JPS6331890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円筒研削盤の反転ドツグの改良に関す
る。

従来円筒研削盤において研削時におけるテーブ
ルの反転はテーブルの主軸側と心押側の前面にそ
れぞれ位置調整可能に設けた一対の対向する反転
ドツグ間に位置して油圧回路を切換えるスプール
弁を作動させる反転レバーが反転ドツグに当接さ
れて時計方向又は反時計方向に交互に旋回されて
自動的に切換えが行われている。この反転ドツグ
はテーブルの前面に削設したＴ溝にＴボルトを挿
嵌して反転レバーを当接させるブロツクを雌ねじ
付レバーで固定しているもはのが多い。

このようなものではブロツクのクランプ力は面
圧に左右され、レバーの締め加減によつて大きく
変化し、クランプ力不足のため当接時に移動して
テーブルの反転切換えが行われなかつたり時機が
づれて衝突事故を起こす恐れを多分に存してい
た。

従つて本考案は調整が容易でかつ確実なクラン
プが行える反転ドツグを提供しようとするもので
ある。すなわちドレツシングのため当接部を退避
させた反転レバーを通過させる反転ドツグ４と通
過させないよう大きな当接面を有する反転ドツグ
３の一対でなりラツク棒５の係合部に水平に摺動
可能に係合するとともに該係合部の互いの他方の
反転ドツグ側端部を中心として水平面内で旋回可
能に架載されたドツグ体６と、ドツグ体６に固定
され該旋回中心より遠い側でラツク５ａと噛合う
小ラツク８と、ドツグ体６に設けられ小ラツク８
を常時噛合い方向に付勢するばね部材１０，１１
とを備えていて、ドツグ棒７の外側端を水平に引
くことにより小ラツク８の噛合いを外すようにし
たものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。ベツド１の上面には駆動手段によつて左右に
移動され主軸台と心押台を固定したテーブル２が
載置されており、主軸側と心押側の前面に一対と
なる反転ドツグ３，４が互いのドツグ端を対向し
て左右の位置調整可能に設けられている。この反
転ドツグ３，４はＴ型の頭部にラツク５ａが削設
され横向きにテーブル２の前面に取付けられたラ
ツク棒５にドツグ体６の側面に削設されたＴ溝６
ａにおいて載架されるものである。Ｔ溝６ａの顎
は一部６ｂを残して斜めに上下両側で削除され、
ドツグ体６が載架された状態で水平面内即ちラツ
ク５ａに対して直角面内で顎部６ｂを軸として回
動し得るようになつている。またドツグ体６には
Ｔ溝６ａと平行に軸方向の位置が調整可能で調整
つまみ７ａを有するドツグ棒７が螺合されていて
先端がドツグ体の外方に突出している。この突出
は主軸側と心押側とで方向を異にし互いに対向し
ていて特に主軸側は後述の反転レバーの接触子が
退避した状態においても当接する形状本例では円
板７ｂを有している。更にドツグ体６は顎部６ｂ
と遠い側でＴ溝に向かつて削設された凹所６ｃ内
にラツク５ａに数山で噛合うラツク片８が固着さ
れていて、ドツグ棒７がテーブル２即ちラツク棒
５と平行な状態において互いに噛み合いドツグ体
の左右方向の位置を規定しドツグ棒７が反転レバ
ーに当接しても移動させない。更にまたドツグ体
６の顎部６ｂに対向してＴ溝内に削設された凹所
６ｄにピン９でラツク５ａに対し直角面内で旋回
可能で先端に押圧部を有する保持片１０が内蔵さ
れ、この保持片１０をラツク棒５に押圧するばね
１１が凹所６ｄに開口した盲穴６ｅに介装されて
いる。従つてばね１１の力によつて保持片１０が
押されてドツグ体は顎顎６ｂとでラツク棒５に挟
持されるとともにラツク片８がラツク５ａと噛合
いドツグ棒７がテーブルと平行状態に保たれる
が、調整つまみ７ａを持つて第４図において反時
計方向にドツグ体６を旋回させるときは、ばね１
１が圧縮されドツグ体６は假想線のように顎部６
ｂの面を支点として回動しラツク片８の噛合いが
外される。なお反転ドツグ３と４とでは互いに左
右反対に構成されている。

