JPS6331979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はタイプライタに使用されるリボンカ
セツトのリボン送り装置に関するものである。

考案の目的 この考案の目的は、リボンを常に張設状態に保
持し得るとともに、リボン送りを所要量ずつ正確
に行うことができ、しかも構成が簡単なリボン送
り装置を提供することにある。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。はじめに、第１図に基づいて
リボンカセツト１の構成を説明する。第１図に示
すリボンカセツト１は、未使用のカーボンリボン
２が供給スプール３に巻付けられており、そのカ
ーボンリボン２がカセツト１の外方を走行して、
その外方走行部分において印字が行われた後に、
その印字済部分が巻取り軸４上の巻取りスプール
５に巻取られるように構成されている。

リボンカセツト１の内側の駆動軸６上には駆動
ローラ７が固定されており、又、供給スプール３
はその軸部８において支持部材としての線ばね９
の先端折曲部に回転可能に支持されており、その
線ばね９のばね力により、供給スプール３が駆動
ローラ７の方向に付勢されて、その供給スプール
３に巻付けられたリボン２の最外周部が常に駆動
ローラ７の周面に圧接されている。

次に、リボン送り装置のタイプライタ本体側の
構成を説明する。第２図〜第４図に示すように、
タイプライタのフレーム（図示しない）にはプラ
テン２１が所定位置において回転可能に支持され
ている。

前記プラテン２１と平行をなすガイド軸２２に
はキヤリツジ２３が支持されており、このキヤリ
ツジ２３は文字、記号キー（図示しない）の操作
による印字信号に基づき、プラテン２１の印字行
に沿つて歩進移動される。その移動量は選択され
た文字、記号キーに応じて適宜に変化されるよう
になつており、いわゆるプロポーシヨナルスペー
スにて歩進移動が行われる。

前記キヤリツジ２３には支軸２４によりカセツ
トホルダー２５が上下方向への揺動可能に支持さ
れ、その上面にはリボンカセツト１が着脱可能に
装着される。前記支軸２４に支持された支持板２
６上には電磁石２７が固定されており、その電磁
石２７は印字信号に基づきキヤリツジ２３の歩進
移動にさきだつて励磁されるようになつており、
その電磁石２７が励磁されたときには、カセツト
ホルダー２５の下面の磁性片２９が吸着されて、
カセツトホルダー２５が第２図の位置から第３図
の位置まで揺動され、リボンカセツト１が下方休
止位置から上方印字位置まで回動されて、前記リ
ボン２の外方走行部がプラテン２１の印字面に対
向する。

キヤリツジ２３上に固定された選字用モータ３
０のモータ軸上には花弁形の活字ホイール３１が
取付けられており、その活字ホイール３１の放射
状をなす多数のアーム３２の先端には活字３３が
設けられている。そして、印字信号が出力される
と、選字用モータ３０により活字ホイール３１が
所要量回転されて、所要の活字３３が選択され、
印字ハンマー３４の作動により印字動作が行われ
る。

第４図に示すように、キヤリツジ２３には押下
げレバー３５が回動可能に支持され、その一端は
スプリング３６を介して前記カセツトホルダー２
５に連結されており、カセツトホルダー２５が第
２図の位置から第３図の位置へ揺動されることに
よりこの押下げレバー３５の一端がスプリング３
６を介して引上げられてその他端が下降する。

第５図に示すように、キヤリツジ２３に回転可
能に支承された回転軸３７には巻取りプーリ３８
と、第１のギヤ３９とが固定されている。巻取り
プーリ３８の外周には、両端をタイプライタのフ
レームの一部４０にそれぞれ結着したリボン送り
紐４１が巻付けられ、キヤリツジ２３が前記印字
行に沿つて左右いずれかに移動されることによ
り、リボン送り紐４１を介して巻取りプーリ３８
が左右いずれかに回転される。

キヤリツジ２３に上下動および回転可能に支承
されたクラツチ軸４２の上端には第２のギヤ４３
が固定されている。又、クラツチ軸４２はスプリ
ング４４により第２のギヤ４３を介して上方に付
勢されている。クラツチ軸４２の中間部には小径
部４５が形成されている。さらに、クラツチ軸４
２の外周には前記第１のギヤ３９と常に噛合する
第３のギヤ４６が相対回転可能に設けられてお
り、その第３のギヤ４６とクラツチ軸４２との間
には一方向クラツチとしてのコロクラツチ４７が
介在されている。

