JPS6337071B2 - - Google Patents
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- JPS6337071B2 JPS6337071B2 JP59181551A JP18155184A JPS6337071B2 JP S6337071 B2 JPS6337071 B2 JP S6337071B2 JP 59181551 A JP59181551 A JP 59181551A JP 18155184 A JP18155184 A JP 18155184A JP S6337071 B2 JPS6337071 B2 JP S6337071B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、半導体用Si基板上に配線・ゲート
電極用材料として高融点金属珪化物をスパツタリ
ングにより析出させるためのターゲツト材として
好適な、酸素含有量の少ない高融点金属珪化物基
焼結体の製造法に関する。 〔従来の技術〕 従来、IC用Si基板上に析出される配線・ゲート
電極材として、多結晶シリコンやAl―Si合金が
使用されてきた。 しかし、半導体の高密度化、高集積比が進むに
従い、より比抵抗の小さい電極・配線材料が必要
となつてきている。この問題を解決すべく、高融
点金属珪化物を配線材料として使用しようという
動きが盛んであり、既に一部の製品に対し実用化
が始まつている。 高融点金属珪化物をSi基板上に析出する方法の
1つにスパツタリング法がある。スパツタリング
法においては、スパツタリング装置の陰極(ター
ゲツト材)に、高融点金属珪化物焼結体が使用さ
れる。 この高融点金属珪化物焼結体は次のように製造
される。即ち、例えばMoSi2焼結体の場合は、通
常、微細なMoSi2粉末を成形後、あるいは成形を
兼ねて1600〜1800℃の高温において焼結して、相
対密度95%以上の高密度焼結体を得ている。この
場合、原料となるMoSi2粉末は通常Mo粉とSi粉
を混合し、1000〜1400℃で焼成するか、あるいは
反応時の多量の熱発生を利用した自己焼結合成法
により作られる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、合成されたMoSi2粉には、原料である
Si中に含まれるSiO2(Siは非常に酸化されやすい
ため、1μm程度の粒径を有するSi粉末中には酸素
が1重量%以上含まれている)に由来する酸素、
及びMoSi2粒状に吸着された酸素等が含まれるた
め、その酸素含有量が0.1重量%以上となるので
ある。MoSi2焼結時に、この高濃度の酸素を大巾
に減少させることは困難である。例えば、酸素含
有量0.5重量%のMoSi2粉を1700℃、真空中で焼
結しても、焼結体中の酸素含有量は0.2重量%と
半分程度に減少するにすぎない。 このような焼結体からなり、したがつて高濃度
の酸素を含むターゲツト材をスパツタリングに用
いると、Si基板上に形成された珪化物膜の比抵抗
が上昇するという欠点がある。 したがつて、この発明の目的は、酸素含有量が
少なく、スパツタリングターゲツト材に好適な高
融点金属珪化物基焼結体の製造法を提供すること
である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは種々研究を重ねた結果、式MSi2
(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表わされる高
融点金属の珪化物とSi単体の2相よりなる仮焼結
体を、無酸素雰囲気中においてSiの溶融温度以上
の温度に加熱することにより、仮焼結体中に溶融
Siが生成して、仮焼結体中の主としてSiO2の形
で残存する酸素と反応し、揮発性物質であるSiO
が生成・蒸発するので、酸素含有量を大巾に減少
させることができることを見い出した。 この発明は、上記知見に基いて発明されたもの
であり、 (1) 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相
よりなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において
珪素の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮
焼結体に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪
素そのまま及び一酸化珪素として蒸発させるこ
