JPS6333313B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レーザ装置に関するものであり、特
にがん丈な耐振動レーザに関するものである。

レーザは多くの用途で用いられ、状況によつて
はかなりの振動を受けることがある。レーザ空胴
共振器を構成する光学的構成要素の配列を高精度
に維持することが必要なことが多く、これは、振
動があると問題を生ずる。多くの場合、振動に耐
えるだけのがん丈さのある構造は、かさ張つて重
過ぎるので使い難い可能性がある。これは特に寸
法と重量が重要である状況、例えば飛行機の中で
当てはまる。

レーザ空胴共振器によつて作られる光路の長さ
は、レーザ出力の特性を決める１つの要因であ
り、利用できる空間よりずつと長い空胴共振器を
設けることが必要なことが多い。この問題は、各
種の鏡やプリズムを用いて光路を折り返しにする
ことによつて克服される。ほとんどの場合、これ
らもまた、正確に位置決めされなければならな
い。これに対する１つの例外は、コーナキユーブ
（cornercube）というプリズムを用いるときに生
ずるが、それは入出力の光軸のそれぞれの方向が
コーナキユーブのわずかな動きによつて影響を受
けないからである。しかし、この利点は、例えば
直角プリズムと比較すると、コーナキユーブの寸
法と重量が可成り大きいので相殺される。２回以
上の折り返しが必要な場合は、問題はさらにきび
しくなる可能性がある。

本発明によれば、１対の直角端プリズムと、１
つのコーナキユーブと１つの折返しプリズムが一
方の端プリズムから他方の端プリズムへ通る光束
がコーナキユーブプリズムを１回通り、折返しプ
リズムを２回通る二重折返し光空胴共振器を作る
ように配置され、前記直角プリズムがそれらの頂
点線をレーザ装置の光軸に直角に配置され、１つ
のレーザ活性媒体が光空胴共振器内に置かれ、レ
ーザ光線を発生するために前記活性媒体を励起す
る機構が設けられ、さらに光束分割偏光子が前記
光空胴共振器内に置かれて、出力光束を作るため
に光線の一部を光空胴共振器からそらすように配
置されているレーザ装置が提供される。

また、本発明によれば、コーナキユーブプリズ
ムと折返しプリズムは、折返しプリズムに入出す
る光路が２つの平行平面内にあるように配置され
てもよい。

次に本発明を添付図面を参照して説明する。

第１図を参照すると、これは、本発明による簡
単な二重折返しレーザ装置を示している。レーザ
装置の光空胴共振器は、１対の直角端プリズムＰ
１およびＰ２によつて定められ、各プリズムは、
その頂点線をレーザ装置の光軸に垂直に配置され
ている。前記２つのプリズムによつて定められた
光空胴共振器内には、直角プリズムの形をした１
つの折返しプリズムFPとコーナキユーブプリズ
ムCPがある。２つのプリズムFPおよびCPの位
置と配列は、端プリズムＰ１から反射する光線が
折返しプリズムFPを通つてコーナキユーブプリ
ズムCPに行き、折返しプリズムFPを逆に通つ
て、もう１つの端プリズムＰ２に至すようになつ
ている。レーザ活性媒質は、せん光管FTからの
光によつて励起されるNd：YAGなどの材料の棒
Ｒであるものとして示されており、パルス状また
は連続の放射を行なうことができる。活性媒質
は、光路の４つの区間の中のどれに置いてもよ
い。端プリズムＰ１およびＰ２が全反射性である
から、レーザ出力光束LOを作るために光束分割
偏光子BSを光空胴共振器内に入れなければなら
ない。偏光子BSは、例えばニコルプリズムであ
つてもよい。

この装置の動作は次の通りである。すなわち、
レーザ棒Ｒから出る光線の偏光に関係なく、折返
しプリズムFPまたはコーナキユーブプリズムCP
のどちらかによる全内部反射の効果は、偏光光線
の２つの成分が異なる移相をした楕円偏光を作る
ことである。各全内部反射は、２つの成分の異な
る追加の移相を生ずる。従つて、折返しプリズム
FPから偏光子BSに達する光線は、楕円偏光をし
ていることになる。光束分割器は、その通過面が
楕円偏光光線の２つの成分の一方の偏光面と一致
するように配置され、この成分が光束分割器を通
つて端プリズムＰ２に至る。楕円偏光光線の他方
の成分は、光束分割器BSの通過面に垂直な偏光
面を持つており、光空胴共振器から反射されて外
へ出て出力光束LOになる。