そして、クラツチ軸４２の上端面には前記押下
げレバー３５の他端が相対していて、前記カセツ
トホルダー２５が第２図に示す休止位置に配置さ
れて押下げレバー３５の他端が上昇されたときに
は、スプリング４４のばね力によりクラツチ軸４
２が上動してその小径部４５とコロクラツチ４７
とが相対し、第３のギヤ４６とクラツチ軸４２と
の間が解放されてその第３のギヤ４６がクラツチ
軸４２にかかわりなく自在に回転できる状態にな
る。又、カセツトホルダー２５が第３図に示す印
字位置に配置されて押下げレバー３５の他端が下
降されたときには、クラツチ軸４２が下動してそ
のクラツチ軸４２の大径部とコロクラツチ４７と
が接触し、第３のギヤ４６とクラツチ軸４２との
間が結合される状態になつて、第３のギヤ４６の
一方向のみの回転がクラツチ軸４２に伝達され
る。

前記クラツチ軸４２と近接する支持軸４８に
は、ギヤ部４９において前記第２のギヤ４３と噛
合する第４のギヤ部材５０が回転および上下動可
能に支持されており、その第４のギヤ部材５０は
スプリング５１により上方へ付勢されている。第
４のギヤ部材５０の上端には連結凹部５２が形成
され、前記リボンカセツト１をカセツトホルダー
２５に装着したときに、そのリボンカセツト１の
前記駆動軸６と一体的に設けられた嵌合突起１０
がこの連結凹部５２に嵌合されて、第４のギヤ部
材５０の回転が駆動ローラ７に伝達される状態に
なる。そして、この第４のギヤ部材５０、前記第
１、第２、第３のギヤ３９，４３，４６、クラツ
チ軸４２、コロクラツチ４７、巻取りプーリ３
８、押下げレバー３５等によりリボン送り機構が
構成されている。

従つて、カセツトホルダー２５が印字位置に回
動されて、クラツチ軸４２と第３のギヤ４６とが
コロクラツチ４７を介して結合された状態におい
て、キヤリツジ２３が文字送り方向に所要量移動
されたときには、その移動量に応じて巻取りプー
リ３８が所定量回転されて、その回転が第１のギ
ヤ３９、第３のギヤ４６、クラツチ軸４２、第２
のギヤ４３、第４のギヤ部材５０、嵌合突起１０
をそれぞれ介して駆動ローラ７に伝達される。こ
のため、駆動ローラ７がキヤリツジ２３の移動量
に応じて回転され、その移動量に応じたリボン２
の送り出しが行われる。

キヤリツジ２３上に固定された作動軸５３上に
は第５のギヤ５４が回転可能に支承されている。
その第５のギヤ５４は図示しない伝達機構を介し
て前記第２のギヤ４３と作動的に連結されてい
る。作動軸５３上には中間部材５５が第５のギヤ
５４に対して回転可能に支承され、その中間部材
５５と第５のギヤ５４との間にはスリツプ手段と
しての板ばね５６が設けられている。さらに、中
間部材５５の上方において作動軸５３上には、常
に中間部材５５と一体的に回転するとともに、ス
プリング５７により上方へ付勢された連結部材５
８が支承され、その上面に連結凹部５９が形成さ
れており、その連結凹部５９には前記リボンカセ
ツト１の巻取り軸４の下端に一体的に設けた嵌合
突起１１がカセツト１の装着にともなつて嵌合さ
れる。

そして、キヤリツジ２３の移動にともない、第
２のギヤ４３が回転されてリボン２の送り出しが
行われると、第５のギヤ５４も回転されて、巻取
りスプール５が回転されて、リボン２の巻取りが
行われる。この場合、前記リボン送り機構におけ
る各ギヤ４３，５４等の歯数比は、巻取リスプー
ル５の巻取りのための回転量が駆動ローラ７の送
り出しのための回転量よりも常に多くなるように
設定されており、このため、駆動ローラ７により
送り出された所定量のリボン２が巻取りスプール
５に巻取られた後はそのリボン２には張力が付与
され、それに基づいて前記第５のギヤ５４と板ば
ね５６との間にスリツプが生じる。このように、
第５のギヤ５４、連結部材５８等によりスリツプ
手段としての板ばね５６を有する連結手段が構成
されている。

