JPS6337204B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ オイル−分散剤混合物を一次渦巻チヤンバに
接線方向に導入し、該混合物を一次渦巻チヤンバ
から一次噴霧として一次オリフイスを通つて二次
渦巻チヤンバに送り込み、該二次渦巻チヤンバ内
の混合物を前記一次噴霧よりも狭い小滴サイズ範
囲を有する二次噴霧の形状で出口オリフイスから
放出するもので、前記チヤンバと前記オリフイス
が同軸であることからなる少なくとも一つの二重
渦巻チヤンバノズルからに汚染区域に該混合物を
噴霧することを特徴とする水上に浮ぶオイル汚染
を防止する方法。

２ 一つ（複数）のノズルがオイル汚染している
水面を横切つて移動させられ、該ノズルが移動方
向に関して後方に方向づけられていることを特徴
とする請求の範囲第１項に記載の方法。

３ 一つ（複数）のノズルが水平から水平以下
45゜に至るまでの適当な角度で噴霧するように方
向づけられていることを特徴とする請求の範囲第
２項に記載の方法。

４ 噴霧されたオイル−分散剤混合物が1000〜
1500μの小滴サイズを有することを特徴とする請
求の範囲第１項から第３項までのいずれの項にで
も記載の方法。

５ 一つまたは各々のノズルが140゜の円錐角度を
有する噴霧を放出するように配置されていること
を特徴とする請求の範囲第１項から第４項までの
いずれの項にでも記載の方法。

６ オイル−分散剤混合物は分散剤と水とからな
り、該水は水面がオイル汚染している水中から汲
み上げられることを特徴とする請求の範囲第１項
から第５項までのいずれの項にでも記載の方法。

７ 移動方向に関して一つ（複数）のノズルの後
方における汚染されかつ噴霧された区域は水中か
ら汲み上げられた水を噴霧することによつて撹拌
されることを特徴とする請求の範囲第２項または
第２項を加えた第３項から第６項のいずれの項に
でも記載の方法。

８ 少なくとも一つの二重渦巻チヤンバノズルを
取付けるブーム部材を有し、前記ノズルは一次渦
巻チヤンバ、前記一次渦巻チヤンバに設けた接線
方向の入口、前記一次渦巻チヤンバを二次渦巻チ
ヤンバに連絡する一次オリフイス及び前記二次渦
巻チヤンバに設けた出口オリフイスを有し、前記
チヤンバと前記オリフイスは同軸であり、さらに
オイル−分散剤混合物を前記ノズルに圧力をかけ
て送り込むポンプを有することからなることを特
徴とする水上に浮ぶオイル汚染を防止する装置。

９ オイル汚染をしている水面を横切つて移動さ
せるために運搬手段に設置し、さらに一つ（複
数）のノズルが移動方向に関して後方に方向づけ
られていることを特徴とする請求の範囲第８項に
記載の装置。

１０ 一つ（複数）のノズルが水平から水平以下
45゜までの適当な角度で噴霧されるように方向づ
けられていることを特徴とする請求の範囲第９項
に記載の装置。

１１ 運搬手段は水上輸送であることを特徴とす
る請求の範囲第９項または第１０項に記載の装
置。

１２ 運搬手段は空輸であることを特徴とする請
求の範囲第９項または第１０項に記載の装置。

１３ ブーム部材が運搬手段の両側に少なくとも
一つの二重渦巻チヤンバノズルを有しており、多
数の普通の噴霧ノズルを取付けているさらに別の
ブーム部材が前者のブーム部材と運搬手段の船尾
との間に配置されており、前記二重渦巻チヤンバ
ノズルによつて噴霧された汚染区域を撹拌するた
めに前記普通の噴霧ノズルに水を圧力をかけて送
り込むポンプが設けられていることを特徴とする
請求の範囲第１１項に記載の装置。

１４ 第１図から第４図までの図面を参照して前
文で実質的に説明した水上に浮ぶオイル汚染を防
止する方法。

１５ 第１図から第４図までの図面を参照して前
文で実質的に説明した水上に浮ぶオイル汚染を防
止する装置。

明細書 本発明は、水上に浮ぶ汚染を防止する方法及び
そのための装置に関し、特に漏洩オイルまたはタ
ンカーの引き起す事故によつて生じる海上での汚
染を抑制することに関する。

