JPS6331574B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は消極式ドビーを有する織機におけるヘ
ルドフレームの昇降装置に関する。

多数のヘルドを支承したヘルドフレームを昇降
させてタテ糸を開口する織機においては、上記ヘ
ルドフレームの開口装置として、例えば消極式ド
ビー機があり、該ドビー機を織機のフレーム上方
に設置し、ヘルドフレームをリフテイングレバー
により吊下げ、該リフテイングレバーを開口装置
にワイヤケーブルで連結して、昇降させる装置が
あるが、開口装置をフレーム上方に設置すると、
ヘルドフレームの交換の際、ケーブル、開口装置
等が障害となり交換作業を面倒にするとか、ある
いは開口装置の潤滑油剤が織成布上に落下し、布
を汚染させたり、また多数の織機を配置した織物
工場ではフレーム上方の開口装置により、ヘルド
フレーム上方の見通しが悪くなる等種々の問題点
があつた。

このため、上記開口装置を織機の下部に設置し
たものがある。

この場合、織機下部側方に配置することにより
織機全体の横巾が大きくなり、十数台あるいは数
十台の多数の織機を配列した工場では床面積を大
きくとり、また作業者一人当りの受持台数が減
り、作業効率が低下する原因となる。

本発明は上記問題点を解決することを目的と
し、開口装置をコンパクト化できるヘルドフレー
ムの昇降装置を提供するもので、即ち開口装置に
より出力される動作部材の変位量を少くとも二段
階に拡大してヘルドフレームに伝達し、開口装置
をコンパクト化すると共にヘルドフレームの昇降
量は所定量即ちヨコ糸通しに十分な開口を形成可
能な量に設定可能な装置を提供するものである。

以下本発明の実施例を図面に従つて説明する。

第１図において、織機の枠１ａ，１ｂに軸２
ａ，２ｂを支点に揺動自在な一対の第二の運動伝
達部材であるキヤリアレバー３ａ，３ｂの一端に
コネクター４ａ，４ｂが枢支５ａ，５ｂされ、該
コネクター４ａ，４ｂの下端部がヘルドフレーム
６のブラケツト７ａ，７ｂに枢支１６ａ，１６ｂ
されてヘルドフレーム６が垂下支持される。

上記キヤリアレバー３ａ，３ｂの他端部には、
一端を枠１ａ，１ｂに固定したブラケツト８ａ，
８ｂに係止したスプリング９ａ，９ｂの他端を係
止したスプリング支持板１０ａ，１０ｂのピン１
１ａ，１１ｂが係合し、常時キヤリアレバー３
ａ，３ｂをヘルドフレーム６が上昇する方向に付
勢している。

１２ａ，１２ｂはスプリング９ａ，９ｂのカバ
ーである。図示の如くスプリング９ａ，９ｂを枠
１ａ，１ｂの外側部に設けることにより、スプリ
ングの掛け換え作業が容易に行えると共に、カバ
ー１２ａ，１２ｂによつて風綿の付着、あるいは
ウオータージエツトによるヨコ糸通し装置を有す
る織機においては、飛散水の付着をも防止し、さ
びを防止する。

また、上記ヘルドフレーム６の下位には、固定
ブラケツト１３ａ，１３ｂに支持される第１の固
定軸１４ａ，１４ｂの回りに揺動自在な第１の運
動伝達部材である揺動レバー１５ａ，１５ｂが軸
支され、該レバー１５ａ，１５ｂの一端と上記キ
ヤリアレバー３ａ，３ｂ間に連結ロツド１７ａ，
１７ｂが枢支される。

さらに上記揺動レバー１５ａ，１５ｂには周面
が曲線を有するガイド板１８ａ，１８ｂが揺動レ
バー１５ａ，１５ｂと一体的に固着される。

該ガイド板１８ａ，１８ｂと揺動レバー１５
ａ，１５ｂを一体物としてダイキヤスト加工した
ものも適用可能である。

上記揺動レバー１５ａ，１５ｂには開口装置１
９のジヤツクレバー２０により運動するワイヤケ
ーブル２１ａ，２１ｂが、ガイド板１８ａ，１８
ｂを巻回して固定される。

２２，２３はワイヤケーブル２１ａ，２１ｂの
ガイドローラである。

また、枠１ｂの下部側方に設置した開口装置１
９は、ドビー機、カム機等の装置であり、各ヘル
ドフレームに対応するジヤツクレバー２０が開口
装置１９により軸２４を中心に時計針方向に一定
角度旋回することにより、ワイヤケーブル２１
ａ，２１ｂが引かれ、揺動レバー１５ａ，１５ｂ
を作動させ、ロツド１７ａ，１７ｂを介してキヤ
リアレバー３ａ，３ｂが軸２ａ，２ｂ回りに旋回
してヘルドフレーム６を下降させる。

