JPS63338B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は巻取機にボビン支持体を固定するため
のチヤツクに関し、チヤツクはクランプ要素が半
径方向に支持された心金およびこの心金に比して
直径が大きい円筒すなわちスリーブからなり、こ
の円筒またはスリーブはクランプ要素が半径方向
に通過するための貫通孔を有する。

ボビン支持体を心金またはチヤツクに固定する
ため多数の方法および装置が公知である。たとえ
ばチヤツク軸に配置された２つの円錐体がボビン
支持体の固定および解放のため共同作用するチヤ
ツクが公知である。２つの円錐体の少なくとも１
つはチヤツク軸上で対抗円錐体に対し相対的に摺
動可能である。円錐体の摺動によつて周縁に分布
する多数のクランプジヨーはボビン支持体固定の
ため半径方向外側へ、または解放のため半径方向
内側へ動かされる。

この方式の欠点はチヤツク軸と摺動可能円錐体
の間に滑り嵌合が存在しなければならないことに
ある。この嵌合は製造のため非常に労力を要す
る。というのはさもなければ比較的短い作業時間
後に滑り嵌合にカジリおよびさびが発生するから
である。そのためチヤツクの機能は保証されな
い。

これと異なりクランプ要素がフリーホイールの
原理で作動するチヤツクが公知である。（西独公
開特許公報第2106493号および西独公開特許公報
第2202009号＝米国特許第3815836号参照）。この
チヤツクはクランプ要素のセルフロツキングのた
め高いトルクまたは制動モーメント導入の際にも
ボビンを確実に固定するので、信頼性がある。

しかしこの場合ボビン支持体を軸方向に挿込み
および抜取る際同時に手により回転しなければな
らないことが不利に作用する。心金に軸方向に相
前後して多数のボビン支持体を固定配置する場
合、後方のボビン支持体は挿込みおよび抜取りの
際前方のすべての固定範囲を超えて導かなければ
ならず、そのため連続的に回転運動を付加的にボ
ビン支持体へ導入しなければならない。

本発明の目的は前記チヤツクの欠点を避け、と
くにボビン支持体抜取りの際に必要な回転運動を
手によつてまたはまつたく行う必要なく、かつ良
好な固定作用が保証され、その際１方向の力によ
る固定および反対方向の力による解放を可能とす
るクランプ要素を使用するチヤツクを得ることで
ある。

この目的を解決するため本発明によりクランプ
要素は細長い形を有し、この要素はほぼチヤツク
の軸を含む平面にあつて旋回可能であるように心
金とスリーブの間の間隙へ挿入され、クランプ要
素は貫通孔から突出しうる端部（固定端部）およ
び心金に滑動可能に支持されるもう１つの端部
（摺動端部）を有し、クランプ要素の固定端部と
摺動端部を結合する滑り端縁は直接または突起を
介して半径方向の分力によつて滑り面を滑り、ク
ランプ要素へ２つの力が１つは摺動端部の範囲
で、他は滑り端縁の範囲で、軸平行の分力が互い
に反対の方向を向き、かつチヤツクの半径方向で
は互いに距離を有するように作用し、それゆえさ
らにこれらの力がクランプ要素へ、クランプ要素
が半径方向に立つように軸面で作用するトルクを
およぼす。

一般的形成によれば本発明のチヤツクはクラン
プ要素がその滑り端縁に配置された突起によつて
滑り端縁を滑り、滑り面は固定位置からクランプ
要素解放のため動くことができ、そのためクラン
プ要素の摺動端部へ作用する、駆動装置によつて
軸方向に押される摺動要素を備え、この摺動要素
自体ばね力によつてその固定位置へ押される。

本発明のもう１つの有利な実施例によれば特許
請求の範囲第１項の特徴1.4による解除端面は調
節可能の駆動装置によつて、摺動要素へ作用する
ばね力に抗してその解放位置へ押され、その際駆
動装置はニユーマチツクシリンダーリングピスト
ン装置によつて形成される。

とくにその際解除端面は心金とスリーブの間の
リング間隙を充てんするニユーマチツクリングピ
ストンの前面によつて形成される。チヤツクのこ
の実施例の特徴はさらに解除端面および摺動要素
がリングピストンに配置され、このピストンは１
体からなり、半径方向の空所を有し、空所の１つ
の仕切壁は摺動面を、反対側の仕切壁は解除端面
を形成することである。この場合もリングピスト
ンは摺動面の側ではばねの力によつてその固定位
置へ、解除端面の側では心金とスリーブの間のリ
ング室のニユーマチツク負荷によつてその解放位
置へ押される。

