JPS6338203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はガラスワインダにおけるトラバース装
置の改良に関する。

(ロ) 従来技術 従来の紡糸されたガラス繊維を巻きとるための
ワインダにおいて、多数のガラス繊維が集束され
たストランドＳはトラバース装置を介して巻取軸
に装着されたボビンに巻きとられる。しかして、
前記トラバース装置としてバタフライワイヤが取
付けられた片持ちシヤフトが用いられていた。こ
のバタフライワイヤはシヤフトまわりにアンバラ
ンスが生じ易いうえ、片持ちシヤフトに振動が起
り、トラバース速度の向上が望めず、このため紡
糸速度を向上させることができなかつた。

(ハ) 目的 本考案は上記欠点を除き、トラバースシヤフト
の振動を防止できると同時に交換が極めて容易な
ようにしたトラバース装置を提供することを目的
とする。

(ニ) 構成 上記目的を達成するため本考案の構成は次のよ
うである。即ち、糸を案内するバタフライワイヤ
１１を備え、回転しながら軸方向に直線往復運動
するトラバースワイヤシヤフト３と、該シヤフト
に平行で間隔を存し、前記トラバースワイヤシヤ
フト３と同期して軸方向に直線往復動する支持棒
１７と、前記両軸の自由端に装着されたホルダ１
８と、該ホルダ１８に回転自在に支持され、先端
に前記トラバースワイヤシヤフト３への係合突部
を持つセンター軸とを含む。

(ホ) 実施例 図においてトラバース装置はトラバーススピン
ドルシヤフト２にねじ嵌合されて一体に組付けら
れたトラバースワイヤシヤフト３と該軸に間隔を
存して平行に設置された支持棒１７と、これらト
ラバースワイヤシヤフト３および支持棒１７の自
由端に装着されたホルダ１８と、該ホルダ１８に
回転自在に支持されたセンタ軸１９とを有する。

前記ワイヤシヤフト３はトラバーススピンドル
シヤフト２を介して回転運動と、直線往復駆動部
１による水平方向への直線往復動とが付与されて
いる。ワイヤシヤフト３にはストランドＳを案内
してトラバース作動を起させるための少なくとも
一対（実施例では２対）のバタフライワイヤ１１
を備えている。

支持棒１７は前記トラバーススピンドルシヤフ
ト２に外嵌固定されたハウジング４に連結部材１
６を介してワイヤシヤフト３と同期して軸方向に
沿い直線往復動する。また、該支持棒１７は複数
個所（図示２個所）を軸受メタル７を介してブラ
ケツト６により軸承けされたガイドロツド５に支
持されるが、該支持棒１７はガイドロツド５と一
体とされてもよい。支持棒１７の先端にはホルダ
１８が装着される。

ホルダ１８の基部は２つ割りされた短円筒体か
らなり、図示外の締め付けボルトによつて着脱自
在とされる。ホルダ１８の先部は有底円筒状の軸
受部とされ、該軸受部には円錐のセンタ突部１９
ａを有する回転自在なセンタ軸１９が組込まれて
いる。該センタ軸１９の係合突部１９ａは、ワイ
ヤシヤフト３の先端に設けられた円錐のセンタホ
ール３ａに当接する。これにより、ワイヤシヤフ
ト３はホルダ１８とハウジング４のベアリング
（図示省略）との両者により軸受されることにな
る。従つて、ワイヤシヤフト３はその周囲にバタ
フライワイヤ１１による多少の荷重のアンバラン
スがある場合でも先端部が振れることなく高速回
転に堪えることとなつたのである。

ここで、ワインダを高速とする場合、バタフラ
イワイヤ１１の耐用日数が従来の２〜３日から更
に短かくなることが予想され、それにともない頻
繁に該バタフライワイヤ１１がとりつけられたト
ラバースワイヤシヤフト３を交換する必要が生ず
る。しかしながら、前記ホルダ１８が２つ割り基
部を緩めることにより容易に取外せるので、前記
交換に手間がかかつたり、装置の停止時間が長く
なる等の問題がない。また、支持棒１７は１個所
又は複数個所を軸受７を介してガイドロツド５で
支持されるので、荷重が安定的に支えられる。

なお、図の１０はストランド巻取ボビンであ
る。

上記実施例では直線往復駆動部１は不動とされ
該駆動部１中にカムその他の直線往復駆動装置を
内蔵しているが、直線往復駆動部１全体を他の機
構により直線往復動可能として該駆動部１に支持
棒１７を直接またはガイドロツド５を介して間接
に固定させてもよい。この場合メタル７およびブ
ラケツト６は省略できる。

(ヘ) 効果 本考案は以上の如く、トラバースワイヤシヤフ
トは、該シヤフトに平行で間隔を存し、かつ、該
シヤフトと同期して軸方向に直線往復動する支持
棒の先端に装着されたホルダによりシヤフト自由
端を支承されることによつて両端支持されるの
で、該シヤフトのまわりに荷重のアンバランスが
多少ある場合でもシヤフトの振動が制御される。
従つて、ワインダの高速化が可能となり、生産性
が向上するとともに、ハウジング等、トラバース
ワイヤシヤフトまわり部品の消耗防止に大きく役
立つこととなつた。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す一部切欠正面図で
ある。 Ｓ……ストランド、１……トラバース装置、２
……トラバーススピンドルシヤフト、３……トラ
バースワイヤシヤフト、４……ハウジング、５…
…ガイドロツド、１０……巻取ボビン、１１……
バタフライワイヤ、１６……連結部材、１７……
支持棒、１８……ホルダ、１９……センタ軸、１
９ａ……係合突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸を案内するバタフライワイヤを備え、回転し
   ながら軸方向に直線往復運動するトラバースワイ
   ヤシヤフトと、該シヤフトに平行で間隔を存し、
   前記トラバースワイヤシヤフトと同期して軸方向
   に直線往復動する支持棒と、前記両軸の自由端に
   装着されたホルダと、該ホルダに回転自在に支持
   され、先端に前記トラバースワイヤシヤフトへの
   係合突部を持つセンター軸とを含むことを特徴と
   するガラスワインダのトラバース装置。