JPH08262168A - 燃料集合体 - Google Patents
燃料集合体Info
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- JPH08262168A JPH08262168A JP8095048A JP9504896A JPH08262168A JP H08262168 A JPH08262168 A JP H08262168A JP 8095048 A JP8095048 A JP 8095048A JP 9504896 A JP9504896 A JP 9504896A JP H08262168 A JPH08262168 A JP H08262168A
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- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
Wd/tの各取出平均燃焼度に対し信頼性の高い燃料集
合体を提供することにある。 【解決手段】本発明は、チャンネルボックスの結晶方位
をランダムにするとともに、被覆管,スペーサ及びチャ
ンネルボックス構成材に取出燃焼度に応じたジルカロイ
系及び高耐食高Fe−Ni系ジルコニウム基合金を用
い、いずれもα+β相又はβ相での焼入れを施した燃料
集合体にある。
Description
料集合体に係り、特に沸騰水型原子炉に装荷される燃料
集合体に関する。
ウラン燃料の高燃焼度化への関心が高まっている。その
理由は、使用済燃料の排出量の低減,発電コストの低減
等の経済的メリットが高いことにある。特に我国の原子
力発電は、使用済燃料の再処理を前提としており、再処
理により抽出されたプルトニウムの再利用をも含めた高
燃焼度化に対する要求が高い。現在の取出燃焼度は約3
0GWd/tであるが、60GWd/t級の高燃焼度燃
料が実現されれば、前述したメリットはより高くなる。
従来、上記軽水炉の高燃焼度化を実現する為に、材料の
耐食性改善,中性子照射環境下における部材の変形防
止,ウラン燃料の濃縮度及び配置の最適化,燃料集合体
の熱水力特性の改善等が実施されてきた。
高い耐食性が要求される。現用燃料集合体材料には、ジ
ルカロイ(Zry:Zr−Sn−Fe−Cr−Ni合
金、成分及び組成(重量%)Sn:1.2〜1.7%,F
e:0.07〜0.24%,Cr:0.05〜0.15%,
Ni:<0.08% 、残Zr及び不純物)が使用されて
いる。ジルカロイ燃料集合体部材には、沸騰水型軽水炉
(BWR)環境下においてノジュラー腐食と呼ばれる局
部腐食が発生する。この腐食を防止する為に、α+β相
あるいはβ相温度範囲に短時間加熱し急冷する熱処理に
よってジルカロイの耐食性を改善する方法(特公昭61−
45699 号,特公昭63−58223 号)が知られている。ま
た、合金組成の変更により耐食性を改善する技術も公知
であり、ジルカロイのFe及びNi添加量を高めた合金
として特開昭60−43450 号公報及び特開昭62−228442号
公報が知られている。
使用される為、照射成長変形する。特に、チャンネルボ
ックス(FCB)に曲がり変形や膨らみ変形が発生する
と、制御棒駆動間隙を塞ぎ原子炉の運転に支障をきた
す。これらの変形を防止する技術として、六法晶Zrの
(0002)面のFCB長手方向への配向(FL値)を
0.15〜0.5とし照射成長を抑制する方法として特開
昭59−229475号公報が知られている。
冷却水が燃料集合体下部タイプレートより燃料棒間隙に
流入し、燃料棒間を下部から上部に流れるに従って加熱
されて沸騰し、蒸気ボイドと水との2相流となって上部
タイプレートの孔から流出する。ボイド率は燃料集合体
下部で0%であるが上部では約70%に達する。即ち、
燃料棒下部と上部における水素(H)対重金属原子
(U)数比(H/U比)が異なることになる。H/U比
が高い燃料集合体下部では中性子平均エネルギーが低下
し、核燃料物質との核分裂反応が促進され、H/U比が
低い燃料集合体上部では中性子と核燃料物質との核分裂
反応が抑制される。その結果、線出力密度は燃料集合体
上部より燃料集合体下部の方が高くなり、燃料棒軸方向
の出力分布に不均一が生じる。出力分布の不均一は燃料
集合体径方向においても生じる。8×8,9×9,10
×10等の正方格子状に配列された燃料棒最外周部はF
CBで囲われており、隣接するFCBとの間に水間隙が
形成されている。即ち、燃料集合体最外周部のH/U比
は燃料集合体内部より高い為、その線出力密度は高くな
る。長期運転サイクル化,燃料の高燃焼度化を実現する
にはウラン濃縮度を高める必要があり、ウラン濃縮度が
高い燃料集合体においてはかかる出力密度分布の不均一
化がさらに拡大されることになる。このような軸方向及
び径方向の出力分布の平坦化を図る為に、水ロッドの形
状及び配置の適正化,ウラン濃縮分布の適正化,燃料長
さの部分変更,Gd,B等可燃性毒物の使用による燃焼
初期の局所出力ピーキングの防止等が実施されている。
いずれも要素技術である。ある要素技術が優れていても
燃料集合体の一部でも不都合があると高燃焼度燃料集合
体を実現することは出来ない。例えば、特開昭59−2294
75号公報においてはチャンネルボックスの結晶方位の配
向としてFL値を0.15〜0.5に制御して照射成長及
び曲がり変形を防止する旨開示されているが、配向率と
して板厚方向の値(Fr値)が重要である。また、燃料
棒が照射成長し初期長さより長くなる。その結果、以下
に記す様な不都合が発生する。燃料棒下部は、下部タイ
プレートに固定されているので、長くなった燃料棒は上
部タイプレートを押し上げる。チャンネルボックス上部
は上部タイプレートに固定され、チャンネルボックス下
部は下部タイプレートに挿入されている為、燃料棒の照
射成長によってチャンネルボックスは上方に押し上げら
れ、燃焼度末期においては、下部タイプレートとチャン
ネルボックスとの嵌め代が著しく減少する。高燃焼度燃
料においては、燃料棒の照射成長量も大きい為、下部タ
イプレートとチャンネルボックスとの嵌め代を超えてチ
ャンネルボックスが上方に押し上げられるという問題が
ある。本発明の目的は高燃焼度用燃料集合体を提供する
ことにある。
空間に所定量以上のウランを装荷しようとすると、燃料
被覆管,スペーサ等、ジルコニウム合金部材の肉厚を減
ずる必要がある。何故ならば、正方格子状の燃料棒配列
数の増加,水ロッドの形状の多様化に伴って、従来通り
の厚さの燃料被覆管,スペーサではウラン装荷スペース
が減少する為である。燃料被覆管,スペーサ等、ジルコ
ニウム合金部材の肉厚を減ずると、特に、肉厚減少によ
る水素脆化が懸念される。炉水との腐食反応により水素
が発生し一部は部材に吸収されるが、吸収水素量が同じ
であっても、肉厚が薄いと部材の水素濃度は高くなる。
高燃焼度まで使用される燃料集合体部材の腐食は従来よ
りさらに進行する為、高燃焼度用燃料被覆管,スペーサ
にはより高い耐食性とより低い水素吸収特性が要求され
る。本発明の目的は、燃料集合体部材の耐食性,耐水素
吸収性,照射成長に起因するチャンネルボックスの曲が
り変形を最適化した高燃焼度用燃料集合体を提供するこ
とにある。
基合金製被覆管内に核燃料が装荷される複数本の燃料棒
と、該燃料棒を所望の位置に配置するスペーサと、該配
置された燃料棒をその上端と下端で支持する上部タイプ
レート及び下部タイプレートと、前記スペーサ内に配置
されたジルコニウム基合金製ウォータロッドとを一体に
集合させその外周を被うジルコニウム基合金製チャンネ
ルボックスとを備え、50GWd/t以上の燃焼度にさ
らされる燃料集合体において、前記被覆管は外表面の
錫,鉄及びニッケルの固溶量がその内表面の前記合金元
素の固溶量より高くなっており、前記チャンネルボック
ス及びウォータロッドはその板厚方向の〈0001〉結
晶方位の配向率(Fr値)が0.25〜0.50であり、
前記チャンネルボックスの角部が辺部より厚肉であり、
前記被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスは、重量
で、錫1〜2%,鉄0.20〜0.35%,クロム0.0
5〜0.15%及びニッケル0.03〜0.16%及び残
部が実質的にジルコニウムからなる。特に、これらはα
相のジルコニウム結晶粒内に微細な錫とニッケルの金属
間化合物がきわめて微細に析出していることを特徴とす
る燃料集合体にある。
記被覆管は厚さの半分以下の厚さで焼入れが施され外表
面の合金元素の固溶量がその内表面の前記合金元素の固
溶量より高くなっているのが好ましい。
又はB相温度領域より急冷される焼入れ処理される。
ドは〈0001〉結晶方位の板厚(肉厚方向)方向の配
向率(Fr値)が0.25〜0.50、長手方向(又は圧
延方向)の配向率(FL値)が0.203〜0.36及び
幅方向(圧延方向に直角な方向)の配向率(Ft値)が
0.25〜0.36であるのが好ましい。
よりなる部材はβ相Zr平均粒径は50〜300μmが
好ましい。
に核燃料が装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所
望の位置に配置するスペーサと、該配置された燃料棒を
その上端と下端で支持する上部タイプレート及び下部タ
イプレートと、前記スペーサ内に配置されたジルコニウ
ム基合金製ウォータロッドとを一体に集合させその外周
を被うジルコニウム基合金製チャンネルボックスとを備
え、45GWd/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合
体において、前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及
びニッケルの固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶
量より高くなっており、前記チャンネルボックスは角部
が辺部より厚肉である角筒管からなり、前記チャンネル
ボックス及びウォータロッドはその板厚方向の〈000
1〉結晶方位の配向率(Fr値)が0.25〜0.50で
あり、前記被覆管,チャンネルボックス及びウォータロ
ッドは重量で、錫1.2〜1.7%,鉄0.07〜0.20
%,クロム0.05〜0.15%,ニッケル0.03〜0.
