JPS6338161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はごみ貯留部の後端のごみ押込部を自
在に昇降させるようにしたごみ収集車に関するも
のである。

第１図、第２図は従来のごみ収集車を示し、１
は車体２上に設けたごみ貯留部、３はその後端に
設けたごみ押込部である。

このごみ押込部３はその上端を軸４により鎖線
のように上方へ跳ね上げ得るように取付けてあ
り、この押込部３は油圧シリンダのような駆動手
段５により回動させるようになつている。

また、ごみ押込部３の後端下部にはごみ投入口
（図示省略）があり、ここから投入されたごみは
押込部３内の押込み機構によりごみ貯留部１内に
押込まれる。

また、第１図のように貯留部１内には、ごみを
排出させる押出手段として、油圧シリンダ７で動
かす押出板９を設け、押込部３を上方へ跳ね上げ
て貯留部１の後端を開放した状態に保持しつつ油
圧シリンダ７により押出板９を後方へ移動させ、
貯留部１内のごみを排出する。

また、第２図の場合はごみ貯留部１の後端を軸
１０により車体２の後端に回動自在に取付け、こ
の貯留部１を第２図の鎖線のように油圧シリンダ
８によりダンプさせるとともにごみ押込部３を後
方へ跳ね上げて貯留部１内のごみを自重により排
出させる。

上記で明らかなように、従来のごみ収集車は貯
留部１の後部の押込部３を後方へ跳ね上げた状態
でないとごみの排出ができない。

このため、小型のごみ収集車から大型のごみ収
集車にごみを移し替えようとしても後上へ大きく
突出したごみ押込部が邪魔になつて接近できず、
直接の移し替えが不可能であつた。

この考案は上記のような従来のごみ収集車の問
題を解決するため、大型のごみ収集車に対して容
易にごみの積み替えが行なえるごみ収集車を提供
することを目的とするものである。

すなわち、この考案はごみ押込部をごみ貯留部
に対し昇降自在とするとともに、このごみ押込部
を昇降させる駆動手段を設け、上記押込部を上昇
させて後端の開口を全開にした条件で、ごみ貯留
部内のごみを後端の開口から排出させる押込手段
を設けたものである。

この考案のごみ収集車は上記の構成であるか
ら、ごみの収集作業は押込部を下げて行なうこと
により従来のごみ収集車と同じ条件で行なうこと
ができる。こうしてごみの収集を行ないごみ貯留
部内が満杯になると、中継場所へ走行しそこで待
機している大型ごみ収集車に積替えるのである
が、このさい、ごみ押込部を上昇させて押込部が
邪魔にならない位置とするとともに、ごみ貯留部
の後端開口を全開として、大型ごみ収集車の後端
に接近し、押出手段を働かせてごみ貯留部内のご
みを大型ごみ収集車のごみ押込部の投入口へ投入
する。

従つて、小型のごみ収集車から大型のごみ収集
車へのごみの積み替えが容易に行なえる。

以下にこの考案のごみ収集車の詳細を添付図面
の第３図、第４図に示す各実施例に基づいて説明
する。

第３図のＡはこの考案のごみ収集車で、第１図
に示す押出板９を有するごみ収集車に実施した例
を示しており、第１図と同じ符号の部分は同じ構
成と機能を有している。

第３図において、１１はごみ貯留部１の後端開
口の両側に固定した左右一対のガイドレールで、
このレール１１に対してスライド枠１２が昇降自
在に取付けてある。

上記スライド枠１２の上端後側にはブラケツト
１３を設け、このブラケツト１３の上端に、ごみ
押込部３の上端を軸４により取付ける。また、同
じブラケツト１３の下端と押込部３間には押込部
３の駆動手段５を連結する。

１５は左右のガイドレール１１に沿つて設けた
油圧シリンダなどの昇降手段で、そのピストン杆
１６の上端をスライド枠１２の上端に連結する。

第３図のＢは大型のごみ収集車で、収集車Ａと
ほぼ同じ構造であるが、ごみ貯留部２１とごみ押
込部２３が大型となつている。

いま、第３図のようにごみ押込部３を上昇位置
とし、バツクにより大型ごみ収集車Ｂの後部に接
近し、収集車Ａのごみ貯留部１の後端開口を収集
車Ｂのごみ押込部２３の後端下部のごみ投入口に
対向させたのち、押出板９を働かせて貯留部１内
のごみを押出すと、貯留部１の後端から押出され
たごみは全て押込部２３内に投入される。

その後収集車Ａが前進して、収集車Ｂから離
れ、ついでごみ押込部３を下げて元の位置とし、
つぎのごみ収集先へと走行する。

第４図の実施例ではガイドレールを用いずにリ
ンクにより押込部３を昇降させている。

この実施例の場合、ごみ貯留部１の両側面中間
部にそれぞれ上下一対のリンク１７の前端を軸１
８により揺動自在に取付け、この各リンク１７の
後端はブラケツト２２の両端部下部寄りに、軸１
９により回動自在に取付けて左右一対の平行リン
ク機構によりブラケツト２２が上下に動くように
し、このリンク機構を駆動する油圧シリンダなど
の駆動手段２０を貯留部１上に設ける。

この方式では第４図の実線のようにリンク１７
を下げると、ブラケツト２２が貯留部１の後端上
部の凹所にはまり込んで貯留部１と一体になり、
押込部３は貯留部１の後端に密着する。従つて通
常のごみ収集車と同様になる。つぎに、駆動手段
２０を働かせて各リンク１７を上方へ回すと、ブ
ラケツト２２は第４図の鎖線のように押込部３と
ともに上昇する。

その後は第３図と同様に大型ごみ収集車へのご
みの積み替えを行なう。

また、前記各実施例の他に、第３図のスライド
枠１２や第４図のブラケツト２２に直接ごみ押込
部３を固定し、ごみ押込部３が後方へ跳ね上げら
れないようにしたものでもよい。

この考案のごみ収集車は上記のように、ごみ押
込部をごみ貯留部に対して昇降自在にするととも
に、このごみ押込部を昇降させる駆動手段を設け
たものであるから、この考案を実施したごみ収集
車はごみ押込部を上方へ跳ね上げずに、そのまま
邪魔にならない位置まで上昇させて、後端の開口
を全開にした状態で大型のごみ収集車の後端に接
近できる。また、この考案は上記のように押込部
を上昇させた条件で、ごみ貯留部内のごみを後端
の開口から排出させる押出手段を設けたので、ご
み貯留部をダンプさせることなく、水平にしたま
まで押込手段を働かせることにより、容易かつ安
全にごみの移し替えができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のごみ収集車の各例を示
す側面図、第３図はこの考案のごみ収集車の一実
施例の積み替え状態の側面図、第４図は同じく他
の実施例の側面図である。 １……ごみ貯留部、３……ごみ押込部、５……
駆動手段、Ａ……ごみ収集車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ごみ貯留部の後部にごみ押込部を設けたごみ収
   集車において、ごみ押込部をごみ貯留部に対して
   昇降自在にするとともに、このごみ押込部を昇降
   させる駆動手段を設け、上記押込部を上昇させて
   後端の開口を全開にした条件で、ごみ貯留部内の
   ごみを後端の開口から排出させる押出手段を設け
   たごみ収集車。