JPS6335598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水産加工場において、魚体、特に凍
結魚体を背骨に沿つて上下に二つ割りにする装置
に関する。

（従来の技術） 従来、魚体を上下に二つ割りにする場合には、
図面第１図に示すように前後一組の移送手段１，
１と２，２の間に一対の鋸車３，４に張設した水
平帯鋸５を定置し、この帯鋸５に対して移送手段
１，１と２，２により魚体を直線移送して二つ割
りにしたものである。

（考案が解決しようとする問題点） 前記した従来の魚体の上下二つ割り装置は、直
線移送される魚体を定置帯鋸により切断するか
ら、魚体は必ず第１図に鎖線ｂで示すように真直
ぐに挽き割られるが、魚の背骨ａは真直ぐではな
く、同図に示すように湾曲しているため、前述の
ように魚体を真直ぐに切断すると、切断直線ｂと
背骨ａの曲線とに挾まれる弓形の部分の肉がロス
になり、採肉の歩留りを著しく低下させる問題点
があつた。

本考案は、前記した従来の問題点を解決するた
めになされたもので、帯鋸を背骨に倣つて上下動
させながら切断を行わせることにより、移送魚体
を背骨に沿つて切断させ、採肉の歩留りが大幅に
向上する魚体の上下二つ割り装置を提供すること
を目的としいる。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するための本考案の手段は、魚
体の形に合わせた一対の移送手段により魚体を挾
圧させて移送させ、その進行路で背骨の位置にお
いて魚体を上下に分断させる帯鋸を設けた魚体二
つ割り装置において、前記帯鋸にこれが魚体へ切
り込むと検知器により起動されて、魚体の進行に
伴い帯鋸を背骨の曲がりに合わせて上下動させ、
魚体の背骨に沿つた切断を行わせて、切断を終了
すると検知器により作動を停止され、帯鋸を基準
位置に戻す帯鋸の位置自動修正手段を装備させた
ことを特徴とする魚体の上下二つ割り装置の構成
にある。

（作用） 前記のように構成される装置は、移送手段によ
り送られる魚体が帯鋸４の位置に達して、帯鋸の
切込みが開始されるときは、帯鋸の位置自動修正
手段が検知器により起動されて、帯鋸を魚体の進
行に伴いその背骨の曲がりに合わせて上下動させ
るため、魚体は背骨の曲がりに倣つて上下の２片
に切り分けられ、歩留り最高の状態において二つ
割りにされ、二つ割りが完了すれば、帯鋸の位置
自動修正手段が検知器により基準位置に戻されて
次の動作に対処するものである。

（実施例） 以下に本考案に関する装置の実施の一例を図面
に基づいて説明する。

図面第２図及び第３図において、７はフレーム
で、テーブル８の中央部に上下の鋸車９，１０に
張設して凍結魚体６を左右に二つ割りにさせる帯
鋸１１を配設し、この帯鋸１１の前側又は後側に
左右の鋸車１２，１３に張設して、凍結魚体６を
上下に二つ割りにさせる帯鋸１４を配設してあ
る。

１５，１５と１５′，１５′は前記帯鋸１１，１
４を差し挾ませて、テーブル８の前側及び後側に
設けたローラ形の移送手段で、左右二つ割り用の
帯鋸１１の延長線−から等距離の位置に支軸
１６，１６と１６′，１６′を有する左右一対の揺
動腕１７，１７と１７′，１７′に支持させ、これ
らの揺動腕１７，１７と１７′，１７′とを連動歯
車１８，１８と１８′，１８′とにより連係させ、
移送手段１５，１５と１５′，１５′が揺動腕１
７，１７と１７′，１７′と共に、前記帯鋸１４の
延長線Ｘ−Ｘに対して常時対称運動を行なうよう
にしてあり、この移送手段１５，１５と１５′，
１５′は、魚体６の形状に合わせるために第３図
に示すように上下２個のテーパーローラが対向す
るように形成してある。

