JPS633285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のウインドに仮設して使用する
防虫網に関するものである。

近時モータリゼーシヨンの発達に伴ない自動車
を利用して遠方へ出かけることが頻繁に行なわれ
るようになり、たとえば魚釣り、キヤンプなどに
利用することが多い。そのため自動車をそのまま
使用して車内で仮眠することが多く、夏季など気
温が高い季節ではガラス窓を開けて涼をとりつつ
寝るので外部から害虫が車内に侵入して虫刺され
などを起し、不具合である。そのため従来はこの
ような自動車の利用をする場合、蚊取線香を燻べ
たり、殺虫剤を噴霧したりして、蚊やその他の害
虫の車内侵入を予防する方法が講じられている。
しかし乍らこのような手段による場合、狭い車内
のスペースに対し燻煙や散布した薬剤がこもるこ
とになるので、睡眼中の者が呼吸と共にこの薬剤
を吸い込んで咽喉をいためるなどの問題点が生じ
る。そのほか一般の貨物車のように長距離輸送に
たづさわる自動車等で夜間途中で仮眠したりする
ときに窓をあけて通気をよくした状態にすると蚊
やその他の昆虫などが車内に飛び込んで支障を来
たすなど不都合な状態が生じやすい。

本考案は斯かる問題点を解決して虫害を受けや
すい状況の場所や時期でも自動車のウインドを開
放した状態で安全に仮眠することができるよう
に、自動車のドア部ウインドガラス取付け部をそ
のまま利用して簡単に装着して使用でき、用済み
後は取外して嵩低く収納携帯できる構成の自動車
窓用防虫網を提案することにある。

本考案は、所要寸法に可撓性材料にて額縁状の
枠体を形成し、その枠体で囲まれた内側には該枠
体に周端部を固着して網を張着し、枠体の長辺上
端部には１又は複数の係止用の突起を適宜配置で
突設し、かつ該枠体の両縦辺部には中間に適宜長
さの長孔を各々設け、斯かる枠体の一方の面にウ
インドガラスの上端縁と係合せしめて係止する取
付け片を、長孔を貫通する締結具にて固定できる
ようにして移動調節可能に一対付設したものであ
る。

而してこの防虫網は枠体としてゴムを成形して
形成したものに網を周知の手段で周縁部において
係止した構成とするほか、ゴムシート又は比較的
軟質の合成樹脂の切抜きシートを二枚重ね合せ、
この間に網の周縁部を挾んで熱接着又は接着剤に
よる接着で一体構造にしてもよい。

また枠体の上下両端部乃至全周部には刷毛状の
布を窓部に装着したときその表面部分と当接する
ようにして装着時に窓部の周囲に虫の侵入する間
隙が生じないようにすることが好ましい。

以下本考案を一実施例について図面により詳述
すれば、第１図乃至第４図に示すものは、枠体を
ゴム製（ゴム質の合成樹脂であつてもよい）の成
形構造による防虫網１の一具体例であつて、枠体
２は所要の自動車の窓、例えば貨物車の運転席窓
２０の窓枠部分を囲う外形寸法にて適宜幅にし、
図上長辺の上端には適当な配分で複数の突起３を
突設し、この突起３は先端に向つて次第に薄肉に
なるよう勾配をして、これが窓２０部のウインド
ガラス上端縁挿入溝２１に嵌め込まれるように
し、枠体２の要部断面は第３図に示す如くその外
側に対し内側に適宜寸法段付けして内側の方が薄
肉となるようにすると共に、段付き部４には開口
部を細幅にして内部が広い係止溝５を全周に巡ら
せ、また縦枠部には中間部分に適宜長さの長孔６
をそれぞれ貫通して穿設してある。

而して斯かる枠体２には、たとえば合成樹脂繊
維で織られた網８（周知構造のサランネツトのよ
うなもの）を、その周縁部に枠体段付き部４に設
けられた係止溝５内に嵌り得る太さのゴム条９若
しくはゴム質の合成樹脂製丸条を介在させて該係
止溝５に嵌め込み、枠体２の内側に網８を繋張し
て張着する。このような防虫網１を取付けるため
の補助具として金属又は合成樹脂、或いはゴム製
の下側に係合溝１２を設けたピース１１とその上
半部をボルト１３が一体又は一体的に係合溝１２
の方向と直交するように延長して付した取付け片
１０を一対準備し、その取付け片１０はそれぞれ
枠体２の長孔６部にボルト１３の突出部を貫通せ
しめて取付け片のピース１１が枠体２一側に密接
するようにし、反対側で座金を介してナツト１４
により締結固定するようにしたのである。

