JPS6330970B2 - - Google Patents
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- JPS6330970B2 JPS6330970B2 JP27955384A JP27955384A JPS6330970B2 JP S6330970 B2 JPS6330970 B2 JP S6330970B2 JP 27955384 A JP27955384 A JP 27955384A JP 27955384 A JP27955384 A JP 27955384A JP S6330970 B2 JPS6330970 B2 JP S6330970B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、時効性に優れ、かつ高い焼付硬化性
を有する冷延鋼板の製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び問題点) 例えば一般に自動車の外板用素材として用いら
れる冷延鋼板は、成品の耐デント性を向上させる
ためにユーザーでの焼付塗装後鋼板の降伏応力が
上昇するいわゆる焼付硬化性を要求されることが
多い。このような冷延鋼板に焼付硬化性を付与す
る方法は例えば特公昭59−2726号公報、特開昭54
−107420号公報等に開示されている。しかしなが
ら、これら従来開発されてきた鋼板は焼鈍完了後
の成品板に適当量の固溶Cを残存させておくこと
により焼付硬化性を得ている。しかるに、焼付硬
化性を向上させる目的で固溶Cを増量すると歪時
効が発生するので、この歪時効を低減するために
固溶Cを減量すると焼付硬化性が劣化することに
なり、満足すべき解決手段とはなり難い。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者等は上記の如き問題点を解決す
るため種々検討を進めた結果、焼鈍後の過時効処
理を120℃以下の低温域で行なうことにより微細
炭化物を形成させ、これによつて固溶Cを充分低
減せしめればまず遅時効性が達成されるのみなら
ずユーザーでの焼付塗装の際、120℃超の焼付温
度においてCが溶解するので、これを利用するこ
とにより従来にない高い焼付硬化性を得ることが
可能であることを見い出した。 (発明の構成・作用) 即ち本発明は以上の知見に基いてなされたもの
であつて、その概要とする所は、重量%でC:
0.0005〜0.07%、Si:0.6%以下、Mn:0.1〜1.8
%、P:0.09%以下、S:0.03%以下、Total
Al:0.015〜0.1%、Total N:0.008%以下、か
つ必要により、Ti:0.2%以下、Nb:0.15%以
下、B:0.004%以下のうち、1種または2種以
上を含有し、残部はFe及び不可避的不純物から
なる鋼板を冷延後再結晶温度以上で10分以内の連
続焼鈍を行ない、過時効前の固溶Cを0.0005〜
0.004%とした後、120℃以下の温度で5分以上の
過時効処理を施す時効性に優れかつ高い焼付硬化
性を有する冷延鋼板の製造方法にある。 以下に本発明を詳細に説明する。先ず本発明の
対象とする鋼における各成分の限定理由について
述べる。 まずCは、0.07%を超えると延性が著しく劣化
しプレス成形には不向きとなる。一方、Cが
0.0005%未満では充分な焼付硬化性が得られな
い。従つてCは0.0005〜0.07%とした。なお、
Ti、Nb、Bなどの炭化物形成元素を添加しない
場合には、Cは0.0045%以下にすることが望まし
い。 次にSiは少量の添加で強度が上がるため有用な
元素であるが、0.6%を超えると著しく耐食性が
劣化するので0.6%以下とした。 Mnは赤熱脆性を引き起すSを固定する働きを
有するため0.1%以上は必要である。しかし、1.8
%を超えると、プレス成形性が劣化するばかりで
なく溶接性も著しく劣化する。従つて、0.1〜1.8
%とした。 Pは鋼板の強度レベルを上昇させる重要な元素
の一つであるが、0.09%を超えると溶接性が劣化
するばかりでなく二次加工性も劣化するなどの問
題が生じるので、0.09%以下とした。 Sは、鋼にとつて本質的に有害な元素であり、
特に0.03%超のSが含まれると赤熱脆性を起し、
