JPS6333216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、折畳式カメラのレンズボード支持
機構の改良に関するものである。

従来、カメラ本体の前面に枢着した前蓋の先端
部に、撮影レンズやシヤツター機構等を内蔵した
レンズボードを支持すると共に、該レンズボード
とカメラ本体とを折畳み鏡胴で連結して、前蓋の
開放時、レンズボードをカメラ本体前方の撮影位
置に定位させるようにした折畳式カメラは良く知
られている。

ところで、上記のような折畳式カメラでは、普
通は皮革または合成皮革、樹脂成型またはゴム製
の折畳み鏡胴を採用しているから、外見上、異質
かつ弱そうな印象を与えると共に、実際上でも誤
つて傷つけたり、折りぐせを損なつたりすること
が多かつた。また、前蓋の開放時、前蓋の先端部
とカメラ本体側とを支持部材で連結して、レンズ
ボードを撮影位置に定位させるレンズボード支持
機構が採用されているが、カメラ本体に対して、
前蓋とレンズボード支持機構を別々に組付ける構
成であつたから、その構造や組立作業が複雑化す
るばかりでなく、レンズボードの撮影位置定位精
度が出しにくいという問題があつた。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、レンズボードの支持機構を兼ねる広幅
の支持部材により、前蓋に連続して折畳み鏡胴の
側方をカバーし、折畳み鏡胴を保護すると共に、
鏡胴部分に堅牢かつメタリツクな印象を与えるよ
うにする一方、露光枠開口を形成するフレーム部
材により、前蓋と上記支持部材とを支持してレン
ズボード支持機構をユニツト化し、構造を簡単に
すると共に、組立精度が向上するように工夫した
ものである。

以下、この考案の一実施例を添付図面に従つて
詳細に説明する。

第１図に示すように、折畳式自己処理型カメラ
は、大略四角箱状のカメラ本体１を備え、該カメ
ラ本体１の前面筒部１ａ内の上部に後述のフレー
ム部材で、箱状の前蓋２の後端部をヒンジ軸３，
３（第２図参照）によりヒンジ止めすると共に、
該前蓋２の先端部には、撮影レンズ４やシヤツタ
ー機構（図示せず。）等を内蔵したレンズボード
５を一体的に支持する一方、該レンズボード５の
背面とカメラ本体１内の露光枠開口とを、光軸方
向に折畳み可能な折畳み鏡胴６で光密に連結して
いる。

従つて、図示の如く前蓋２を開いてレンズボー
ド５をカメラ本体１前方の撮影位置に定位させた
状態で、カメラ本体１のフアインダ８を覗き、シ
ヤツターボタン９を押下げると、カメラ本体１内
に装填したフイルムパツク１０（第２図参照）内
の拡散転写写真処理可能なフイルムユニツトに画
像的露光が与えられ、該フイルムユニツトは加圧
処理されながらカメラ本体１上面に開設したフイ
ルムユニツト取出口１１から外部へ送り出される
ようになつている。

そして、携帯時には、第５図に示すように、展
張された折畳み鏡胴６を平面的に折畳みながら前
蓋２を閉じると、レンズボード５はカメラ本体１
の筒部１ａ内に格納されるようになる。

一方、上記カメラ本体１内のフイルムパツク１
０の前方には、第３図に示すように、露光枠開口
１２を形成する四角枠状のフレーム部１３の両側
に、カメラ本体１の前面方向へ平行に立上つた一
対の支持基板部１４，１４を設けたフレーム部材
１５を固定する。そして、該一対の支持基板部１
４，１４の夫々の上端部に、上記前蓋２の後端部
をヒンジ軸３，３で揺動自在にヒンジ止めする。

つぎに、前蓋２の側面２ａ，２ａに連続して、
折畳み鏡胴６の側方をカバー可能な広幅の一対の
支持部材１６，１６を設け、該一対の支持部材１
６，１６の夫々の先端部を、前蓋２の先端側両内
側面の夫々にヒンジ軸１７，１７で揺動自在にヒ
ンジ止めする。

該一対の支持部材１６，１６の夫々の後端部に
ガイドピン１８，１８を設ける一方、上記一対の
支持基板部１４，１４の夫々には、該一対の支持
基板部１４，１４の夫々の下端部から上記夫々の
上端側に至るほぼ垂直方向のガイドカム溝１９，
１９を設け、該ガイドカム溝１９，１９に内側か
ら上記一対の支持部材１６，１６のガイドピン１
８，１８を夫々嵌合する。

而して、上記フレーム部材１５に対して、前蓋
２と支持部材１６，１６とを支持して、ユニツト
化されたトラス構造の強固なレンズボード支持機
構が構成されることになる。

