JPS6337923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内視鏡のアングル操作装置に関する。

送光用光学繊維を利用して可撓管と柄部とより
成る内視鏡が医科用、工業用として一般に用いら
れており、その先部曲折部は柄部に設けたアング
ルノブによつて所望方向に曲折して頭部観察窓の
観察方向を調節するようになつている。そしてそ
の曲折方向は４方向と２方向とがあり、４方向の
場合には柄部に設けた２個のアングルノブをそれ
ぞれ操作して左右、上下任意の方向に曲折調節
し、２方向の場合には１個のアングルノブによつ
て例えば左右方向の曲折を行なつている。

従つて２方向の場合には操作性にはあまり問題
はないが、４方向の場合には２個のアングルノブ
を操作して所望の方向を定めるために両方のアン
グルノブを別々に適当量づつ操作しなければなら
ないこととなり、所望方向に曲げることは複雑な
作業であつた。

そこで、本考案は上記の欠点を解決することを
目的とし、支点によつて所望の方向に傾けられる
ように支持された操作杆の下端に突出させた作用
子によつてスイツチ操作を行なつてモーターを制
御してアングルワイヤーを操作する構造として頭
部曲折装置の操作性を向上させたことを特徴とす
る。

以下に本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は要部斜視図、第２図は側面図であり、
図において、１は支点２によつて支持されて所望
の方向に傾けることができるようになつている操
作杆であり、その下端には２方向に作用子３が突
設してある。４は両作用子３を支持している支持
リングである。

５は上記作用子３に対向して設置したスイツチ
装置であり、このスイツチ装置５は中心に中立個
所６があつてその上方および下方に等間隔にスイ
ツチ接点７が設けてあり、後述するモーターの正
転、逆転をそのスイツチ接点７によつて行なう。

そしてこのスイツチ装置５は、それぞれ電気的
に駆動装置８と連結しており、この駆動装置８の
一実施例を第３図に従つて以下に説明する。

９は駆動源としてのモーター、１０は減速装
置、１１はクラツチ、１２はアングルワイヤー１
３を操作するアングルワイヤー操作機構を構成す
るドラムであつて従来のアングルワイヤー操作機
構と同様である。１４はポテンシヨメーターであ
つて上記ドラム１２、クラツチ１１および減速装
置１０を連結した連結軸１５に取付けられてい
る。

そこで、上記スイツチ装置５には作用子３が対
応していて作用子３がスイツチ装置５の中立個所
６より上方のスイツチ接点７を操作するとモータ
ー９は正（逆）転し、下方のスイツチ接点７を操
作すると逆（正）転するようになつている。

第４図において１６は角度表示装置であつて、
本実施例では観察窓１７内に表示されるようにな
つていて、４方向の位置を中立点１８からどの程
度の角度曲げられたかが表示されるようになつて
いる。

以上の構成の作用を以下に説明すると、操作杆
１を所望の方向に傾けると、傾けた方のスイツチ
装置５は中立個所６より下方のスイツチ接点７を
作用子３が操作してモーター９を正（逆）回転さ
せてドラム１２によつてアングルワイヤー１３を
操作して所望方向にアングルをかけることができ
る。

そして、操作杆１を中立に戻すことによつて曲
折作用を停止させるもので、この曲折角度は角度
表示装置１６を見ることによつてわかり、随時、
操作杆１を傾けることによつて所望角度および所
望方向に先部曲折部を曲折させてアングルをかけ
ることができ、モーター９の回転はスイツチ接点
７のON，OFFによつて制御されて、ポテンシヨ
メーター１４により角度表示装置１６に角度表示
が行なわれる。

また、逆方向に操作杆１を傾けると作用子３は
中立個所６より上方のスイツチ接点７を操作して
モーター９を逆（正）回転させてドラム１２によ
つてアングルワイヤー１３を操作して所望の方向
にアングルをかけることができる。

なお、この傾ける方向は必らず作用子の突出方
向と同方向でなく２つの作用子の中間の方向でも
よく、むしろ一般の操作においてはその場合の方
が多く、このときには２つのモーターがそのスイ
ツチ接点を作用子が操作した間だけそれぞれ駆動
することになる。

また、アングルをニユートラル状態にしたとき
は、クラツチ１１を切ることにより先部曲折部を
自由端とすることができる。

なお、クラツチ１１は安全装置としても使用す
ることができ、モーター９等の異常によりアング
ルワイヤー１３に過度な力が加わつたときにクラ
ツチ１１を切つてモーター９の駆動力をドラム１
２に与えないようにする。

第５図は第２の実施例を示し、４方向に作用子
３が突出してあり、そのそれぞれにスイツチ装置
５が対向している。

それぞれのスイツチ装置５は上記実施例と異な
り、１個のスイツチ接点を有し、駆動装置８と連
結しており、この駆動装置８には上記実施例と同
様にモーター９、減速装置１０、クラツチ１１お
よびアングルワイヤー１３を操作するドラム１２
があり、このアングルワイヤー１３は上記実施例
とは異なり一端部がドラム１２に止着していて４
つの各ドラム１２から一本一本出ており、互に対
向する位置のドラム同志でアングルワイヤー１３
が相対的に操作されるようになつている。

つまり、操作杆１を傾けると相対向しているう
ちの傾けられた方のスイツチを作用子３が操作し
てドラム１２をアングルワイヤー１３を巻取る方
向に回転させる。そのとき相対向するドラム１２
は自由の状態となつていてアングルワイヤー１３
は引かれた分だけ繰出される。

次に逆の方向に操作杆１を傾けると傾けられた
方のスイツチ接点を作用子３が操作してドラム１
２をアングルワイヤー１３を巻取る方向に回転さ
せ、他方のドラム１２は自由の状態となつていて
やはり引かれた分だけアングルワイヤー１３は繰
出される。

この実施例によつても上記実施例と同様にアン
グル操作を行なうことが可能である。

以上の構成、作用を有する本考案によると、ア
ングルワイヤーを駆動する動力としてモーターを
用い、そのモーターを制御するためにポテンシヨ
メーターによる角度表示を見ながら操作者が操作
杆を傾けることによりスイツチ装置を操作してド
ラムを回転させて所望方向および所望角度にアン
グル操作を行なうことが可能となり操作性が極め
て向上し、例えば複雑な曲折した体腔内等に挿入
した内視鏡のアングル操作装置等に用いて極めて
有用であり、しかも観察をしながアングル操作を
行なうときにおける操作者の負担を軽減させる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部斜視図、
第２図は同側面図、第３図は駆動装置を示す側面
図、第４図は角度表示の一例を示す正面図、第５
図は他の実施例を示す要部斜視図である。 １……操作杆、３……作用子、５……スイツチ
装置、８……駆動装置、９……モーター、１１…
…クラツチ、１３……アングルワイヤー、１４…
…ポテンシヨメーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アングルワイヤーを柄部で操作することにより
   内視鏡の頭部曲折部を所望方向に曲折させる内視
   鏡の頭部曲折装置において、支点によつて所望の
   方向に傾けることができるように支持した操作杆
   の端部に90゜変えた位置に少なくとも２本の作用
   子を突出させ、このそれぞれの作用子にスイツチ
   装置を対向配置し、このスイツチ装置をモーター
   に連結したクラツチ、アングルワイヤー操作機構
   およびポテンシヨメーター等を有する駆動装置に
   連結し、さらにこの駆動装置に観察窓内に頭部曲
   折部の曲折方向および曲折角度を表示する角度表
   示装置を連結したことを特徴とする内視鏡の頭部
   曲折装置。