1967年にタンカー“トレイ キヤンヨン
（Torrey Canyon）”が事故を引き起こして以来、
海上でのオイル汚染を防止する装置の開発が活発
に進められている。今日、オイルの滑らかな水面
のような汚染の広い面積を処理する好ましい方法
は、該水面を横切つて該水面に分散材を噴霧する
ための噴霧装置を備えたタグまたは同様な船を用
いることである。この噴霧装置は、船の各々の側
面に伸長するブーム及びブームに取付けられた噴
霧ノズルからなり、分散剤と海水との混合物をオ
イルの滑らかな水面に噴霧するように配置されて
いる。船はブレーカボードを引きずつており、該
ブレーカボードは分散剤を噴霧した水面の区域を
撹拌しかつ分散剤を良好に混合させるために５の
横木のあるゲートと同様な構造である。通常、分
散剤を良好に分散させるためかつ吹き流されるの
を最小限に止どめるのに十分な重量を噴霧に与え
るために、分散剤と海水とを重量比で10：90％の
比に混合することが必要である。下方に噴霧する
ように方向づけた普通のノズルを用いると、平均
小滴サイズは150μの範囲内である。小滴の小さ
いサイズは噴霧が吹き流されやすいことを意味し
ている。吹き流されるのを減少させるために、ノ
ズルは水にかなり近接して取付けなければなら
ず、これは噴霧を行うことができる事情を制限す
ることになる。実際に、船が３または４ノツト以
上で進行することができず、しかも噴霧を約10ノ
ツト以上の風の下では行うことができないことが
分かつた。さらに、比較的に好ましい状態の下で
も、吹き流れ及び蒸発による損失が高くなる。

本発明の目的は、従来使用されている方法及び
装置よりも可撓性がありかつ効果のある水上に浮
ぶ汚染を防止する方法及びそのための装置を提供
することである。

本発明の一実施例によれば、オイル−分散剤混
合物を一次渦巻チヤンバに接線方向に導入して、
該混合物を一次渦巻チヤンバから一次噴霧として
一次オリフイスを通つて二次渦巻チヤンバに送り
込み、二次渦巻チヤンバ内の該混合物を一次噴霧
よりも狭い小滴サイズ範囲を有する二次噴霧の形
状で出口オリフイスから放出するもので、前記チ
ヤンバと前記オリフイスが同軸であることからな
る少なくとも一つの二重渦巻チヤンバノズルから
オイル−分散剤混合物を汚染区域に噴霧すること
を特徴とする水上に浮ぶオイル汚染を防止する方
法が提供されている。

本発明の別の実施例は、少なくとも一つの二重
渦巻チヤンバノズルを取付けるブーム部材を有
し、前記ノズルが一次渦巻チヤンバ、前記一次渦
巻チヤンバに設けた接線方向の入口、前記一次渦
巻チヤンバを二次渦巻チヤンバに連絡する一次オ
リフイス及び前記二次渦巻チヤンバに設けた出口
オリフイスを有し、前記チヤンバと前記オリフイ
スが同軸であり、さらに前記ノズルにオイル−分
散剤混合物を圧力をかけて送り込むポンプを備え
ていることからなる水上に浮ぶオイル汚染を防止
する装置を提供している。

本発明の方法を実施することにおいて、一つま
たは複数のノズルをオイル汚染している水面上を
移動させ、該ノズルを進行方向に関して後方に都
合よく方向づけることは好ましいことである。

したがつて、ノズルは、汚染区域を移動するタ
グまたははしけのような水上輸送船に取付けられ
るか、またはエアクツシヨン車輌、例えばホーバ
ークラフト、またはヘリコプター、航空機のよう
な空輸機に取付けられている。

ノズルは水平から水平以下45゜までの適当な角
度に後方に噴霧するように方向づけられているこ
とが好ましい。

もし、ノズルを水上輸送船に取付けるならば、
水面が汚染している水中から汲み上げた水で分散
剤を希釈することによつてオイル−分散剤混合物
を生成することが好ましい。

噴霧されたオイル−分散剤混合物とオイル汚染
物とを十分に混合させるために、水面が汚染して
いる水中から汲み上げた水を汚染されかつ噴霧さ
れた区域に噴霧することが好ましい。この場合
に、水上輸送船に設けたブーム部材は少なくとも
一つの二重渦巻チヤンバノズルを両側に取付け、
さらに別のブーム部材を前者のブーム部材と前記
船の船尾との間に配置し、前記別のブーム部材に
は多数の普通の噴霧ノズルを取付け、圧力をかけ
た水を前記普通の噴霧ノズルに送り込むポンプを
設ける。