08%及び残部が実質的にジルコニウム及び前記スペー
サが重量で、錫1〜2%,鉄0.20〜0.35%,Cr
0.05〜0.15,Ni0.03〜0.16%及び残部が
実質的にジルコニウムからなることを特徴とする燃料集
合体にある。
に核燃料が装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所
望の位置に配置するスペーサと、該配置された燃料棒を
その上端と下端で支持する上部タイプレート及び下部タ
イプレートと、前記スペーサ内に配置されたジルコニウ
ム基合金製ウォータロッドとを一体に集合させその外周
を被うジルコニウム基合金製チャンネルボックスとを備
え、38GWd/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合
体において、前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及
びニッケルの固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶
量より高くなっており、前記チャンネルボックスは角部
及び辺部がほぼ均等の肉厚のストレートな溶接された角
筒管からなり、前記チャンネルボックス及びウォータロ
ッドはその板厚方向の〈0001〉結晶方位の配向率
(Fr値)が0.25〜0.50であり、前記被覆管,ス
ペーサ,チャンネルボックス及びウォータロッドは重量
で、錫1.2〜1.7%,鉄0.07〜0.20%,クロム
0.05〜0.15%,ニッケル0.03〜0.08%及び
残部が実質的にジルコニウムからなることを特徴とする
燃料集合体にある。
又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が施される
のが好ましい。
に核燃料が装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所
望の位置に配置するスペーサと、該配置された燃料棒を
その上端と下端で支持する上部タイプレート及び下部タ
イプレートと、前記スペーサに配置されたジルコニウム
基合金製ウォータロッドとを一体に集合させその外周を
被うジルコニウム基合金製チャンネルボックスとを備
え、32GWd/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合
体において、前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及
びニッケルの固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶
量より高くなっており、前記チャンネルボックスは角部
及び辺部がほぼ均等の肉厚のストレートな溶接された角
筒管からなり、前記チャンネルボックス及びウォータロ
ッドはその板厚方向の〈0001〉結晶方位の配向率
(Fr値)が0.25〜0.50であり、前記被覆管及びチ
ャンネルボックスは重量で、錫1.2〜1.7%,鉄0.
07〜0.20% ,クロム0.05〜0.15%,ニッケ
ル0.03〜0.08%及び残部が実質的にジルコニウ
ム、及び前記スペーサ及びウォータロッドは重量で、錫
1.2〜1.7%,鉄0.18〜0.24%,Ni0.01
% 以下及び残部が実質的にジルコニウムからなること
を特徴とする燃料集合体にある。
α+β相又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が
施されるが好ましい。
ジルコニウム基合金からなる板材を曲げ加工によりコの
字型部材とし、該コの字型部材を溶接接続して角筒長尺
部材とした後、該角筒長尺部材を長手方向に移動しなが
ら連続的にβ相温度領域で短時間局部的に加熱保持する
とともに該加熱された部分を冷媒によって強制的に冷却
させることにより前記ジルコニウム基合金の〈000
1〉結晶方位の板厚方向の配向率(Fr値)を0.25
〜0.50とするものである。
基合金からなる最終熱間塑性加工後の厚肉素管又は該加
工後最終冷間塑性加工前のいずれかの段階で長手方向に
移動しながら連続的に(α+β)相又はβ相温度領域で
管内面を冷却しながら管外面を短時間局部的に加熱保持
するとともに該加熱された部分の管外面を冷媒によって
強制的に冷却させる焼入工程を有することを特徴とす
る。
ム基合金からなる最終熱間塑性加工後の厚肉素管又は該
加工後最終冷間塑性加工前の薄肉管いずれかの段階で長
手方向に移動しながら連続的に(α+β)相又はβ相温
度領域に短時間局部的に加熱保持するとともに該加熱さ
れた部分を冷媒によって強制的に冷却させる焼入工程を
有するスペーサ用セルを備えたことを特徴とする前記管
に代えて板材からなり、前記焼入工程を有する板材によ
って前記セルを一体に構成する枠体を有することを特徴
とする。
程を有する板材によって格子セル及び該セルを一体に構
成する枠体を備えたスペーサを有することを特徴とす
る。
コニウム基合金からなる最終冷間塑性加工された長尺管
を長手方向に移動しながら連続的にβ相温度領域で短時
間局部的に加熱保持するとともに該加熱された部分を冷
媒によって強制的に冷却させることにより前記ジルコニ
ウム基合金の〈0001〉結晶方位の管肉厚方向の配向
率(Fr値)を0.25〜0.50、管長手方向の配向率
(FL値)を0.25〜0.36 及び管周方向の配向率
(Ft値)を0.25〜0.36とする工程を有すること
を特徴とする。
コニウム合金部材の変形は六方晶Zrの〈0001〉結
晶方位が部材表面に対しほぼ垂直に配向する為に起こ
る。六方晶格子が中性子照射を受けると〈0001〉方
向に収縮し、〈0001〉方向と垂直な方向に膨張す
る。より厳密に述べると、中性子照射により〈0001〉方
向に転位面(原子面)が導入され、上記特定方向への収
縮膨張が起こる。その結果、チャンネルボックス長手方
向及び幅方向に伸び,厚さ方向に収縮変形が起こる。燃
料棒は長手方向に伸びる。炉心中央に近い程高い中性子
を受け、炉心周辺部で低い。中性子照射量が急激に変化
する炉心周辺部に配置されたチャンネルボックスは炉心
中央側の面とその面に対向する面との間に伸び差が生
じ、曲がる。中性子照射によって生じる上記変形は体積
変化を伴わない変形であり、多結晶体の個々の結晶粒が
それぞれ特定方向に変形しても、その方向がランダムで
あれば全体的には変形しないに等しい。よって、照射成
長及び曲がりを抑制するには、結晶方位をランダム化す
るのが有効である。
ほかウォータロッドの結晶方位をランダム化し、燃料被
覆管の結晶方位はランダム化しない。その結果、燃料棒
のみが照射成長によって長くなり、チャンネルボックス
及びウォータロッドは長さが変化しない。上部タイプレ
ートに結合しているウォータロッドは長さが変化しない
ので上部タイプレートの位置も変化しない。燃料棒が伸
びても、燃料棒の上部端栓は上部タイプレートに結合し
ておらず、上部タイプレートに設けられた孔を貫通して
いるのみであるから、上部タイプレートを押し上げる力
は発生せず、上部タイプレートに結合しているチャンネ
ルボックスを上方に押し上げることはない。その結果、
嵌め代8が減少することはない。即ち、燃料棒の伸びの
問題は、燃料棒上部端栓が上部タイプレートから突き出
すことにより解消される。
特定結晶面の反射及び透過X線の回折強度を測定し、
(数1)よりF値を算出する方法が一般的である。
板表面と垂直方向)と特定結晶方位と(例えば〈000
1〉結晶方位)のなす角度であり、V(φ)はφ方向に
配向した結晶の体積率である。r方向,L方向,t方向
はそれぞれ互いに直角な板表面の法線方向(r),長手
(圧延)方向(L),幅方向(t)の配向率を各々F
r,FL及びFtとするとこれらをtotal した値は1と
なり、各値が1/3のとき結晶方位が完全にランダムに
なることを示すものである。
001〉結晶方位は板(管)表面法線方向(r方向)に配向
し、そのFr値は0.6〜0.7、FL値は0.05〜0.
