JPH0529470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は撮影機能を備えたユニツト本体に予め
フイルムを内蔵させたレンズ付きフイルムユニツ
トに関するものである。

〔従来の技術〕

カメラを所持していなくても気軽に写真撮影を
楽しむことができるように、簡易型のシヤツタや
フイルム巻き上げ機構を内蔵したユニツト本体に
フイルムを組みこんだレンズ付きフイルムユニツ
ト（商品名「写ルンです」）が本出願人により提
供されている。ユーザーはこのレンズ付きフイル
ムユニツトを購入するだけで写真撮影を楽しむこ
とができ、使用後にはレンズ付きフイルムユニツ
トごと現像取扱店に提出すればよく、フイルムの
装填・取り出し等の面倒な操作は一切不要になつ
ている。

現像所では回収されたレンズ付きフイルムユニ
ツトを分解して撮影済みのフイルムを取り出すた
め、ユニツト本体は再使用されることはない。し
かだつて、ユニツト本体のコストはできるだけ低
く抑えることが好ましく、このため撮影レンズに
はプラスチツク成形による単レンズが利用されて
いる。

ところで、これまでのレンズ付きフイルムユニ
ツトにおいては、コストアツプを避けるためにフ
アインダにはレンズが用いられておらず、単に接
眼側開口から対物側開口を通して被写体を観察す
るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、レンズを使用せずに開口だけで
フアインダを構成した場合には対物側開口が大き
くなり、この対物側開口を設けるためにユニツト
本体が大型化するという欠点がある。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、フアインダにレンズを用いながら、コスト的
な負担をほとんど生じることのないレンズ付きフ
イルムユニツトを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、プラスチ
ツク成形によつて作製される撮影レンズにフアイ
ンダ対物レンズをも一体に成形し、これらを一部
品として取り扱うことができるようにしたもので
ある。

〔作用〕

以上のように、フアインダ対物レンズを撮影レ
ンズと一体成形してこれらを１部品とすることに
よつて、フアインダ対物レンズの組み込みは撮影
レンズの組み込みと同時に行われ、フアインダ対
物レンズを用いながらその組み込み作業を煩雑に
することがない。

〔実施例〕

本考案を用いたレンズ付きフイルムユニツトの
外観を示す第３図において、ユニツト本体１は本
体基部２と、その前面及び上面をカバーする前カ
バー３と、本体基部２の背面及び底面をカバーす
る裏蓋４とからなり、これらの各々は不透明なプ
ラスチツク材で成形により作製されている。前カ
バー３の前面には撮影レンズ５を露呈させるため
の開口３ａとフアインダ開口３ｂとが形成されて
いる。撮影レンズ５は、第４図に示したように、
フアインダ対物レンズ６と接合部分７とともに透
明なプラスチツクで一体成形して作製されてい
る。

前カバー３の裏面には、撮影レンズ５とフアイ
ンダ対物レンズ６との一体成形のために生じた接
合部分７をはめ込むための平らな凹部３ｆが形成
されている（第２図参照）。また、前カバー３の
上面にはシヤツタボタン８、カウンタ表示板９を
露呈させるための開口３ｄ，３ｅが形成されてい
る。なお、このユニツト本体１は、例えば紙製の
外装箱で包装したまま使用され、このため外装箱
には前記開口３ａ、フアインダ開口３ｂ、さらに
シヤツタボタン８等が使用できるように所要部に
開口が形成される。

ユニツト本体１の組み立て途中の状態を表す第
１図に示したように、本体基部２には国際標準規
格（ISO 1007−1979年版）で規定された135フイ
ルム１０及びパトローネ１１が予め組み込まれ
る。このため、本体基部２には露光枠１２（第２
図参照）を挟むようにパトローネ室１３とフイル
ムロール室１４とが設けられている。このパトロ
ーネ室１３にはパトローネ１１が装填され、フイ
ルムロール室１４にはパトローネ１１から引き出
されてロール状に巻かれた未露光のフイルムロー
ル１０ａが装填される。パトローネ室１３の上部
にはフイルム巻き上げ用のノブ１５が設けられ、
パトローネ室１３にパトローネ１１を軸方向に装
填したときに前記ノブ１５に一体に設けられたフ
オークがパトローネ１１の巻軸１６に係合する。

本体基部２の前面にはレンズボード１７が取り
付けられている。レンズボード１７の中央部には
絞り開口１８と、これを取り巻くように設けられ
たスリーブ１９とが形成されている。スリーブ１
９とレンズボード１７の一部には平坦な切欠部１
７ａが形成されており、この切欠部１７ａに撮影
レンズ５とフアインダ対物レンズ６とを連結して
いる接合部分７が組み込まれる。すなわち、スリ
ーブ１９内に撮影レンズ５を組み込むときに、レ
ンズボード１７の切欠部１７ａと接合部７との嵌
合によつて、フアインダ対物レンズ６の位置決め
が行われる。こうしてレンズボード１７に撮影レ
ンズ５を組み込んだ後、本体基部２に前カバー３
を取り付けると、接合部７は前カバー３の内面に
形成された凹部３ｆとレンズボード１７との間に
保持されるようになる。なお、前カバー３の底面
に一体に設けられた係合部２２は本体基部２の底
面に形成された凹部２３に嵌合して、前カバー３
は本体基部２と一体化される。