上記のように構成した折畳式カメラにおいて、
今、第２図の撮影状態では、開かれた前蓋２と、
夫々のガイドカム溝１９，１９の屈曲端部１９
ａ，１９ａで保持される一対の支持部材１６，１
６とにより、レンズボード５がカメラ本体１前方
の撮影位置に定位されると共に、展張された折畳
み鏡胴６の両側方は、前蓋２の側面２ａ，２ａと
一対の支持部材１６，１６とで全面的にカバーさ
れ、折畳み鏡胴６を保護する一方、携帯時には、
一対の支持部材１６，１６を反時針回りに僅かに
揺動してガイドカムピン１８，１８をガイドカム
溝１９，１９の屈曲端部１９ａ，１９ａから外
し、前蓋２を閉じてゆくと、折畳み鏡胴６が光軸
方向に折畳まれると共に、一対の支持部材１６，
１６がガイドピン１８，１８によりガイドカム溝
１９，１９に沿つて反時針回りに揺動しながら、
第５図のように、一対の支持基板部１４，１４に
沿つてカメラ本体１内に格納されるようになる。

上記の折畳み操作に際し、第６図に示すよう
に、折畳み揺動終期の上記支持部材１６に当接し
て揺動し、シヤツターボタン９をロツクするロツ
クレバー２０を設ければ、携帯時に誤つてシヤツ
ターボタン９をレリーズしてしまうという事故が
防止できる。

また、前蓋２の開放時、支持部材１６が撮影位
置に完全にロツクされない限り、シヤツターレリ
ーズを不可能とする安全装置を設けることができ
る。

さらに、前蓋２あるいは支持部材１６を導電性
材料で構成するか、支持部材１６に沿つて配線
し、カメラ本体１とレンズボード５とを電気的に
接続するようにし、支持部材１６が撮影位置に在
る時のみカメラ本体１側のシヤツターボタン９と
レンズボード５側のシヤツター機構が電気的に接
続されるようにしてもよい。

こうすれば、フラツシユ等のシンクロが容易に
行える一方、上述した如く、支持部材１６が撮影
位置に完全にロツクされない場合には、フアイン
ダ内に警告ランプ表示を行うことが可能となる。

以上の説明からも明らかなように、この考案
は、前蓋とともにレンズボードの支持機構を構成
し、かつ折畳み鏡胴側方のカバーを兼ねる広幅の
一対の支持部材を設けたから、折畳み鏡胴の側面
を全面的にカバーすることができ、折畳式カメラ
でありながら堅牢かつメタリツクな印象を与える
ことができる。

また、フレーム部材と前蓋と支持部材とで強固
なトラス構造のレンズボード支持機構を構成し、
これらはユニツト化されるから、構造を簡単化す
ることができ、組立精度も一度と向上するように
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る折畳式自己処理型カメ
ラの斜視図、第２図は撮影時のレンズボード支持
機構の側面図、第３図は第２図の要部斜視図、第
４図は第２図の平面図、第５図は折畳時のレンズ
ボード支持機構の側面図、第６図は支持部材に連
続するシヤツターロツク機構の正面図である。 １……カメラ本体、２……前蓋、２ａ，２ａ…
…側面、３……ヒンジ軸、４……撮影レンズ、５
……レンズボード、６……折畳み鏡胴、１２……
露光枠開口、１３……フレーム部、１４，１４…
…一対の支持基板部、１５……フレーム部材、１
６，１６……一対の支持部材、１７……ヒンジ
軸、１８……ガイドピン、１９……ガイドカム
溝、１９ａ……屈曲端部、２０……ロツクレバ
ー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カメラ本体の前面側に枢着した前蓋の先端部
   に、撮影レンズやシヤツター機構等を内蔵したレ
   ンズボードを支持すると共に、該レンズボードと
   カメラ本体とを折畳み鏡胴で連結して、前蓋の開
   放時、レンズボードをカメラ本体前方の撮影位置
   に定位させるようにした折畳式カメラにおいて、 上記前蓋は断面略コ字状に形成され、該前蓋の
   先端部の内面及び両側内面に上記レンズボードの
   外面及び両側面が一体的に固定され、該前蓋の両
   側面で上記折畳み鏡胴の側面がカバーされてい
   て、上記カメラ本体の前面内部には、露光枠開口
   を形成するフレーム部の両側からカメラ本体の前
   面方向へ立上がつた一対の支持基板部を有するフ
   レーム部材が設けられ、該一対の支持基板部の
   夫々の一端部に、上記前蓋の後端部が揺動自在に
   枢着される一方、該前蓋の両側面下方に露出する
   上記折畳み鏡胴をカバー可能に広幅な一対の支持
   部材が設けられ、上記前蓋の先端側両内側面の
   夫々に、該一対の支持部材の夫々の先端部が揺動
   自在に枢着されると共に、該一対の支持部材の
   夫々の後端部に設けられたガイドピンを、上記一
   対の支持基板部の夫々の他端部から上記夫々の一
   端部側に至るように設けられたガイドカム溝に嵌
   合して、前蓋の開放時、夫々のガイドカム溝の屈
   曲端部で保持される一対の支持部材と前蓋とで、
   折畳み鏡胴の両側面をカバーしつつレンズボード
   を撮影位置に定位させると共に、前蓋の閉止時、
   一対の支持部材を夫々のガイドカム溝に沿つて、
   上記夫々の一端部側に揺動させながら前蓋の側面
   とフレーム部材の支持基板部との間に重畳される
   ように格納するようにしたことを特徴とする折畳
   式カメラのレンズボード支持機構。