JPS6332036A - 免震装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は各種構造物の免震装置に係るものである。

（従来の技術） 従来この種の免震装置として、上部構造物と下部構造物
との間に、鋼板とゴムとを交互に重層した積層ゴムに代
表される弾性支承、若しくは滑り支承を介装し、水平地
震動入力時の上部構造物の応答を低減させるようにした
ものが提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） 前記弾性支承を使用した免震装置は、装置全体の構成が
単純であるという利点はあるが、それ自体の減衰性が低
く、設定された水平方向の剛性に対応する振動系の固有
娠動数近傍の成分が卓越した入力に対しては共振現象を
生起して過大な変形に至り、萬−１積層ビムが破壊した
場合には上部構造の自重を支承しきれず、転倒等の大災
害が発生しかねない。

一方、滑り支承のみ用いた免震装置は、滑り板の面積を
大きくすることによって大変形にも容易に追従しうる滑
り板の相対運動により摩擦エネルギーが消費される等の
利点があるが、滑り支承が滑シ出すまでは免震効果がな
く、上部構造物の地震応答の特に高周波成分の低減の効
果が薄く、原子炉建屋のような高周波振動に敏感な機器
を内蔵する構造物の免震装置としては不適当であシ、変
電なる地震により残留滑りが蓄積する。

（問題点を解決するだめの手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提案された
免震装置に係シ、上部構造物と下部基礎との間に、上下
一双の滑り板より構成されるとともに、或る一定の水平
荷重で滑り出すように構成された滑夛支承と、水平方向
に適当な剛性を有し、且つ鉛直荷重を支持できるように
構成された弾性支承とを重層して介在せしめるとともに
、前記滑り支承の滑り量の増大とともに抵抗力が増加す
るように構成された水平抵抗部材を介装したことによっ
て、弾性支承及び滑り支承双方の免震装置としての利点
を活用し、更に水平抵抗部材によって滑り支承の滑シ憧
を調節し、大地震時に滑シ支承に生じる最大滑り量や地
震後の残留滑り量、弾性支承の最大剪断変形を過大にす
ることなく、地震時の上部構造物の応答を最小化するこ
とによって、前記問題点を解決するものである。

（作　用） 本発明は前記したように構成されているので、滑り支承
が滑りを生起しないような中小規模の地震動に対しては
、弾性支承及び水平抵抗部材によって振動系の固有周期
が長周期化され、上部構造物の地震応答が低減される。

また滑シ支承に滑シを生じるような大地震時には、同滑
り支承は精々その軸力に摩擦係数を乗じた剪断しか負担
しないので、上部構造への剪断力が頭打ちになり、また
滑り支承が滑る際に生じる高周波成分が上部構造物に伝
播されるのが弾性支承によって低減され、かくして地震
時の上部構造の応答が最小限に抑制される。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

第１図は本発明の免震装置を模式的に示したもので、（
１）は上部構造物、（２）は下部基礎で、同下部基礎（
２）に配設された滑シ板受け（３）上に上下一双の滑シ
板（４１（４１よりなる滑）支承を支承し、同滑り支承
上に弾性支承（５）を介して上部構造物（１１を支承す
る。

前記弾性支承（５）は鉛直力を支持するとともに、水平
方向には適当な剛性を有する必要があり、鋼板とゴムと
を交互に重層して構成されている。弾性支承（５）には
精々滑り支承が負担しうる剪断力しか生ぜず、本免震装
置における弾性支承（５）の許容変位は弾性支承のみに
よる免震装置に比して小さなもので十分であって、弾性
支承（５）を小規模化できる。

更に地震時【滑り支承に生じる最大滑り量と、地震後の
残留滑シ量を適切な範囲に抑えるため、上部構造物（１
）よシ垂役された反力受け（６）と、下部基礎（２）に
配設された前記滑り板受け（３）との間に、地震時に滑
シ支承に生じる最大滑り量と、地震後の残留滑り量とを
適切な範囲に抑えるために、滑りの増大とともに抵抗力
も増加する水平抵抗部材（７）が介装されている。

同水平抵抗部材（７）の剛性は弾性支承（５）の数ツク
ーセント程度が適切であり、地震時の免震装置の変形に
伴ない微小ながらも変形て比例しだ水平力を上部構造物
（１１に対して滑りと反対方向に与えることによって滑
シ支承の滑シ量を抑える。また水平抵抗部材（７）は弾
性支承（５）に比して剛性が低いので、水平抵抗部材（
７）による上部構造物（１）への剪断力の増加は最大級
の地震時においても微少量に抑制される。

而して第１図に示す免震装置は、滑シ支承が滑りを生じ
ないような中小規模の地震動に対して、第２図に示すよ
うに弾性支承（５）及び水平抵抗部材（力が振動系の固
有周期を長周期化することによって、上部構造物（１）
の地震応答を低減する。

また第３図に示すように、滑り支承に滑りを生起せしめ
るような大地震時には、滑り支承は精々その軸力に摩擦
係数を乗じた剪断力しか負担しないので、上部構造物（
１）へ加わる剪断力が頭打ちになり、また滑り支承が滑
る際に生じた高周波成分が上部構造物（１１に伝達する
のを弾性支承（５）で低減することができる。

