JPS6333605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、沈砂池に堆積した沈砂を吸い上げ搬
出する揚砂装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、沈砂池に堆積した沈砂を吸い上げるに
は、高圧水や圧力空気を必要とする一種のエゼク
ター方式、あるいは真空タンクと真空ポンプを組
み合わせる方式が代表的なものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これら従来方式では、何れも動
力効率が悪く、沈砂と共に吸い上げられたヘドロ
を分離することができず、排気の臭気対策を必要
とし、さらにエゼクター方式では動力上の問題か
ら吸込管径が小さく曲りもあることから閉塞しや
すく、真空タンクと真空ポンプの組み合わせ方式
では沈砂の吸い上げが連続的でなくバツチ方式で
あつた。

本考案は、このような欠点を解決し、何等特殊
な機器類を用いることなく、運転動力小で、沈砂
とヘドロの分離を可能にし、臭気対策の必要な
く、しかも連続的運転を可能にしようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、沈砂吸込管を分離槽に連結し、該分
離槽の底部を弁を介してその下方に設けられた沈
砂受槽に接続し、該沈砂受槽の底部を弁を介して
移送水管中に設けられた混合管に連結し、前記分
離槽の上部を分離水ポンプの吸込管に連結すると
共に分離水ポンプの吐出管を沈砂池に開口し、さ
らに前記分離槽上部を真空タンクを経て真空ポン
プの吸込側に連結したことを特徴とする揚砂装置
である。

〔実施例〕 本考案の一実施例を図面を参照しながら説明す
ると、１は沈砂池２内に吸込口が開口した沈砂吸
込管であつて、昇降可能にするとよく、その場合
図示例のように沈砂吸込管１の一部に伸縮継手３
等を設け、その下側にワイヤー、ロープなどを連
結し、ウインチによつて昇降可能にすることが好
ましく、液体サイクロン式の分離槽４に連結され
ている。分離槽４の底部は、弁５を介してその下
方に設けられた沈砂受槽６に接続され、沈砂受槽
６の上下には好ましくは沈砂検知器７，８を設け
る。さらに、沈砂受槽６の底部は弁９を介して移
送水管、好ましくは沈砂池２内の水を吸い込む吸
込管１０をもつた移送ポンプ１１の吐出側の移送
水管１２中に設けられた混合管１３に連なり、沈
砂受槽６からの沈砂が移送ポンプ１１から移送水
管１２を移送される水に吸い込まれ混合されて移
送されるようになつている。１４は移送ポンプ１
１と混合管１３間に設けられた弁である。

また、分離槽４の頂部には、分離水管１５が連
結され、流量計１６を介して分離水ポンプ１７の
吸込側に連なり、分離水ポンプ１７の吐出側は弁
１８を介して沈砂池２内に開口する分離水排出管
１９が連なつている。また、分離水管１５の頂部
には、弁２０を介して吸気管２１が連結され、吸
気管２１は真空スイツチ２２をもつた真空タンク
２３を介して真空ポンプ２４の吸込側に連なり、
真空ポンプ２４の吐出側は補給水槽２５に連なつ
ている。

図中、２６は補給水槽２５頂部の排気管、２７
は沈砂池２底部の沈砂ピツトを示す。

次にその作用を説明する。

まず、沈砂吸込管１の少なくとも下方を引き上
げて、その吸込口を沈砂の中から出して所定の高
さ（沈砂面に吸込口が接近しない高さ）に設定し
たのち、弁５を開、弁９を閉、弁１８及び弁２０
を開とする。次いで真空ポンプ２４を始動し、沈
砂吸込管１、分離水管１５、分離槽４及び沈砂受
槽６内の空気を排出すると、空気の排出にしたが
つて沈砂吸込管１又は分離水管１５から沈砂池２
内の水が吸い上げられ、真空スイツチ２２により
真空タンク２３内の満水を検知するとき、当該系
統は水で充満され、同時に弁２０を閉じ真空ポン
プ２４を停止する。