１９，１９′は移送手段１５，１５と１５′，１
５′の加圧手段で、第６図に示すようなコイルば
ねを用い、このコイルばねの両端を同図のように
揺動腕１７，１７と１７′，１７′に設けたばね受
イ，イに止め、揺動腕１７，１７と１７′，１
７′を連結して、弾力により揺動腕１７，１７と
１７′，１７′を引寄せ、移送手段１５，１５と１
５′，１５′を魚体６へ押付けて、これによる魚体
の挾圧移送が確実に行われるようにしてある。

２０，２０′は移送手段１５，１５と１５′，１
５′の最小間隔規制片で、第６図に示すようにテ
ーブル８に支持させた螺軸ロに螺合させて間隔を
設定し、これらに加圧手段１９，１９′により引
き寄せられる揺動腕１７，１７と１７′，１７′に
付設した止片ハ，ハが当るとき、揺動腕１７，１
７と１７′，１７′を制止させて、移送手段１５，
１５及び１５′，１５′の最小間隔を魚体６の細い
尾側よりも狭くならないように規制させる。

Ａは魚体６を上下に二つ割りにする前記帯鋸１
４を魚体６の進行に伴い背骨ａの上下方向の曲が
りに合わせて上下動させ、背骨ａに沿つた魚体６
の切断を行わせる帯鋸の位置自動修正手段で、図
面第３及第４図に示すように帯鋸１４を差し挾む
ローラ昇降器２５，２５の昇降杆２６，２６にピ
ン２７，２７を突設し、このピン２７，２７を軸
２８の一側に定着したレバー２９，２９の長孔３
０，３０に係合させ、前記軸２８の他側に突出さ
せた操作杆３１の先端に付設したコロ３２を、魚
体６における背骨ａの上下方向の曲がりにカム曲
線を合わせた一回転停止形のカム３３へばね３４
により圧接させ、このカム３３を魚体６への帯鋸
１４の切り込みを検知器３５が検知したときに起
動させて、魚体の進行に伴い帯鋸１４を魚体６の
曲がりに合わせて上下に移動させ、魚体６の背骨
ａに沿つて分断させた後に、切断の終了を検知器
３５が検知してカム３３を停止させるとき、該カ
ム３３が１回転して帯鋸１４を基準位置に戻し、
次の動作に対処するように前記したカム３３を移
送手段１５，１５と１５′，１５′と連動させるよ
うにするか、或いは第５図に示すように鋸車１
２，１３の軸受３６，３６をガイド３７，３７に
昇降自在に支持させ、この軸受３６，３６を魚体
６における背骨ａの曲がりにカム曲線を合わせた
カム３８，３８へばね３９，３９により圧接させ
て、このカム３８，３８を魚体６の一端への帯鋸
１４の切り込みを検知器３５が検知したときに起
動させ、魚体６の進行に伴い帯鋸１４を魚体６の
曲がりに合わせて上下に移動させ、魚体６を背骨
ａに沿つて切断させた後、切断の終了を検知器３
５が検知してカム３８，３８を停止させるとき、
該カム３８，３８は一回転し帯鋸１４を基準位置
に戻して、次の動作に対処するように前記カム３
８，３８を移送手段１５，１５と１５′，１５′と
連動させるようにするものである。