15となる。炉心中央部で3サイクル照射後、炉周辺部
で1サイクル照射したチャンネルボックス及び炉心中央
部で4サイクル照射したチャンネルボックスの曲がり量
に及ぼすFr値の影響を示す計算結果を検討した。1サ
イクル:18ケ月運転とし、燃料集合体取り出し時の中
性子照射量は、約2×1022(n/cm2)である。これ
は、最も標準的なシャフリングパターンである。炉周辺
部における滞在サイクルが増加すると曲がり量はさらに
増加する。制御棒とチャンネルボックスとの間隙は燃料
装荷初期に約3.3mm あり、曲がり変形の他に膨らみに
よる変形分が約2.2mm である。即ち、炉心周辺領域を
経験したチャンネルボックスは、照射成長による曲がり
分が1.1mm になると、チャンネルボックスと制御棒は
干渉する。炉心周辺領域を経験するチャンネルボックス
のFr値は0.25 以上にランダム化する必要があるこ
とが分かる。また、炉心周辺領域を経験しないチャンネ
ルボックスのFr値は0.20 以上にランダム化する必
要があることが分かる。
ウム合金部材をβ相温度範囲(≧980℃)に加熱しβ
Zr結晶粒を成長させた後冷却する方法が有効である。
この熱処理により一定方向に配向した六方晶αZr結晶
粒は立方晶βZrへと変態し、冷却過程で再び六方晶α
Zrへと変態する。室温まで冷却された状態では結晶粒
の結晶系は加熱前と同様に六方晶αZrであるが、立方
晶βZrへと変態を経た部材の配向はランダム化してい
る。このランダム化は加熱温度が高い程、加熱時間が長
いほど進行する。Fr値≧0.20 となるためには、熱
処理パラメータ:Pが P=(3.5+logt)×log(T−980) t:加熱時間(h),T:加熱温度(℃) 0.8 以上となるように加熱温度,加熱時間を制御する
必要があり、好ましくはP≧1.5である。P=0.8の
時、βZr結晶粒の平均粒径は50μmとなり、P≧
1.5 の時βZr結晶粒の平均粒径は90μm以上とな
る。最大でも300μm以下とするのが好ましく、70
〜130μmが好ましい。
ロッドのF値はFL0.25〜0.36,Ft0.25〜0.
36及びFr0.28〜0.50が好ましく、特に、Fr
はFt,FLより大きく、FL0.30〜0.35,Ft
0.30〜0.35,Fr0.30〜0.35が最も好まし
い。理想的には、いずれも0.3333 である。これら
のF値は加熱温度とその時間によって決められる。特
に、処理温度として、980〜1350℃で行うことが
できるが、好ましくは1050〜1150℃である。こ
のような温度で保持時間は1秒〜1分程度の短時間が好
ましい。
て、β相温度領域での加熱は板材を移動させながら誘導
コイルによって局部的に連続的に所望の保持時間加熱す
ると同時に加熱後に強制的に冷却するもので、このβ相
への加熱によって〈0001〉方位がランダムになるととも
に、高温高圧純水に対して耐食性の高いものが得られ
る。冷却は噴水によって行うのが好ましく、100℃/
秒以上特に、150℃/秒以上の冷却速度とするのがよ
い。加熱手段として他に赤外線,電気炉が用いられる。
より熱膨脹係数の大きい部材によって固定し拘束して行
うのがよく、特に管状部材の場合にはその内部に部材内
面に全面が接触しないよう熱の影響を少なくして部分的
に接するようにした金属部材を挿入するとともに両端を
互いに固定して加熱,冷却に際して管状部材が変形しな
いようにして加熱及び冷却を行うのが好ましい。このよ
うな拘束部材を設けることによって加熱及び冷却が容易
に行うことができる。拘束部材としてSUS304,316,
347等のオーステナイト系ステンレス鋼が好ましい。
る焼鈍が行われる。焼鈍は500〜650℃で行われ
る。この焼鈍に際しても前述の拘束部材によって拘束し
て行うのが好ましく、それによって管状部材の整形を行
うことができる。これらの熱処理は非酸化性雰囲気中で
行われ、特にAr中で行うのが好ましい。
によって表面の酸化皮膜が除去される。酸化皮膜が除去
された後、オートクレーブによって表面が酸化処理さ
れ、表面に安定な酸化皮膜が形成され、最終製品とされ
る。また、前述の両端部で固定するためのネジ穴等の端
部は除去されて使用される。
字型部材を突合わせしプラズマ溶接されて角筒とした
後、この溶接部を平坦化して、使用される。この角筒の
熱処理にはX字型の拘束部材が好ましい。本発明の熱処
理は板材の状態,コの字の状態又は溶接後の角筒の状態
のいずれでもよい。
温度,時間で行うものであるが、本発明に係る被覆管と
同じように最終熱間加工後の素管から最終冷間加工後の
管のいずれの段階に対しても行うことができる。ただ
し、焼入後に冷間加工と焼鈍を施すと、結晶方位のラン
ダム化が異方性に変るので、耐食性を重視するものでは
このやり方でもよいが、チャンネルボックスと合わせた
最終冷間加工後に熱処理するやり方にするものが最も好
ましい。
は、Sn1〜2%を含み、Fe0.2〜0.50%,好ま
しくは0.2〜0.35% 及びNi0.03〜0.16%
を含み、Crを含むもの又はCrを含まないジルコニウ
ム基合金とすることが重要である。特に、これらの元素
からなる合金が好ましい。かかる高耐食高Fe−Ni合
金部材をBWR環境下において使用してもノジュラー腐
食は発生せず、水素吸収量も現用ジルカロイからなる部
材に比べて著しく低下する。
化皮膜は酸素欠乏型(ZrO2-X)のn型半導体特性を有
する。酸素欠乏部はアニオン欠陥として酸化皮膜中に存
在する。アニオン欠陥は2個の電子によって補償されて
電気的中性が保たれている。酸化皮膜中にFe,Ni,
CrイオンがZrイオンの位置に置換すると酸素空孔が
形成されるが、この酸素空孔は2個の電子によって補償
されておらず、カチオン空孔となる。アニオン欠陥に付
随する2個の電子はエネルギー準位が高く、電位勾配に
従って移動し易いため酸化皮膜の電子伝導性を決定す
る。即ち、アニオン欠陥濃度が高い程、酸化皮膜の電子
伝導性も高い。逆に、カチオン空孔は電子のトラップサ
イトとなるので酸化皮膜の電子伝導性を低下させる。炉
水中におけるジルコニウム合金部材の腐食(酸化)は、
酸素空孔を介した皮膜中の酸素イオンによる金属側への
電荷移動と、電子による金属側から酸化皮膜表面への電
荷移動とのバランスにより決定されるので、前記2種類
の逆方向電荷移動の内、より遅い電荷移動が腐食速度の
律速となる。BWR環境下では、電子による金属側から
酸化皮膜表面への電荷移動が律速となる。よって、酸化
皮膜中のFe,Ni,Crイオンの存在により電子伝導
性が低下すると、耐食性も向上する。酸化皮膜中にF
e,Ni,CrイオンがZrイオンの位置に置換して存
在する為にはZr合金中でFe,Ni,Crが固溶して
存在するかあるいは微細な金属間化合物相として存在す
る必要があり、その量は現用ジルカロイ−2材より多く
均一に分散して存在する必要がある。水素吸収は、Zr
が水と反応し、腐食反応に伴って発生する水素の一部が
合金部材中に吸収されることに起因する。耐食性が高ま
ると発生する水素量も減少し、水素吸収量も低下する。
行する現象であり、その原因は局部的に酸化皮膜中のZ
rに置換したFe,Ni,Crイオンが欠乏することに
ある。この様な欠乏を防止するには、合金中のこれら元
素の分布を均質化する必要がある。合金元素分布の均一
化には製造工程においてβ相温度及び/あるいはα+β
温度に加熱し急冷する熱処理を設けることが有効であ
る。この熱処理によって、合金元素を含む金属間化合物
相(Zr(Fe,Cr)2,Zr(Fe,Ni)2,Zr
2(Ni,Fe)等)を平均粒径が0.4μm 以下又はS
n・Ni金属間化合物を0.2μm 以下に微細化し、且
つ均一に分散させることができる。また、Fe/Ni比
を1.4 〜15、好ましくは10以下とし、かつ、Cr
を除去しないことが有効である。これら金属間化合物相
のうちZr(Fe,Cr)2(六方晶)が最も微細であり、