なお、枠体２の目的とする自動車窓に対しての
取付け面側には適宜細幅で比較的毛足の長い刷毛
状の布テープを接着しておき、取付け時の間隙を
封するようにすればより効果的となる。

このように構成した防虫網１は使用に際して、
目的の自動車の窓ガラス２３を下降させ、第４図
に示す如く枠体２上端の突起３を窓枠部のガラス
の上端部挿入溝２１に変位せしめて嵌め込み、ウ
インドガラス２３を最下位若しくはそれに近い状
態まで下降させた位置で、該ウインドガラス２３
の上端縁２３′に取付け片１０の係合溝１２を係
合せしめて枠体２が正常な状態を保つようにし、
取付け片１０を当該位置でナツト１４により枠体
２に締結固定する。次いでウインドガラス２３を
やや上昇させることにより、該ガラスの上端縁２
３′に係止された取付け片１０を介して防虫網１
全体が押し上げられて、上端の突起３はガラス挿
入溝２１内に強く押し込まれ、防虫網１はもはや
外脱しない状態で自動車窓２０に装着される。

このようにしたことで自動車の窓に防虫網がそ
の開口部を覆つて取付けられ、開口状態にある窓
を通じて外気を自動車の室内に取り入れることが
でき、蚊や蛾などが網によつて侵入を阻止される
ことになるので、夜間自然の冷気を取り入れて車
の内部での仮眠などが安心してできることになつ
たのである。

そして用済みになれば、装着時と逆の順序の操
作により何等特別な用具を必要とせず簡単に取り
外すことができ、従つて撤去後の防虫網はそのま
まトランクなどに収容して元の姿に戻すことにな
り、自動車の車体等には全く異物を取付けたり、
傷が付いたりすることなく使用でき、本願考案は
従来の不便さが全く解決し、真に実用的なものと
して提供できる有用なものである。なお、枠体は
可撓性を有しているので、車体の外面が多少の曲
面を形成していても何等支障なく装着できるので
あり、また前記したように毛羽を有する布テープ
を装着面に接するよう付しておけば間隙を閉じて
虫の侵入を阻止できる。

本考案の防虫網は、車輌の窓の形状に応じて、
各取付け片の位置をずらせて、取付けるようにす
ることで、左右の窓に対応でき、したがつて左右
対称のものを製作しなくとも１個の形で両側に使
用できる。なお、防虫用のテープは枠体の両面に
取付けるようにしておけば左右の関係なく有効に
使用できる。

また枠体としてシート材を切抜きしたものの場
合はその製作時網を枠体と一体に固着できるので
枠体の厚みを薄くすることができる利点を有す
る。

なお、本考案の趣旨に則すれば自動車の形状に
応じてその標準的な窓枠部の外形に形成すること
で一般乗用自動車に使用するものができ、また必
要に応じ枠体の突起に代えて上端縁部を突起同様
ガラス挿入溝に係合させるように形成してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案防虫網の実施例を示すものであつ
て、第１図は正面図、第２図は第１図の中央縦断
面図、第３図は網取付け部の拡大断面図、第４図
は取付け態様を示す断面図である。 １……防虫網、２……枠体、３……突起、６…
…長孔、８……網、１０……取付け片、１２……
係合溝、１３……ボルト、１４……ナツト、２０
……自動車の窓部、２１……ガラス上端部挿入
溝、２３……ウインドガラス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のドアウインド部に係合し得る外形寸法
   に可撓性材料にて額縁状の枠体を形成し、その枠
   体で囲まれた内側には、該枠体に周端部を固着し
   て網を張着し、枠体の上端部には係止用の突起若
   しくはこれに類するものを適宜配置で設け、かつ
   該枠体の両縦部には中間に適宜長さの長孔を各々
   設け、斯かる枠体の一方の面にウインドガラスの
   上端縁と係合せしめて係止する取付け片を、前記
   長孔を貫通する締結具にて移動調節可能に固定で
   きるよう一対付設したことを特徴とする自動車窓
   用防虫網。