上述のレーザ装置は、各プリズムが比較的がつ
ちりしているので非常にがん丈であり、プリズム
のわずかな動きにかなり鈍感である。光路の４つ
の区間を含む平面は、折返しプリズムFPの「逆
行反射（反射光が入射光と平行になつている反
射）面」と呼ばれ、この面に垂直な軸RAの周り
のわずかな回転は光路の４つの区間の方向に何ら
影響を与えないのがこの種のプリズムの特性であ
る。同様に、これらの区間の１つに平行な軸の周
りの折返しプリズムの回転は、この動きが十分小
さくて反射が図示のプリズムの矩形面に起る限
り、影響はない。逆行反射面と光路の４つの区間
の軸とに垂直な平面は、折返しプリズムの「鏡」
面といわれている。この平面内の折返しプリズム
の回転は、光路の軸の方向を変化させるであろ
う。しかし、コーナキユーブプリズムCPは、そ
のような回転に全く影響されず、光線が折返しプ
リズムを２回通過するので、レーザ出力光束LO
の方向は変らない。従つて、上に規定したように
折返しプリズムとコーナキユーブプリズムとを組
合せることによつてレーザ装置をこれら２つのプ
リズムの動きに鈍感にする。同様に、全内部反射
によつて動作する端プリズムＰ１およびＰ２もわ
ずかなミスアラインメントに比較的鈍感である。

第２図は、第１図の装置に２つの改造を施して
いる第２の実施例を示している。これらの改造
は、単一でも一緒にしても用いることができる。
第１図のせん光管FT付レーザ棒Ｒは、ブルース
タ角度の端窓のある管LTの中に入つている放電
励起の気体活性媒質によつて置替えられている。
この型式の管は、連続出力を得るために用いられ
る。光空胴共振器はまた、レーザ出力LOのオン
オフを行うのに用いうるＱスイツチ装置QSを備
えている。レーザ出力を得るために用いられる偏
光効果のために、Ｑスイツチ装置の速遅軸は、で
きればその速軸を２つの端プリズムの１つの頂点
線に平行にして正しく配列されるべきである。

第３の実施例が第３図に示されており、それに
はレーザ活性媒質がAMに略図で示されている。
この実施例では、コーナキユーブプリズムCPは、
折返しプリズムFPによつて導入される折返しの
平面に直角な平面内に折返しを導入するように用
いられ、その結果、同じ特性をもつ２つの逆行反
射面を作る。この構成の利点の１つは、プリズム
材料内の光路長、従つて減衰が小さくなることで
ある。なお、折返しプリズムの高さが増すかもし
れないが、それはまた頭を切つてもよいので、レ
ーザ装置の全長を小さくする結果になる。

すでに述べたように、説明した改造形のどの１
つまたは２つ以上をも第１図の基本的構成に適用
できる。レーザ技術において周知の他の改造形も
適用できる。

光束分割器BSの通過面と楕円偏光光線の２つ
の成分の偏光面との関係を変えるように２つの端
プリズムを回転することによつてレーザ装置の出
力を変えることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、第１の実施例によるレーザ装置の略
線図、第２図は第２の実施例の同様な図、そして
第３図は第３の実施例の同様な図である。 Ｐ１，Ｐ２……直角端プリズム、FP……折返
しプリズム、CP……コーナキユーブプリズム、
FT……せん光管、Ｒ……レーザ棒、BS……光束
分割器、QS……Ｑスイツチ、LO……レーザ出
力。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対の直角端プリズムと１つのコーナキユー
   ブプリズムと１つの折返しプリズムとが、一方の
   端プリズムから他方の端プリズムへ通る光束がコ
   ーナキユーブプリズムを１回通り、折返しプリズ
   ムを２回通る二重折返し光空胴共振器を作るよう
   に配置され、前記直角端プリズムがそれらの頂点
   線をレーザ装置の光軸に直角に配置され、１つの
   レーザ活性媒質が光空胴共振器内に置かれてお
   り、レーザ光線を発生するために前記活性媒質を
   励起する機構が設けられ、さらに光束分割偏光子
   が前記光空胴共振器内に置かれて、出力光束を作
   るために光線の一部を光空胴共振器からそらすよ
   うに配置されているレーザ装置。 ２ 前記折返しプリズムに入出するすべての光路
   が１つの共通平面内にある特許請求の範囲第１項
   に記載のレーザ装置。 ３ 前記折返しプリズムに入出する光路が２つの
   平行平面内にある特許請求の範囲第１項に記載の
   レーザ装置。 ４ 前記光空胴共振器がＱスイツチ装置を含む特
   許請求の範囲第１項または第２項に記載のレーザ
   装置。 ５ 前記レーザ活性媒質が固体媒質であり、その
   媒質を励起する機構が放電管である特許請求の範
   囲第１項ないし第４項のいずれか１つに記載のレ
   ーザ装置。 ６ 前記レーザ活性媒質が気体媒質であり、その
   媒質を励起する機構がその媒質を通る気体放電で
   ある特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ
   か１つに記載のレーザ装置。