次に、分離水ポンプ１７を始動すると共に沈砂
吸込管１の吸込口を沈砂ピツト２７の沈砂面に近
づけると、水流により沈砂が巻き上げられ、沈砂
は水と共に沈砂吸込管１に吸い込まれる。沈砂吸
込管１に吸い込まれた水と沈砂は、分離槽４に送
り込まれ、ここで沈砂は水と分離されて沈降し、
その下方の沈砂受槽６に流れ込み、分離された水
は分離水管１５から分離水排出管１９を経て沈砂
池２に戻される。この場合、沈砂ピツト２７には
ヘドロも同時に沈殿しており、沈砂を吸い上げる
時同時にヘドロも吸い上げられるが、分離槽４の
適切な設計により容易に分離でき、ヘドロは沈砂
池２へ戻される。なお、この時の沈砂吸込管１の
吸込口の高さ位置は、分離水管１５中の流量計１
６の水量の変動に応じて、吸込口高さを上下に移
動して適正な高さに設定する。

かかる運転を継続し、沈砂が沈砂受槽６内に或
るレベルまで蓄積されると、沈砂検知器７によつ
てそれを検知し分離水ポンプ１７を停止させ、沈
砂吸込管１を運転開始前の高さに引き上げ設定
し、分離水ポンプ１７の停止から僅少時間後に弁
５を閉じる。弁５が全開になると、再び分離水ポ
ンプ１７を始動すると同時に沈砂吸込管１を下げ
て吸込口を沈砂面に近づけ、再び沈砂の吸い込み
を開始し、吸い込まれた水と沈砂は弁５が閉じて
いるので分離槽４内に貯められる。

また、弁５が全閉すると、移送ポンプ１１を始
動し、弁１４を開いて吸込管１０から沈砂池２内
の水を移送用水として圧送する。移送用水が圧送
されると、弁９を開き、沈砂受槽６内の沈砂を混
合管１３に落し込み、移送用水と混合して移送水
管１２を通して、通常の沈砂洗浄装置等に移送す
る。沈砂の移送が進み、沈砂受槽６内に沈砂が無
くなると、沈砂検知器８で検知し、弁９を閉じ、
次に弁１４を閉じて移送ポンプ１１を停止する。
また、弁９が全閉後、弁５を開いて分離槽４にそ
れまで貯められていた沈砂を沈砂受槽６に移す。

以後、再び沈砂が分離槽４を経て沈砂受槽６内
に或るレベルまで蓄積されると、前記のように分
離槽４との連通を遮断し、沈砂受槽６内の沈砂の
移送用水による移送が繰り返される。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、水は沈砂と
共に吸い上げられ、沈砂池内に戻る配管となつて
おり、一種のサイフオン構造となつているため、
この系の移送抵抗のみの動力でよく、沈砂受槽か
らの沈砂の移送動力も通常の動力と変わらず、全
体の運転動力は小さく、ポンプは沈砂との接触が
ないので通常のポンプ構造、材質で良く、沈砂と
ヘドロの分離を可能にしてヘドロを沈砂池内に戻
し、連続的な沈砂の吸い上げを可能にし、さらに
開放部分がないので系からの臭気の発生がない
等、極めて有用なる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す構成説明図であ
る。 １……沈砂吸込管、２……沈砂池、３……伸縮
継手、４……分離槽、５，９，１４，１８，２０
……弁、６……沈砂受槽、７，８……沈砂検知
器、１０……吸込管、１１……移送ポンプ、１２
……移送水管、１３……混合管、１５……分離水
管、１６……計量計、１７……分離水ポンプ、１
９……分離水排出管、２１……吸気管、２２……
真空スイツチ、２３……真空タンク、２４……真
空ポンプ、２５……補給水槽、２６……排気管、
２７……沈砂ピツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 沈砂吸込管を分離槽に連結し、該分離槽の底
   部を弁を介してその下方に設けられた沈砂受槽
   に接続し、該沈砂受槽の底部を弁を介して移送
   水管中に設けられた混合管に連結し、前記分離
   槽の上部を分離水ポンプの吸込管に連結すると
   共に分離水ポンプの吐出管を沈砂池に開口し、
   さらに前記分離槽上部を真空タンクを経て真空
   ポンプの吸込側に連結したことを特徴とする揚
   砂装置。 ２ 前記沈砂吸込管を昇降可能に配備したもので
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の揚砂
   装置。 ３ 前記沈砂吸込管の一部を伸縮可能とし、その
   下側を昇降可能としたものである実用新案登録
   請求の範囲第２項記載の揚砂装置。 ４ 前記沈砂受槽に沈砂検知器を設けたものであ
   る実用新案登録請求の範囲第１〜３項のいずれ
   か一つの項記載の揚砂装置。 ５ 前記移送水管の吸込側を前記沈砂池に開口し
   たものである実用新案登録請求の範囲第１〜４
   項のいずれか一つの項記載の揚砂装置。