とを特徴とする酸素含有量の少ない高融点金属
珪化物基焼結体の製造法。 (2) 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相
よりなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において
珪素の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮
焼結体に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪
素そのまま及び一酸化珪素として蒸発させ、次
いで焼きしまりが生ずる高温で焼結することを
特徴とする酸素含有量の少ない高融点金属珪化
物基焼結体の製造法。 である。 以下、この発明の構成を説明する。 (i) 仮焼結体 この仮焼結体は、式MSi2(但し、M=Mo,W,
Ta,Ti)で表わされる高融点金属の珪化物と珪
素単体の2相よりなる複合組織を有するものであ
る。 この仮焼結体は、出発原料として、Si/Mの原
子比>2の配合組成を有するM粉とSi粉の混合
物、あるいはMSi2粉とSi粉の混合物、あるいは
MとSiの他の化合物の粉末とSi粉の混合物等を用
いて、成形と熱処理の二段工程によつて、あるい
は真空ホツトプレス法によつて一段で製造され
る。但し、熱処理温度あるいはホツトプレス温度
は、これらの焼結体の従来の製造法における温度
よりも低温であり、約1100〜1300℃の範囲内の温
度が好ましい。これは、MSi2生成反応が起こり、
しかもプレス成形により得られる圧粉体よりも強
度が大きい焼結体でなければならないからであ
る。 (ii) 加熱・蒸発工程 加熱するときの雰囲気は無酸素雰囲気であるこ
とが必要である。これは、雰囲気中に酸素が存在
すると、せつかく生成した揮発性のSiOが酸化さ
れて不揮発性のSiO2が生成するし、又、Siの酸
化も起こるために、仮焼結体中の酸素を有効に除
去することができないためである。無酸素雰囲気
としては、真空や不活性ガス雰囲気等があるが、
低温でSiの蒸発を起こすことができる点で、真空
が好ましい。真空度としては0.1torr以下である
ことが更に好ましい。 次に、加熱温度は、Siの溶融温度(1410℃)以
上の温度であることが、仮焼結体中に主として
SiO2の形で残存する酸素とSiとの反応を起こす
ために必要である。なかでも、1430〜1500℃が好
ましい。 この加熱により、前記したように、仮焼結体中
に主としてSiO2の形で残存する酸素と溶融Siと
の反応が起こり、揮発性のSiOを生成し、前記仮
焼結体に含まれるSiの一部あるいは全部がSiその
まま及びSiOとして蒸発し、酸素含有量の少ない
高融点金属珪化物基焼結体が得られるのである。 (iii) 高温焼結工程 以上の加熱・蒸発工程では、焼結も一部進行す
るのではあるが、得られた焼結体は、Si分の蒸発
により多孔質となつており、強度が小さい。した
がつて、必要に応じて、焼きしまりが生ずる高温
で(例えば、仮焼結体を製造したときの熱処理温
度あるいはホツトプレス温度や加熱・蒸発温度よ
りも高温で)焼結して、緻密にするとともに強度
を向上させてもよい。この工程の焼結温度は1600
〜1800℃の範囲内の温度が好ましい。 〔実施例〕 以下、実施例により、この発明の構成及び効果
を詳細に説明する。 実施例 1 高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よりなる
仮焼結体として以下のように製造されたものを用
いた。 平均粒径3μmのMo粉(酸素含有量:
1400ppm)60重量部と平均粒径1.5μmのSi粉(酸
素含有量:13000ppm)40重量部(Si/Moの原子
比=2.28)を配合し、ヘキサンを混合溶媒として
2時間ボールミルにより混合する。十分に乾燥し
た後、プレス圧2.5t/cm2でプレス成形し、密度
2.30g/cm3の圧粉体を得た。この圧粉体を真空度
10-1torr、温度1200℃の条件で1時間熱処理をし
て、MoSi2とSiの2相よりなる仮焼結体(密度:
2.36g/cm3)を得た。 このようにして得られ、定量分析の結果酸素含
有量が2500ppmである仮焼結体を真空度
10-3torr、温度1500℃の条件下で10時間加熱した
ところ、仮焼結体中のSiはすべて蒸散してしま
い、MoSi2が36.5容量%を占め残りが気孔である
密度2.28g/cm3の脱Si焼結体が得られた。この脱
