JPS633392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、貯湯槽内の給湯用水に対す
る加熱源として、水冷エンジンにおける冷却水お
よび排気の保有熱を有効利用すべくなしたものな
どで、詳しくは、熱負荷装置の加熱装置を、水冷
エンジンの冷却水回路における放熱部をもつて、
兼用構成するとともに、前記放熱部を通した後の
冷却水の一部を、冷却水回路の復路部分からエン
ジンの排気管の途中に設けた熱交換部を通して加
熱昇温させた後、前記冷却水回路の往路部分に供
給する迂回路を設けて、エンジン冷却水及びエン
ジン排気の両者保有熱により前記熱負荷装置を加
熱すべく構成してあるエンジン排熱回収装置に関
する。

この種のエンジン排熱回収装置は、エンジン冷
却水の保有熱のみを熱負荷装置の加熱エネルギー
と利用するものやエンジン排気の保有熱のみを熱
負荷装置の加熱エネルギーとして利用するものに
比較して、熱回収効率及び熱経済効果に勝れる利
点を有する反面、貯湯槽内の給湯用水が設定温度
になる等、熱負荷が一定以下になつたとき、つま
り、エンジン冷却水及び排気のトータル回収熱量
が前記冷却水回路における放熱部での負荷装置に
対する放熱量を上まつた場合、エンジン冷却水温
度が異常に上昇してエンジン冷却効果が損われ、
オーバーヒート等のトラブルを発生し易い問題が
ある。

本考案は、かかる点に鑑み、前述迂回路に対す
る簡単な構造付加をもつて、エンジン冷却水及び
エンジン排気の両保有熱により熱負荷装置を効率
良く加熱できる構成を採り乍も、エンジン冷却作
用への悪影響を回避できるようにする点に目的を
有する。

本考案によるエンジン排熱回収装置は、冒記の
ものにおいて、前記迂回路に開閉弁を設けるとと
もに、前記冷却水回路の復路部分に、前記熱負荷
装置の負荷が一定になつたことをエンジンへの戻
り冷却水温度をもつて検出する検出具を設け、も
つて、この検出具の検出結果に基づいて前記開閉
弁を自動的、かつ、可逆的に閉動すべく構成して
ある事を特徴とする。

即ち、前記迂回路に介在させた開閉弁を前記冷
却水回路の復路部分に介在させた検出具により、
熱負荷装置の負荷が一定以下になつたとき、閉動
することによつて、エンジン排気との熱交換によ
るエンジン冷却水の加熱昇温を任意に阻止するこ
とができるので、迂回路に開閉弁と冷却水回路の
復路部分に検出具を設けるといつた極く簡単な構
造付加をもつて、熱負荷装置の負荷が一定以上に
あるときは、前記の開閉弁を開動させて、エンジ
ン冷却水及びエンジン排気の両者保有熱により熱
負荷装置を効率良く、かつ、迅速に加熱できなが
らも、熱負荷装置の負荷が一定以下又はそれに近
い値になつたときには、開閉弁を閉動させること
により、エンジン排気との熱交換による冷却水温
度の異常上昇を阻止して、エンジン冷却作用への
悪影響、つまり、オーバーヒート等を防止できる
に至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、ガスＧを燃料とする水冷式２サイクルエン
ジン１により駆動されて熱媒体を圧縮する圧縮器
２、熱媒体と外気との第１熱交換部３、熱媒体と
冷暖房用空気との第２熱交換部４、熱媒体と貯湯
式給湯装置５における貯湯槽６内の水との第３熱
交換部７、受液器８、蓄圧器９及び四方切替弁１
０、開閉弁１１群、逆止弁１２、低圧トラツプ弁
１３を熱媒体回路１４に介装してあるヒートポン
プ式給湯冷暖房装置において、前記エンジン１の
排熱を回収するとともに、回収排熱をもつて熱負
荷装置１５を加熱する装置を組込んである。

前記給湯冷暖房装置について詳述すると、これ
は、圧縮器２、第１熱交換部３、受液器８、第２
熱交換部４、圧縮器２と順に熱媒体を循環流動さ
せて、前記第１熱交換部３での凝縮作用及び第２
熱交換部４での蒸発作用をもつて、冷暖房用空気
を冷却する冷房運転状態と、圧縮器２、第２熱交
換部４、受液器８、第１熱交換部３、圧縮器２と
順に熱媒体を循環流動させて、第２熱交換部４で
の凝縮作用及び第１熱交換部３での蒸発作用をも
つて、冷暖房用空気を加熱する暖房運転状態と、
圧縮器２、第３熱交換部７、第１熱交換部３、受
液器８、圧縮器２と順に熱媒体を循環流動させ
て、第３交換部７での凝縮作用及び第１熱交換部
３での蒸発作用をもつて、貯水を加熱する給湯状
態及び、圧縮器２、第３熱交換部７、受液器８、
第２熱交換部４、圧縮器２と順に熱媒体を循環流
動させて、第３熱交換部７での凝縮作用及び第２
熱交換部４での蒸発作用をもつて、貯水を加熱
し、かつ、冷暖房用空気を冷却する給湯冷房状態
とに切替可能に構成されている。