次いでZr(Fe,Ni)2(立方晶)であり、Zr2(N
i,Fe)(六方晶)が最も粗大である。Cr添加によ
り微細なZr(Fe,Cr)2(六方晶)が増加し、Fe
/Ni比の増加により粗大なZr2(Ni,Fe)に対す
る微細なZr(Fe,Ni)2の存在比率が高まる。これ
ら金属間化合物相の微細化及び均一分散化による耐食性
向上効果について以下に記述する。原子炉内においてジ
ルコニウム合金部材が中性子照射を受けると、金属間化
合物相の相安定性が低下し、Fe,Ni,Crは溶け出
しマトリックス中に固溶する。前述したように、Fe,
Ni,Crが固溶することにより、酸化皮膜中でZrの
格子位置に置換し電子伝導性を低下させる効果が得られ
る。金属間化合物相の微細化によりその表面積が増加
し、溶け出しが促進され、Fe,Ni,Crの固溶濃度
が高まる。均一分散化により固溶濃度も均一化し、酸化
皮膜の電子伝導性の均一性が高まり、ノジュラー腐食が
防止される。以上述べた理由によりジルコニウム合金部
材の耐食性(耐ノジュラー腐食性),耐水素吸収性が向
上する。その結果、ジルコニウム合金部材の肉厚を薄く
することが可能となる。
得られず、また逆に2%を越えてもそれ以上の顕著な効
果が得られないだけでなく、加工性を低めるので、1〜
2%とする。特に、1.2〜1.7%が好ましい。
0.20% 以上必要であるが、逆に0.50% を越えて
添加してもそれ以上の顕著な効果はなく、加工性を低め
るので、0.50% 以下とする。特に、0.20〜0.3
5%、より0.22〜0.30%が好ましい。
0.03% 以上含有されるが、逆に水素吸収を促進して
脆化を起こすので、0.16% 以下とする。特に0.0
5 〜0.10% が好ましい。
15%を含むことができる。Crは耐食性、強度を高め
るのに0.05%以上必要であるが、逆に0.15%を越
えると加工性を低めるので0.05〜0.15%とする。
ャンネルボックス,ウオータロッドに用いることができ
る。前3者に本発明合金を用いることによって取出平均
燃焼度で50〜55GWd/tが可能になる。この場合
でもウォータロッドにはジルカロイ2合金が用いること
ができる。
基合金にはジルカロイ2(錫1.2〜1.7% ,鉄0.0
7〜0.20%,クロム0.05〜0.15%,ニッケル
0.03〜0.08% ,残部が実質的にジルコニウム)又は
ジルカロイ4(錫1.2〜1.7%,鉄0.18〜0.24%,
Ni0.007%以下及び残部が実質的にジルコニウ
ム)があり、これらは前述の合金と組合わせ取出平均燃
焼度に応じて使用される。
ジルコニウム基合金のα+β相又はβ相温度範囲から急
冷する処理を施し、その後冷間加工と焼なまし処理を繰
返すことにより製造されたものであるのが好ましい。特
に、α+β相温度からの急冷は、その後の冷間塑性加工
性がβ相急冷されたものに比較し高いことから好まし
い。
を施したものが好ましく、その処理は最後の熱間塑性加
工後最後の冷間塑性加工前に施すのが好ましく、特に最
初の冷間塑性加工前に施すのが良い。
0℃を越える温度より1100℃以下とするのが好まし
く、これらの温度より流水,噴霧水等により急冷するの
が好ましい。特に、最初の冷間塑性加工前に行うのがよ
く、その場合素管内に水を流しながら外周より高周波加
熱により局部的に加熱する方法が好ましい。
高く、外面側が焼入れされ、耐食性が高いうえ水素吸収
率の低いものが得られる。α+β相での加熱は温度によ
ってα相をβ相の形成量が異なるかつ、β相が主に形成
される温度を選ぶのが好ましい。α相は急冷しても変ら
ず、硬さの低い延性の高いものであり、β相に変った部
分からの急冷は硬さの高い針状の相が形成され、冷間加
工性が低い。しかし、α相がわずかながらでも混在する
ことによって高い冷間塑性加工性が得られ、耐食性及び
水素吸収率の低いものが得られる。β相として80〜9
5%の面積率になる温度で加熱し、急冷するのが好まし
い。加熱は短時間で行ない、5分以内、特に5秒〜1分
以内が好ましい。長時間の加熱は結晶粒が成長するとと
もに析出物が形成され、耐食性が低下するのでまずい。
0℃が好ましく、特に550〜640℃が好ましい。64
0℃以下では耐食性の高いものが得られる。この加熱は
Ar中、又は高真空中で行うのが好ましい。真空度は1
0-4〜10-5Torrが好ましく、焼なましによって合金表
面に酸化皮膜が実質的に形成されず、表面が無色の金属
光沢を示すものがよい。焼なまし時間は1〜5時間が好
ましい。
溶接によって行うのが好ましく、特にTIG溶接が良
い。端栓と被覆管とは同一組成の材料が好ましく、He
ガスが3〜20気圧で、燃焼度に応じて高い圧力封入さ
れる。
せ (イ)燃焼度50〜55GWd/t 被覆管,スペーサ,チャンネルボックスに前述の高耐食
高Fe−Ni系ジルコニウム基合金が用いられ、被覆管
及びスペーサに前述のα+β又はβ相での焼入れが施さ
れ、チャンネルボックスはβ相でのランダム化加熱処理
されたものが用いられている。ウォータロッドはジルカ
ロイ2が用いられ、β相でのランダム化熱処理が施さ
れ、軸方向肉厚分布を有し、コーナ部厚肉のものが用い
られる。ウォータロッドは上下タイプレートに連結固定
される。
カロイ2Zr基合金が用いられ、被覆管は前述のα+β
又はβ相焼入が施され、チャンネルボックス及びウォー
タロッドはβ相でのランダム化処理が施される。スペー
サは高耐食高Fe−Ni系ジルコニウム基合金が用いら
れ、α+β相又はβ相焼入れが施される。チャンネルボ
ックスはコーナが厚肉のものが用いられる。
ッドにジルカロイ2合金が用いられ、被覆管及びスペー
サはα+β相又はβ相での焼入れが施され、チャンネル
ボックスはβ相でのランダム化熱処理が施されストレー
ナなものが用いられる。ウォータロッドはβ相でのラン
ダム化処理を施すのがよい。
用いられる。チャンネルボックスにはジルカロイ2が用
いることもできる。被覆管,スペーサはα+β相又はβ
相での焼入れが施され、チャンネルボックスはβ相での
ランダム化処理が施され、肉厚が一定のストレートなも
のが用いられる。ウォータロッドは前述と同様にβ相で
のランダム化処理を施すこともでき、その処理を施した
ものが好ましい。スペーサは格子型のものが用いられ、
板材によって格子状に溶接によって形成される。従っ
て、その焼入れは板材によって行なわれ、焼入れ後に冷
間加工と焼鈍が必らず1回施すものである。
断面図である。
燃料棒1とそれらを相互に所定の間隔で保持する複数段
のスペーサ7、更に、それらを収納する角筒のチャンネ
ルボックス4,燃料被覆管内に燃料ペレットが入った燃
料棒1の両端を保持する上部タイプレート5,下部タイ
プレート6,スペーサの中心部に配置されたウォータロ
ッド2,全体を搬送するためのハンドル11から構成さ
れる。また、これら燃料集合体の製造に際しては、通常
の工程を経て組立てられる。
一体化された燃料棒およびウォータロッド2を内部に収
納し、上部タイプレート5と下部タイプレート6とはウ
ォータロッド2で固定した状態で使用される。チャンネ
ルボックス4は二分割したコの字型板加工材をプラズマ
溶接で接合した角筒形状を呈する。この部材はプラント
運転時に燃料棒表面で発生した蒸気及び燃料棒間を流れ
る高温水を整流し、強制的に上部へ導く働きをさせるも
のである。内部の圧力が外部よりわずかに高い為、角筒
を外側に押し広げる応力が作用した状態で長期間使用さ
れる。
ド2がスペーサ7の中心部に対称に3本配置されてお
り、いずれも両端でタイプレートにネジで固定され、ま
たチャンネルボックス4が上部タイプレート5にネジ止
め固定され、燃料集合体がハンドル11によって一体で
運搬できる構造となっている。本実施例では燃料棒はタ
イプレートには固定はされていない。
が施され、板厚方向の〈0002〉結晶方位の配向率
(Fr値)が0.25〜0.5、長手方向の配向率(F
L)が0.203〜0.36、幅方向の配向率(Ft)が