Si焼結体中の酸素含有量は20ppmであつた。 更に、この脱Si焼結体を1700℃、真空度
10-3torrの条件で1時間焼結したところ、密度が
3.24g/cm3であり、相対密度52%のMoSi2焼結体
が得られた。この焼結体の酸素含有量は18ppmだ
つた。 実施例 2 高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よりなる
仮焼結体として、以下のように製造されたものを
用いた。 実施例1で調製した乾燥混合粉に、真空度
10-3torr、温度1300℃、プレス圧150Kg/cm2の条
件でホツトプレスを行ない、密度5.50g/cm3とSi
の2相よりなる仮焼結体を得た。 このようにして得られ、定量分析の結果酸素含
有量が6000ppmである仮焼結体を、実施例1と同
じ条件で加熱したところ、仮焼結体中のSiはすべ
て蒸散してしまい、MoSi2が88容量%を占め残り
が気孔である密度5.49g/cm3の脱Si焼結体が得ら
れた。この脱Si焼結体中の酸素含有量は30ppmで
あつた。 更に、この脱Si焼結体を実施例1と同じ条件で
焼結したところ、密度が5.93g/cm3であり、相対
密度が95%のMoSi2焼結体が得られた。この焼結
体の酸素含有量は30ppmであつた。 実施例 3 原料のMo粉とSi粉の配合比を変えて、実施例
2と同様な方法で酸素含有量の少ないMoSi2焼結
体を製造した。その結果を下記表に示す。
電極用材料として高融点金属珪化物をスパツタリ
ングにより析出させるためのターゲツト材として
好適な、酸素含有量の少ない高融点金属珪化物基
焼結体の製造法に関する。 〔従来の技術〕 従来、IC用Si基板上に析出される配線・ゲート
電極材として、多結晶シリコンやAl―Si合金が
使用されてきた。 しかし、半導体の高密度化、高集積比が進むに
従い、より比抵抗の小さい電極・配線材料が必要
となつてきている。この問題を解決すべく、高融
点金属珪化物を配線材料として使用しようという
動きが盛んであり、既に一部の製品に対し実用化
が始まつている。 高融点金属珪化物をSi基板上に析出する方法の
1つにスパツタリング法がある。スパツタリング
法においては、スパツタリング装置の陰極(ター
ゲツト材)に、高融点金属珪化物焼結体が使用さ
れる。 この高融点金属珪化物焼結体は次のように製造
される。即ち、例えばMoSi2焼結体の場合は、通
常、微細なMoSi2粉末を成形後、あるいは成形を
兼ねて1600〜1800℃の高温において焼結して、相
対密度95%以上の高密度焼結体を得ている。この
場合、原料となるMoSi2粉末は通常Mo粉とSi粉
を混合し、1000〜1400℃で焼成するか、あるいは
反応時の多量の熱発生を利用した自己焼結合成法
により作られる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、合成されたMoSi2粉には、原料である
Si中に含まれるSiO2(Siは非常に酸化されやすい
ため、1μm程度の粒径を有するSi粉末中には酸素
が1重量%以上含まれている)に由来する酸素、
及びMoSi2粒状に吸着された酸素等が含まれるた
め、その酸素含有量が0.1重量%以上となるので
ある。MoSi2焼結時に、この高濃度の酸素を大巾
に減少させることは困難である。例えば、酸素含
有量0.5重量%のMoSi2粉を1700℃、真空中で焼
結しても、焼結体中の酸素含有量は0.2重量%と
半分程度に減少するにすぎない。 このような焼結体からなり、したがつて高濃度
の酸素を含むターゲツト材をスパツタリングに用
いると、Si基板上に形成された珪化物膜の比抵抗
が上昇するという欠点がある。 したがつて、この発明の目的は、酸素含有量が
少なく、スパツタリングターゲツト材に好適な高
融点金属珪化物基焼結体の製造法を提供すること
である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは種々研究を重ねた結果、式MSi2
(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表わされる高
融点金属の珪化物とSi単体の2相よりなる仮焼結
体を、無酸素雰囲気中においてSiの溶融温度以上
の温度に加熱することにより、仮焼結体中に溶融
Siが生成して、仮焼結体中の主としてSiO2の形
で残存する酸素と反応し、揮発性物質であるSiO
が生成・蒸発するので、酸素含有量を大巾に減少
させることができることを見い出した。 この発明は、上記知見に基いて発明されたもの
