JPS6335483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、外管とステムによつて形成される気
密放電空間内に屈曲した内管を収納し、該内管を
放電路とするコンパクトサイズの螢光ランプの電
極構造に関する。

第１図は従来例を示し、外管１とステム（ボタ
ンステム）２によつて気密に保たれる放電空間３
内に２本のＵ字状に屈曲されたＵ字状内管４を収
納したコンパクトサイズの螢光ランプで、該Ｕ字
状内管４の内側には、螢光体５が塗布されてい
る。また、Ｕ字状内管４の一端は電極６の周囲に
ガラス溶着により気密に固定され、他の開口端７
を利用して両電極６，６間で放電が行なわれる。
８は点灯装置部、９はねじ口金である。

この種の螢光ランプにおいて、更に小型化、高
効率化を図る手段として有効なものの一つとし
て、内管４の管径を小さくする方法がある。しか
しながら、電極フイラメントは始動時における予
熱電流、ランプ電流等の諸条件より設計するもの
であり、構造の必要性からむやみに短くしたり、
管径を変えたり、ターン数を減らしたりすること
は、特性及び電極寿命に大きな影響を及ぼす。従
つて、細管化はフイラメント長によつて制限さ
れ、管の内径はフイラメント長以上でなければな
らなかつた。

本考案はかかる点に鑑みなされたもので、その
目的とするところは、白熱電球代替用のコンパク
トサイズの螢光ランプにおいて、更に小型化を図
るに有効な手段である内管の細管化に適した電極
構造を提供するにある。

以下、本考案を図示の実施例に基づき説明す
る。第２図は本考案にかかる電極部分の一実施例
で、円板状のステム２の一円周上には、２本で１
組の封入線１０，１１が２組、ステム２面に対し
て略垂直に封入されており、各組の封入線１０，
１１はそれぞれ長短に形成され、それぞれの先端
は互いに向きあう方向に曲折されている。そし
て、その曲折部１０ａ，１１ａ間には、フイラメ
ント１２がステム面に対して略垂直になるように
継線されている。他の構成は従来と同様であるの
で省略する。

このように、フイラメント１２を内管４の管軸
方向と略一致させているため、従来のようにフイ
ラメント長さによる管径の制限がなくなり、ラン
プの小型化、高効率化が実現できる。

次に、第３図は本考案の異なる実施例を示し、
前記第２図に示す実施例と異なる点は、第３図ｂ
に示すように、各組の封入線１０，１１の先端
を、該封入線１０，１１の封入点を結ぶ線上より
外側に位置するように曲折し、該曲折部１０ａ，
１１ａにフイラメント１２を継線した点である。
このように構成することにより、前記実施例効果
に加えて、フイラメント１２へのエミツタの塗布
が容易、且つ確実になり下記の欠点を改善でき
る。すなわち、エミツタをフイラメント１２に塗
布する場合、封入点を結ぶ線上にフイラメント１
２が位置すると封入線がじやまになり塗布が困難
であり、また、僅かの位置ずれでもエミツタが封
入線に付着する恐れがあり、封入線等のフイラメ
ント１２以外の部分に付着したエミツタは、後工
程のフイラメント通電活性時に、温度が十分上が
らないため分解されず点灯中にも分解されるた
め、不純ガス発生の原因となり、特性の悪化、寿
命の低下といつた悪影響を招く。更に、本実施例
によれば、エミツタを一旦フイラメントに十分塗
布した後に、フイラメント１２に空気を吹きつけ
（エアーブロー）で余分なエミツタを除去する際
に、第４図に示すようにステム２の中心方向から
外側へ向けて吹き飛ばすことにより、エミツタ１
３のフイラメント１２以外への付着を防止でき
る。尚、図中１３はエミツタ、１４は空気吹きつ
け装置である。

次に、第５図は第３図に示す実施例の改善例
で、封入線１０，１１の曲折部１０ａ，１１ａの
先端を更に折り曲げることにより、フイラメント
１２装着時のガイドとなり、更に該折り曲げ部１
０ｂ，１１ｂを外部より工具１５で容易に圧着で
きる効果がある。

更に、第６図及び第７図は本考案の異なる実施
例を示し、前記第３図に示す実施例と異なる点
は、フイラメント１２をステム２面に対して斜め
に配して封入線１０，１１に継線した点で、かか
る構成を採ることにより、第７図ａ，ｂに示す如
く管径の異なる内管４に対しても同一長さのフイ
ラメント１２を共用でき、しかも、前述の各実施
例のようにフイラメント１２を放電路すなわち内
管４の管軸方向に平行に配さないで、フイラメン
ト全長が放電路に面した部分を有する（放電路に
対して垂直成分を有する）ように配したため、点
灯中のホツトスポツト形成に無理がなく、特性や
寿命に悪影響を与えることも少ない。

本考案にかかる螢光ランプの電極構造は、上記
のようにコンパクトサイズの螢光ランプにおい
て、内管内に設けるフイラメント電極を、ステム
の一円周上に封入された長さの異なる２本で１組
の封入線に、フイラメントの両端をそれぞれ継線
することにより構成したことを特徴とするので、
従来のフイラメント長さと同一長さのフイラメン
トを用いても内管径を小さくできるので、特性の
悪化、電極寿命の低下を来たすことなくランプの
小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の螢光ランプの斜視図、第２図は
本考案の一実施例を示すもので、ａは斜視図、ｂ
は平面図、第３図は本考案の異なる実施例を示す
もので、ａは斜視図、ｂは平面図、第４図は本考
案に係るエミツタの除去を説明する簡略断面図、
第５図は異なる実施例を示す要部拡大斜視図、第
６図は更に異なる実施例を示す要部拡大斜視図、
第７図ａ，ｂは上記実施例の要部断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外管とステムによつて形成される気密放電空
   間内に屈曲した内管を収納し、該内管を放電路
   とするコンパクトサイズの螢光ランプにおい
   て、上記内管内に設けるフイラメント電極を、
   ステムの一円周上に封入された長さの異なる２
   本で一組の封入線に、フイラメントの両端をそ
   れぞれ継線することにより構成したことを特徴
   とする螢光ランプの電極構造。 (2) 上記２本の封入線の先端を互いに向きあう方
   向に曲折し、該曲折部にフイラメントの両端を
   継線した実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   螢光ランプの電極構造。 (3) 上記２本の封入線の先端を、該両封入線の両
   封入点を結ぶ線上より外側に位置するように曲
   折し、該曲折部にフイラメントの両端を継線し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の螢光ラ
   ンプの電極構造。