JPS63307237A - 高耐食ジルコニウム基合金 - Google Patents

高耐食ジルコニウム基合金

Info

Publication number
JPS63307237A
JPS63307237A JP13980387A JP13980387A JPS63307237A JP S63307237 A JPS63307237 A JP S63307237A JP 13980387 A JP13980387 A JP 13980387A JP 13980387 A JP13980387 A JP 13980387A JP S63307237 A JPS63307237 A JP S63307237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zirconium
nickel
iron
tin
based alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13980387A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Inagaki
正寿 稲垣
Iwao Takase
高瀬 磐雄
Masayoshi Sugano
正義 菅野
Jiro Kuniya
国谷 治郎
Kimihiko Akahori
赤堀 公彦
Isao Masaoka
正岡 功
Hideo Maki
牧 英夫
Junjiro Nakajima
中島 潤二郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP13980387A priority Critical patent/JPS63307237A/ja
Publication of JPS63307237A publication Critical patent/JPS63307237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 、本発明は、新規なジルコニウム基合金に係り、特に原
子炉用燃料被覆管として高燃焼度での使用に好適な高耐
食性を有する原子炉用燃料棒とその燃料集合体に関する
〔従来の技術〕
ジルコニウム基合金のうち、燃料被覆管に使用される合
金は、ジルカロイ−2(Sn :1.20〜1.70w
t%、Fe : 0.07〜0.20wt%。
Cr : 0.05〜0.15wt%、Ni : 0.
03〜0.08wt%、 O: 900〜1500pp
m、残Zr、但しFe+Cr+Ni : 0.18〜0
.24wt%)及びジルカロイ−4(Sn :1.20
〜1.70wt%、Fe : 0.18−0.24wt
%。
Ni:0.007wt%以下、 o : 900−15
o。
PPl11 +残Zr但しF e+Cr : 0.28
〜0.37wt%)である。これら合金の開発経緯は、
ASTM。
5TPNα368 (1963)pp3−27に論じら
れている。本論文にはジルカロイ−1(Zr−2,5w
 t%Sn合金)、ジルカロイ−3A(Zr−0,25
wt%5n−0,25Fe合金)、ジルカロイ−38(
Zr−0,5wt%5n−0,4wt%Fe合金)、ジ
ルカロイ−3C(Zr−0,5wt%S n −0、2
w t%F e−0,2w4%Ni合金)及び、N 1
−Freeジルカロイ−2(Sn : 1.20〜1.
70wt%、 F e : 0.12−0.18wt%
、Cr : 0.05〜0.15wt%。
Ni : 0.007wt%以下)が報告されている。
ジルカロイ−2,ジルカロイ−4以外のこれら合金の問
題点は、下記のようである。ジルカロイ=1は、Fe、
Cr、Niが含まれていないので、耐食性が低い。ジル
カロイ−3シリーズは、Sn添加量を減少させることに
より製造性を向上させると共に、Fe、Ni添加量を増
加させて耐食性向上をはかった合金であるが、強度がジ
ルカロイ−2より低く、約75%に低下する。N i 
−Freeジルカロイ−2は、Niを除去したことによ
り、510℃水蒸気中での耐食性が低い。ジルカロイ−
4は、N i −Freeジルカロイ−2の耐食性を高
めるためにFe含有量を高めた合金であり、Njを含ま
ないため多量のFeが必要となり中性予張収断面積を大
きくするのでまずい。
上記ジルカロイの各合金元素の添加目的についても以下
のように論じられている。Snは、機械的性質の改善と
、溶解原料であるスポンジジルコニウム中に含まれてい
る窒素が耐食性に及ぼす悪影響を防止するために添加さ
れる。Fe、Cr及びNiは、主に耐食性改善のために
添加される合金元素である。Zr−2,’5wt%Sn
 合金及びZ r −1、8w t%Sn 合金に、F
e、Cr及びNiを単独添加した3元合金、並びにZr
にFe。
Cr、Niを単独添加した2元合金を用いて、400℃
水蒸気中及び315〜360 ’C高温水中での耐食性
が検討されている。その結果によるとFe単独添加量の
最適値は0.22wt%、Cr単独添加量の最適値は0
.1wt%、Ni単独添加量の最適値は0.22wt%
°であった。各元素の複合添加効果についても検討され
た結果Fe。
Cr、Niの最適合計添加量は、400’C水蒸気中で
は0.35wt%1.360℃水中では0.3wt%で
あると報告されている。以上の結果をもとにして現用ジ
ルカロイ−2及びジルカロイ−4の合金組成が決定され
た。
このように高い耐食性が確認されたジルカロイ−2,ジ
ルカロイ−4からなる燃料被覆管をBWR環境中で使用
すると、A S T M 、 S T P Na 63
3(1977)第236頁−第280頁、第295頁−
第311頁に記載されているように、ノジュラコロージ
ョンと呼ばれる丘疹状の局部腐食が発生することが明ら
かになった。原子力燃料を高燃焼度化すると、ノジュラ
コロージョン発生部の拡大、相互連結し、ついには剥離
してしまうので、ノジュラ腐食の発生を防止することが
、原子力燃料の高燃焼度化には不可欠な技術となった。
特開昭58−95247 、 ANS TRANSAC
TION vol、 34(June 1980) p
p237−238. J 。
Electrochem、Soc、Electroch
emical 5cience andTechnol
ogy、February 1975. p p 19
9−204によると、この炉内で発生するノジュラコロ
ージョンを炉外での加速腐食試験で再現させるには、約
500℃以上の高温水蒸気環境が適しており、4.00
℃水蒸気中あるいは315〜360℃高温水中試験では
、ノジュラコロージョンに対するジルカロイの感受性を
評価できないことが明らかになった。この改良された腐
食試験法で現用ジルカロイ−2,ジルカロイ−4を評価
した結果ノジュラコロージョンを発生することも明らか
になり、さらに高い耐ノジュラコロージョン性を有する
被覆管が必要となった。
米国特許第2,772,964号にはSn0.1〜2.