特許請求の範囲第１項記載の本発明によるチヤ
ツクの他の実施例によれば有利に滑り面はスリー
ブの貫通孔の１つの面によつて形成され、ここに
クランプ要素はその滑り端縁で接し、かつ摺動力
をおよぼす摺動要素がクランプ要素を固定方向に
旋回するため軸方向に動き、それによつてクラン
プ要素は貫通孔から突出する。この場合クランプ
要素の滑り端縁は有利に凸の弧状に形成される。
この実施例によるこのように形成されたチヤツク
は摺動端部がクランプ要素の旋回面で見て短軸状
に太くなつたクランプ要素を備え、クランプ要素
は固定心金の外周、スリーブの内周および摺動要
素の間でほとんど半径方向の遊びなしに摺動運動
を行うことができ、その際摺動要素はばね力によ
つて固定位置へ押される。

このクランプ要素はとくに滑り端縁の側に軸方
向に可動の解除端面に対応するノーズを有し、こ
の解除端面は心金とスリーブの間でチヤツク軸に
垂直の面に配置され、かつ解放のため駆動装置に
よつて摺動力に抗して軸方向に可動である。この
駆動装置はとくにニユーマチツクシリンダーリン
グピストン装置として形成される。解除端面はこ
の場合同時にシリンダーリングピストン装置のリ
ングピストンの前面を形成し、心金とスリーブの
間の間隙を充てんする。

本発明によるチヤツクはとくにリングピストン
および摺動要素が１体からなり、それぞれ１つの
クランプ要素のケージの端面仕切りを形成する場
合大きい利点が得られる。ケージは有利にばね力
によつてその固定位置へ、ニユーマチツクにその
解放位置へ押される。

本発明のチヤツクの利点は公知実施方式の欠点
を避け、とくにボビン支持体抜取りの際に必要な
回転を手によらずに行い、またはまつたく必要と
しないことにある。全体として良好な固定効果を
保証するチヤツクが得られ、その際１つの力によ
つて固定され、反対方向の力で解放される確実に
作用するクランプ要素が使用される。

次に本発明を図面により説明する。

第１図は本発明による心金の軸を含む断面図で
あり、心金の中央部のみが示される。機械架台に
心金１０３が回転可能に固定される。心金１０３
のスリーブ１０４の軸方向に互いに離れた多数の
位置にクランプ位置１０５が配置される。このク
ランプ位置１０５に糸材料１０７を巻取るボビン
スリーブ１０６が固定される。

クランプ位置１０５はそれぞれ１つの細長いク
ランプ要素１０８を有し、この要素はその摺動端
部１０８１で心金１０３に半径方向に支持され、
その他端すなわち固定端部１０８２はスリーブ１
０４の貫通孔１０９を半径方向に貫通または貫通
孔から突出することができる。スリーブ１０４は
心金１０３より大きい直径を有するので、固定心
金１０３とスリーブ１０４の間の間隙へクランプ
要素を挿入し、この要素はそこでチヤツクの軸を
含む平面内にあつて旋回することができる。

心金１０３とスリーブ１０４の間の間隙に配置
された、間隙内を滑動する摺動要素１１０により
矢１１１で示す摺動力がクランプ要素１０８の摺
動端部１０８２におよぼされ、クランプ要素１０
８の固定端部１０８２は貫通孔１０９から間隙へ
突出し、その際クランプ要素１０８の固定端部１
０８２と摺動端部１０８１を結合する滑り端縁は
スリーブ１０４に配置された滑り面を半径方向に
向く分力によつて滑る。したがつてクランプ要素
１０８へ２つの力すなわち１つは摺動端部１０８
１の範囲の力、他は矢１１２で示す滑り端縁の範
囲の力が作用する。これらの力の分力は軸と平行
に互いに反対方向に走り、チヤツクの半径方向に
互いに離れ、これらの力はさらにクランプ要素１
０８へ軸を含む面内で作用する１１３で示すトル
クをおよぼし、クランプ要素１０８は半径方向に
向き、スリーブ１０６をクランプする。クランプ
したクランプ要素１０８を解放するための要素は
第１図には解放力を示す矢１１４によつて示され
る。

第２図に示す本発明のもう１つの実施例によれ
ば心金２０３は機械架台１から突出する支持アー
ム２に支持体３を介して回転可能に固定される。
支持アーム２と心金２０３の間にはリング間隙４
が存在し、この間隙は半径方向に配置された多数
の結合通路４．１を介して分配通路４．２と結合
する。圧縮空気は供給通路４．４から絞り１１を
介して分配通路４．２へ流れる。７はリングピス
トン、８はｏ−リング、９はシリンダ室、１０は
皿ばねである。圧縮空気は孔５を介して環状室６
に入る。

この実施例の場合、第１図実施例と同様心金２
０３とスリーブ２０４によつて形成される間隙へ
クランプ位置２０５を形成するためクランプ要素
２０８が挿入される。第１実施例と同様クランプ
要素２０８の凸の弧状に形成された滑り端縁２０
８３に対する第２図の滑り面はスリーブ２０４の
貫通孔２０９の１つの面２０９１によつて形成さ
れる。摺動力をおよぼす摺動要素２１０によつて
クランプ要素２０８は固定のため軸方向に摺動さ
れるので、貫通孔２０９から突出する、摺動要素
２１０の固定位置へのこの軸方向運動はばね２１
５のばね力によつて行われる。クランプ要素２０
８の摺動端部２０８１を形成するこの要素の突起
状の膨らみによつて心金２０３の外周とスリーブ
２０４の内周の間の間隙内でのクランプ要素２０
８の旋回運動はほぼ半径方向の遊びなしに行われ
る。