0.25〜0.36とするものである。熱処理によりこの
ように配向させることにより、βZr結晶粒径が平均で
50〜300μmとなり、著しく照射伸びが防止され、
チャンネルボックスと制御棒との干渉が防止される。
ス製作の一例を示す斜視図である。合金組成として表1
に示すジルカロイ−C板材をコの字型に冷間曲げ加工
し、長さ:4mの2つのコの字型部材とし、これらをレ
ーザ又はプラズマ溶接して角筒12とした。溶接部の凹
凸は平坦に仕上げられる。この角筒12を高周波誘導加
熱によるβ相温度範囲への加熱及び高周波誘導加熱用の
コイル14の直下に設けた水噴射ノズル16から吹き付
ける冷却水で急冷した。角筒12が一定速度で上方から
下方へコイル内に通過することにより全体の熱処理が完
了する。加熱温度は1100℃,980℃以上の保持時
間は10秒以上となるように角筒12の送り速度及び高
周波電源15の出力を調整した。熱処理完了後、幅:4
0mm,長さ:40mmの試験片を切り出しF値を測定し
た。表2は、その測定結果を示す。熱処理パラメータ
(P)は1.96 である。熱処理はオーステナイトステ
ンレス鋼製のマンドレル18を角筒12にネジ3で両端
を固定して行なった。表からわかる様に6角柱の(00
02)底面、柱面が(1010)面共にF値としてF
r,FL及びFtのいずれもほぼ1/3となり、完全に
ランダムな結晶方位の配向となる。このもののβZr平
均結晶粒は約100μmであった。この熱処理を施した
後、高寸法精度に成形サンドブラスト処理及び酸洗を行
い、表面酸化膜を除去した後、水蒸気によるオートクレ
ーブ処理が施される。
で、本実施例では図5の厚肉コーナ部20が辺部21の
肉厚より厚く、辺部が上部22でその下部23より薄肉
になっている長手方向肉厚分布を有するものにした。こ
のような成形加工は熱処理後に行われる。成形加工はマ
スキングして弗化水素と硝酸の混酸水溶液による化学エ
ッチング又は機械加工によって行われ、本実施例では外
面側を加工し凹したものである。このような肉厚分布は
内面側で凹にしてもよい。
図である。燃料棒は被覆管24,核燃料ペレット25,
端栓27,プレナムスプリング26からなり、内部にH
eが封入されている。本実施例では15〜25気圧のH
eが封入されている。被覆管24は次の様に製造され
る。被覆管24は内側に純Zrライナーが一体に設けら
れる。このライナーは以下の熱処理後の素管の段階で形
成され、冷間加工と焼鈍が施される。
り外径:63.5mm,厚さ:10.9mmの管に加工した。
この素管を高周波誘導加熱コイル中に通過させるととも
に内部に水を下から上部へと流しながら加熱し、コイル
直下に設けたノズルから管外表面に水をふきつけて急冷
した。最高加熱温度は930℃のα+β相とし、930℃
から500℃までの平均冷却速度が約150℃/sであ
った。高周波焼入れ処理を施した素管をピルガーミルに
よる冷間圧延と600℃、真空中で焼鈍とを交互に3回
繰り返し(最終なまし温度は577℃とした。)て、燃
料被覆管及び丸型スペーサの形状の素材とした用いた。
スペーサの場合は素管内に水を流さずに加熱した。燃料
被覆管及びスペーサの形状の相違は管径及び肉厚であ
り、最終冷間圧延の加工度を変化させることにより管径
及び肉厚が異なる2種類の管を製造した。スペーサの外
径は被覆管より大きく、肉厚は被覆管より薄い。冷間加
工の断面減少率は1回当り70〜80%とした。ライナ
ーの厚さは約10〜100μmである。被覆管は内側は
特定の結晶方位を有し、Fr値で0.6〜0.7である。
冊状の試験片を切り出し、500℃,10.3MPa の
高温高圧水蒸気環境下に24時間曝し、腐食による重量
増加及び腐食外観を調べた。表4はその結果を示す。
2及び−Dにはノジュラー腐食が発生し、高い腐食増量
値を示した。Fe/Ni比が1.4 より高く、且つF
e,Ni添加量がジルカロイ−2の規格範囲より高い合
金(ジルカロイ−A〜−C)においてはノジュラー腐食
は発生せず黒色の均一厚さの酸化皮膜が形成され、極め
て高い耐食性を示した。以上の結果より、Fe/Ni比
>1.4 とし、Crを添加し、且つジルカロイ−2の規
格範囲より高いFe,Ni添加量の合金は炉内で使用し
ても高い耐食性を示すことが分かる。この合金の6年後
の腐食量は約130mg/dm2 (酸化皮膜厚さ:8μ
m)と推定され、厚さ0.5mm のスペーサの水素濃度
は、約250ppm 以下となる。
はα相ジルコニウム結晶粒内に粒径0.2μm 以下の錫
・ニッケル金属間化合物、粒径0.1〜0.5μmの鉄・
ニッケル・ジルコニウム金属間化合物を析出させること
が好ましい。本実施例では前者の粒径は約0.01μm
程度の極微細なものであった。
断面図で、本実施例では図8の太径のものが用いられ
る。このものの合金は表1に示されるジルカロイ2が用
いられ、前述のように素管に対しα+β相又はβ相での
焼入れが施された後、所定の形状まで冷間加工と焼鈍が
施され、細径部28,太径部29,端栓30によって構
成される。端栓部30にはネジが設けられ、前述のよう
に上部と下部タイプレートに固定される。
で、本実施例では図10の丸セル型が用いられ、前述の
表3の中のジルカロイBが用いられる。図11は丸セル
の斜視図であり、前述のようにα+β相からの焼入れの
熱処理を施した後冷間加工と焼鈍をくり返し薄肉管とし
たものを切断加工して所望の形状とするものである。
ウラン235が装荷され、これによって取出平均燃焼度
50〜55GWd/tが達成される。燃料の使用期間と
しては6年〜6年半位となる。端栓は突合わせレーザ溶
接される。
2%以下,Mn2%以下,Ni8〜12%,Cr17〜
21%、残部がFeであるオーステナイト鋼鋳物が用い
られる。鋳物は1100℃での溶体化処理が施される。
子照射試験を行った結果、3×1022n/cm2 でのひずみ
量は0.3×10-4ときわめて少ないものであった。
し、前述のチャンネルボックスに使用されるZr基合金
の結晶方位のランダム度と中性子照射による伸びとの関
係を調べた。結晶方位のランダム化は熱処理を変えるこ
とによって調整した。
け入れ前に冷間圧延と650℃,2時間の焼鈍とを繰り
返し施されている。表5に示した熱処理No.2〜5は、
幅:40mm,長さ:40mmの試験片を受け入れ材から切
り出し、電気炉で加熱し、水中で冷却することにより行
ったものである。熱処理No.6は、赤外線加熱炉中に受
け入れ材から切り出した試験片を保持し水冷することに
より行ったものである。パラメータ:Pは前述の式によ
って算出した。
002)底面(:(0001)面と平行)及び柱面が(1
010)面(:(0001)面と垂直)のF値測定結果
を示す。Fr値は板表面に垂直方向への、FL値は板圧
延方向への、Ft値は前2者に直交方向への配向確率を
示す。合金組成の変化によるF値の差は見られなかっ
た。通常の冷間圧延と焼鈍とを繰り返して製造した板材
(熱処理No.1)では、(0002)面のFr値は約
0.7と高く、柱面が(1010)面のは約0.15と低
いことから、(0002)面がほぼ板表面と平行に配向し
ていることが表6より分かる。900℃のα+β相温度
範囲へ加熱し水冷した板材(熱処理No.2)のF値も受
け入れ材の値とほぼ等しく、α+β相温度範囲への加熱
冷却では結晶方位の配向はほとんど変化しないことが分
かる。1000℃まで加熱し、β相温度範囲(>980
℃)に5秒保持した板材(熱処理No.6)は受け入れ材
に比べて(0002)面のFr値が減少し、FL値,F
t値が増加している。逆に、柱面が(1010)面のF
r値は増加し、FL値,Ft値が減少している。このこ
とからP値を0.8 以上とすることにより結晶方位をラ
ンダム化し、FL値が0.20 以上になることが分か
る。しかし、炉心周辺領域に配置される場合、チャンネ
ルボックスと制御棒とが干渉しない為の目標値:(00
02)面のFL値≧0.25を満足しない。熱処理No.