5%、F e * N x y及びCrの少なくとも1
種2%以下残部が実質的にZrからなる合金が開示され
ているが、耐食性及び水素吸収収特性の両者を兼ね備え
た合金は開示されていない。
現用ジルカロイを高耐食化する技術としては、特開昭5
1−110411 、特開昭51−110412及び特
開昭58−22364に記載されているβクエンチと呼
ばれる熱処理技術及びβクエンチ工程を含む製造プロセ
スが公知である。βクエンチとは、ジルカロイをα+β
相温度範囲あるいはβ相温度範囲の高温から急冷する熱
処理であり、この処理を施すことにより、合金中に析出
している金属間化合物相(Zr (Cr、Fe)21 
Zrz(Ni、Fe)等)が微細化あるいは一部固溶す
る。このβクエンチ技術により、耐食性は向上するが、
βクエンチしたままのジルカロイは、Fe、Cr、Ni
を過飽和に固溶しているマルテンサイ1〜組織(針状組
織)を含んでいるため延性が低い。延性を向上させるた
めに、βクエンチ後、冷間加工と焼なましとを交互に繰
返すことにより再結晶組織とする方法もある。燃料被覆
管の製造工程を例にとると、溶解されたインゴットは、
熱l?JY鍛造(約1ooo℃)、溶体化処理(約10
00℃)熱間鍛造(約700℃)の後、熱間押出し加工
により円筒状ビレット(通常素管と呼ばれる)に成形さ
れ、この素管にβクエンチを施し、ピルガミル冷間圧延
加工と焼なまし処理とを交互に3回繰返される。βクエ
ンチ後、強加工と焼なましとを複数回繰返すと、βクエ
ンチにより高い耐食性を付与されたジルカロイ合金中に
、粗大な金属間化合物相が析出した耐食性が低下してく
る。よって燃料被覆管として使用゛されるジルコニウム
基合金は、加工及び熱処理により耐食性が変化せず高い
耐食性を有していることが望ましい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ジルカロイの耐食性を改善する上記従来技術は、熱処理
によるものであり、ノジュラコロージョン防止の観点か
ら合金組成の再検討に対する配慮がなされておらず、実
炉環境中で完全にノジュラコロージョンを防止すること
ができないこと及び水素吸収特性が高いという問題があ
った。
本発明の目的はノジュラー腐食が生ぜず高い耐食性と水
素吸収特性の低いジルコニウム基合金とその製法、及び
それを用いた原子炉用燃料棒と燃料集合体を提供するに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.35
%及びニッケル0.03〜0.15%を含み、残部が実
質的にジルコニウムからなるジルコニウム基合金におい
て、(鉄/ニッケル)比が1〜であり、α相のジルコニ
ウム結晶粒内に微細な錫とニッケルとの金属間化合物が
析出していることを特徴とする高耐食ジルコニウム基合
金にある。
本発明は、更にCr O,05〜0.15%含むことが
より耐食性向上が得られる。Snはジルコニウム基合金
の強度及び耐食性を向上させるために1%以上含有させ
るものであり、2%を越えてもより顕著な効果は得られ
ず、逆に塑性加工性を低めるので、2%以下に限定され
る。特に、1.2〜1.7%が加工性が高く、強度及び
耐食性の点からバランスされた範囲である。
鉄は高温高圧水中での耐食性を向上させ、水素吸収特性
を高めるとともに強度を高めるのに必要で、0.2%以
上必要である。しかし、0.35%を越えると中性子吸
収断面積を大きくし、冷間塑性加工性を低めるので、0
.35%以下にすべきである。特に、0.2〜0.3%
がこれらの特性がバランスされたものが得られ、原子炉
用燃料被覆管、スペーサ及びチャネルボックスにおける
薄肉部材を冷間塑性加工及び焼なましの繰返しによって
製造するのに好適である。
(I7) 、ニッケルは水素吸収率を高めずに高温高圧水中での耐
食性も向上させるもので、0.03%以上必要である。
即ち、鉄を単独で添加することによっても耐食性が向上
するが、ニッケルとの共存によって鉄の含有量を顕著に
減らすことができる。
しかし、Niは水素吸収率を高める元素なので、0.1
6%以下にすべきである。特に、0.05〜0.11%
が水素吸収率が低く、高耐食性が得られる。
(鉄/ニッケル)比は水素吸収率に大きく関係する。こ
の比率が1.4未満では急激に水素吸収率が増し、また
逆に8を越えても水素吸収率の低下が得られないので、
この比率を1.4〜8 にすべきである。特に、2〜4
は、鉄及びニッケル量との耐食性及び水素吸収率との両
者の特性に優れ、冷間塑性加工性の高いバランスされた
範囲である。
この比率は前述のFe含有量が0.2%以上で重要な意
味があり、Ni含有量との相関関係の結果・得られるも
のである。
錫とニッケルとの金属間化合物は耐食性を向上させるの
に不可欠のものであり、最終熱間塑性加工後のα相とβ
相との共存温度又はβ相からの急冷によって得られるも
のであり、その後の焼なましによって形成される鉄、ニ
ッケル、ジルコニウム金属間化合物の成長を抑制し、耐
食性及び水素吸収特性を改善するものである。特に、5
n−Ni金属間化合物は0.2μm以下の粒径が好まし