本発明の方法及び装置に使用される二重渦巻チ
ヤンバノズルは一次渦巻チヤンバを有し、噴霧さ
れるべき液体を一次渦巻チヤンバに接線方向に導
入し、一次渦巻チヤンバ内で液体を渦巻すなわち
旋回させる。一次チヤンバは一次オリフイスで終
端となり、液体は該一次オリフイスを通じて普通
の噴霧ノズルと同様の小滴サイズの幅広の範囲の
噴霧形状で放出される。しかしながら、一次オリ
フイスは二次渦巻チヤンバに連絡し、二次渦巻チ
ヤンバ内で小滴の渦巻運動は幾分か減速させら
れ、しかも該二次渦巻チヤンバ内で微粒小滴は集
まり、したがつて形成される噴霧円錐形状を所定
角度に形成しかつ噴霧の分布を制御する二次すな
わち出口オリフイスを通つてノズルから放出され
る噴霧は、非常に幅の狭い小滴サイズ分布状態に
なることができる。本発明による最も良好な結果
として、平均小滴サイズは普通のノズルの平均小
滴サイズの1000μ〜1500μの範囲が好ましい。こ
の小滴は普通のノズルのものより大きいから、噴
霧は吹き流されることがなく、しかも図示される
ように、ノズルを船の進行方向に関して全体的に
後方に方向づけることによつて汚染された区域を
さらに広く覆うことができる。さらに、本発明に
使用されたノズルは普通の装置の水面上よりも高
い水面上に取付けることができ、しかも本装置に
関しては一つのノズルから６ｍのバンド幅に渡つ
て噴霧することができるのに対し、従来の装置は
同じ圧力の下で４ｍのバンド幅を覆うために３つ
のノズルを必要とすることが分かつた。

本発明をさらに容易に理解するために、本発明
の実施例を概略的に示している図面を参照して説
明する。

第１図は二重渦巻チヤンバノズルについての断
面図。

第２図はタグに取付けられた噴霧装置の概略
図。

第３図はブームにノズルを取付けた状態を示す
図面。

第４図は本発明によつて得られる汚染区域の噴
霧範囲を示す図面。並びに 第５図は普通のノズルによつて得られる汚染区
域の噴霧範囲を示すもので第４図と対照的な図面
である。

第１図を参照すると、入口ステム２を有する二
重渦巻チヤンバノズル１が示されており、該入口
ステム２には一次渦巻チヤンバ４に接線方向に導
入するボア３が形成されている。一次渦巻チヤン
バは一端部で密閉され他端部で二次渦巻チヤンバ
６の一端部に通じる一次オリフイス５によつて制
限されている。二次渦巻チヤンバ６の他端部は噴
霧される液体の分布状態を制御する噴霧円錐形状
の所定の角度を生じさせる二次すなわち出口オリ
フイスが形成されている。渦巻チヤンバとオリフ
イスとは共軸である。

このノズルの作用において、圧力液体がボア３
を通つて一次渦巻チヤンバに入り、該ボアが該チ
ヤンバに接線方向に通じているので、渦巻が液体
に伝わつて渦巻は一次オリフイス５を通つて微粒
状態になる。作用は普通の噴霧ノズルの作用と同
様であり、オリフイス５を通つて生じる噴霧は幅
広の小滴サイズ範囲かつ150μのオーダの平均小
滴サイズを有する。噴霧は二次渦巻チヤンバに入
り、そこで渦巻速度は遅くなりかつ微粒小滴が集
まり、したがつて出口オリフイス７を通つて生じ
る噴霧は非常に狭い小滴サイズ範囲となりかつ本
発明の目的のために1000〜1500μのオーダの好ま
しい平均小滴サイズを有する非常に大きい小滴と
なる。好ましくは、図示のように、ノズルを140゜
の円錐形状の角度で噴霧を放出するように配置す
る。

米国特許第3934823号明細書および米国特許第
3948444号明細書に開示されているノズルと同様
である上記ノズルは、異なつた平均小滴サイズ及
び円錐形状角度の状態の噴霧を生じさせかつ液体
の異なつた処理量にに使用できるように設計され
ていることを理解されたい。ノズルをナイロン、
ステンレススチールまたはその他の適当な材料で
作ることができる。

第２図はタグ１０上に取付けた噴霧装置を示
す。噴霧装置はブーム１１を有し、ブーム１１の
各々の端部には第１図で示したタイプの二重渦巻
チヤンバノズル１２を有する。ポンプ１３をブー
ム１１を通つてノズル１２へと海水とオイル分散
剤との混合物を送り込むために設ける。ポンプ１
３は、海水入口１４を通じて海水をかつ分散剤入
口１５を通じて分散剤を引き込み、次いで分散剤
及び海水をポンプ内で混合した後に出口パイプ１
６を通つてブーム１１に混合物を送り出すために
設けられている。パイプ１６内を流れる液体の一
部分は分岐パイプ１７を通つて流れ、分岐パイプ
１７にはベンチユリー１８が配置されており、ベ
ンチユリー１８を通じて分散剤をパイプ１７に引
込みかつポンプ１３に送り込む。この装置によつ
て分散剤と海水との両者を送り出すのに従来の方
法では２台のポンプを使用していたが１台のポン
プで達成することができる。ポンプによつて送り
出される液体の別の一部分は、パイプ１９を通つ
て海水入口１４に循環される。パイプ１９はポン
プの送り出し圧力を制御するために圧力ゲージ２
０及び流量制御装置２１を有している。

