JPS6338189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は枚葉印刷機の給紙装置へ運び込む紙を
機外で紙載する給紙紙積装置に関するものであ
る。

枚葉印刷機の給紙装置には、給紙フレームから
チエーンで吊下された紙積台が設けられており、
紙積台上に積載された印刷用の紙は、サツカ装置
で１枚ずつ吸引されて印刷部へ供給されるととも
に、給紙にしたがつて昇降チエーンが巻き上げら
れて紙積台が自動的に上昇する。このようにして
行なわれる給紙作業においては、紙積台上の紙が
無くなるたびに機械を停止して新たな紙を紙積台
上に始めから積んでいたのでは長時間のあいだ機
械を停止しなければならず、機械の稼動率が著し
く低下するので、印刷作業中に別のところで紙積
板上に紙を積載し、フオークリフトで給紙部近く
へ運んでおいて短時間で交換することが行なわれ
ている。また、一般に広く行なわれているプレロ
ードと称する紙積方法は、紙を積んだ紙積板をフ
オークリフトで直接紙積台上へ運び込むのではな
く、別にトロツコを用意して紙を積んだ紙積板を
フオークリフトでこのトロツコ上に積んでおき、
トロツコのまま給紙装置内へ押し込むものであ
る。そしてトロツコ上の紙積板は昇降チエーンで
吊つた一対の紙積バーを両端に係合させてチエー
ンを巻き上げることによつて上昇する。

ところが、このプレロードに用いられる従来の
紙積装置は、紙積板を位置決めしたのちにこれを
トロツコに固定する装置がないため正確な位置決
めが困難であり、また、給紙装置内へ押込んで位
置決めしたのち昇降チエーンを上昇させるとき
も、紙積バーが紙積板に接触するまでは紙の位置
が不安定であつて、紙積位置がずれて給紙不良が
発生したり位置決めを繰返すことにより作業能率
が低下するという不具合があつた。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもの
で、トロツコ側の回動自在な球体上に水平各方向
へ移動自在に載置されて紙積用の板を支承する紙
積台と、トロツコ側に固定されて紙積台を吸着す
る入切自在なマグネツトチヤツクとを設けること
により、安定した紙積と位置決めを可能にして紙
積作業の能率向上と爾後の給紙機能の向上を計つ
た枚葉印刷機の給紙紙積装置を提供するものであ
る。以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に
説明する。

第１図ないし第３図は本考案に係る枚葉印刷機
の給紙紙積装置の実施例を示し、第１図はその側
面図、第２図は同じく紙積板を除いたところを示
す正面図、第３図は第２図のAA断面図である。
これらの図において図示しないサツカ装置等を備
えた給紙装置のフレームからは前後一対の紙積バ
ー１がそれぞれ左右一対の昇降チエーン２で昇降
自在に吊下されており、給紙装置の床面には紙積
バー１が下降したときにこれを係入させる溝３が
設けられている。また、床面には左右一対のレー
ル４が敷設されている。全体を符号５で示す紙積
装置は、形鋼で枠組形成されて８個の車輪６を有
するトロツコ７を備えており、このトロツコ７は
レール４上を走行して給紙装置に対し進退できる
ように構成されている。８はトロツコ７を給紙装
置内へ進入させたのち片側のレール４に固定する
固定具としてのピンであつて、レール４側の孔に
対し挿抜自在に形成されてトロツコ７の後端部に
装着されている。また、給紙装置の床面にはトロ
ツコ７の脱線を規制する調節自在な金具９が突設
されている。

トロツコ７の前記両端部に一体形成された一対
の台板１０の左右両端部には、球面軸受１１ａと
これに回動自在に嵌合された球体１１ｂとからな
る各一対のフリーストロークベアリング１１がボ
ルト１２によつて固定されており、これら４隅の
フリーストロークベアリング１１ａ上には、方形
の平板１３ａと、その４隅に溶着された円柱状の
脚１３ｂと、中央部の前後２箇所に溶着された環
状の外れ止め１３ｃとからなる紙積台１３が水平
各方向へ移動自在に載置されており、この紙積台
１３はトロツコ７に植設されたポスト１４に外れ
止め１３ｃを係合させることにより移動範囲を規
制されている。また、紙積台１３の前端部には短
冊状に形成された左右一対のピン座金１５が溶着
されており、各ピン座金１５にはそれぞれ左右一
対のピン１６が下方へ向つて植設されている。さ
らにトロツコ７の前端側台板１０上には、平面視
長方形状の箱状に形成された左右一対のマグネツ
トチヤツク１７がボルト１７ａによつて固定され
ており、各マグネツトチヤツク１７の内部にはそ
れぞれ永久磁石とその上方吸引面を覆つて開閉自
在に形成されたシヤツタとが収納されているとと
もに、左右のシヤツタはハンドル１８を備えた回
動自在なハンドル軸１９で連結されている。そし
て、マグネツトチヤツク１７の筐体上には、前記
ピン１６にピン孔を係合させ筐体内のマグネツト
で吸着されるプレート２０がピン座金１５との間
にわずかなすき間を設けて載置されており、ハン
ドル１８でハンドル軸１９を回動させてシヤツタ
をマグネツトの磁界に対して進退させることによ
りプレート２０に対する吸引力が断接されるよう
に構成されている。