い。
本発明は、複数の燃料棒、該燃料棒の両端を保持する上
部及び下部タイプレート、該上部及び下部タイプレート
間に設けられた前記燃料棒を所定の間隔で配列するスペ
ーサ、前記燃料棒、上部タイプレート、下部タイプレー
ト及びスペーサを収納する角筒からなるチャネルボック
ス及び前記上部タイプレートに保持され前記燃料棒の全
体を一体に搬送するためのハンドルを備えた原子炉用燃
料集合体において、前記燃料棒はジルコニウム基合金か
らなる燃料被覆管内に核燃料ペレットが収納される燃料
被覆管として前述のジルコニウム基合金が適用されるも
のである。
燃料被覆管内には核燃料ペレットが収納され、前記被覆
管の両端部にジルコニウム基合金からなる端栓が溶接さ
れ、 前記被覆管内に不活性ガスが封入されている。この端栓
同様に本発明のジルコニウム基合金が適用される。
本発明は、ジルコニウム基合金によって燃料被覆管が構
成され、燃料被覆管が熱間加工後、前記ジルコニウム基
合金のα+β相温度又はβ相温度範囲から急冷する処理
を施し、その後冷間加工と焼なまし処理を繰返すことに
より製造されたものであるのが好ましい。特に、α+β
相温度からの急冷は、その後の冷間塑性加工性がβ相急
冷されたものに比較し高いことから好ましい。
合金は前述のβ相又はα+β相からの急冷を施したもの
が好ましく、その処理は熱間塑性加工後最後の冷間塑性
加工前に旅するのが好ましく、特に最初の冷間塑性加工
前に施すのが良い。
α+β相は825〜980℃、β相は980℃を越える
温度より1100℃以下で、これらの温(20)   
   ・ 度より流水、噴露水睡により急冷するのが好ましい。特
に、最初の冷間塑性加工前に素管水に水を流しながら外
周より高周波加熱により局部的に加熱する方法が好まし
い。
この結果、管内面側が延性が高く、外面側に耐食性で水
素吸収率の低いものが得られる。α+β相での加熱はβ
相が主に形成される温度が選ばれる。α相は急冷しても
変らず、硬さの低い延性の高いものであり、β相に変っ
た部分からの急冷は硬さの高い針状の相が形成され、冷
間加工性が低い。しかし、α相がわずかながらでも混在
することによって高い冷間塑性加工性が得られ、耐食性
及び水素吸収率の低いものが得られる。β相として80
〜95%面積率になる温度で加熱し、急冷するのが好ま
しい。加熱は短時間で行ない、5分以内、特に1分以内
が好ましい。長時間の加熱は結晶粒が成長するとともに
析出物が形成され、耐食性が低下するのでまずい。
焼なまし温度は500〜700℃が好ましく、特に55
0〜640℃が好ましい。640℃以下では耐食性の高
いものが得られる。この加熱は高真空中で行うのが好ま
しい。真空度は10−4〜10−5トルが好ましく、焼
なましによって合金表面に酸化皮膜が実質的に形成され
ず、表面が無色の金属光沢を示すものがよい。焼なまし
時間は1〜5時間が好ましい。
溶接はTIG、レーザビーム、電子ビーム溶接によって
行うのが好ましく、特にTIG溶接が良い。端栓と被覆
管とは同一組成の材料が好ましく、不活性ガスが1〜3
気圧に封入される。溶接部は溶接のままで用いられる。
被覆管用材料としては、耐養性の外に、水素吸収特性1
機械的性質、中性子吸収特性、製造性も考慮されなけれ
ばならない。
〔作用〕
(耐食性) ジルカロイ表面の酸化膜は、金属過剰(酸化欠乏)型の
n型半導体であり、その組成は化学量論組成からずれた
Zr0z−xである。過剰な金属イオンは、等価な電子
によって補償されており、酸素欠乏部はアニオン欠陥と
して酸化膜中に内在している。酸素イオンはこのアニオ
ン欠陥と位置を交換することにより内部へ拡散し、酸化
膜と金属界面でジルコニウムイオンと結合し新たな酸化
物を形成し、腐食が金属内部へと進行していく。このよ
うな均一全面酸化が被覆管全表面で進行すると表面に強
固な不動態的性質を有する酸化膜が形成され、時間経過
に伴い酸化膜成長速度は純化し優れた耐食性を有するよ
うになる。合金元素であるFe及びNiは、zro2−
Xイオン格子のZrイオン位置と置換することにより、
アニオン欠陥を形成する元素であるが、均一に分散する
ことにより酸化膜の成長速度を均一化させ、均一な保護
被膜を形成させる効果がある。製造プロセスにおけるβ
クエンチは、合金元素の分布をより均一化させる効果が
ある。焼なまし笠のα相温度範囲での熱処理は、金属間
化合物相の析出を促進しその析出物を粗大化させる。粗
大化した金属間化合物相が析出するとその周辺部で合金
元素の欠乏部が生じるため酸化膜成長速度に不均一が生
じる。酸化膜厚さの不均一は、酸化膜中に不均一な内部
応力が発生する原因となり、この応力の不均一に起因す
る割れを発生させる。割れは腐食環境とジルカロイ金属
とを短絡させるので局部酸化、すなわちノジュラコロー
ジョン発生の原因となる。よってノジュラコロージョン
発生の防止には、α+βクエンチあるいはβクエンチに
より、均一に、Fe及びNiを分散させること、及び、
析出により濃度低下をきたさないだけの十分なFe及び
Niが合金に添加されている必要がある。とくにNiは