熱延作業が困難となるため0.03%以下とした。 Total Alは強力な脱酸剤として役割を有する
のみならず、鋼中のNをAlNとして固定し固溶
Nによる常温時効を防止する働きがあるので、
0.015%以上は必要である。しかしながら0.1%を
超えるとAl2O3などの介在物が増加し、加工性を
劣化させる。従つて0.015〜0.1%とした。 Total Nは、熱延巻取り時に析出するAlNが
焼鈍時の粒成長を抑制するため少ない程材質は向
上し、0.008%を超えると熱間脆性が著しくなる
ため0.008%以下とした。 また、本発明においては、鋼板の強度上昇のた
めに、(イ)Ti:0.2%以下、Nb:0.15%以下の1種
または2種を含有せしめることができる。 Tiは鋼板を強化する元素の一つであるが、0.2
%を超えると粗大なTi(C、N)が析出し、熱間
脆性の原因となるばかりでなく延性も劣化する。 Nbも硬化能の強い元素であるが、0.15%を超
えるとNb(C、N)が著しく粗大化し、熱間脆性
を引き起す。 また、本発明においては二次加工性を良好にす
るため(ロ)B:0.004%以下を含有せしめることも
できる。Bは粒界を強化する元素として知られて
いるが、0.004%を超えると熱間加工時にFe23
(CB)6が粒界析出し脆性の原因となる。本発明に
おいては、目的に応じて上記(イ)、(ロ)の成分の一方
又は両方を使用する。 次に本発明における重要な点の一つは過時効処
理前の固溶Cが0.0005〜0.004%となるようC量
を調整することである。ここで、過時効前の固溶
C量とは、焼鈍後に形成されている炭化物及びそ
の後の冷却過程において析出する炭化物となつた
C量を鋼のTotal C量からさし引いた量である。 固溶Cについては、充分な焼付硬化性を後述す
る120℃以下の低温過時効で得るためには0.0005
%以上が必要であり、一方その上限を0.004%と
することにより、時効性の劣化を防止することが
できる。 なお、固溶Cを上記のような範囲に調整するに
はCの一部を炭化物として固定すれば良く、その
手段としてはTi、NbあるいはBを添加すること
によりそれぞれの炭化物を形成せしめるかあるい
は焼鈍後過時効処理に至るまでの冷却速度を調整
することによつて炭化物を形成せしめるかのいず
れか一方又は両方を適宜実施すればよい。この場
合、冷却速度は特に規定しないが、1〜800℃/
秒にすることが望ましい。 次に本発明における熱処理条件の限定理由につ
いて述べる。本発明においては、かかる成分を含
有する鋼を通常の工程を経て冷延鋼板とした後連
続焼鈍を実施するものであるが、この場合、焼鈍
温度を再結晶温度以上としたのはプレス成形性を
良好にするためであり、焼鈍温度の上限は規定し
ないが、十分なγ値を付与する場合はAr3点未満
にすることが望ましい。この場合、10分を超えて
焼鈍すると粗大粒発生の危険性があるので肌荒れ
防止の観点から10分以内とした。 さらに、本発明の最も特徴的な点は過時効処理
温度を120℃以下にすることである。この温度以
下においては不安定な微細炭化物が形成され、こ
れが120℃超の焼付塗装温度に加熱されることに
よつて容易に再固溶し転位上に安定炭化物として
析出し降伏応力が著しく増加するからである。な
お、過時効処理温度の下限は特に設けないが温度
が低い程微細炭化物形成に要する時間が増加する
ので実用上の見地から40℃以上が適当である。 また、過時効処理の時間を5分以上としたのは
次のような実験に基づくものである。 即ち、供試材としてTotal C0.0031%、Si
0.018%、Mn 0.19%、P 0.01%、S 0.005%、
sol Al 0.042%、Total N 0.002%を含有する
鋼につて通常の手段により製鋼、造塊、熱延、冷
延等を行ない厚さ0.8mmtの冷延板とした後、850
℃で1分間の連続焼鈍を行ない、冷却速度100
℃/秒で過時効温度まで冷却した後、これらの鋼
について過時効前の固溶C量を内部摩擦法によつ
て測定するとともに、次いで過時効処理温度を70
℃として処理時間を0〜60分間で種々変えて過時
効処理を実施した。次いで1%のスキンパスを施
し人工時効処理(100℃×1時間)後の降伏伸び
と焼付硬化量(〔2%歪−170℃×20分後の降伏応