3〜5の板材はいずれもFL値≧0.25を満足し、炉
心周辺領域に配置されてもチャンネルボックスと制御棒
とが干渉しないこが分かる。
子照射による照射成長ひずみ量を検討した。
みとの関係を示す線図である。図は炉心中央部で3サイ
クル照射後、炉周辺部で1サイクル照射したチャンネル
ボックス及び炉心中央部で4サイクル照射したチャンネ
ルボックスの曲り量に及ぼすFr値の影響を示す計算結
果である。図に示す如く、Fr値が0.4 を越えると中
性子照射量の増加とともに急激にひずみが増加するが、
0.4 以下では照射を受けてもひずみは飽和し、増加し
ないことが分る。特に、Fr=0.35 のものは〈00
01〉結晶方位が実質的にランダムに配向しているの
で、法線方向,長手方向及び板厚方向におけるひずみが
各結晶間で互いに相殺されるため0.5 ×10-4以下と
全く生じない。Fr=0.4 のものは照射量3×1022
n/cm2 まではひずみ量は小さいが、それ以上の中性子
照射量では徐々にひずみが多くなる。しかし、Fr=
0.35 では中性子照射量が増加してもひずみの増加は
生じない。
の照射による照射成長ひずみとの関係を調べた結果、F
r値の増加とともにひずみが急激に増加するが、特に、
Fr=0.35 の照射成長のひずみは約0.2×10-4
で、Fr=0.4 の約1.5×10-4の約7分の1と著
しく少なくまた、Fr=0.4はFr=0.5の約3分の
1と著しく少ない。しかし、Fr=0.5はFr=0.6
の約半分、Fr=0.6はFr=0.7 の約半分であ
り、Frが0.4 を越えると大きな効果は得られない。
観察される丸みを帯びた結晶粒はαZr結晶粒は存在し
なかった。観察される多角形状の結晶粒がβ相温度範囲
加熱保持中に形成されたβZr結晶粒であり、1000
℃保持時間が1分から10分と長くなるに従って、βZ
r結晶粒径が大きく成長していた。βZr結晶粒径内に
見られる層状あるいは針状の組織は、冷却過程でβZr
が再びαZrに変態する際に形成されたものであり、β
Zr結晶粒界ではない。
との関係を見ると、βZr結晶粒径が200μm以上に
成長するとFr値が0.35 以下の集合組織が形成され
るようになる。
って(0002)面の結晶方位をランダム化することが
できるが、その方位のランダム化の度合としてFr値0.
40,FL値0.30 で約75%であり、そのときの粒径
は約100μmとなり、更に150μm以上の大きさの
結晶粒径とすると約80%以上にランダム化され、Fr
値,FL値0.320で0.385となる。更にFr値
0.35 ,FL値0.34でのランダム率は約90%以上に
なり、そのときの結晶粒径は約250μm以上となる。
を見ると、粒径20μm以上では4×10-4以下のひず
みとなり、粒径90μm以上でひずみ量が約1.5×1
0-4と著しく低くなる。更に、150μm以上ではひず
みは0.5×10-4 以下の非常に小さなものとなる。特
に、200μm以上でのひずみは0.3×10-4 程度と
なる。
及び表3に示す合金のFl値の関係を示す線図である。
図に示すように980℃未満ではFl値が0.20 以下
となり〈0002〉方向の結晶方位がランダムなものが
得られにくい。しかし、980℃以上で、11秒以上加熱
又は1240℃以上で1.1 秒以上でこれらの点を結ぶ
線上以上で加熱すればFl値として0.25 を越えるも
のが得られ、よりランダム度の高いものが得られる。ま
た、980℃以上で6秒以上及び1240℃以上で6秒
以上で、これらの点を結ぶ線上以上で加熱すればFl値
が0.20 より大きく0.25以下のものが得られる。
この線上より低いものはFl値が0.20以下となりラ
ンダム度が低く伸び量に対する効果が小さい。
ータPによって表わすことができるが、この関係は約1
200℃までと考えられる。
(T−980)と照射成長ひずみとの関係を見ると、照
射成長ひずみは熱処理における温度と保持時間との関係
によって決まるパラメータPによって大きく左右され
る。パラメータPはZrの〈0001〉結晶方位の配向率を
決める重要な因子となる。Pが0.5 以上で照射成長ひ
ずみが急激に小さくなり、更にPが0.5〜3.5までは
徐々に小さくなり、3.5 以上ではほぼ一定となり零に
近い。特に、P1.5 以上で効果が大きく、3.0 〜5
が好ましい。
の合金を溶製した。合金組成は重量で、Sn約1.5
%,Fe0.10〜0.50%,Ni0〜0.30%,C
r0.08〜0.13%,残部が実質的にZrからなるも
のである。各インゴットは熱間圧延(700℃)、焼な
まし(700℃,4h)と施した後、α+β相(900
℃)及びβ相(1000℃)で2〜3分保持した後水冷
した。次いで、冷間圧延(加工度40%)と600℃×
2hの中間焼なましを交互に3回くり返し、厚さ1mmの
板とした。
℃高温水蒸気中8h保持し、次いで同じ圧力を保って5
10℃に上昇させ、16h保持し、腐食増量を測定する
ことにより行った。腐食に対する材料組成の影響を加速
的に調べるため530℃,620℃,730℃で2時間
加熱した。
応に伴い、酸化物(ZrO2)が形成されると同時に水素
ガスが発生するが、酸化による重量増加を測定すること
により、ジルカロイと反応した水のモル数を求めること
ができ、それに対応して発生する水素ガスのモル数を求
めることができるので、腐食試験後の試験片に含まれる
水素量を化学分析により測定し、吸収水素モル数を計算
し、吸収水素に対する発生水素の比を求めることにより
水素吸収率を求めた。
無を示し、図示○印は最終焼なまし温度によらずノジュ
ラ腐食の発生が表面及び側面に認められず腐食増量が4
5mg/dm2 以下であったものである。×印は、表面あ
るいは側面にノジュラコロージョンが発生し腐食増量が
50mg/dm2 を越えるものであったことを示す。図
中の数字は腐食増量である。図よりノジュラコロージョ
ンを防止できる合金組成は、図中の点線で分割された領
域の高Ni,高Fe側に存在することがわかる。点線は
0.15Fe+0.25Ni=0.0375 によって求め
られる値である。
有量の影響を示す線図である。図に示す如く、高温高圧
水中での腐食はFe量及びNi量の増加によって顕著に
減少することが分る。特に、Niの極微量の添加によっ
て急激に腐食増量が減少する。0.10%付近のFeで
は0.06%以上,0.15%付近のFeでは0.04%
以上,Fe含有量が0.21%以上でNi0.03%の添
加によって腐食増量が45mg/dm2 以下となり、い
ずれもノジュラー腐食は生じなかった。
の影響を示したものである。図中△印はNi添加量:
0.11wt% の合金の水素吸収率を示し、○印はNi
添加量:0.05wt% の合金の水素吸収率を示す。図
中の点線は、α+βクエンチあるいはβクエンチを省略
した合金について実験結果を示す。実線は、加工熱処理
プロセスにおいて、α+βクエンチを行った合金の水素
吸収率を示す。図よりα+βクエンチを施すことにより
水素吸収率を11%以下とすることができることがわか
る。Fe量を0.21% 以上にすることによりNi量に
関係なく水素吸収率が小さくなる。
i添加量の影響を示す。Ni添加量0.16wt%以下
では、水素吸収率は11%以下と低い値であるが0.2
wt%以上になると急激に水素吸収率が上昇し40%に
も達する。よって、Ni添加量は、0.15wt% 以下
とするのが好ましい。しかし、Fe量を0.21% 以上
にすることによって10%以下の水素吸収率とすること
ができる。
i)比の影響を示す線図である。図に示す如く、Fe含
有量が0.21% 未満の○印及び△印のものは(Fe/
Ni)比による影響が見られないが、0.20% 以上の
Fe含有量では(Fe/Ni)比は1.4 以上にすべき
であることが分る。前述の如く、FeとNiとは水素吸
収率に及ぼす効果が全く逆の作用を有するので、これら
の元素における比率が重要である。Feの含有量が0.