、これらのクエンチにより粒径0.01μm前後の微細
な金属間化合物相Sn、Niとして結晶粒内に均一に分
散する性質を有しているので、ノジュラコロージョンを
防止するには不可欠な元素である。
5n−Ni金属間化合物相は高温の相温度範囲で長時間
焼なまし処理を施すと、Zrz(Ni・Fe)に変化し
耐食性を低下させる。
よって、5n−Ni金属間化合物相が0.2μm以上に
成長しないような熱処理条件を採用しなげればならない
(水素吸収特性) 材料脆化の原因となる水素は、吸収量が少いことが必要
である。前述したようにNiは耐食性向上には不可欠な
添加元素であるが、添加量の増加に伴い水素吸収量を増
す元素である。水素ガスの発生は、腐食に付随した現象
であり、酸化(腐食)が少いほど水素ガスの発生量も少
い。酸素イオンの内部拡散と逆方向に電子が移動し、水
素イオンはこの電子により還元されて水素ガスとなる。
この水素ガスの一部が内部に吸収されて水素化物を形成
し水素脆化の原因となる。Zr2(Ni、Fe)型の金
属間化合物相が存在すると、カソード分極反応が促進さ
れ水素ガス吸収量を増すが、Zr (Cr、Fe)2.
あるいはZ r F ez型の金属間化合物相が同時に
存在すると、カソード分極反応は抑制される。よって、
所定量以上のFeを添加する必要があり、その量は0.
2w’t%以上が好ましい。
(中性子吸収断面積) 2rに比べて熱中性子吸収断面積の大きいFe及びNi
を多量に添加することは、発電に寄与する熱中性子を吸
収し発電効率を低下させるので好ましくない。現用ジル
カロイと同等な中性子吸収断面積とするためには、Ni
量は0.3wt%以下、Fe量は0.55wt%以下と
するのが好ましい。よって、Fe及びNiの合金添加量
は次式の範囲内とすべきである。
0.55XN1+0.3XFe≦0.165(製造性9
機械的性質) 熱間及び冷間加工性が低下すると、製造時に割れが発生
する。Niを添加すると、Zr2(Ni。
Fe)の金属間化合物が析出する。耐食性向上効果のあ
る5n−Ni金属間化合物相は、α相温度範囲での熱処
理を施しても粗大化しないが、Z r2(N i 、 
F e)金属間化合物は粗大化し加工性を低下させる。
粗大化防止には、Ni添加量を0.2wt%以下にする
のが好ましく、βクエンチにより微細化するのが好まし
い。機械的性質に関しても製造性とほぼ同様であり、N
iを過剰に添加すると延性が低下する。Snを3.0%
以上合金化すると延性の低下が著しい。
〔実施例〕
溶解原料に原子炉用ジルコニウムスポンジを用い、真空
アーク溶解により第1表に示す合金組成(重量%)の合
金を溶製した。残部はZrである。
各インゴットは、熱間圧延(700℃)、焼なましく7
00℃・4時間)を施した後、α+β相温度範囲<90
0℃)及びβ相温度範囲(1000℃)に5分間保持し
た後水冷するクエンチ処理を施した。冷間圧延(加工度
:40%)と600℃・2時間の中間焼なましとを交互
に3回繰返すことにより厚さ1mmの板にした。この板
を再結晶温度範囲以上のα相温度範囲(530,620
,730℃)で2時間の焼なましを施し、腐食試験に供
した。腐食試験は、圧カニ10.3MPaの水蒸気中で
行い、温度及び時間は、BWR環境でのノジュラコロー
ジョンを再現するに適した特開昭58−95247に開
示されている。
第  1  表 条件で行った。すなわち、410℃の水蒸気中に8時間
試験片を保持した後、圧力を一定に保ちつつ、水蒸気温
度を510℃に上昇させ、510 ℃の高温高圧水蒸気
中に16時間試験片を引き続き保持する方法である。
水素吸収特性については、以下に記す方法により評価し
た。
Z r + 2 HzO−+ Z r Oz+2 H2
の反応に伴い、酸化物(Zr02)が形成されると同時
に水素ガスが発生する。酸化による重量増加を測定する
ことにより、ジルカロイと反応した水のモル数を求める
ことができ、それに対応して発生する水素ガスのモル数
を求めることができる。
腐食試験後の試験片に含まれる水素量を化学分析により
測定し、吸収水素モル数を計算し、吸収水素に対する発
生水素の比を求めることにより水素吸収率を求めた。
第1図は、ノジュラコロージョン発生の有無を示し、図
中O印は最終焼なまし温度によらずノジュラ腐食の発生
が表面及び側面に認められず腐食増量が45 m g 
/ d rrF以下であったことを示している。X印は
、表面あるいは側面にノジュラコロージョンが発生し腐
食増量が50 m g / d rrfを越えるもので
あったことを示す。第1図よりノジュラコロージョンを
防止できる合金組成は、図中の点線で分割された領域の
高Ni、高Fe側に存在することがねかる。点線は、0
.15Fe+0 、2’5 N i 〜0.0375に
よって求められる線図である。
第2図は腐食増量に及ぼすFe及びNi含有量の影響を
示す線図である。図に示す如く、高温高圧水での腐食は
Fe量及びNi旦の増加によって顕著に減少することが
分る。特に、Niの極微量の添加によって急激に腐食増
量が減少する。Fe含有量が0.2%付近ではNi0.