であり、 (1) 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相
よりなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において
珪素の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮
焼結体に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪
素そのまま及び一酸化珪素として蒸発させるこ
とを特徴とする酸素含有量の少ない高融点金属
珪化物基焼結体の製造法。 (2) 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相
よりなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において
珪素の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮
焼結体に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪
素そのまま及び一酸化珪素として蒸発させ、次
いで焼きしまりが生ずる高温で焼結することを
特徴とする酸素含有量の少ない高融点金属珪化
物基焼結体の製造法。 である。 以下、この発明の構成を説明する。 (i) 仮焼結体 この仮焼結体は、式MSi2(但し、M=Mo,W,
Ta,Ti)で表わされる高融点金属の珪化物と珪
素単体の2相よりなる複合組織を有するものであ
る。 この仮焼結体は、出発原料として、Si/Mの原
子比>2の配合組成を有するM粉とSi粉の混合
物、あるいはMSi2粉とSi粉の混合物、あるいは
MとSiの他の化合物の粉末とSi粉の混合物等を用
いて、成形と熱処理の二段工程によつて、あるい
は真空ホツトプレス法によつて一段で製造され
る。但し、熱処理温度あるいはホツトプレス温度
は、これらの焼結体の従来の製造法における温度
よりも低温であり、約1100〜1300℃の範囲内の温
度が好ましい。これは、MSi2生成反応が起こり、
しかもプレス成形により得られる圧粉体よりも強
度が大きい焼結体でなければならないからであ
る。 (ii) 加熱・蒸発工程 加熱するときの雰囲気は無酸素雰囲気であるこ
とが必要である。これは、雰囲気中に酸素が存在
すると、せつかく生成した揮発性のSiOが酸化さ
れて不揮発性のSiO2が生成するし、又、Siの酸
化も起こるために、仮焼結体中の酸素を有効に除
去することができないためである。無酸素雰囲気
としては、真空や不活性ガス雰囲気等があるが、
低温でSiの蒸発を起こすことができる点で、真空
が好ましい。真空度としては0.1torr以下である
ことが更に好ましい。 次に、加熱温度は、Siの溶融温度(1410℃)以
上の温度であることが、仮焼結体中に主として
SiO2の形で残存する酸素とSiとの反応を起こす
ために必要である。なかでも、1430〜1500℃が好
ましい。 この加熱により、前記したように、仮焼結体中
に主としてSiO2の形で残存する酸素と溶融Siと
の反応が起こり、揮発性のSiOを生成し、前記仮
焼結体に含まれるSiの一部あるいは全部がSiその
まま及びSiOとして蒸発し、酸素含有量の少ない
高融点金属珪化物基焼結体が得られるのである。 (iii) 高温焼結工程 以上の加熱・蒸発工程では、焼結も一部進行す
るのではあるが、得られた焼結体は、Si分の蒸発
により多孔質となつており、強度が小さい。した
がつて、必要に応じて、焼きしまりが生ずる高温
で(例えば、仮焼結体を製造したときの熱処理温
度あるいはホツトプレス温度や加熱・蒸発温度よ
りも高温で)焼結して、緻密にするとともに強度
を向上させてもよい。この工程の焼結温度は1600
〜1800℃の範囲内の温度が好ましい。 〔実施例〕 以下、実施例により、この発明の構成及び効果
を詳細に説明する。 実施例 1 高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よりなる
仮焼結体として以下のように製造されたものを用
いた。 平均粒径3μmのMo粉(酸素含有量:
1400ppm)60重量部と平均粒径1.5μmのSi粉(酸
素含有量:13000ppm)40重量部(Si/Moの原子
比=2.28)を配合し、ヘキサンを混合溶媒として
2時間ボールミルにより混合する。十分に乾燥し
た後、プレス圧2.5t/cm2でプレス成形し、密度
2.30g/cm3の圧粉体を得た。この圧粉体を真空度
