JPS6338192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は発酵可能な糖溶液よりエタノールを製
造する方法に関する。

澱粉または澱粉を含む原料よりアルコールを製
造するために、澱粉を含む原料の粉砕、熱分解お
よび糖化によつてマツシユを得ることが既にEP
−A0044428号明細書により知られている。それ
らから抽出法によつて直接に糖溶液を製造するこ
とができる多くの糖含有原料が知られている。ま
たそのような糖溶液をグルコースにまで分解し、
このようにして得られたマツシユを発酵させるこ
とも既に知られている。しかし、この際の発酵法
はそれぞれ使用原料または使用マツシユに応じて
異なる条件を必要とし、また比較的長い反応時間
を発酵完結のために、必要とする。それらの公知
の発酵方法における欠点として次のような事実が
ある。即ち、マツシユや発酵可能な基質は発酵の
経過中に各種濃度の発酵性の糖ならびに発酵産物
を示し、それらが発酵の進行につれ反応速度すな
わち発酵速度に強く影響する。さらにまた公知の
方法によると、常に多少純粋なアルコールが得ら
れるが、一般に低い濃度のものしか製造すること
ができない別の不利がある。

一般に、澱粉含有原料を糖化して得られる発酵
性の糖溶液は比較的低い糖濃度を示す。より速や
かな発酵を考慮すると、基質容量を減じることに
より糖濃度を高めることはこれらの場合有利であ
る。

本発明の目的は特に簡単な方法を提供すること
にありすなわち、後続の発酵工程に適した糖濃度
を有する直接発酵し得る基質を供し、かつ設備上
およびエネルギー浪費上高価な濃縮装置を使わず
に実施できる。この課題を解決するために、本発
明は、酵母スラツジを酵母と糖へ混合物から分離
すること、酵母スラツジを発酵槽に導入するこ
と、および発酵プロセスの終了後酵母を発酵槽よ
り取り出し、通気しそして栄養溶液特に炭素源お
よび／または栄養塩を供給した後、糖溶液を発酵
槽に仕込む前にマツシユの調製のために少なくと
も一部循環させることから本質的に構成される。
酵母の添加によつて約10分間の反応時間の後に糖
溶液由来のグルコースを酵母は吸収する。グルコ
ースに富む酵母スラツジを使うことにより、糖溶
液中に含まれる糖を特に速やかな発酵反応に供
し、温和な方法条件に基いて市販酵母の大部分を
使用して、好率に発酵を行なうだけでなく、酵母
を密閉循環路にそつて環循させかつそれにより方
法を環境に有害としないことも可能になる。この
目的のために本発明によると、酵母は発酵プロセ
ス完了後発酵容器から取り出され、通気しそして
栄養溶液特に炭素源および／または栄養塩と混合
してから後、糖溶液を発酵槽に仕込む前に混合物
の調製のために少なくともその一部を循環させ
る。余剰の酵母は分離してから、他の目的に使う
ことができる。

望ましい態様として、特に生成したアルコール
を連続的に取り出し、例えば発酵の間に蒸留によ
り分離する場合には、酵母は比較的高濃度の発酵
産物の影響下にさらされないかあるいはあつても
短時間に過ぎないので、生物学的物質はすぐれた
活力を有する。本発明の方法により実施する場
合、酵母の再生は必要としても僅かな程度に過ぎ
ない。

酵母スラツジを糖溶液含有マツシユから分離す
るために、既に開始しているガス発生を利用でき
かつ、高分子電解質を添加してフロキユレーシヨ
ンを行なうことができる点を留意して、マツシユ
をフロテーシヨンに供することができる。フロキ
ユレーシヨン、フロテーシヨンおよび酵母の分離
は発酵温度（30〜35℃）で行なうことができる。
場合によつては酵母とグルコース溶液の混合を発
酵温度において行なうことができる。フロキユレ
ーシヨン工程は、それを発酵槽を投入する前に酵
母スラツジから分離した溶液を高分子電解質と一
緒にフロキユレーシヨン工程に加えることにより
有利に実施することができるが、この際この方法
において、酵母スラツジから分離し、まだ糖分を
含む溶液を少なくとも一部を密閉循環路に循環さ
せることができる。酵母の循環使用は特に短い発
酵期間によつて可能になる。酵母の再生のため
に、発酵槽より抽出した酵母を好気処理に供す
る。その際一定の間隔で酵母を抽出でき、そして
飼料製造に利用することができる。