力〕−〔2%歪時の応力〕)とを求め過時効時間に
対するこれらの関係を第1図に示した。同図にお
いて〇印が降伏伸び、●印が焼付硬化性を示す。
同図から明らかなように、過時効時間が5分以上
となると、時効性が急激に向上するが、焼付硬化
性はなんら劣化しないことがわかる。このような
理由により過時効処理時間を5分以上とした。こ
の場合時間の上限は特に設けないが連続焼鈍とし
ての実用的見地からは60分程度までが望ましい。
なお、この場合、時効性の判断として、降伏伸び
を選んだのはプレス成形時に発生するストレツチ
ヤストレインの程度が降伏伸びとよく対応するか
らである。また、焼付硬化性の判断基準として
〔2%歪−170℃×20分後の降伏応力〕−〔2%歪時
の応力〕を選んだのは、プレス成形における平均
的な歪が約2%であり、かつ現在的行なわれてい
る塗装焼付の温度がほぼ170℃だからである。 なお、本発明法に用いられる鋼は、通常の製
鋼、連鋳或いは普通造塊分塊、熱延、冷延の各種
工程を経て冷延鋼板とすることができる。 次に実施例により本発明の効果をさらに具体的
に示す。 (実施例) 第1表に示す鋼について通常の工程を経て厚さ
0.8mmの冷延板を製造した後、第2表に示す条件
で、連続焼鈍及び過時効処理を行ない、1%のス
キンパスを施し、しかるのち、第2表に示す時効
前の機械的性質を調べ、さらに人工時効処理
(100℃×1時間)後の降伏伸び及び焼付硬化量を
〔2%歪−170℃×20分後の降伏応力〕−〔2%歪時
の応力〕の条件で測定した。なお、これら機械的
特性値はすべてJIS5号試験片をインストロン型引
張試験機により測定した値である。
を有する冷延鋼板の製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び問題点) 例えば一般に自動車の外板用素材として用いら
れる冷延鋼板は、成品の耐デント性を向上させる
ためにユーザーでの焼付塗装後鋼板の降伏応力が
上昇するいわゆる焼付硬化性を要求されることが
多い。このような冷延鋼板に焼付硬化性を付与す
る方法は例えば特公昭59−2726号公報、特開昭54
−107420号公報等に開示されている。しかしなが
ら、これら従来開発されてきた鋼板は焼鈍完了後
の成品板に適当量の固溶Cを残存させておくこと
により焼付硬化性を得ている。しかるに、焼付硬
化性を向上させる目的で固溶Cを増量すると歪時
効が発生するので、この歪時効を低減するために
固溶Cを減量すると焼付硬化性が劣化することに
なり、満足すべき解決手段とはなり難い。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者等は上記の如き問題点を解決す
るため種々検討を進めた結果、焼鈍後の過時効処
理を120℃以下の低温域で行なうことにより微細
炭化物を形成させ、これによつて固溶Cを充分低
減せしめればまず遅時効性が達成されるのみなら
ずユーザーでの焼付塗装の際、120℃超の焼付温
度においてCが溶解するので、これを利用するこ
とにより従来にない高い焼付硬化性を得ることが
可能であることを見い出した。 (発明の構成・作用) 即ち本発明は以上の知見に基いてなされたもの
であつて、その概要とする所は、重量%でC:
0.0005〜0.07%、Si:0.6%以下、Mn:0.1〜1.8
%、P:0.09%以下、S:0.03%以下、Total
Al:0.015〜0.1%、Total N:0.008%以下、か
つ必要により、Ti:0.2%以下、Nb:0.15%以
下、B:0.004%以下のうち、1種または2種以
上を含有し、残部はFe及び不可避的不純物から
なる鋼板を冷延後再結晶温度以上で10分以内の連
続焼鈍を行ない、過時効前の固溶Cを0.0005〜
0.004%とした後、120℃以下の温度で5分以上の
過時効処理を施す時効性に優れかつ高い焼付硬化
性を有する冷延鋼板の製造方法にある。 以下に本発明を詳細に説明する。先ず本発明の
対象とする鋼における各成分の限定理由について
述べる。 まずCは、0.07%を超えると延性が著しく劣化
しプレス成形には不向きとなる。一方、Cが
0.0005%未満では充分な焼付硬化性が得られな
い。従つてCは0.0005〜0.07%とした。なお、
Ti、Nb、Bなどの炭化物形成元素を添加しない