2% 未満及びNi含有量が0.2% を越える含有量で
はこれらの元素の相関関係がないが、両者の含有量が互
いに逆の場合に両者は相関関係を有するものである。
金の腐食増量は、43mg/dm2、水素吸収率は12
%であった。このことから、耐食性及び水素吸収の観点
からは、Ni添加量0.16wt% 以下の範囲であれば
Fe添加量を0.21wt%以上,0.5wt% 前後ま
で増加させてもよいことがわかる。しかし、後述するよ
うにNiとFeとの合計量が0.64% と多量に含有す
ると冷間塑性加工性が急激に低下するので、前述の如く
冷間塑性加工によって薄肉とする部材では好ましくな
く、FeとNiとの合計量は0.40 以下が好ましい。
β相クエンチしたものの透過電子顕微鏡により析出物の
観察を行った結果、錫とニッケルとの金属間化合物が検
出され、α相のジルコニウム結晶粒内中に均一に分散し
て析出しているのが確認された。析出物はSn2Ni3析
出物で、粒径は約10nm程度の極微細なものであっ
た。しかし、同じ材料でα+βクエンチしないものには
この析出物は観察されなかった。
チ後に熱間塑性加工を施したものにはSnとNiとの析
出物は見られなかった。
のについて以下に示す通りである。
%,Fe0.05〜0.20%,Cr0.05〜0.15
%,Ni0.03〜0.1%及び残部Zr)が用いられ、
熱間押出しされた最終熱間加工された素管を内部に水を
流しながら実施例1と同様に焼入れ処理が施され、外面
側が内側より合金元素の固溶量が高く、外面側で耐食性
の高いものである。本実施例でも内面に純Zrのライナ
が形成されており、実施例1と同様に製造した。燃料棒
は図6に示すものと同じで、端栓27は被覆管と同じ材
料を用い、核燃料ペレット25が装荷された後、端栓に
よって突合わせレーザ溶接でHeが封入され封止され
る。封止He圧は約10気圧となり、核燃料ペレット2
5の平均濃縮度は約4.0wt% である。尚、被覆管素
管の焼入処理はα+β相で素管から最終冷間加工の直前
のいずれの段階のいずれでも行うことができ、更にβ相
ではα+β相と同様に行うことができる。α+β相,β
相のいずれでも素管で焼入れするのがよく、β相では最
終の冷間の前の冷間加工前で行うのがよい。冷間加工後
の焼鈍温度は640〜500℃が好ましい。
合金が用いられ、前述と同様に1100℃のβ相で10秒加
熱後水噴霧熱処理が施され、表2に示すFr,FL,F
t値と同様の値が得られ、これによって中性子照射量と
して3×1022n/cm2 でのひずみ量が0.3×10-4
ときわめて少ないものであった。本実施例におけるチャ
ンネルボックスは図4におけるものを用いられ、コーナ
部が辺部より厚肉となっている。図4(b)は外面側で
凹に形成、(c)は内面側で凹に形成され、機械加工又
は化学エッチングによって形成される。
が用いられる。材料は実施例1と同様にα+β相又はβ
相での焼入処理が施される。
び材料が用いられる。
Wd/tが達成される。そして被覆管スペーサ,ウォー
タロッドでのノジュラー腐食は生ぜず、チャンネルボッ
クスでの伸びは非常に少ないものであった。
のについて以下に示す通りである。
造のものを用い、材料はジルカロイ2が用いられる。製
造方法は実施例1と同様であり、特に熱処理は1100
℃で10秒加熱後水冷することによって行い、そのとき
のF値は表2に示す値とほぼ同様であった。平均結晶粒
径は約100μmであった。熱処理後の処理も同様に行
った。
ずれも前述のジルカロイ2が用いられ、いずれも最終熱
間加工後にα+β相又はβ相での焼入れ処理が施された
ものが用いられる。被覆管及びウォータロッドへの端栓
は突合わせTIG溶接によって行われ、被覆管は実施例
2と同様に核燃料ペレットが装荷される。核燃料として
ウラン235の平均濃縮度は約3.4 重量%で、He封
入圧は約5気圧で封入される。
均燃焼度38GWd/tが達成される。このものの使用
期間は約4.5 年となる。
っている点は、以下に示す通りである。
イ2を用い、スペーサ及びウオータロッドにジルカロイ
4(Sn1〜2%,Fe0.18〜0.24%,Ni0.
01%以下、残部が実質的にZrである)が用いられ
る。被覆管及びスペーサはα+β相又はβ相焼入れ処理
が施され、高耐食性を有する。
焼入れ処理した板材をTIG溶接によって構成される。
核燃料ペレットはU235の平均濃縮度は約3%であ
り、取出平均燃焼度は33GWd/t、使用期間は約4
年である。
チャンネルボックスの結晶方位をランダムにしているの
で、変形が少なく長期間炉内で使用出来る。さらに燃料
集合体各部材の耐食性が向上し、水素吸収も大幅に低減
出来る結果、燃料集合体の高燃焼度化が可能となり、使
用済み燃料廃棄物の低減にも寄与出来る。また、燃料集
合体部材の信頼性向上にも寄与出来る。
図。
図。
図。
照射量との関係を示す線図。
を示す線図。
す線図。
図。
図。
す線図。
固定ネジ、4…チャンネルボックス、5…上部タイプレ
ート、6…下部タイプレート、7…スペーサ、8…チャ
ンネルボックス嵌合代、9…燃料棒伸び代、10…燃料
棒貫通孔、11…ハンドル、12…角筒、14…コイ
ル、15…電源、16…水噴霧ノズル、17…溶接部、
18…マンドレル、20…厚肉コーナ部、21…辺部、
22…上部辺部、23…下部辺部、24…被覆管、25
…核燃料ペレット、26…プレナムスプリング、27,
30…端栓、28…細径部、29…太径部、31…セ
ル。
Claims (17)
- 【請求項1】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料が
装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置に
配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端と
下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレート
と、前記スペーサ内に配置されたジルコニウム基合金製
ウォータロッドとを一体に集合させその外周を被うジル
コニウム基合金製チャンネルボックスとを備え、50G
Wd/t以上の燃焼度にさらされる燃料集合体におい
て、前記被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスは重
量で錫1〜2%,鉄0.20〜0.50%,Cr0.05
〜0.15%及びニッケル0.03〜0.16%を含み、
残部が実質的にジルコニウムからなり、前記被覆管は外
表面の前記鉄及びニッケルの固溶量が内表面の固溶量よ
り高く、前記チャンネルボックス及びウォータロッドは
〈0001〉結晶方位の板厚方向の配向率(Fr値)が
0.25〜0.50であり、前記チャンネルボックスの角
部が辺部より厚肉であることを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項2】前記スペーサは最終熱間加工後にα+β相
又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が施されて
いる請求項1の燃料集合体。 - 【請求項3】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料が
装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置に
配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端と
下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレート
と、前記スペーサ内に配置されたジルコニウム基合金製
ウォータロッドとを一体に集合させその外周を被うジル
コニウム基合金製チャンネルボックスとを備え、45G
Wd/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合体におい
て、前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及びニッケ
ルの固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶量より高
くなっており、前記チャンネルボックスは角部が辺部よ
り厚肉である角筒管からなり、前記チャンネルボックス
及びウォータロッドはその板厚方向の〈0001〉結晶
方位の配向率(Fr値)が0.25〜0.50であり、前
記被覆管,チャンネルボックス及びウォータロッドは重
量で、錫1.2〜1.7%,鉄0.07〜0.20%,クロ
ム0.05〜0.15%,ニッケル0.03〜0.08%及
び残部が実質的にジルコニウム及び前記スペーサが重量
で、錫1〜2%,鉄0.20〜0.35%,Cr0.05〜
0.15 ,Ni0.03〜0.16%及び残部が実質的に
ジルコニウムからなることを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項4】前記スペーサは最終熱間加工後にα+β相
又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が施されて
いる請求項3の燃料集合体。 - 【請求項5】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料が
装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置に
配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端と
下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレート
と、前記スペーサ内に配置されたジルコニウム基合金製
ウォータロッドとを一体に集合させその外周を被うジル
コニウム基合金製チャンネルボックスとを備え、38G
Wd/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合体におい
て、前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及びニッケ
ルの固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶量より高
くなっており、前記チャンネルボックスは角部及び辺部
がほぼ均等の肉厚のストレートな溶接された角筒管から
なり、前記チャンネルボックス及びウォータロッドはそ
の板厚方向の〈0001〉結晶方位の配向率(Fr値)
が0.25〜0.50であり、前記被覆管,スペーサ,チ
ャンネルボックス及びウォータロッドは重量で、錫1.