ブーム１１とポンプ装置との他にタグ１０の船
尾には別のブーム２２が設けられており、ブーム
２２には多数の普通の噴霧ノズル２３を取付け、
別のポンプ２４によつて海水を噴霧ノズル２３に
送り込む。ノズル２３は一般的な種類であるの
で、ノズル２３は海面に近付けて取付けなければ
ならず、しかもブーム２２とノズル２３を波作用
によつて損傷を受けるのを防止するために、各々
のノズルは可撓性パイプ２６によつてブーム２２
から懸架された剛直性パイプ２５の端部に取付け
られている。

第２図に示されたタグはオイルの流れた滑らか
な水面を通り、分散剤からなる混合物の粒の大き
い小滴をノズル１２を通して平らに該水面に噴霧
する。次いで水面及び該水面に噴霧された分散剤
をノズル２３を通して海水をそれらに対して噴霧
することによつて撹拌する。普通のブレーカボー
ドの代りに分散剤と水面に広がつたオイルとを撹
拌しかつ完全に混合するためにノズル２３を使用
することは、タグが限定された区域内で後方に動
くまたは策動することができて撹拌を行いかつタ
グ上に牽引具を増加させたりまたはそれらを紛失
させることを増大させるブレーカボードを必要と
しないという効果を有する。

第４図は二重渦巻チヤンバノズル１２が噴霧を
後方に直接方向づけるようにブームに好ましい状
態で取付けられている状態を示す。しかしなが
ら、ノズルは水平と水平面下45゜とのいずれの角
度にでも噴霧を方向づけるように取付けられてい
る。小滴の重力作用によつて、タグの後方に向け
られた噴霧の円錐形状の外形は第４図に示された
形状３０に曲げられている。高さＨは水の波立ち
による変化量を示し、波と波との間の谷における
噴霧によつて覆われる滑らかな水面の長さL1は
波がしらに対して噴霧によつて覆われる面の長さ
L2に実質的に等しくなつていることが明らかで
ある。各々の場合において、タグの運行方向を横
切る方向の横幅は同様に実質的に同じである 第４図に示される滑らかな水面のすぐれた噴霧
範囲は、第５図に示されている普通のノズルでオ
イルの滑らかな水面を噴霧する従来のものとは対
照的である。ブーム３２に取付けられた多数の普
通のノズルの噴霧円錐形状はタグが波がしらにい
るとき（水面は符号３３の位置である）に重なつ
ており、タグが波と波との間の谷におりかつ水平
が符号３４の位置であるときに、符号Ｈは波によ
る変動量を示しているが、噴霧によつて覆われな
い噴霧円錐形状の区域が存在し、いわゆる“電車
軌道形状”を生じることが第５図から明らかであ
る。もし普通のノズルが第４図で示される方法で
後方に噴霧するよう取付けられていたならば、噴
霧は相当に吹き流され、該噴霧は適切な噴霧範囲
を得られないような広範囲の場所にわたつて分布
されてしまうだろう。第４図に示された噴霧に関
して、たとえ強風によつて吹き流されたとして
も、噴霧を形成する小滴は実質的に同一サイズで
あるということによつて外形全体が移動する傾向
となる。

タグ上に取付けられたブームからなりかつタグ
の各々の側方に３つのノズルを取付けている従来
の装置は、タグの両側で４ｍのバンド幅を覆うよ
うに10：90の分散剤：海水の混合物の60／分を
噴霧することができる。第２図に示された装置を
使用して得られた試験に拠れば、各々の側方に一
つのノズルを使用してかつ６ｍのバンド幅を覆う
状態で同一量の噴霧を行うことができる。実際
に、有効な噴霧範囲はバンド幅が狭くなつている
が約1.5／分だけ低い量で達成できる。さらに、
これらの試験は、本発明の方法及び装置を使用す
ると、タグが14〜15ノツトに至る範囲にまで運行
することができ、この噴霧は45ノツトに至るまで
風の下で行うことができるのに対して、従来の装
置では３または４ノツト以上では運行することが
できず、しかも噴霧は10ノツト以上の強風では行
うことができない。

本発明による方法及び装置によつて提供された
オイルの滑らかな水面を一様に低い量の散布剤で
十分な噴霧範囲を得るので、本発明の方法及び装
置は上記オイル水面に正味の分散剤を噴霧するこ
とができ、それによつて海水を汲み上げる必要が
なく、相当に動力需要を減少させることができ
る。

本発明の噴霧装置はタグ上に取付けたものとし
て説明したけれども、エアクツシヨン車輌または
航空機のようなどんな適当な水上輸送船または空
輸機にでも噴霧装置を取付けることができる。さ
らに、本装置は漏洩、吹き出し等によつて生じる
汚染物を収容したりまたは汚染防止するオイルリ
グに取付けることができる。