ヘルドフレーム６の上昇はスプリング９ａ，９
ｂ力により行われる。

第２図、第３図において、枠１ａにはガイド２
５が固定され、ヘルドフレーム６の縦枠６ａがガ
イド溝２６中を摺動してヘルドフレーム６の横振
れを防止している。

上記ガイド２５は第１図の枠１ｂ側にも設けら
れることは勿論である。

なお、上記揺動レバー１５ａ，１５ｂとキヤリ
アレバー３ａ，３ｂを連結するロツド１７ａ，１
７ｂは図面では一本のロツドを示したが、２本の
ロツドを中間部で連結し、例えばターンバツクル
の如き、あるいは、一方のロツド端が筒状で他方
のロツド端が上記筒状内部へ挿入され、螺子固定
とする如きものであれば、ロツド１７ａ，１７ｂ
の長さを調節することができ、ヘルドフレームの
高さ方向の大きさが異るものを使用する場合上記
ロツド１７ａ，１７ｂの長さを調節し、キヤリア
レバー３ａ，３ｂの軸２ａ，２ｂの取付け位置を
変えるだけでよく、新たな連結ロツドを備える必
要はない。

また、第２図において、連結ロツド１７ａの取
付位置は、揺動レバー１５ａ側では、揺動レバー
１５ａの揺動の中心１４ａとガイド板１８ａの周
面２７間の距離即ち半径をａとし、ロツド１７ａ
の連結部２８と中心１４ａ間の距離をｂとする
と、少くともａ＜ｂの位置であり、キヤリアレバ
ー３ａ側においては、該レバー３ａの旋回軸２ａ
とロツド１７ａの連結部２９間の距離をｃ、コネ
クター４ａの揺動レバー連結部５ａと旋回軸２ａ
間の距離をｄとすると少くともｃ＜ｄの関係を満
たす位置とされる。

以上のようなヘルドフレーム昇降装置におい
て、開口装置１９によつて、ワイヤケーブル２１
ａが第２図の矢印３０方向へ距離Ｗ引かれたとす
ると、ガイド板１８ａと揺動レバー１５ａは一体
的に固定軸１４ａを中心に時計針方向に旋回し、
連結ロツド１７ａの連結部２８は矢印３１方向に
距離Ｈ下降する。

実際は連結部２８は円弧運動を行うが、距離ｂ
が大きく、下方へ直線的に移動するとする。

上記連結ロツド１７ａの移動によりキヤリアレ
バー３ａのコネクター４ａとの連結部５ａも距離
Ｘ下方、即ち矢印３２方向へ移動する。

上記距離Ｘも前記揺動レバー１５ａとロツド連
結部２８の移動と同様にほぼ直線的に下方へ移動
することとする。

この場合、ワイヤケーブルの移動距離Ｗは次式
によつて二段階に拡大されてヘルドフレームの下
降距離Ｘとなる。即ち、 Ｈ≒ｂ／ａ×Ｗ Ｘ≒ｄ／ｃ×Ｈ 従つて、Ｘ≒ｂ／ａ×ｄ／ｃ×Ｗとなる。

例えば、ｂ／ａ＝1.2、ｄ／ｃ＝1.2とすれば、
Ｘ≒1.4Wとなり、ヘルドフレームの下降量が70
cmであればワイヤケーブルの移動量は約50cmでよ
く、ワイヤケーブルを連結した開口装置側の動作
部材即ちジヤツクレバー２０の変位量即ち旋回角
度も小さくて済むことになる。またこの時、連結
ロツド１７ａにかかる負荷は矢印３３方向の引張
り力であり、圧縮力がかかることはない。