次に前記免震装置の履歴特性について説明する。

滑り支承が滑υ出すときの水平方向の力Ｑｙは、免震装
置上の重量をＷ、滑シ支承の摩擦係数をＵとすると次式
により求められる。

Ｑｙ　＝＝　ｕ−Ｗ 滑シ支承と弾性支承とを組合せた履歴特性は第４図に示
すとおりで、水平方向力の絶対値がＱｙよシ小さいａ点
、ｂ点間では弾性支承の水平剛性に０で挙動し、Ｑアを
超えると滑シ支承が滑り出し、水平方向力はＱアで頭打
ちとなり、水平方向力が逆転すると再び弾性支承の剛性
Ｋ。で挙動するような履歴特性となる。

水平抵抗部材の履歴特性は第５図に示すとおりで、免震
装置の最大変位以下で線形で挙動する。

水平抵抗部材の剛性をに２とすると、本免震装置の特性
は前記した滑り支承と弾性支承とに、水平抵抗部材の特
性を組合せた特性を示し、第６図に示すように、水平方
向力の絶対値がＱｙを超えないうちは弾性支承の剛性Ｋ
。と、水平抵抗部材の剛性に２とを加えた剛性に工で線
形的に挙動し、滑シ支承が滑り出すと水平抵抗部材の剛
性に２で挙動する履歴特性を示す。

第７図乃至第９図は本発明の実施例を示す。

第７図においてαＤは上部構造物、α２は下部基礎で、
同下部基礎ｆｉＷよシ立設された下部滑り板受け（１３
１には下部滑り板（Ｉ４）が固定され、同下部滑り板α
４の上面には上部滑り板αつの下面が滑動自在に載架さ
れ、同上部滑シ板ＣＩＳは上部滑り板受けＯｅに固定さ
れている。なお上下滑シ板α５）（１４）は交換可能と
なっている。

前記上部構造物α９に設けられた台座と上部滑り板受け
ａｅとの間には弾性支承ＣＬ、）が介装され、同支承ａ
７）の上下端はボルトで結合され、萬−１地震等で損傷
した場合は交換可能となっている。

また前記弾性支承は複数の積層ゴムで構成されているが
、免震装置の規模によりその大きさと個数は任意である
。

前記下部滑シ板受けα３と、上部構造物α９より垂設さ
れた水平部材の反力受けαＳとの間に、圧縮コイルばね
より構成された水平抵抗部材（１９が介装されている。

第８図は水平抵抗部材（１９として防舷材を使用した実
施例を示し、同水平抵抗部材α９は上部構造物（１１１
と、下部基礎α２よシ立設された水平抵抗部材反力受け
■との間に介装されている。

防舷材よシ構成された前記水平抵抗部材（１９は、圧縮
力のみを負担させるために、部材端の一方を前記上部構
造物（１１１または水平抵抗部材反力受は翰にボルト等
で固定し、他方を水平抵抗部材反力受け■または上部構
造物＜１１１に接触させている。

図中、前記実施例と均等部分には同一符号が附されてい
る。

第９図は水平抵抗部材Ｈとしてゴムのブロックを使用し
た実施例を示し、同部材（１９は下部滑シ板受け（１３
と上部構造物ａ９よシ垂役された水平抵抗部材反力受け
Ｃυとの間に介装される。この場合前記水平抵抗部材σ
ｌは鉛直荷重を負担せず、地震時に水平力のみを負担す
るように設置される。

図中前記各実施例と均等部分には同一符号が附されてい
る。

（発明の効果） 本発明に係る免震装置においては前記したように、上部
構造物と下部基礎との間に滑９支承と弾性支承とを組合
わせて介装するとともに、前記滑シ支承の滑り量の増大
とともに抵抗力が増加するように構成された水平抵抗部
材を介装し、弾性支承及び水平抵抗部材の剛性を調節す
ることによって振動系の固有周期を長周期化することに
より、滑シ支承が滑シ出すに至らない地震動に対しても
免震効果が得られるものである。

また前記水平抵抗部材の剛性を調節することによって、
滑シ支承の相対滑り量を調整することができ、例えば免
震装置の共振振動数近傍の成分の卓越した地震入力に対
しても、滑り量を過大にすることなく、適切な範囲内に
抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る免震装置の一実施例の模式図、第
２図及び第３図はその作用説明図、第４図は滑シ支承と
弾性支承とを組合せた履歴特性を示す図表、第５図は水
平抵抗部材の履歴特性を示す図表、第６図は免震装置の
履歴特性を示す図表、第７図乃至第９図は本発明に係る
免震装置の各実施例を示す縦断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 上部構造物と下部基礎との間に、上下一双の滑り板より
   構成されるとともに、或る一定の水平荷重で滑り出すよ
   うに構成された滑り支承と、水平方向に適当な剛性を有
   し、且つ鉛直荷重を支持できるように構成された弾性支
   承とを重層して介在せしめるとともに、前記滑り支承の
   滑り量の増大とともに抵抗力が増加するように構成され
   た水平抵抗部材を介装してなることを特徴とする免震装
   置。