10-1torr、温度1200℃の条件で1時間熱処理をし
て、MoSi2とSiの2相よりなる仮焼結体(密度:
2.36g/cm3)を得た。 このようにして得られ、定量分析の結果酸素含
有量が2500ppmである仮焼結体を真空度
10-3torr、温度1500℃の条件下で10時間加熱した
ところ、仮焼結体中のSiはすべて蒸散してしま
い、MoSi2が36.5容量%を占め残りが気孔である
密度2.28g/cm3の脱Si焼結体が得られた。この脱
Si焼結体中の酸素含有量は20ppmであつた。 更に、この脱Si焼結体を1700℃、真空度
10-3torrの条件で1時間焼結したところ、密度が
3.24g/cm3であり、相対密度52%のMoSi2焼結体
が得られた。この焼結体の酸素含有量は18ppmだ
つた。 実施例 2 高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よりなる
仮焼結体として、以下のように製造されたものを
用いた。 実施例1で調製した乾燥混合粉に、真空度
10-3torr、温度1300℃、プレス圧150Kg/cm2の条
件でホツトプレスを行ない、密度5.50g/cm3とSi
の2相よりなる仮焼結体を得た。 このようにして得られ、定量分析の結果酸素含
有量が6000ppmである仮焼結体を、実施例1と同
じ条件で加熱したところ、仮焼結体中のSiはすべ
て蒸散してしまい、MoSi2が88容量%を占め残り
が気孔である密度5.49g/cm3の脱Si焼結体が得ら
れた。この脱Si焼結体中の酸素含有量は30ppmで
あつた。 更に、この脱Si焼結体を実施例1と同じ条件で
焼結したところ、密度が5.93g/cm3であり、相対
密度が95%のMoSi2焼結体が得られた。この焼結
体の酸素含有量は30ppmであつた。 実施例 3 原料のMo粉とSi粉の配合比を変えて、実施例
2と同様な方法で酸素含有量の少ないMoSi2焼結
体を製造した。その結果を下記表に示す。
【表】
実施例 4
実施例2において、Si分蒸発のための加熱条件
を真空度10-3torr,温度1430℃,時間0.1時間に変
えること以外は同様な方法を繰り返して、MoSi2
が88容量%,Siが6容量%を占め残りが気孔であ
る密度5.63g/cm3の脱Si焼結体を製造した。この
脱Si焼結体中の酸素含有量は50ppmであつた。 更に、この脱Si焼結体を真空度10-3torr,温度
1400℃,時間1時間の条件で焼結したところ、密
度が5.90g/cm3であり、相対密度が98.5%の
MoSi2―Si焼結体が得られた。この焼結体の酸素
含有量は50ppmであつた。 実施例 5 Mo粉の代りに、平均粒径4μmのTa粉(酸素含
有量:1500ppm)、平均粒径5μmのW粉(酸素含
有量:1200ppm)及び平均粒径30μmのTi粉(酸
素含有量:4000ppm)をそれぞれ用いて実施例2
を繰り返した結果を下記表に示す。但し、Ti粉
を用いる場合は、ホツトプレス温度を1100℃、脱
Si温度を1430℃とした。
を真空度10-3torr,温度1430℃,時間0.1時間に変
えること以外は同様な方法を繰り返して、MoSi2
が88容量%,Siが6容量%を占め残りが気孔であ
る密度5.63g/cm3の脱Si焼結体を製造した。この
脱Si焼結体中の酸素含有量は50ppmであつた。 更に、この脱Si焼結体を真空度10-3torr,温度
1400℃,時間1時間の条件で焼結したところ、密
度が5.90g/cm3であり、相対密度が98.5%の
MoSi2―Si焼結体が得られた。この焼結体の酸素
含有量は50ppmであつた。 実施例 5 Mo粉の代りに、平均粒径4μmのTa粉(酸素含
有量:1500ppm)、平均粒径5μmのW粉(酸素含
有量:1200ppm)及び平均粒径30μmのTi粉(酸
素含有量:4000ppm)をそれぞれ用いて実施例2
を繰り返した結果を下記表に示す。但し、Ti粉
を用いる場合は、ホツトプレス温度を1100℃、脱
Si温度を1430℃とした。
【表】
〔発明の総括的効果〕
この発明の製造法によれば、酸素含有量が
50ppm以下と極めて少ない高融点金属珪化物基焼
結体を製造することができる。したがつて、この
発明で製造された高融点金属珪化物基焼結体をス
パツタリングターゲツト材として用いれば、酸素
含有量がターゲツト材と同程度で、シート抵抗が
従来のものと比較して半分以下であつて、したが
つて、配線・ゲート電極に適した高融点金属珪化
物が得られるのである。
50ppm以下と極めて少ない高融点金属珪化物基焼