前記実施例に示す装置において、第３図及び第
４図に示す帯鋸の位置自動修正手段Ａを採用した
場合は、凍結魚体６を前部移送手段１５，１５の
間へ供給し、この魚体６が帯鋸１４の位置に達し
て帯鋸１４による切込みが開始されるときは、検
知器３５がこれを検知し帯鋸の位置自動修正手段
Ａにおけるカム３３を回転させる。従つて、魚体
６における背骨ａの曲がりに合わせてカム曲線を
設定されているカム３３は、帯鋸１４が魚体６の
一端から背骨ａに沿つて魚体６へ切込むと、カム
曲線に従つて始めは操作杆３１を押し上げ、レバ
ー２９，２９により昇降杆２６，２６を押し下げ
て、昇降器２５，２５を下降させるため、帯鋸１
４は昇降器２５，２５の間の部分が背骨ａの下向
きの曲がりに沿つて下降して行き、やがて背骨ａ
の曲がりが上向きに変わるときは、カム３３は操
作杆３１を徐々に降下させ、レバー２９，２９に
より昇降杆２６，２６を引き上げ、昇降器２５，
２５を上昇させるため、帯鋸１４は背骨ａの上向
きの曲がりに沿つて上昇し、魚体６の二つ割が完
了すると基準位置に戻り、このとき検知器３５が
切断完了を検知して一回転したカム３３を停止さ
せ、次の起動指令が発しられる迄この状態を保持
しているため、魚体６の上下の２つ割りが背骨ａ
に沿つて正確に行なわれる。

こうして上下の二つ割が終わつた魚体６は、帯
鋸１１の位置に進むと、この帯鋸１１により背骨
ａに沿つて左右に二つ割りにされ、４つ割り魚体
となるものである。

又、第５図に示す帯鋸の位置自動修正手段Ａを
用いる場合は、検知器３５が帯鋸１４の魚体６へ
の切込みを検知し、カム３８，３８を起動させる
と、カム３８，３８は魚体６における背骨ａの曲
がりに従つて鋸車１２，１３の軸受３６，３６を
昇降させるため、この場合は、鋸車３６，３６と
共に帯鋸１４の全体が魚体６の背骨ａの曲がりに
合つた昇降動作を行ない、魚体６を背骨ａに沿つ
て上下に二つ割りにするものである。

（考案の効果） 本考案に関する魚体二つ割り装置は、魚体の形
に合わせた移送手段により送られる魚体へ帯鋸が
切り込むと、検知器がこれを検知し、帯鋸の位置
自動修正手段を作動させて、帯鋸を魚体の進行に
伴い背骨に合わせて上下へ移動させ、背骨に沿つ
た上下の分断を行わせるから、魚体は必ず曲がつ
た背骨なりに二つ割りにされ、従来の直線切断に
おいて生じた肉のロスがなくなり、採肉歩留りが
大幅に向上するだけでなく、割り面から残り骨を
除く仕上げ作業も容易になるもので、しかも帯鋸
を位置修正する操作は、検知器による切込み開始
と切断終了の検知に基づいて、修正手段を起動、
停止させて行うため、供給魚体に適合する修正動
作が常時自動で確実に行われて、作業の安全と能
率の増進にも寄与する特有の効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の魚体上下二つ割り装置の中央縦
断側面図。第２図は本考案に関する魚体上下二つ
割り装置の平面図、第３図は第２図に示すＸ−Ｘ
線の断面図、第４図は第２図に示すＹ−Ｙ線の断
面図、第５図は帯鋸の位置自動修正手段の他の例
を示す正面図、第６図は揺動腕の加圧手段と、最
小間隙規制手段を示す正面図である。 図において６は魚体、１５，１５と１５′，１
５′は移送手段、１４は帯鋸、Ａは帯鋸位置の自
動修正手段である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 魚体の形に合わせた一対の移送手段により魚体
   を挾圧させて移送させ、その進行路で背骨の位置
   において魚体を上下に分断させる帯鋸を設けた魚
   体二つ割り装置において、前記帯鋸にこれが魚体
   へ切り込むと検知器により起動されて、魚体の進
   行に伴い帯鋸を背骨の曲がりに合わせて上下動さ
   せ、魚体の背骨に沿つた切断を行わせて、切断を
   終了すると検知器により作動を停止され、帯鋸を
   基準位置に戻す帯鋸の位置自動修正手段を装備さ
   せたことを特徴とする魚体の上下二つ割り装置。