JPS633205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は低NOxボイラの起動を停止をする
方法に関する。

ボイラの低NOx運転方法としては排ガスの燃
焼温度低下、低O₂燃焼、N₂含有量の少ない燃料
の使用、排ガス再循環、NH₃噴霧、触媒層使用
等の手段が知られており、いずれにしてもそれぞ
れの特長と欠点をもつものである。近時火炉壁に
複数段に位置するバーナの空気比を制御し空気比
の小さいバーナの燃焼ガス中に発生するNH₂，
CN等のラジカルとNOの反応により窒素酸化物
（NOxと称する）を低減する手段が開示されてい
る。

一例においては最下段の主バーナＭの空気比は
約0.9、中段の副バーナＰの空気比は約0.4〜0.6、
アフタバーナ０は約1.0〜1.3にして運転されてい
る。この空気比制御の低NOx運転ではラジカル
とNOとの接触混合の機会を充分にもつことが必
要である。

しかしこの空気比の選定はボイラの定格運転に
入つた際に好適な低NOx運転をできるものとす
るもので、起動又は停止の際もこの空気比を保持
することは燃料過剰で未燃分の多いという雰囲気
の部分が火炉内及びガスダクト内に生じ爆発等の
危険を含むこととなる。

この発明は低NOxボイラの安全な起動と停止
の運転方法を提案することを目的とする。

この発明はボイラ火炉側壁下方より上方に順に
稍不完全燃焼域を形成する主バーナ、この主バー
ナより空気比の低い副バーナ、空気比１以上のア
フタバーナを順に位置させた低NOxボイラを起
動する方法において、負荷０より約1/4までは主
バーナと副バーナへの燃料供給量比率は定格運転
時の比率を保持し主バーナ副バーナとも空気比は
ほぼ0.9とし、負荷1/4より1/3までは前記燃料供
給比率はそのまま保持して燃料の供給量を増加さ
せるが副バーナの空気比は0.5〜0.7に低減し、ア
フタバーナの空気比は前記の間ほぼ定常にして定
格運転時の全燃料に対する比率を保持しつつ焼料
供給量を増加させ1/3負荷以上定格負荷までは稼
動する主バーナと副バーナの組数を増加させるこ
とにより負荷に対応し定格運転に入る低NOxボ
イラの起動方法であることを特徴とする。さらに
停止に際しては起動の手順と逆の手順によるもの
であることを特徴とする。

以上の発明の実施にかかる装置を図面により説
明する。第１図において、ボイラ１には下段より
火炉壁に横方向に並びかつ複数段を形成する複数
本の主バーナＭ群と、その上方に複数本の副バー
ナＰ群、さらにその上方に複数本のアフタバーナ
Ｏの列が通常前後壁に対向して設けられる。この
場合主バーナＭは稍不完全燃焼域を形成する空気
比で、中段の副バーナＰは低空気比の燃焼域を形
成する空気比で、アフタバーナＯは燃焼用空気過
剰の空気比で燃焼される。燃焼ガスは火炉１ａか
ら２次過熱器管群２、再熱器管群３、１次過熱器
管群４、節炭器５を通り、ダンパ６をもつ主排ガ
スダクト７から空気予熱器、集塵器（図示せず）
を通り図示しない煙突より排出される。またこの
発明の実施にかかる装置ではバイパスダクト８を
設けこのバイパスダクトに入口ダンパ８ａ、出口
ダンパ８ｂを設けこの両ダンパ間のダクトに
NOx除去装置（例えば触媒層とNH供給管路を
内蔵する）９を位置させる。また主バーナＭの風
箱には制御ダンパ１１ｍ付き燃焼用空気（再循環
排ガスを一部含むこともある）供給管１０ｍが接
続され、燃料は燃料供給管１２ｍ、制御弁１３ｍ
を経由して主バーナＭに供給される。副バーナＰ
へは燃焼用空気（一部再循環排ガスを含む）供給
管１０ｐ、ダンパ１１ｐを経由して燃焼用空気が
供給され、燃料は燃料供給管１２ｐ、制御弁１３
ｐを経由して供給される。アフタバーナＯには燃
焼用空気供給管１０ｏ、ダンパ１１ｏを経由して
燃焼用空気が供給され、燃料は燃料供給管１２
ｏ、制御弁１３ｏを経由して供給される。

この場合において排ガスダクト１４、好ましく
は再熱器管群３の後流に排ガス採取口１５を設け
NOx計測器１６でNOx値を連続計測しその信号
は記憶と計測値との対比と指令信号を出す制御箱
１７に送られる。要すればNOx値表示メータ１
８でその数値の表示又は警報及び又は警報ランプ
の表示をする。

このボイラの起動時には副バーナＰでNH₂，
CNラジカルの発生をさせる運転は保安上できな
いので、NOxを含む排ガスをダンパ６を閉とし、
入口ダンパ８ａ、出口ダンパ８ｂを開としNOx
除去装置９にバイパスダクトを流すことにより
NOx除去をすることができる。