03%の添加によって腐食増量が45■/drrl’以
下であり、)ジュラ−腐食は生じなかった。
第3図は、水素吸収率に及ぼすFe添加量の影響を示し
たものである。図中Δ印はNi添加量:0.11wt%
の合金の水素吸収率を示し、0印はNi添加量:0.0
5wt%の合金の水素吸収率を示す。図中の点線は、α
+βクエンチあるいはβクエンチを省略した合金につい
ての実験結果を示す。実線は、加工熱処理プロセスにお
いて、α+βクエンチを行った合金の水素吸収率を示す
第3図よりα+βクエンチを施すことにより水素吸収率
を11%以下とすることができることがわかる。
第4図は、水素吸収率に及ぼすNi添加量の影響を示す
。Fe添加量は0 、20〜0 、24 w t%の範
囲にある。Ni添加量0.16wt%以下では、水素吸
収率は11%以下と低い値であるが0.2wt%以上に
なると急激に水素吸収率が上昇し40%にも達する。よ
って、Ni添加量は、0.15wt%以下とするのが好
ましい。
第5図は、水素吸収率に及ぼす(F e / N i 
)比の影響を示す線図である。図に示す如く、Fe含有
量が0.20%未満のO印及びΔ印のものは(F e 
/ N i )比による影響が見られないが、0.20
%以上のFe含有量では(F e / N i )比は
1.4以上にすべきであることが分る。前述の如く、F
eとNiとは水素吸収率に及ぼす効果が全く逆の作用を
有するので、これらの元素における比率が重要な関係を
有することを見い出した。
Feの含有量の0.2%未満及びNi含有量が0.2%
 を越える含有量ではこれらの元素の相関関係がないが
、両者の含有量が互いに逆の場合に両者は相関々係を有
するものである。
No 38の合金は、Fe添加量を0.48 w t%
まで高めた合金である。この合金の腐食増量は、43■
/ d m、水素吸収率は12%であった。このことか
ら、耐食性及び水素吸収の観点からは、Ni添加量Q、
16wt%以下の範囲であればFe添加量を0.2wt
%以上、0.5wt%前後まで増加させてもよいことが
わかる。しかし、後述するように、NiとFeとの合計
量が0.64%と多量に含有すると冷間塑性加工性が急
激に低下するので、前述の如く、冷間塑性加工によって
薄肉とする部材では好ましくないことが明らかである。
FeとNiとの合計量は0.40以上とすべきである。
Nα34合金のα+βクエンチしたものの透過電子顕微
鏡により放出物の観察を行った結果、錫とニッケルとの
金属間化合物が検出され、α相のジルコニウム結晶粒内
中に均一に分融して析出しているのが確認された。析出
物は5n2Ni3析出物で、粒径は約10nm程度の極
微細なものであった。しかし同じ材料でα+βクエンチ
しないものにはこの析出物は観察されなかった。
尚、α+βクエンチしたものでは、クエンチ後に熱間塑
性加工を施したものにはSnとNiとの析出物は見られ
なかった。
(実施例2) 本実施例は原子炉用燃料被覆管の製造プロセスを検討し
たものである。第2表に示す5種類の合金組成(重量%
)を有するインゴットをアーク溶解により溶製した。2
回の真空アーク溶解後、1050℃の温度で鍛造し、室
温まで冷却させた後、1000℃に再加熱して1時間保
持し水中で冷却させる溶体化処理を施した。引き続き7
00℃の温度で鍛造し冷却させ再加熱し700℃で1時
間焼なましを行った。表面を研削しCu被覆を施し65
0℃で熱間押出し、その後、Cu被覆を除去した。この
管は素管と呼ばれ、外径63.5mm、肉厚10.9n
w++の寸法である。この素管を高周波誘導コイル中を
通過させることにより加熱し、コイル通過直後の位置(
コイル下方)に設けた水噴出ノズルから管表面に水を噴
きつけ急冷させた。
最高加熱温度はα十β相を有する910℃であり860
℃以上の保持時間は約10秒、910℃から500℃ま
での平均冷却温度は約100℃/5で゛あった。高周波
焼入れ処理を施した素管はピルガミルによる圧延及び中
間位なましを交互に3回繰返すことにより外径12.3
nm、肉厚0.86mnの燃料被覆管寸法とした。中間
位なましはいずれも10−”トルの真空中で行ない、温
度は600℃及び650℃で順に行ない、最終節なまし
温度は577℃とした。冷間圧延加工度(管断面積減少
率)は、それぞれ順次77%、77%、70%であった
。この工程において、第3表のNn 5の合金にはミク
ロクラックが第2回目の冷間圧延時に発生したため、そ
の後の加工及び熱処理を中止した。
このことから、N i t= 0 、2 w t%以上
添加すると冷間加工性が低下し好ましくないことがわか
る。
いずれの被覆管も焼なまししたままで管表面には実質的
に酸化物は形成されず、無色で金属光沢を有していた。
第  2  表 以上の製造プロセスを経た燃料被覆管を引張試験(室温
及び343℃)及び腐食試験に供した。
第3表はその結果を示す。
引張特性はいずれの合金組成の被覆管においてもほぼ同
等であったが、Ni量:0.01wt%では耐食性が低
くNiを0.03wt%以上添加する必要があることが
わかる。
高い耐食性を有していたNα2〜Nα4の被覆管の金属
組織においては、粒径0.01μm前後の5n−Ni金
属間化合物相が、再結晶したα相Zr結晶粒内に微細に
分散していた。
(実施例3)    ′ 実施例2に示されるNα4の合金からなる被覆管を用い
、更に端栓に同じ合金を用いて、第6図に示す燃料棒を
製作した。燃料棒は被覆管1.ライナ2.上部端栓3.