また、ヘルドフレームの下降の際はヘルドフレ
ームの自重により引張り力が軽減できる。

一方ヘルドフレームの復帰の際は、スプリング
９ａによつてキヤリアレバー３ａが固定軸２ａを
中心に時計針方向に旋回し、連結ロツド１７ａを
介してワイヤケーブルは第２図の矢印３４方向に
引かれ開口装置１９内部におけるストツパ機構に
より、ヘルドフレームは元位置へ復帰することが
できる。

なお、この場合においても連結ロツド１７ａに
は矢印３５方向の引張り力がかかるのみで、圧縮
力が作用することはなく、一般に圧縮力に弱いロ
ツドを細くすることができ軽量化が可能である。

なお、上述の如く、連結ロツドには引張り力の
みが作用する点から、ロツドに代えてケーブルに
よつて揺動レバー１５ａとキヤリアレバー３ａを
連結することも可能である。

以上のように本発明では、固定軸２ａ，２ｂに
旋回自在に支持されたキヤリアレバー３ａ，３ｂ
の一端にコネクター４ａ，４ｂを介してヘルドフ
レーム６を吊設し、上記レバーの支点の反対側の
レバー端部と固定枠間にはスプリング９ａ，９ｂ
を連結し、一方、開口装置１９により作動するワ
イヤケーブル２１ａ，２１ｂを介して上記固定軸
と別の固定軸１４ａ，１４ｂを支点に揺動する揺
動レバー１５ａ，１５ｂと上記キヤリアレバー３
ａ，３ｂ間に連結部材１７ａ，１７ｂにより連結
しかつ、上記揺動レバー１５ａ，１５ｂと連結部
材１７ａ，１７ｂの連結部２８をワイヤケーブル
が揺動レバーに作用する作用点２７より外側と
し、上記連結部材１７ａ，１７ｂとキヤリアレバ
ー３ａ，３ｂとの連結部２９を、キヤリアレバー
の旋回軸２ａ，２ｂとコネクター連結部５ａとの
中間としたので、即ち、開口装置１９とヘルドフ
レーム６の運動伝達経路中に、開口装置１９によ
り出力される動作部材２０即ちワイヤケーブルの
変位量を拡大する第１の運動伝達部材、即ち揺動
レバーと、さらに、第１の運動伝達部材の変位量
を拡大する第２の運動伝達部材、即ちキヤリアレ
バーとを設け、第１、および第２の運動伝達部材
を連結部材で連結したので開口装置から出力され
る変位量を小さくすることができ従つて開口装置
をもコンパクト化でき、特に開口装置を織機の下
部、即ちヘルドフレームの下部に配置した場合、
開口装置の設置面積も少くでき、多数の織機を横
方向に並設した織物工場においては作業者の受持
台数を減少させることなく、また作業のための移
動距離を減少できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す概略構成正面
図、第２図は同要部の構成を示す一部断面正面
図、第３図は同一部断面平面図である。 ３ａ，３ｂ……第二の運動伝達部材、６……ヘ
ルドフレーム、１５ａ，１５ｂ……第一の運動伝
達部材、１７ａ，１７ｂ……連結部材、１９……
開口装置、２０……動作部材、２１ａ，２１ｂ…
…ワイヤケーブル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 消極式ドビーを有する織機の両サイドの枠上
   部に軸を支点に揺動自在なキヤリアレバーを配置
   し、該キヤリアレバーの一端にコネクターを介し
   てヘルドフレームが垂下支持され、上記コネクタ
   ーの他端にはヘルドフレーム戻し用のスプリング
   がかけられ、一方、ヘルドフレームの下位には開
   口装置の出力により揺動する揺動レバーが軸支さ
   れ、上記キヤリアレバーと揺動レバー間には連結
   ロツドが連結されると共に、上記揺動レバーの変
   位量が上記連結ロツドを介してキヤリアレバーに
   拡大して伝達され、さらに、キヤリアレバーの変
   位量が拡大して、ヘルドフレームの昇降量に伝達
   され得る位置に、連結ロツドと揺動レバーおよび
   連結ロツドとキヤリアレバーとの連結点が設けら
   れたことを特徴とするヘルドフレームの昇降装
   置。