JPS6335249A - 人工関節部材とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は人体において、疾病、災害などにより失われた
機能を修復するための人工関節部材とその製造方法に関
するものである。

〔従来の技術〕

変形性関節症や慢性関節リューマチなどの骨の疾病で手
足の関節機能に障害が生じた場合、整形外科における観
血的治療法の１つとして人工関節置換術がしばしばおこ
なわれている。特に荷重関節である股関節での症例が多
く年間２万症例を数えている。

例えば、人工股関節において金属製大腿骨頭側部材（ス
テム）と合成樹脂製口蓋側部品（ソケット）からなるも
のが従来より用いられてきたが、近年は大腿骨側部品の
骨頭部に潤滑性能に優れたアルミナセラミックボールを
用いたものも広く使われてきている。また最近では上述
のソケットの外側に補強用の外殻を取り付けることによ
り、荷重による合成樹脂部の変形を防ぎ、摩擦摩耗特性
を向上させるようなセラミソクバソクソヶソト及びメタ
ルバックソケットが使用され始め、好成績を納めたもの
がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述の外殻付ソケットは有用なインブラントであるが、
種々の問題点をも有している。

その１つはソケットのサイズにおいて、一定形状の合成
樹脂製部材の１に厚さ５ｍｍ〜１０ｍｍ程度の外殻を取
り付けるため、インブラント全体の寸法が大きくなって
しまい適用可能な患者が制限されてしまい、このため実
際には大きなソケットを無理にインブラントしても長期
経過ではルーズニングの発生をまねかれ得ない点が指摘
されている。

〔「整形外科」３７巻８号（１９８６−７月増刊）Ｐ１
１２２］また多くの場合、合成樹脂部材と外殻は機械的
に弱いアンカリング（保合）のみで接合されており、使
用中に分解、脱離の恐れがあるものも多い。

さらに外殻は合成樹脂製部材と別途で加工されるため、
その４ＡＦａに応した機械加工のみしかできず、患者の
疾病に適した任意の形状のソケットを供給することがで
きなかった。

［問題点を解決するための手段〕 本発明は上記のような従来の外殻付合成樹脂製部材の問
題点に鑑みて開発されたものであって、機械加工又はモ
ールド成型等でもって合成樹脂製の基体を製作し、外側
に荒研磨等の表面処理を施した後、溶射法によって骨と
接触する外殻にセラミックまたは金属部材などの無機質
層を被着して人工関節部材を構成することを特徴とする
。

〔実施例〕

以下、本発明実施例を具体的に詳述する。

（実施例　１　） 分子量６００万の超高分子量ポリエチレンの板材より機
械研削加工法にてプラスチック製部材により第１図に示
すようにソケットＳを成す基体Ｉを製作した。摺動部径
は３０ｍｍ、外殻径は４５ｍｍである。

この基体ｌの骨と接する外部に＃２０又は１１２５の荒
研磨棒を用いて微細な突起をつくった後、プラズマ溶射
法にてジルコニアセラミックの外殻λを厚さ１ｍｍに被
着形成した。このようにして作られたヒノプジョイント
ソケソトＳの圧縮破壊試験を行ったところ、約８００に
、　ｆで外殻が破壊したが、外殻２の基体１からのハク
リは認められなかった。

２１体内では歩行時に体重の数倍の荷重が加わるごとが
知られており、その結果日本人の標準体重６０ＫＧの５
倍の３００Ｋｇに比して２倍以上の安全性を持っている
事が判明した。

（実施例　２　） 分子＠４００万の超高分子ポリエチレンの粉末を千−ル
ド成型し、第１図に示したと同形の内径１０ｍｍ、外径
２３ｍｍのソケットを製作した。骨との接触部には実施
例１と同様の表面処理後、火炎溶射法にて厚さ０．５ｍ
ｍのステンレス鋼（ＳＩＪＳ３１６Ｌ）より成る外殻を
付着させた。このメタルバックソケットを雑種成犬の後
足部にポーセメントを用いて埋入した。手術後１年半を
経て歩行時の異常及びＸ線観察による異常は認められず
有効なインブラントとして機能を発揮していた。さらに
１年を経た後、犬を層殺しソケットを採取分析したが、
外殻部分にワレ等の発生はなく、摺動面３にも異常摩耗
等は認められず、木口蓋側部品が生体内で良好な状態を
保持していた事が裏付けられた。