本発明を以下に図面に表わされた圧力経過曲線
および実施例に従つてより詳細に説明する。図面
において第１図は本発明に従つた発酵プロセスの
圧力経過曲線を示し、第２図は澱粉含有原料をア
ルコールに完全転換するため簡略化したフローシ
ートである。

実施例中に示される量は糖溶液１（立）に関
連するものである。

グルコース使用量＝182.8ｇ 酵母使用量＝1.47Kgスラツジ（約４％、乾燥固形
分含有） 反応時間＝10分 高分子電解質使用量＝320mg（≒1.75ｇ／Kgグル
コース） 反応時間＝10分 フロテーシヨン時間＝7.0分 抽出した糖溶液＝1.10 取り出した残留糖＝52.9ｇグルコース 酵母スラツジと共に発酵に供した糖＝129.9ｇ 発酵を図示通り行なつた。即ち、圧は発酵開始
直後に350ミリバールに低下させた。約45分後に
圧はさらに260ミリバールに低下させ、約70分後
に糖含有量を測定した。この時間以内に発酵は殆
んど終了し、既にこの時間の間に生成したアルコ
ールの蒸留が始まつている。約180分後に発酵糖
の圧をさらに段階的に低下させて完全な蒸留を達
成し、エタノールの収量を完全なものにした。こ
の際糖溶液１（立）当りエタノール含有量
0.077の蒸留液0.34、即ち60.7ｇのエタノール
が得られた。吸着された糖についての収率はこの
際次のようになる。

60.7／129.9×0.511＝0.915 グルコースは酵母スラツジ中に検出されなかつ
た。

全工程の実施に対する時間経過は次のようにな
る。

グルコース吸着………0.17h（時間） フロキユレーシヨン………0.02h フロテーシヨン………0.12h 発酵＋蒸留………3.50ｈ 全プロセス期間＝3.81ｈ 発酵槽に導入する前に酵母スラツジから分離し
た、密閉循環路に循環した溶液は平均して３〜５
重量％のグルコースを含有している。

糖含有原料からエタノールまでの製造工程は第
２図に図解されている。このフローシートからエ
ネルギーの利用性およびグルコース収率の改良の
目的のために本発明によつて提案された循環方法
も明らかになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による発酵プロセスの間の圧力
経過曲線を示し、第２図は澱粉含有原料からアル
コールまでの全製造工程の簡略化したフローシー
トである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 糖溶液を発酵槽に仕込む前に、酵母を糖溶液
   に混合して、発酵可能な糖溶液よりエタノールを
   製造する方法において、酵母スラツジをこの酵母
   と糖の混合物から分離すること、酵母スラツジを
   発酵槽に導入すること、および発酵プロセスの終
   了後酵母を発酵槽より取り出し、通気しそして栄
   養溶液特に炭素源および／または栄養塩を供給し
   た後、糖溶液を発酵槽に仕込む前に少なくともそ
   の一部を混合物の調製のために循環させることを
   特徴とする、上記製造方法。 ２ 糖液と酵母よりなる混合物を、例えばフロテ
   ーシヨン法により酵母スラツジを分離する前にフ
   ロキユレーシヨンに供する、特許請求の範囲第１
   項記載の方法。 ３ 発酵槽中へ仕込む前に酵母スラツジより分離
   した溶液を高分子電解質と一緒にフロキユレーシ
   ヨン工程に加える、特許請求の範囲第２項記載の
   方法。