符号２１で示すものは紙２２を載置する紙積板
であつて、平板状の板２１ａと、これに形鋼で補
強されて固定された前後の脚２１ｂとで一体形成
されて紙積台１３上に載置されており、給紙装置
内では前記紙積バー１が上昇するときにこの紙積
板２１の裏面と係合するように構成されている。
前記紙積台１３の前端部には、機外で紙積板２１
上に紙２２を積載するときに紙積台１３の中心と
トロツコ７の中心とを一致させて固定する固定具
としてのピン２３が支持されていてトロツコ７側
のピン孔に対し挿抜自在に設けられている。２４
は給紙装置側に立設されて紙積板２１を当接させ
る前当である。

以上のように構成された給紙紙積装置による紙
積動作を説明する。印刷作業中、機外の紙積位置
に用意されたトロツコ７上の紙積台１３を、その
中心とトロツコ７の中心とを一致させてピン２３
でトロツコ７に固定したのち、紙２２が積載され
た紙積板２１を紙積台１３上に載置する。載置後
はピン２３を抜いておく。そしてトロツコ７を給
紙装置の前まで移動させて待機する。給紙中の紙
積板上の紙がなくなると、機械を停止させて昇降
チエーン２の巻戻しで紙積バー１を下降させて溝
３内へ係入させることにより空の紙積板が紙積台
上に載置されるので、給紙済のトロツコを機外へ
引き出す。そして紙積されたトロツコ７をレール
４に沿つて給紙装置内へ進入させ、ピン８でレー
ル４に固定する。そこでハンドル１８を上方へ回
動させると、両方のシヤツタが閉じてマグネツト
の磁界が遮断され、吸着が解かれて紙積台１３の
ピン１６に支持されたプレート２０とともに紙積
台１３全体が移動自在になるので、紙積板２１を
把持して紙積台１３とともに水平方向に移動させ
て位置決めする。位置決め後、ハンドル１８を下
げるとシヤツタが開き、マグネツトの吸着力がプ
レート２０に作用して紙積台１３が位置決めされ
たまま固定される。そこで昇降チエーン２を巻き
上げて紙積バー１を上昇させると、上昇途中で紙
積バー１が紙積板２１と係合してこれを一体的に
上昇させるので、所定位置まで上昇させたのち印
刷作業を再開する。

以上の説明により明らかなように本考案によれ
ば枚葉印刷機の給紙紙積装置において、紙積用の
板を支承する紙積台をトロツコ側の回動自在な球
体上に水平各方向へ移動自在に載置するとともに
トロツコ側には紙積台を吸着する入切自在なマグ
ネツトチヤツクを設けることにより、紙の位置決
め時にはマグネツトチヤツクの吸引力が解かれて
紙積台が球体上で前後左右各方向へ軽快に移動し
位置決めがきわめて正確かつ容易に行なわれると
ともに、位置決め後は簡単なハンドル操作でマグ
ネツトの吸引力が作用して紙積台が固定され給紙
装置内で上昇中も移動することがないので、紙積
のための準備時間が短縮されて作業能率が著しく
向上し、また高精度で紙積ができ爾後の給紙機能
が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る枚葉印刷機
の給紙紙積装置の実施例を示し、第１図はその側
面図、第２図は同じく紙積板を除いたところを示
す正面図、第３図は第２図のAA断面図である。 １……紙積バー、２……昇降チエーン、４……
レール、５……給紙紙積装置、７……トロツコ、
８……ピン、１１……フリーストロークベアリン
グ、１１ｂ……球体、１３……紙積台、１７……
マグネツトチヤツク、１８……ハンドル、２１…
…紙積板、２２……紙、２３……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レール上を給紙装置内へ進退可能なトロツコ
   と、このトロツコ上に回動自在な球体を介して水
   平各方向へ移動自在に載置された紙積台と、この
   紙積台上に載置され前記給紙装置内の昇降自在な
   紙積バーが係合される紙積板と、紙積時に前記紙
   積台を前記トロツコに固定する着脱自在な固定具
   と、前記トロツコ側に固定され前記紙積台を吸着
   する入切自在なマグネツトチヤツクと、前記トロ
   ツコを前記レール側に固定する固定具とを設けた
   ことを特徴とする枚葉印刷機における給紙紙積装
   置。