結体を製造することができる。したがつて、この
発明で製造された高融点金属珪化物基焼結体をス
パツタリングターゲツト材として用いれば、酸素
含有量がターゲツト材と同程度で、シート抵抗が
従来のものと比較して半分以下であつて、したが
つて、配線・ゲート電極に適した高融点金属珪化
物が得られるのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よ
りなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において珪素
の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮焼結体
に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪素そのま
ま及び一酸化珪素として蒸発させることを特徴と
する酸素含有量の少ない高融点金属珪化物基焼結
体の製造法。 2 式MSi2(但し、M=Mo,W,Ta,Ti)で表
わされる高融点金属の珪化物と珪素単体の2相よ
りなる仮焼結体を、無酸素雰囲気中において珪素
の溶融温度以上の温度に加熱して、前記仮焼結体
に含まれる珪素の一部あるいは全部を珪素そのま
ま及び一酸化珪素として蒸発させ、次いで焼きし
まりが生ずる高温で焼結することを特徴とする酸
素含有量の少ない高融点金属珪化物基焼結体の製
造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59181551A JPS6158865A (ja) | 1984-08-30 | 1984-08-30 | 高融点金属珪化物基焼結体の製造法 |
US06/769,935 US4619697A (en) | 1984-08-30 | 1985-08-27 | Sputtering target material and process for producing the same |
GB08521604A GB2166160B (en) | 1984-08-30 | 1985-08-30 | Sputtering target material and process for producing the same |
DE19853531085 DE3531085A1 (de) | 1984-08-30 | 1985-08-30 | Sputter-quellenmaterial und verfahren zu seiner herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59181551A JPS6158865A (ja) | 1984-08-30 | 1984-08-30 | 高融点金属珪化物基焼結体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6158865A JPS6158865A (ja) | 1986-03-26 |
JPS6337071B2 true JPS6337071B2 (ja) | 1988-07-22 |
Family
ID=16102760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59181551A Granted JPS6158865A (ja) | 1984-08-30 | 1984-08-30 | 高融点金属珪化物基焼結体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6158865A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61136964A (ja) * | 1984-12-05 | 1986-06-24 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属珪化物基焼結体の製造法 |
JPH0666288B2 (ja) * | 1988-12-21 | 1994-08-24 | 日立金属株式会社 | スパッタリング装置用ターゲット |
-
1984
- 1984-08-30 JP JP59181551A patent/JPS6158865A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6158865A (ja) | 1986-03-26 |
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