反転ドツグ３，４の間にはクランク形の反転レ
バー１３がベツド１に水平且テーブル２の移動方
向と直角方向に植設した支軸１４に回動可能に枢
支されている。その上方レバー端のボス１３ａに
はテーブル２に向かつて段付の貫通穴１３ｂが穿
設されていて、この穴につまみ１５ａを手前に有
する段付の接触子１５が挿通され段部に介装され
たばね１６によつて反転ドツグ３，４の通路中に
突出されている。また段付穴１３ｂの軸方向に
180゜対向して２方キー溝１７が削設されており、
接触子１５に直角に打込まれた戻り止めピン１８
が嵌入されつまみ１５ａをもつてボス１３ａの外
までピン１８を引出し旋回されると端面でピン１
８が係止されて接触子１５を反転ドツグ３，４の
通路外に退避させることができる。また下方レバ
ー端の１３ｃには係止ピン１９が固設されてい
て、ベツド１にテーブル２の移動方向と平行に内
蔵されたテーブル２の駆動用の図示しない油圧シ
リンダの送油方向を切換えるスプール弁２０の弁
棒２１の端２１ａに固着した鍔体２２に係合し、
反転レバー１３の旋回によつて弁棒２１が軸方向
に移動されて送油方向が切換えられる。

このように構成された本考案において、テーブ
ル２上の主軸台と心押台に支持された加工物が砥
石によつて研削加工され、その加工個数が増加す
るに従い砥石の切れ味が悪くなり、ドレツシング
が必要となる。そこで砥石のドレツシングを行う
ためにテーブル２を左行中に反転レバー１３の接
触子１５のつまみ１５ａを引いて戻り止めピン１
８をボス１３ａの外まで引き出し旋回させて戻り
止めピン１８をボス端面に係止させて接触子を退
避させる。このため反転ドツグ４は反転レバー１
３を通過して左行しドレツシング位置で止められ
る。この位置で砥石に必要なドレツシングが行わ
れる。ドレツシングが終了するとテーブル２を右
行させ反転ドツグ４が反転レバー１３を通過した
とき反転レバー１３の接触子１５のつまみを旋回
させ戻り止めピン１８を２方キー溝１７に一致さ
せる。接触子はばね１６の力によつて前進しその
先端を反転ドツグの通路中に突出させる。テーブ
ル２が右行端で反転ドツグ３のドツグ棒７の先端
に当接して反転レバー１３は旋回されスプール弁
２０の弁棒２１が押し込まれて油路が切換えられ
テーブル２は反転左行されるものである。ところ
が作業者が反転レバー１３の接触子を戻して突出
させることを忘れている場合においても反転ドツ
グ３のドツグ棒７端は面積の大きな円板７ｂが取
付けられているため、接触子１５の退避したまま
にかかわらず接触子端とドツグ棒の円板７ｂとは
当接して反転レバー１３を時計方向に旋回させ
る。従つてスプール弁棒２１は押し込まれ駆動装
置の油路は確実に切換えられるものである。

以上詳述したように本考案はラツク棒に対して
小ラツクを噛合わせたので、ドツグ体の確実な固
定が可能である。またドツグ体をラツク棒に水平
移動可能に係合し且係合部の対応する反転ドツグ
側端で水平旋回可能に設けたので、ドツグ棒の外
側を水平方向手前に引いて傾ける動作につづき同
一水平平面内で左右に移動させる一動作で位置調
整が可能となり簡単な動作で円滑に行いうる。ま
た一方のラツク棒の当接面が退避した反転レバー
の当接端にも当接しうる大きな面を有する反転ド
ツグを用いるので、作業者の戻し忘れによつて砥
石が主軸台と衝突して破壊するような大事故を起
こす恐れがなくなり安全対策上極めて有効であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は反転ドツグと反転レバーとの関係を示
す平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線視図、第３
図は反転レバーとスプール弁との係合説明図、第
４図は主軸側反転ドツグの断面図である。 ２……テーブル、３，４……反転ドツグ、６…
…ドツグ体、７……ドツグ棒、７ｂ……円板、１
３……反転レバー、１５……接触子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下面に平行な係合部を有しＴ型頭部の前面に
   ラツクを刻設してテーブルに水平に固設されたラ
   ツク棒に位置調整可能に設けられドレツシング位
   置に移行するため退避した反転レバーにも当接し
   うる大径端のドツグ棒を有する主軸側反転ドツグ
   と、退避した反転レバーに当接しないドツグ棒を
   有する心押側反転ドツグにテーブルの移動で反転
   レバーが交互に当接されることによつてテーブル
   の駆動方向を切換える円筒研削盤において、前記
   それぞれの反転ドツグが前記係合部に水平に摺動
   可能に係合するとともに該係合部の他方の反転ド
   ツグ側端部を中心として水平面内で旋回可能に架
   載されたドツグ体と、該ドツグ体に固定され該旋
   回中心より遠い側で前記ラツクと噛合う小ラツク
   と、前記ドツグ体に設けられ該小ラツクを常時噛
   合い方向に付勢するばね部材とを備えてなり、ド
   ツグ棒の外側端を水平に引くことによつて小ラツ
   クの噛合いを外すようになしたことを特徴とする
   反転ドツグ。