2〜1.7%,鉄0.07〜0.20%,クロム0.05〜
0.15%,ニッケル0.03〜0.08% 及び残部が実
質的にジルコニウムからなることを特徴とする燃料集合
体。 - 【請求項6】前記スペーサは最終熱間加工後にα+β相
又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が施されて
いる請求項5の燃料集合体。 - 【請求項7】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料が
装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置に
配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端と
下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレート
と、前記スペーサに配置されたジルコニウム基合金製ウ
ォータロッドとを一体に集合させその外周を被うジルコ
ニウム基合金製チャンネルボックスとを備え、32GW
d/tまでの燃焼度にさらされる燃料集合体において、
前記被覆管は焼入れが施され外表面の鉄及びニッケルの
固溶量がその内表面の前記合金元素の固溶量より高くな
っており、前記チャンネルボックスは角部及び辺部がほ
ぼ均等の肉厚のストレートな溶接された角筒管からな
り、前記チャンネルボックス及びウォータロッドはその
板厚方向の〈0001〉結晶方位の配向率(Fr値)が
0.25〜0.50であり、前記被覆管及びチャンネルボ
ックスは重量で、錫1.2〜1.7%,鉄0.07〜0.2
0%,クロム0.05〜0.15%,ニッケル0.03〜
0.08%及び残部が実質的にジルコニウム、及び前記
スペーサ及びウォータロッドは重量で、錫1.2〜1.7
%,鉄0.18〜0.24%,Ni0.01% 以下及び残
部が実質的にジルコニウムからなることを特徴とする燃
料集合体。 - 【請求項8】前記スペーサは最終熱間加工後にα+β相
又はβ相温度領域より急冷される焼入れ処理が施されて
いる請求項7の燃料集合体。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の燃料集合
体において、前記チャンネルボックスは、前記ジルコニ
ウム基合金からなる板材を曲げ加工によりコの字型部材
とし、該コの字型部材を溶接接続して角筒長尺部材とし
た後、該角筒長尺部材を長手方向に移動しながら連続的
にβ相温度領域で短時間局部的に加熱保持するとともに
該加熱された部分を冷媒によって強制的に冷却させるこ
とにより前記ジルコニウム基合金の〈0001〉結晶方
位の板厚方向の配向率(Fr値)を0.25〜0.50
とする工程を有することを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の燃料集
合体において、前記被覆管は、前記ジルコニウム基合金
からなる最終熱間塑性加工後の厚肉素管又は該加工後最
終冷間塑性加工前のいずれかの段階で長手方向に移動し
ながら連続的に(α+β)相又はβ相温度領域で管内面
を冷却しながら管外面を短時間局部的に加熱保持すると
ともに該加熱された部分の管外面を冷媒によって強制的
に冷却させる焼入工程を有することを特徴とする燃料集
合体。 - 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載に燃料集
合体において、前記スペーサは、前記ジルコニウム基合
金からなる最終熱間塑性加工後の厚肉素管又は該加工後
最終冷間塑性加工前の薄肉管いずれかの段階で長手方向
に移動しながら連続的に(α+β)相又はβ相温度領域
に短時間局部的に加熱保持するとともに該加熱された部
分を冷媒によって強制的に冷却させる焼入工程を有する
スペーサ用セルを備えたことを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項12】請求項11において、前記管に代えて板
材からなり、前記焼入工程を有する板材によって前記セ
ルを一体に構成する枠体を有する燃料集合体。 - 【請求項13】請求項11において、前記管に代えて板
材からなり、前記焼入工程を有する板材によって格子セ
ル及び該セルを一体に構成する枠体を備えたスペーサを
有する燃料集合体。 - 【請求項14】請求項1〜8のいずれかに記載の燃料集
合体において、前記ウォータロッドは、前記ジルコニウ
ム基合金からなる最終冷間塑性加工された長尺管を長手
方向に移動しながら連続的にβ相温度領域で短時間局部
的に加熱保持するとともに該加熱された部分を冷媒によ
って強制的に冷却させることにより前記ジルコニウム基
合金の〈0001〉結晶方位の管肉厚方向の配向率(F
r値)を0.25〜0.50,管長手方向の配向率(FL
値)を0.203〜0.36及び管周方向の配向率(Ft
値)を0.25〜0.36とする工程を有することを特徴
とする燃料集合体。 - 【請求項15】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料
が装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置
に配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端
と下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレー
トと、前記スペーサ内に配置されたウォータロッドとを
一体に集合させその外周を被うジルコニウム基合金製チ
ャンネルボックスとを備える燃料集合体において、前記
被覆管,スペーサ及びチャンネルボックスは重量で錫1
〜2%,鉄0.20〜0.55%、及びニッケル0.03
〜0.16%を含むジルコニウム基合金からなり、前記
被覆管は外表面の前記鉄及びニッケルの固溶量が内表面
の固溶量より高く、前記チャンネルボックスは〈000
1〉結晶方位の板厚方向の配向率(Fr値)が0.25
〜0.50であることを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項16】ジルコニウム基合金製被覆管内に核燃料
が装荷される複数本の燃料棒と、該燃料棒を所望の位置
に配置するスペーサと、該配置された燃料棒をその上端
と下端で支持する上部タイプレート及び下部タイプレー
トと、前記スペーサ内に配置されたジルコニウム合金製
ウォータロッドとを一体に集合させその外周を被うジル
コニウム基合金製チャンネルボックスとを備え得る燃料
集合体において、前記被覆管は厚さの半分以下の厚さで
焼入れが施され外表面の鉄及びニッケルの固溶量がその
内表面の前記合金元素の固溶量より高くなっており、前
記チャンネルボックスはその角部が辺部より厚肉で且つ
長手方向での肉厚が上部より下部で厚い形状を有し、そ
の板厚方向の〈0001〉結晶方位の配向率(Fr値)
が0.25〜0.50 であり、前記被覆管,スペーサ及
びチャンネルボックスはいずれも重量で、錫1〜2%,
鉄0.20〜0.50%及びニッケル0.03〜0.16%
を含むジルコニウム基合金からなることを特徴とする燃
料集合体。 - 【請求項17】重量で、錫1〜2%,鉄0.20〜0.5
0%及びニッケル0.03〜0.16%を含むジルコニウ
ム基合金板よりなり、板厚方向の〈0001〉結晶方位
の配向率(Fr値)が0.25〜0.50、長手方向(圧
延方向)の配向率(FL値)が0.203〜0.36及び
幅方向(圧延方向に直角な方向)の配向率(Ft値)が
0.25〜0.36であることを特徴とする燃料集合体用
チャンネルボックス。
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JP8095048A JP2814981B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 燃料集合体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006078483A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Global Nuclear Fuel Americas Llc | 過激な水の化学反応における運転用の改善されたジルコニウム合金燃料クラッディング |
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JP2010518374A (ja) * | 2007-02-05 | 2010-05-27 | ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー | 原子炉に用いるスペーサの製造方法 |
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-
1996
- 1996-04-17 JP JP8095048A patent/JP2814981B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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