裏蓋４の内面にはフイルム支持面２４が形成さ
れているとともに、フアインダ眼部用の開口２５
及び巻き上げ用のノブ１５を部分的に露出させる
ための開口２６とが設けられている。フアインダ
接眼用の開口２５には、やはりプラスチツク成形
によつて作製されたフアインダ接眼レンズ２１が
嵌め込まれる。この裏蓋４を本体基部２に取り付
けることによつて、露光枠１２、パトローネ室１
３、フイルムロール室１４の各部は遮光状態とな
る。また、フアインダ対物レンズ６とフアインダ
接眼レンズ２１とが整列され、フアインダ光学系
（例えば逆ガリレオフアインダ）が構成される。
なお、パトローネ室１３の底面を覆う裏蓋４の一
部４ａは、プルトツプ式に開放することができる
ようになつており、現像所に回収された使用済み
のレンズ付きフイルムユニツトから、パトローネ
１１を簡単な操作で取り出すことができる。

レンズ付きフイルムユニツトの要部断面を示す
第２図において、購入時点ではフイルムロール室
１４にはパトローネ１１から引き出された全ての
フイルム１０がフイルムロール１０ａとして収納
されている。シヤツタボタン８を押すことによつ
て、撮影レンズ５の背後に設けられたシヤツタ２
７が開閉し、露光枠１２に位置しているフイルム
１０に露光が行われる。シヤツタ２７の作動によ
つて周知の巻止め機構がロツク解除され、ノブ１
５の回動操作が許容されるようになる。ノブ１５
を回動すると巻軸１６が反時計方向に回動するか
ら、これにより撮影済みのフイルム１０はパトロ
ーネ１１内に巻き込まれるようになる。

本体基部２にはフイルムパーフオレーシヨンに
係合して従動回転するスプロケツト（図示省略）
が設けられており、ノブ１５の回動によりフイル
ム１０がパトローネ１１側に１コマ分送られる
と、スプロケツトの回動に連動する周知のセルフ
コツキング機構によりシヤツタチヤージが行われ
るとともに、カウンタ表示板９が歩進してノブ１
５の回動がロツクされる。これにより、次のコマ
のフイルム１０が露光枠１２に位置決めされ、次
回の撮影準備が完了する。

以上の操作を繰り返すことによつて、撮影済み
のフイルム１０は順次パトローネ１１に巻き込ま
れてゆく。そして、最終コマに撮影を行つてノブ
１５を回動すると、フイルム１０は終端部までパ
トローネ１１に巻き込まれることになる。こうし
て使用済みとなつたレンズ付きフイルムユニツト
は、そのまま現像所に回収される。撮影済みのフ
イルム１０は、全て遮光性のパトローネ１１に巻
き込まれているから、現像所では明室で裏蓋４の
一部４ａを開放してパトローネ１１をユニツト本
体１から取り出すことができ、以後は従来通りの
現像処理手順でプリント写真を得ることが可能で
ある。

以上、図示した実施例においては接合部７を前
カバー３とレンズボード１７で挟み込むような構
成としたが、接合部７を前カバー３の内面に接着
して撮影レンズ５、フアインダ対物レンズ６を固
定することも可能である。たま、本考案はレンズ
付きフイルムユニツトへの応用として説明した
が、簡易型のローコストなカメラの撮影レンズ、
フアインダ対物レンズとしても利用できることは
いうまでもない。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のレンズ付きフ
イルムユニツトによれば、プラスチツク成形によ
つて撮影レンズとフアインダ対物レンズを一体成
形するので取り付け部品数も増すことがないか
ら、製造工程を複雑化させることなくレンズ付き
フイルムユニツトにフアインダ対物レンズを組み
込むことができる。そして、フアインダ対物レン
ズによつてフアインダ開口枠を小さくできるの
で、ユニツト本体をコンパクト化することが可能
となり、デザイン的にも好ましい印象を与えるレ
ンズ付きフイルムユニツトが得られるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図で
ある。第２図は本考案に係るレンズ付きフイルム
ユニツトの要部断面図である。第３図は本考案に
係るレンズ付きフイルムユニツトの外観図であ
る。第４図は本考案に係るレンズ付きフイルムユ
ニツトの撮影レンズとフアインダ対物レンズを一
体成形したものの垂直方向の断面図である。 １……ユニツト本体、２……本体基部、３……
前カバー、３ｂ……フアインダ開口、５……撮影
レンズ、６……フアインダ対物レンズ、７……接
合部、１１……パトローネ、１４……フイルムロ
ール室、１８……絞り開口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 撮影レンズ、フアインダ対物レンズ及びシヤツ
   タ等の撮影機構を備えたレンズ付きフイルムユニ
   ツトにおいて、 前記撮影レンズとフアインダ対物レンズを一体
   的にプラスチツク成形したことを特徴とするレン
   ズ付きフイルムユニツト。