場合には、Cは0.0045%以下にすることが望まし
い。 次にSiは少量の添加で強度が上がるため有用な
元素であるが、0.6%を超えると著しく耐食性が
劣化するので0.6%以下とした。 Mnは赤熱脆性を引き起すSを固定する働きを
有するため0.1%以上は必要である。しかし、1.8
%を超えると、プレス成形性が劣化するばかりで
なく溶接性も著しく劣化する。従つて、0.1〜1.8
%とした。 Pは鋼板の強度レベルを上昇させる重要な元素
の一つであるが、0.09%を超えると溶接性が劣化
するばかりでなく二次加工性も劣化するなどの問
題が生じるので、0.09%以下とした。 Sは、鋼にとつて本質的に有害な元素であり、
特に0.03%超のSが含まれると赤熱脆性を起し、
熱延作業が困難となるため0.03%以下とした。 Total Alは強力な脱酸剤として役割を有する
のみならず、鋼中のNをAlNとして固定し固溶
Nによる常温時効を防止する働きがあるので、
0.015%以上は必要である。しかしながら0.1%を
超えるとAl2O3などの介在物が増加し、加工性を
劣化させる。従つて0.015〜0.1%とした。 Total Nは、熱延巻取り時に析出するAlNが
焼鈍時の粒成長を抑制するため少ない程材質は向
上し、0.008%を超えると熱間脆性が著しくなる
ため0.008%以下とした。 また、本発明においては、鋼板の強度上昇のた
めに、(イ)Ti:0.2%以下、Nb:0.15%以下の1種
または2種を含有せしめることができる。 Tiは鋼板を強化する元素の一つであるが、0.2
%を超えると粗大なTi(C、N)が析出し、熱間
脆性の原因となるばかりでなく延性も劣化する。 Nbも硬化能の強い元素であるが、0.15%を超
えるとNb(C、N)が著しく粗大化し、熱間脆性
を引き起す。 また、本発明においては二次加工性を良好にす
るため(ロ)B:0.004%以下を含有せしめることも
できる。Bは粒界を強化する元素として知られて
いるが、0.004%を超えると熱間加工時にFe23
(CB)6が粒界析出し脆性の原因となる。本発明に
おいては、目的に応じて上記(イ)、(ロ)の成分の一方
又は両方を使用する。 次に本発明における重要な点の一つは過時効処
理前の固溶Cが0.0005〜0.004%となるようC量
を調整することである。ここで、過時効前の固溶
C量とは、焼鈍後に形成されている炭化物及びそ
の後の冷却過程において析出する炭化物となつた
C量を鋼のTotal C量からさし引いた量である。 固溶Cについては、充分な焼付硬化性を後述す
る120℃以下の低温過時効で得るためには0.0005
%以上が必要であり、一方その上限を0.004%と
することにより、時効性の劣化を防止することが
できる。 なお、固溶Cを上記のような範囲に調整するに
はCの一部を炭化物として固定すれば良く、その
手段としてはTi、NbあるいはBを添加すること
によりそれぞれの炭化物を形成せしめるかあるい
は焼鈍後過時効処理に至るまでの冷却速度を調整
することによつて炭化物を形成せしめるかのいず
れか一方又は両方を適宜実施すればよい。この場
合、冷却速度は特に規定しないが、1〜800℃/
秒にすることが望ましい。 次に本発明における熱処理条件の限定理由につ
いて述べる。本発明においては、かかる成分を含
有する鋼を通常の工程を経て冷延鋼板とした後連
続焼鈍を実施するものであるが、この場合、焼鈍
温度を再結晶温度以上としたのはプレス成形性を
良好にするためであり、焼鈍温度の上限は規定し
ないが、十分なγ値を付与する場合はAr3点未満
にすることが望ましい。この場合、10分を超えて
焼鈍すると粗大粒発生の危険性があるので肌荒れ
防止の観点から10分以内とした。 さらに、本発明の最も特徴的な点は過時効処理
温度を120℃以下にすることである。この温度以
下においては不安定な微細炭化物が形成され、こ
れが120℃超の焼付塗装温度に加熱されることに
よつて容易に再固溶し転位上に安定炭化物として
析出し降伏応力が著しく増加するからである。な
お、過時効処理温度の下限は特に設けないが温度
が低い程微細炭化物形成に要する時間が増加する
ので実用上の見地から40℃以上が適当である。 また、過時効処理の時間を5分以上としたのは