核燃料ペレット(例UO2)4゜プレナムスプリング5
.溶接部6.下部端栓7によって主に構成される。
端栓はβ相温度領域で鍛造され、焼鈍しんものである。
溶接はTIG溶接によって行われた。ライナ管2はジル
コニウム以外の不純物の総量が5000PP+n以下で
ある純Zrからなり、100μm以下の肉厚を有する。
ライナ管2はα+βりエンチ後に内面を研削した素管の
状態で圧着され、被覆管の製造時の冷間塑性加工と焼鈍
の繰返しによって所望の厚さになる。
この燃料棒は第7図に示す核燃料集合体10として組立
てられ、炉心に収納される。核燃料集合体10はチャネ
ルボックス11、核燃料棒14゜吊上げ取手12.上端
プレート15.下端プレート(図示せず)によって主に
構成される。
〔発明の効果〕
本発明によれば、耐食性が優れ、水素吸収量が少い燃料
被覆管の製造が得られるので、部材の信頼性が向上し炉
内滞在寿命を大幅に長期化できるので、原子力燃料の高
燃焼度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はノジュラーコロジョン発生に及ぼすFe、Ni
合金組成の影響、第2図は腐食増量に及ぼすNiの影響
を示す線図、第3図は水素吸収率に及ぼすFe量の影響
を示す線図、第4図は水素吸収率に及ぼすNi量の影響
を示す線図、第5図は水素吸収率に及ぼす(F e /
 N i )比の影響を示す線図、第6図は本発明合金
を適用した一例を示す燃料棒の断面図及び第7図は核燃
料集合体の部分断面図である。 1・・・被覆管、2・・・ランナ管、3−・・上部端栓
、4・・・核燃料ペレット、石・・・プレナムスプリン
グ、6・・・溶接部、7・・・下部端栓、10・・・核
燃料集合体、11・・・チャネルボックス、14・・・
核燃料棒、15・・・上端プレート。 (ンインろi”ThW6’i)[l (シく〕撹ンhiθ41)11 (鈎?N 第60 第q図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.35%及び
    ニッケル0.03〜0.16%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなるジルコニウム基合金において、(
    鉄/ニッケル)比が1.4〜8であり、α相のジルコニ
    ウム結晶粒内に微細な錫とニッケルとの金属間化合物が
    析出していることを特徴とする高耐食ジルコニウム基合
    金。 2、重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.35%及び
    ニッケル0.05〜0.11%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなるジルコニウム基合金において、(
    鉄/ニッケル)比が1.4〜8であり、α相のジルコニ
    ウム結晶粒内に微細な錫とニッケルとの金属間化合物及
    び鉄・ニッケル・ジルコニウム金属間化合物が析出して
    おり、鉄とニッケルとの合計量が0.3〜0.4%であ
    ることを特徴とする高耐食ジルコニウム基合金。 3、重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.30%及び
    ニッケル0.05〜0.11%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなるジルコニウム基合金において(鉄
    /ニッケル)比が2.4〜4.0であり、α相のジルコ
    ニウム結晶粒内に粒径0.2μm以下の錫とニッケルと
    の金属間化合物及び粒径0.1〜0.5μmの鉄、ニッ
    ケル・ジルコニウム金属間化合物が析出していることを
    特徴とする高耐食ジルコニウム基合金。 4、重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.35%及び
    ニッケル0.03〜0.16%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなるものにおいて、圧力10.3MP
    aで、410℃の水蒸気中8時間保持し、更に510℃
    の水蒸気中16時間保持したときの水素吸収率が15%
    以下であることを特徴とする高耐食ジルコニウム基合金
    。 5、重量で錫1〜2%、鉄0.20〜0.35%、ニッ
    ケル0.03〜0.16%及びクロム0.05〜0.1
    5%を含み、残部が実質的にジルコニウムからなるもの
    において、(鉄/ニッケル)比が1.4〜8であり、α
    相ジルコニウム結晶粒内に微細な錫とニッケルとの金属
    間化合物が析出していることを特徴とする高耐食ジルコ
    ニウム基合金。 6、ジルコニウム基合金からなる燃料被覆管内に核燃料
    ペレットが収納され、前記被覆管の両端部にジルコニウ
    ム基合金からなる端栓が溶接によって接合され、前記被
    覆管内に不活性ガスが封入されているものにおいて、前
    記被覆管は重量で、錫1〜2%、鉄0.20〜0.35
    %及びニッケル0.03〜0.16%を含み、残部が実
    質的にジルコニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1
    .4〜8であり、α相のジルコニウム結晶粒内の微細な
    錫とニッケルとの金属間化合物が析出していることを特
    徴とする高耐食燃料棒。 7、ジルコニウム基合金からなる燃料被覆管及び該被覆
    管の内側に純ジルコニウムライナを有する管内に核燃料
    ペレットが収納され、前記被覆管の両端部にジルコニウ