以上のように、このリボン送り装置において
は、文字、記号キーの操作により印字信号が出力
されると、電磁石２７が励磁されてリボンカセツ
ト１が印字位置に配置され、押下げレバー３５に
よりクラツチ軸４２が押下げられてコロクラツチ
４７の結合状態になつた後にキヤリツジ２３の文
字送り方向への歩進移動がプロポーシヨナルスペ
ースにて行われる。これにより、巻取りプーリ３
８が回転されて、駆動ローラ７によるリボン送り
出しが行われるとともに、巻取りスプール５が回
転されてリボン２が巻取られる。

そして、この場合、リボン２の使用にともなつ
て供給スプール３の巻径が小さくなるとともに、
巻取りスプール５の巻径が大きくなるが、供給ス
プール３はその最外周部が線ばね９の付勢力によ
り常に駆動ローラ７に圧接され、駆動ローラ７の
所要量ずつの回転によつて回転されるため、リボ
ン２の送り出しは巻径の変化にかかわらず所要量
ずつ行われる。又、巻取りスプール５は駆動ロー
ラ７と同期して常に前記のリボン送り出し量より
も大きな巻取り量にて回転されるため、リボン２
の送り出しが停止した後はリボン２に張力が付与
される。そして、その張力付与が所定値以上にな
ると第５のギヤ５４と板ばね５６との間にスリツ
プが生じ、そのリボン２がそれ以上巻取られるこ
とはない。

このように、リボン２を所要量ずつ正確に送る
ことができるとともに、リボン送りごとにそのリ
ボン２に張力を付与できるので、リボン２を常に
張設状態に保持して常に鮮明な印字を行うことが
できる。従つて、交換使用されるリボンカセツト
１内に張力付与手段を設けることが不要となり、
その構成を簡単にすることができる。ちなみに、
従来のリボンカセツトはその内部に線ばね等の張
力付与手段が設けられている。

考案の効果 以上実施例にて例示したように、この考案は、
張力付与手段を必要としない簡単な構成により、
巻径の変化に係わりなくリボンを所定量ずつ正確
に送ることができるとともに、リボンを常に張設
状態に保持して鮮明な印字を行うことができ、し
かも巻取りスプール上にリボンを緊密に巻取るこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案を具体化したリボン送り装置を
示すものであつて、第１図はリボンカセツトの内
部機構を示す断面図、第２図および第３図はそれ
ぞれリボンカセツトが休止位置、印字位置に位置
したときにおける印字機構の側断面図、第４図は
押下げレバーを示す印字機構の側断面図、第５図
はリボン送り機構等を示す断面図である。 リボンカセツト１、カーボンリボン２、供給ス
プール３、巻取りスプール５、駆動ローラ７、線
ばね９、第５のギヤ５４、板ばね５６、連結部材
５８。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リボンカセツト１内の供給スプール３から未使
   用リボン２を送出し、同じカセツト１内の巻取り
   スプール５にて使用済のリボン２を巻取るように
   構成されたリボンカセツトのリボン送り装置にお
   いて、 前記供給スプール３と近接してリボンカセツト
   １内に設けられた駆動ローラ７と、 基端が前記リボンカセツト１に係着され、かつ
   先端にて前記供給スプール３を回転可能に支持
   し、供給スプール３に巻回されているリボン２の
   最外周部を常に前記駆動ローラ７に圧接させる支
   持部材９と、 前記駆動ローラ７に離脱可能に連結される連結
   部５２を有するとともに、その連結部５２を介し
   て駆動ローラ７を回転駆動する送り用ギヤ３９，
   ４３，４６，５０を含むリボン送り機構と、 前記巻取りスプール５に離脱可能に連結される
   連結部材５８と、前記リボン送り機構に連動され
   る巻取り用ギヤ５４とを備え、双方５８，５４を
   介して巻取りスプール５とリボン送り機構とを駆
   動連結する連結手段と、 前記送り用ギヤ３９，４３等及び前記巻取り用
   ギヤ５４は、巻取りスプール５の巻取りのための
   回転量が駆動ローラ７の送り出しのための回転量
   よりも常に多くなるように構成されていること
   と、 前記連結手段の連結部材５８と巻取り用ギヤ５
   ４との間に設けられ、巻取りスプール５が供給ス
   プール３から送出された一定量のリボン２を巻取
   り得るように、連結部材５８と巻取り用ギヤ５４
   との間にスリツプを生じさせるスリツプ手段５６
   と よりなることを特徴とするリボンカセツトのリボ
   ン送り装置。