なおバイパスダクト８には排ガス採取口１９と
NOx計測器２０を設け、NOx除去装置９による
NOx除去の効果を確認するとともにその計測値
は信号として制御箱１７に信号として送られる。

つぎに第２図〜第５図により各主バーナ、副バ
ーナ、アフタバーナへの燃料供給の仕方とそれぞ
れの空気比のとり方を説明する。即ち約1/4負荷
までは各バーナへの空気比は変化させることなく
燃料供給量を負荷に対応して増大させる。約1/4
負荷から約1/3負荷の間に定格運転時の空気比に
もつて行くように調整する。即ち主バーナで約
0.9、副バーナで約0.5〜0.7アフタバーナで約1.1
〜1.3とする。排ガス中の未燃分を完全燃焼させ
るのはアフタバーナＯの空気比を1.1〜1.3の間に
変動させることにより調節する。主バーナと副バ
ーナへの燃料の供給量の比率は各負荷の場合にお
いても全使用燃料量のそれぞれ約65％、と約30
％、その比Ｍ／Ｐ≒2.2とする。燃料量の負荷に
応ずる増大はこのＭ／Ｐ≒2.2を維持しながら使
用バーナの組（主バーナと副バーナ）の数を増大
して行くものである。なお燃料の種類は重油、微
粉炭、ガス何れでもよい。

以上の空気比、供給燃料量の調節は負荷信号
（主蒸気流量等）２１が制御箱１７に送られてく
るのに対応して予めインプツトした記憶数値と対
比し、制御箱より出される指令信号によりダンパ
１１ｍ，１１ｐ，１１ｏ、燃料流量制御弁１３
ｍ，１３ｐ，１３ｏを制御して行うことができ
る。低負荷におけるバイパスダクトの入口ダンパ
８ａ、出口ダンパ８ｂ、ダンパ６の制御が行なわ
れるのは前述の通りである。

なおボイラの運転停止の手順は制御箱１７の記
憶するデータとの対比により出される指令信号で
前記起動とは逆の順序でダンパ及び燃料流量制御
弁がプログラムに従い制御されるものである。

この発明を実施することにより低NOxボイラ
の起動と停止は制御箱１７の記憶するプログラム
により安全かつ自動的にされるという効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す装置の配置
の管系統を示す図面、第２図は負荷とアフタバー
ナＯの空気比との関係を示す図面、第３図は負荷
とＭ／Ｐ（主バーナ／副バーナ）燃料供給比及び
主バーナと全燃料量の変化を示す線図、第４図は
負荷と副バーナＰの空気比との関係を示す図面、
第５図は負荷と主バーナＭの空気比との関係を示
す図面である。 １……ボイラ、Ｍ……主バーナ、Ｐ……副バー
ナ、Ｏ……アフタバーナ、６……ダンパ、８……
バイパスダクト、８ａ……入口ダンパ、８ｂ……
出口ダンパ、９……NOx除去装置、１７……制
御箱、１０ｍ，１０ｐ，１０ｏ……ダンパ、１３
ｍ，１３ｐ，１３ｏ……制御弁、１５，１９……
排ガス採取口、１６，２０……NOx計測器、２
１……負荷信号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボイラ火炉側壁下方より上方に順に稍不完全
   燃焼域を形成する主バーナ、この主バーナより空
   気比の低い副バーナ、空気比１以上のアフタバー
   ナを順に位置させた低NOxボイラを起動する方
   法において、負荷０より約1/4までは主バーナと
   副バーナへの燃料供給量比率は定格運転時の比率
   を保持し、主バーナ副バーナとも空気比はほぼ
   0.9とし、負荷1/4より1/3までは前記燃料供給比
   率はそのまま保持して燃料の供給量を増加させる
   が、副バーナの空気比は0.5〜0.7に低減し、アフ
   タバーナの空気比は前記の間ほぼ定常にして定格
   運転時の全燃料に対する比率を保持しつつ燃料供
   給量を増加させ、1/3負荷以上定格負荷までは稼
   動する主バーナと副バーナの組数を増加させるこ
   とにより負荷に対応し定格運転に入ることを特徴
   とする低NOxボイラの起動停止方法。 ２ 前記低NOxボイラの運転を停止するときは
   定格負荷より1/3負荷までは使用する主バーナと
   副バーナとの組数を低減して負荷に対応し、1/3
   負荷より1/4負荷までは副バーナの空気比をほぼ
   0.5〜0.7よりほぼ0.9に増大させかつ燃料供給量を
   負荷に比例して低減させ、1/4負荷より停止まで
   は主バーナ副バーナともに空気比をほぼ0.9とし
   主バーナ副バーナの燃料供給比率はそのまま保持
   して燃料と空気の供給量を低減し、ついで主バー
   ナ、副バーナ、アフタバーナの順に消火する起動
   の手順と逆の手順により消火することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の低NOxボイラの
   起動停止方法。 ３ 定格運転時の各バーナについての燃料供給比
   率を主バーナは全燃料供給量の約65％、副バーナ
   は約30％、アフタバーナは約５％とすることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   低NOxボイラの起動停止方法。