    ム基合金からなる端栓が溶接によって接合され、前記被
    覆管内に不活性ガスが封入されているものにおいて、前
    記被覆管は重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%
    、ニッケル0.03〜0.16%及びクロム0.05〜
    0.15%を含み、残部が実質的にジルコニウムからな
    り、(鉄/ニッケル)比が1.4〜8であり、α相のジ
    ルコニウム結晶粒内に粒径0.2μm以下の錫とニッケ
    ルとの金属間化合物及び粒径0.1〜0.5μmの鉄・
    ニッケル・ジルコニウム金属間化合物が析出しているこ
    とを特徴とする高耐食燃料棒。 8、複数の燃料棒、該燃料棒の両端を保持する上部及び
    下部タイプレート、該上部及び下部タイプレート間に設
    けられた前記燃料棒を所定の間隔で配列するスペーサ、
    前記燃料棒、上部タイプレート、下部タイプレート及び
    スペーサを収納する角筒からなるチャネルボックス及び
    前記上部タイプレートに保持され前記燃料棒の全体を一
    体に搬送するためのハンドルを備えた原子炉用燃料集合
    体において、前記燃料棒はジルコニウム基合金からなる
    燃料被覆管内に核燃料ペレットが収納され、前記被覆管
    は重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%及びニッ
    ケル0.03〜0.16%を含み、残部が実質的にジル
    コニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1.4〜8で
    あり、α相のジルコニウム結晶粒内に微細な錫とニッケ
    ルとの金属間化合物が析出していることを特徴とする原
    子炉用燃料集合体。 9、複数の燃料棒、該燃料棒の両端を保持する上部及び
    下部タイプレート、該上部及び下部タイプレート間に設
    けられた前記燃料棒を所定の間隔で配列するスペーサ、
    前記燃料棒、上部タイプレート及びスペーサを収納する
    角筒からなるチャネルボックス及び前記上部タイプレー
    トに保持され前記燃料棒の全体を一体に搬送するための
    ハンドルを備えた原子炉用燃料集合体において、前記燃
    料棒はジルコニウム基合金からなる燃料被覆管内に核燃
    料ペレットが収納され、前記被覆管は重量で、錫1〜2
    %、鉄0.2〜0.35%、ニッケル0.03〜0.1
    5%及びクロム0.05〜0.16%を含み、残部が実
    質的にジルコニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1
    .4〜8であり、α相のジルコニウム結晶粒内に粒径0
    .2μm以下の錫とニッケルとの金属間化合物及び、粒
    径0.1〜0.5μmの鉄・ニッケル・ジルコニウム金
    属間化合物が析出していることを特徴とする原子炉用燃
    料集合体。 10、重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%及び
    ニッケル0.03〜0.16%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1.4〜
    8であるジルコニウム基合金を最終熱間塑性加工後、α
    相とβ相とが共存する温度で短時間保持し次いで急冷す
    る処理を施し、次いで冷間塑性加工と焼なまし処理とを
    交互に繰返し、α相のジルコニウム結晶粒内に微細な錫
    とニッケルとの金属間化合物を形成することを特徴とす
    る低い水素吸収率を有する高耐食ジルコニウム基合金の
    製造法。 11、重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%及び
    ニッケル0.03〜0.16%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1.4〜
    8であるジルコニウム基合金を最終熱間塑性加工後、最
    初の冷間塑性加工前にα相とβ相とが共存する温度で短
    時間保持し次いで急冷する処理を施し、次いで冷間塑性
    加工と焼なまし処理とを交互に繰返し、α相のジルコニ
    ウム結晶粒内に粒径0.2μm以下の錫とニッケルとの
    金属間化合物及び粒径0.1〜0.5μmの鉄・ニッケ
    ル・ジルコニウム金属間化合物を形成することを特徴と
    する低水素吸収率を有する高耐食ジルコニウム基合金の
    製造法。 12、重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%及び
    ニッケル0.03〜0.15%を含み、残部が実質的に
    ジルコニウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1.4〜
    8であるジルコニウム基合金を最終熱間塑性加工後、α
    相とβ相とが共存する温度で短時間保持し次いで急冷す
    る処理を施し、次いで冷間塑性加工と真空中で焼なまし
    処理とを交互に繰返し、α相のジルコニウム結晶粒内に
    微細な錫とニッケルとの金属間化合物を形成前記焼なま
    し処理のままで前記合金表面に実質的に酸化物層を形成
    せず、無色を有することを特徴とする低い水素吸収率を
    有する高耐食ジルコニウム基合金の製造法。 13、重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0.35%、ク
    ロム0.05〜0.15%及びニッケル0.03〜0.