クランプ要素２０８はその滑り端縁２０８３側
に軸方向に動く解除端面２１７１に対応して配置
されたノーズ２０８４を有する。この解除端面２
１７１は心金２０３とスリーブ２０４の間でチヤ
ツクの軸に対し垂直の面に配置され、解放のため
摺動要素２１０の摺動力に対抗して軸方向に駆動
装置によつて動かされる。駆動装置としてニユー
マチツクシリンダーリングピストン装置２１６が
使用される。心金２０３とスリーブ２０４の間の
間隙を充てんするリングピストン２１７の前面は
この場合解除端面を形成する。

リングピストン２１７と摺動要素２１０が１体
からなることによつて各クランプ要素２０８に対
して１つのケージが形成されるので、そのクラン
プ要素２０８に面する端面はケージ２１８の仕切
りを形成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるチヤツクの縦断面図、第
２図はもう１つの実施例の縦断面図である。 １……機械架台、２……支持アーム、１０３…
…心金、１０４……スリーブ、１０５……クラン
プ位置、１０６……ボビンスリーブ、１０８……
クランプ要素、１０９……貫通孔、１０８１……
摺動端部、１０８２……固定端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クランプ要素を半径方向に支持する心金およ
   びクランプ要素が半径方向に貫通するための貫通
   孔を有する直径が心金より大きい円筒またはスリ
   ーブからなる、巻取機にボビン支持体を固定する
   ためのチヤツクにおいて、 1.1 クランプ要素１０８，２０８が細長く形成
   され、この要素がチヤツクの一軸方向平面内に
   あつて旋回可能であるように心金１０３，２０
   ３とスリーブ１０４，２０４の間の中間室へ挿
   入され、 1.2 クランプ要素１０８，２０８が旋回に伴つ
   て貫通孔１０９，２０９から突出しうる固定端
   部および 1.3 心金に滑動可能に支持される摺動端部を有
   し、 1.4 クランプ要素１０８，２０８は、軸平行に
   可動でばね力を受けている１つの摺動要素１１
   ０，２１０の押圧端面を介して固定方向で外向
   きに押され、 1.5 心金１０３，２０３とスリーブ１０４，２
   ０４との間のシリンダ室６として構成されたリ
   ング室を充てんする１つのニユーマチツク式に
   可能なリングピストン２１７の前面がクランプ
   要素１０８，２０８のための解除端面をなして
   おり、リングピストン２１７はクランプ要素の
   解除方向で圧力空気で給圧可能であることを特
   徴とする巻取機にボビン支持体を固定するため
   のチヤツク。 ２ クランプ要素１０８，２０８の摺動端部へ作
   用する摺動要素１１０，２１０が、摺動要素へ作
   用するばね力に抗してその解放位置へリングピス
   トン２１７を介して押し動かされる特許請求の範
   囲第１項記載のチヤツク。 ３ 滑り面２０９１がスリーブ１０４，２０４の
   貫通孔１０９，２０９の１面によつて形成され貫
   通孔１０９，２０９の滑り面にクランプ要素１０
   ８，２０８がその滑り端縁で接し、摺動力をおよ
   ぼす摺動要素１１０，２１０がクランプ要素１０
   ８，２０８を固定方向へ旋回するため軸方向に可
   動であり、それによつてクランプ要素１０８，２
   ０８が貫通孔１０９，２０９から突出する特許請
   求の範囲第１項記載のチヤツク。 ４ クランプ要素２０８の滑り端縁２０８３が凸
   の弧状に形成されている特許請求の範囲第３項記
   載のチヤツク。 ５ クランプ要素２０８の摺動端部がクランプ要
   素２０８の旋回面で見て短軸状に太くなり、クラ
   ンプ要素２０８が心金２０３の外周、スリーブの
   内周および摺動要素２１０の間で半径方向の遊び
   のない旋回運動を行いうる特許請求の範囲第３項
   記載のチヤツク。 ６ クランプ要素２０８がその滑り端縁２０８３
   の側にノーズ２０８４を有し、このノーズに対応
   して軸方向に可動の解除端面２１７１が配置さ
   れ、この解除端面２１７１が解除のため駆動装置
   による摺動力に抗して軸方向に動く特許請求の範
   囲第３項記載のチヤツク。 ７ リングピストン２１７，２１７′と摺動要素
   ２１０が１体からなり、かつそれぞれのクランプ
   要素のケージ２１８の端面仕切りを形成する特許
   請求の範囲第２項記載のチヤツク。 ８ ケージ２１８がばね力によつてその固定位置
   へ、ヒユーマチツクにその解除位置へ押される特
   許請求の範囲第７項記載のチヤツク。