次のような実験に基づくものである。 即ち、供試材としてTotal C0.0031%、Si
0.018%、Mn 0.19%、P 0.01%、S 0.005%、
sol Al 0.042%、Total N 0.002%を含有する
鋼につて通常の手段により製鋼、造塊、熱延、冷
延等を行ない厚さ0.8mmtの冷延板とした後、850
℃で1分間の連続焼鈍を行ない、冷却速度100
℃/秒で過時効温度まで冷却した後、これらの鋼
について過時効前の固溶C量を内部摩擦法によつ
て測定するとともに、次いで過時効処理温度を70
℃として処理時間を0〜60分間で種々変えて過時
効処理を実施した。次いで1%のスキンパスを施
し人工時効処理(100℃×1時間)後の降伏伸び
と焼付硬化量(〔2%歪−170℃×20分後の降伏応
力〕−〔2%歪時の応力〕)とを求め過時効時間に
対するこれらの関係を第1図に示した。同図にお
いて〇印が降伏伸び、●印が焼付硬化性を示す。
同図から明らかなように、過時効時間が5分以上
となると、時効性が急激に向上するが、焼付硬化
性はなんら劣化しないことがわかる。このような
理由により過時効処理時間を5分以上とした。こ
の場合時間の上限は特に設けないが連続焼鈍とし
ての実用的見地からは60分程度までが望ましい。
なお、この場合、時効性の判断として、降伏伸び
を選んだのはプレス成形時に発生するストレツチ
ヤストレインの程度が降伏伸びとよく対応するか
らである。また、焼付硬化性の判断基準として
〔2%歪−170℃×20分後の降伏応力〕−〔2%歪時
の応力〕を選んだのは、プレス成形における平均
的な歪が約2%であり、かつ現在的行なわれてい
る塗装焼付の温度がほぼ170℃だからである。 なお、本発明法に用いられる鋼は、通常の製
鋼、連鋳或いは普通造塊分塊、熱延、冷延の各種
工程を経て冷延鋼板とすることができる。 次に実施例により本発明の効果をさらに具体的
に示す。 (実施例) 第1表に示す鋼について通常の工程を経て厚さ
0.8mmの冷延板を製造した後、第2表に示す条件
で、連続焼鈍及び過時効処理を行ない、1%のス
キンパスを施し、しかるのち、第2表に示す時効
前の機械的性質を調べ、さらに人工時効処理
(100℃×1時間)後の降伏伸び及び焼付硬化量を
〔2%歪−170℃×20分後の降伏応力〕−〔2%歪時
の応力〕の条件で測定した。なお、これら機械的
特性値はすべてJIS5号試験片をインストロン型引
張試験機により測定した値である。
【表】
【表】
【表】
同表において試番No.1〜No.7は本発明例、No.8
〜No.18が比較例である。 No.8、No.10及びNo.13は焼付硬化性は良いが、人
工時効後の降伏伸びが高い、すなわち時効性が悪
いものとなり、No.9、No.11、No.12及びNo.16は時効
性は満足できるが、焼付硬化性が高くない。さら
にNo.11においては焼鈍時間が長すぎ粗大粒が発生
したため肌荒れが生じた。No.14、No.15、No.17及び
No.18は時効性は優れているものの焼付硬化性が全
くないものとなつている。これに対して本発明例
のNo.1〜No.7においては時効性も良くかつ焼付硬
化性も高くなつていることが明らかである。 (発明の効果) 以上の実施例からも明らかな如く、本発明によ
れば時効性に優れた高焼付硬化性を有する冷延鋼
板の製造が可能となり、産業上の効果は極めて顕
著である。
〜No.18が比較例である。 No.8、No.10及びNo.13は焼付硬化性は良いが、人
工時効後の降伏伸びが高い、すなわち時効性が悪
いものとなり、No.9、No.11、No.12及びNo.16は時効
性は満足できるが、焼付硬化性が高くない。さら
にNo.11においては焼鈍時間が長すぎ粗大粒が発生
したため肌荒れが生じた。No.14、No.15、No.17及び
No.18は時効性は優れているものの焼付硬化性が全
くないものとなつている。これに対して本発明例
のNo.1〜No.7においては時効性も良くかつ焼付硬
化性も高くなつていることが明らかである。 (発明の効果) 以上の実施例からも明らかな如く、本発明によ
れば時効性に優れた高焼付硬化性を有する冷延鋼
板の製造が可能となり、産業上の効果は極めて顕
著である。
第1図は過時効処理時間に対する焼付硬化量と
人工時効後の降伏伸びを示した図である。