    16%を含み、残部が実質的にジルコニウムからなり、
    (鉄/ニッケル)比が1〜5であるジルコニウム基合金
    を最終熱間塑性加工後、最初の冷間塑性加工前にα相と
    β相とが共存する温度で短時間保持し次いで急冷する処
    理を施し、次いで冷間塑性加工と焼なまし処理とを交互
    に繰返し、α相のジルコニウム結晶粒内に粒径0.2μ
    m以下の錫とニッケルとの金属間化合物及び粒径0.1
    〜0.5μmの鉄・ニッケル・ジルコニウム金属間化合
    物を形成することを特徴とする低水素吸収率を有する高
    耐食ジルコニウム基合金の製造法。 14、ジルコニウム基合金からなる燃料被覆管内に核燃
    料ペレットが収納され、前記被覆管の両端部にジルコニ
    ウム基合金からなる端栓が溶接によって接合され、前記
    被覆管内に不活性ガスが封入されているものの製造にお
    いて、前記被覆管は重量で、錫1〜2%、鉄0.2〜0
    .35%、ニッケル0.03%〜0.12%及びクロム
    0.05〜0.15%を含み、残部が実質的にジルコニ
    ウムからなり、(鉄/ニッケル)比が1.4〜8である
    ジルコニウム基合金を最終熱間塑性加工後、最初の冷間
    塑性加工前にα相とβ相とが共存する温度で短時間保持
    し次いで急冷する処理を施し、次いで、冷間塑性加工と
    真空中での焼なまし処理とを交互に繰返し、α相のジル
    コニウム結晶粒内に微細な錫とニッケルとの金属間化合
    物を形成し、前記焼なましで前記被覆管表面に実質的に
    酸化物層を形成せず無色を有することを特徴とする低い
    水素吸収率の高耐食燃料棒の製造法。
JP13980387A 1987-06-05 1987-06-05 高耐食ジルコニウム基合金 Pending JPS63307237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13980387A JPS63307237A (ja) 1987-06-05 1987-06-05 高耐食ジルコニウム基合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13980387A JPS63307237A (ja) 1987-06-05 1987-06-05 高耐食ジルコニウム基合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS63307237A true JPS63307237A (ja) 1988-12-14

Family

ID=15253799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13980387A Pending JPS63307237A (ja) 1987-06-05 1987-06-05 高耐食ジルコニウム基合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63307237A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0227989B2 (en) Zirconium-based alloy with high corrosion resistance
KR100334252B1 (ko) 니오븀이 첨가된 핵연료피복관용 지르코늄 합금의 조성물
EP1111623B1 (en) Zirconium niobium tin alloys for nuclear fuel rods and structural parts for high burnup
US20100128834A1 (en) Zirconium alloys with improved corrosion resistance and method for fabricating zirconium alloys with improved corrosion resistance
US20100108204A1 (en) Zirconium alloy composition for nuclear fuel cladding tube forming protective oxide film, zirconium alloy nuclear fuel cladding tube manufactured using the composition, and method of manufacturing the zirconium alloy nuclear fuel cladding tube
US5844959A (en) Zirconium niobium tin alloys for nuclear fuel rods and structural parts for high burnup
JPH07224373A (ja) ジルコニウムまたはジルコニウム合金製のバリヤー被覆の耐蝕性を改良する方法
KR20090093483A (ko) 다양한 산소화합물 및 석출상의 제어를 통한 우수한내식성을 갖는 지르코늄 합금 조성물 및 이의 제조방법
JPH11148990A (ja) 核燃料棒を被覆する管の製造法、核燃料被覆管、ジルコニウム合金の製造法および構造部材の製造法
JPH01119650A (ja) 原子炉燃料集合体用チヤンネルボツクスの製造方法
KR101929608B1 (ko) 최종 열처리로 인해 개선된 부식/크리프 저항을 갖는 지르코늄계 합금 제품 및 그 제조방법
US10221475B2 (en) Zirconium alloys with improved corrosion/creep resistance
US9725791B2 (en) Zirconium alloys with improved corrosion/creep resistance due to final heat treatments
JP2600057B2 (ja) 高耐食原子燃料用被覆管、スペーサ及びチャンネルボックスとその燃料集合体並びにその製造法
JPS63307237A (ja) 高耐食ジルコニウム基合金
JP2770777B2 (ja) 高耐食低水素吸収性ジルコニウム基合金及びその製造法
JPH1073690A (ja) 高耐食原子燃料用被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスとその燃料集合体並びにその製造法
JP3983493B2 (ja) ジルコニウム基合金の製造法
JPS62182258A (ja) 高延性高耐食ジルコニウム基合金部材の製造法及びその部材
JPS6126738A (ja) ジルコニウム基合金
JP3389018B2 (ja) 耐水素吸収性のすぐれたジルコニウム合金
JPH0421746B2 (ja)
JPH08262168A (ja) 燃料集合体
JPS6239222B2 (ja)
JPH04160138A (ja) 高耐食性ジルコニウム合金の製造方法