるた
め、特殊な装置を改めて必要とせず、本発明合金
は実用性に優れている。
て作製したアルミニウム合金は、α―Al相中に
耐食性と強度を向上させる各種元素を過飽和に含
み、かつその他の相はすべて高耐食高強度相であ
るため、従来実現しえなかつた高耐食性と高強度
を備えた合金である。 また本発明の合金の作製には既に広く用いられ
ている液体超急冷技術のいずれをも適用できるた
め、特殊な装置を改めて必要とせず、本発明合金
は実用性に優れている。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 CuおよびMnのいずれか1種又は2種の元素
を0.2原子%以上15原子%以下含み、残部は実質
的にAlからなり、超急冷凝固によつて作製され
て、α―Al相に各元素が過飽和に固溶したまま
凝固していることを特徴とする高耐食高強度アル
ミニウム合金。 2 CuおよびMnのいずれか1種又は2種の元素
と、Ni、Si、Ti、ZrおよびNbからなる群から選
ばれる少なくとも1種または2種以上の元素とを
合計で0.2原子%以上15原子%以下含み、残部は
実質的にAlからなり、超急冷凝固によつて作製
されて、α―Al相に各元素が過飽和に固溶した
まま凝固していることを特徴とする高耐食高強度
アルミニウム合金。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60174091A JPS6237335A (ja) | 1985-08-09 | 1985-08-09 | 高耐食高強度アルミニウム合金 |
AU54360/86A AU582834B2 (en) | 1985-03-11 | 1986-03-06 | Highly corrosion-resistant and high strength aluminum alloys |
KR1019860001684A KR900006612B1 (ko) | 1985-03-11 | 1986-03-10 | 고 내식 및 고력 알루미늄합금 |
EP86103164A EP0195341A1 (en) | 1985-03-11 | 1986-03-10 | Highly corrosion-resistant and high strength aluminum alloys |
BR8601251A BR8601251A (pt) | 1985-03-11 | 1986-03-11 | Ligas fortes de aluminio dotadas de alta resistencia a corrosao |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60174091A JPS6237335A (ja) | 1985-08-09 | 1985-08-09 | 高耐食高強度アルミニウム合金 |
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JPS6237335A JPS6237335A (ja) | 1987-02-18 |
JPS6338416B2 true JPS6338416B2 (ja) | 1988-07-29 |
Family
ID=15972493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60174091A Granted JPS6237335A (ja) | 1985-03-11 | 1985-08-09 | 高耐食高強度アルミニウム合金 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPS6237335A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1991014013A1 (en) * | 1990-03-15 | 1991-09-19 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Aluminum-chromium alloy and production thereof |
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JP2538692B2 (ja) * | 1990-03-06 | 1996-09-25 | ワイケイケイ株式会社 | 高力、耐熱性アルミニウム基合金 |
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JP2006274311A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Honda Motor Co Ltd | アルミニウム基合金 |
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JPS5920442A (ja) * | 1982-07-06 | 1984-02-02 | ル・サントル・ナシオナル・ドウ・ラ・ルシエルシユ・シアンテイフイツク゛セ−・エヌ・エ−ル・エス゛ | アモルフアス又は微晶質のアルミニウム基合金 |
JPS5943802A (ja) * | 1982-08-30 | 1984-03-12 | マ−コ・マテリアルズ・インコ−ポレ−テツド | 急速凝固粉末を用いて作られたアルミニウム−遷移金属合金とその製造方法 |
JPS61210148A (ja) * | 1985-02-27 | 1986-09-18 | ペシネ | 主にNi及び/又はFe及びSiを含有するAlベースモルフアス合金及びその製造方法 |
-
1985
- 1985-08-09 JP JP60174091A patent/JPS6237335A/ja active Granted
Patent Citations (3)
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WO1991014013A1 (en) * | 1990-03-15 | 1991-09-19 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Aluminum-chromium alloy and production thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6237335A (ja) | 1987-02-18 |
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