人工時効後の降伏伸びを示した図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で C:0.0005〜0.07% Si:0.6%以下 Mn:0.1〜1.8% P:0.09%以下 S:0.03%以下 Total Al:0.015〜0.1% Total N:0.008%以下 を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からな
る鋼板を冷延後再結晶温度以上で10分以内の連続
焼鈍を行ない、過時効前の固溶Cを0.0005〜
0.004%とした後、120℃以下の温度で5分以上の
過時効処理を施すことを特徴とする時効性に優れ
かつ高い焼付硬化性を有する冷延鋼板の製造方
法。 2 重量%で C:0.0005〜0.07% Si:0.6%以下 Mn:0.1〜1.8% P:0.09%以下 S:0.03%以下 Total Al:0.015〜0.1% Total N:0.008%以下 かつ、 Ti:0.2%以下 Nb:0.15%以下 B:0.004%以下 のうち、1種または2種以上を含有し、残部は
Fe及び不可避的不純物からなる鋼板を冷延後再
結晶温度以上で10分以内の連続焼鈍を行ない、過
時劾前の固溶Cを0.0005〜0.004%とした後、120
℃以下の温度で5分以上の過時効処理を施すこと
を特徴とする時効性に優れかつ高い焼付硬化性を
有する冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27955384A JPS61157639A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 時効性に優れかつ高い焼付硬化性を有する冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27955384A JPS61157639A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 時効性に優れかつ高い焼付硬化性を有する冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61157639A JPS61157639A (ja) | 1986-07-17 |
JPS6330970B2 true JPS6330970B2 (ja) | 1988-06-21 |
Family
ID=17612566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27955384A Granted JPS61157639A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 時効性に優れかつ高い焼付硬化性を有する冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61157639A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6347338A (ja) * | 1986-08-15 | 1988-02-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法 |
JPH07242948A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-19 | Kobe Steel Ltd | 焼付け硬化性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
JP4823805B2 (ja) * | 2006-08-09 | 2011-11-24 | 永大産業株式会社 | 床材の床下地への固定構造 |
-
1984
- 1984-12-28 JP JP27955384A patent/JPS61157639A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61157639A (ja) | 1986-07-17 |
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