図中１６は前記第１熱交換部３に対する外気供
給フアン、１７は冷暖房用空気供給フアンであ
る。

前記の熱負荷装置１５は、前記の給湯装置５
と、前記冷暖房用空気を加熱可能で、主として、
暖房負荷が大なる場合や、梅雨時において前記の
冷暖房装置を冷房運転状態に切替えて除霜する場
合等において使用される温水式の暖房装置１８及
び、前記の暖房運転状態において、前記第１熱交
換部３への供給外気を温水にて加熱することによ
り、前記第１熱交換部３への着霜を防止する装置
１９とから構成されている。

前記の排熱回収装置は、熱負荷装置１５の加熱
装置を、前記エンジン１の循環冷却水回路２１に
おける放熱部２２をもつて兼用構成するととも
に、前記冷却水回路２１の復路部分２１Ｂに、そ
の冷却水の一部を前記冷却水回路２１の放熱部２
２に対する往路部分２１Ａに供給可能な迂回路２
３を接続させ、かつ、この迂回路２３に、エンジ
ン排気との間接熱交換により冷却水を加熱昇温さ
せる間接熱交換部２４を介在させ、もつて、エン
ジン冷却水及びエンジン排気の両者保有熱により
熱負荷装置１５を加熱すべく構成され、前記放熱
部２２は、貯湯槽６に挿設した熱交換部２５と、
前記第２熱交換部４近くに設けた熱交換部２６及
び前記第１熱交換部３近くに設けた熱交換部２７
とから構成されている。尚、前記冷却水回路２１
は、弁２８群操作をもつて、前記放熱部２２とす
べき熱交換部２５，２６，２７を選択すべく構成
されている。

図中２９は膨張タンクである。

而して、前記迂回路２３に電磁式の開閉弁３０
を介在させるとともに、冷却水回路２１の復路部
分２１Ｂに前記熱負荷装置１５の負荷が一定にな
つたことを、エンジン１への戻り冷却水温度をも
つて検出する検出具３１を設け、さらに、この検
出具３１の検出結果に基づいて前記開閉弁３０を
自動的、可逆的に閉動させる制御器３２を設けて
ある。

図中３３は吸気管、３４は排気管、２０は冷却
水回路２１の復路部分２１Ｂに介在させた冷却水
循環用のポンプである。

尚、対象エンジンとしては、冷暖房装置用のも
のの他、工場、集合住宅において設備される発電
用、ポンプ駆動用のエンジン等を挙げることがで
きる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るエンジン排熱回収装置の実
施例を示す全体の配管系統図である。 １５……熱負荷装置、１……水冷エンジン、２
１……冷却水回路、２２……放熱部、２１Ａ……
往路部分、２１Ｂ……復路部分、２３……迂回
路、３０……開閉弁、３１……検出具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 熱負荷装置１５の加熱装置を、水冷エンジン
   １の冷却水回路２１における放熱部２２をもつ
   て、兼用構成するとともに、前記放熱部２２を
   通した後の冷却水の一部を、冷却水回路２１の
   復路部分２１Ｂからエンジンの排気管３４の途
   中に設けた熱交換部２４を通して加熱昇温させ
   た後、前記冷却水回路２１の往路部分２１Ａに
   供給する迂回路２３を設けて、エンジン冷却水
   及びエンジン排気の両者保有熱により前記熱負
   荷装置１５を加熱すべく構成してあるエンジン
   排熱回収装置において、前記迂回路２３に開閉
   弁３０を設けるとともに、前記冷却水回路２１
   の復路部分２１Ｂに、前記熱負荷装置１５の負
   荷が一定になつたことをエンジンへの戻り冷却
   水温度をもつて検出する検出具３１を設け、も
   つて、この検出具３１の検出結果に基づいて前
   記開閉弁３０を自動的、かつ、可逆的に閉動す
   べく構成してある事を特徴とするエンジン排熱
   回収装置。 前記の熱負荷装置１５が貯湯式給湯装置であ
   り、かつ、前記放熱部２２が貯湯槽６に挿設さ
   れた熱交換器２５である実用新案登録請求の範
   囲第項に記載のエンジン排熱回収装置。