（実施例　３　） 実施例２と同様の方法で第２図、第３図に示したように
人工膝関節の脛骨側部品Ｋ及び原型部品Ｆを作製し、ボ
ーンセメントを用いてサルの膝部に固定した。手術は従
来の同部品よりも少ない骨切りを行ったのみで成功し、
６ケ月を経て歩行時の異常及びＸ線観察による異常は認
められなかった。

（実施例　４　） 分子量４００万の超高分子量ポリエチレンより機械研削
加工にて人工足関節を構成する距骨側部品を製作した。

（不図示）摺動面を研磨後、骨との接触部に実施例１と
同様のプラズマ溶射法にて厚さ１ｍｍのアルミナの外殻
を被着し、さらにその上にスパッタリング法にて厚さ６
μのハイドロキシアパタイト層をコーティングした。

（実施例　５　） 分子量４００万の超高分子量ポリエチレンの粉末よりモ
ールド成型にて製作した人工膝関節ソケットとの骨との
接触面に減圧プラズマ溶射法にて純チタンを厚さ１．５
ｍｍに溶射し、さらに火炎溶射法にてハイドロキシアパ
タイトを厚さ０．１ｍｍに溶射して外殻を製作した。

実施例４．５で製作したインブラントは生体活性のある
表面を持つ事から、より高性能のインブラントとなる事
が考えられる。

なお、」二記実施例ではあげてないが、外殻の構成材に
はＳｉＣや５ｉＪａのような他のセラミック材料やチタ
ン合金、コバルト−クロム合金のような金属材料も適用
可能であった。このうちセラミックの外殻を用いた場合
にはその良好な生体親和性から、セメントレスで埋入さ
れ、若年者にも適用できる。一方、金属の外殻を用いた
場合は金属の優れた展延性のためにセラミック部材より
も薄く加工できるメリットがあるが、生体親和性が劣る
ため、ボーンセメントを使用する場合にのみ適用可能で
ある。

〔発明の効果〕

以上の様に合成樹脂部材からなる基体表面に対するコー
ティング法によって外殻を形成して成る本発明の人工関
節部材は次に列挙する効果を有する。

■外殻の厚みが従来品に較べて薄くでき、適用患者の制
限を必要としない有効な人工関節部材を提供できる。

■任意形状の外殻を作ることができ、患者の病状に適応
したオーダーメイドの人工関節部材を製作可能ならしめ
る。

■溶射性特有のミクロアンカリング効果により、外殻と
合成樹脂との強固な結合力が得られ、生体内使用時の分
解脱落の危険の少ない人工関節部材を提供できる。

■溶射法を用いることにより低コスト、短納期の生産を
行うことが可能である。

以上の如く、本発明は従来の外殻付合成樹脂製人工関節
部材の欠点を大きく改善し、新たな医療へ貢献すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例による人工関節を構成する口蓋側
のソケットの断面図である。第２図、第一７＝ ３図はそれぞれ本発明実施例による人工膝関節を構成す
る脛骨側部品と膝蓋骨部品の横断面図である。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）合成樹脂から成る基体に関節摺動面を形成すると
   ともに骨と接する所要箇所に無機質層が被着してあるこ
   とを特徴とする人工関節部材。
2. （２）上記合成樹脂がポリエチレンであり、無機質層が
   セラミックまたは金属材であることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の人工関節部材。
3. （３）合成樹脂からなる基体の骨と接触する所要箇所に
   溶射手段により無機質層を被着することを特徴とする人
   工関節部材の製造方法。
4. （４）上記溶射手段がプラズマ溶射又は火炎溶射である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の人工関節
   部材の製造方法。