JPS6330721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は油圧駆動装置と電気式操作装置とを備
え、回転板による塵芥のかき上げ及び押込み板に
よる塵芥の収納圧縮の一連の積込み動作を自動的
に行う塵芥収集車において、塵芥積込みの際の誤
動作、動作不良のない安全確実な塵芥積込みタイ
ミング装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、第１図に示す如く、塵芥投入箱Ｂの塵芥
投入口３より投入された塵芥を、回転板１の回転
によるかき上げと、押込み板２の揺動により塵芥
収容箱Ａ内に収納圧縮する方式の塵芥収集車にお
いては、前記回転板１の回転動作と押込み板２の
揺動動作との作動順序タイミング規定装置とし
て、回転板１及び押込み板２の動作位置に応じて
開閉するスイツチ（例えば、マイクロスイツチ）
により油圧駆動装置を制御しているのが通常であ
る。

そして、具体的には、第２図に示すように、回
転板１及び押込み板２の各回転軸４及び５に固着
した各カム板６及び７と、塵芥投入箱Ｂの枠体８
に取付けた複数のスイツチSWとの協働により、
回転板１の回転位置と押込み板２の揺動位置に
夫々応じて各スイツチ接点を開閉し、油圧回路の
電磁弁を切換えて回転板１及び押込み板２の作動
タイミングを制御する構成を採つていた。

ところで、この種の塵芥収集車において、回転
軸４及び５を支承する枠体８の軸受に汚水、塵
芥、砂利等が混入する機会が多いため、長期使用
の間にはその軸受が摩耗し、回転軸４及び５は変
位して不規則な軌跡上の回転運動をするようにな
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがつて、従来の前記構成では、回転軸４及
び５に直接固着されているカム板６，７も回転軸
４，５と共に変位し、その回転軌跡に変化を来た
し、固定側の枠体８に取付けられている各スイツ
チとの相対位置が変化して各スイツチ接点の開閉
に誤動作或いは動作不良を起し、塵芥積込み動作
が円滑に行われなくなり、駆動装置の故障を起
し、遂には積込み動作が停止するというような事
態が発生し、作業能率の低下を来たす欠点があつ
た。

一方、前記の回転軸と連動するカムスイツチ機
構を使用しない塵芥積込みタイミング装置（例え
ば、光電管等の電気的な位置検出センサを使用し
たもの）であれば、前述のような欠点の発生はな
いものの、複雑な装置となり、また価格面でも実
用上問題がある。

本考案は上記の点に鑑み、カムスイツチ機構を
採用し、しかも回転軸軸受の摩耗に伴うカム板の
回転軌跡が変化しても、スイツチとの相対位置に
は何んらの変化も来たさない塵芥積込みタイミン
グ装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

その目的達成の手段は、回転板の一側を固定し
た回転軸の外周に間隙を介してスイツチブラケツ
トを遊嵌すると共に、該スイツチブラケツトの一
端を投入箱の固定側枠体に固定支持し、前記回転
軸へのスイツチブラケツトの遊嵌部分に形成され
た筒状体の外周に軸受を介してカム板の筒状部を
回転自在に取付け、該カム板の筒状部から延出し
た腕部にピンを突設し、前記回転軸の外端面に一
端を固定したレバーに、前記ピンが遊嵌されるス
ロツトを先端より内方へ向け切欠したことにあ
る。

〔作用〕

本考案の目的達成の手段に基づく作用は、回転
板の一側に固定した回転軸の回転を、レバーのス
ロツト及びカム板に固定されたピンを介してカム
板に伝え、カム板は一端を固定側枠体に支持した
スイツチブラケツトに回転軸と間隙を介して遊嵌
されており、しかもレバーには内方に向けて切欠
したスロツトを形成しているため、軸受の摩耗に
よる該回転軸の芯振れに影響されることなく、ス
イツチブラケツトに設けたスイツチを的確に作動
することができる。

〔実施例〕

次に、本考案を図面に示す一実施例により説明
する。なお、本実施例は回転板に対するタイミン
グ装置を示す。

第３図、第４図は回転軸に設けたタイミング装
置の断面図及び正面図にして、回転軸４に回転板
１の一側端部が固着され、枠体８に設けた軸受部
９に軸受１０を介して回転軸４が支承される点は
従来のものと同様である。

而して、本考案の具体的な構成は次の点にあ
る。

(1) スイツチSWを取付けたスイツチブラケツト
１１は、回転軸４と同軸に、かつ該回転軸４の
外周と僅かの間隙を介して遊嵌され、その一端
部を固定側の枠体８にカラー１２を介してボル
ト１３により固定支持される。

(2) 上記スイツチブラケツト１１の回転軸４に遊
嵌した部分に形成されている筒状体１１ａの外
周面に軸受１４を介して延出した腕部６ｃにピ
ン６ａを突設したカム板６の筒状部６ｂが回転
可能に嵌装される。

(3) 回転軸４の外端面にボルト１５により固定さ
れた短形状のレバー１６には、先端より内方へ
向けて切欠いたスロツト１６ａが設けられ、該
スロツト１６ａに上記カム板６に突設したピン
６ａが遊嵌される。

次に本タイミング装置の作動について説明す
る。

(a) 正常時には、駆動側回転軸に設けた回転駆動
装置（図示せず）により回転軸４は回転し、該
回転軸４に端部が固着された回転板１が回転し
て投入口３より投入された塵芥をかき上げる。

上記回転軸４に固着されて同期回転するレバ
ー１６の回転は、スロツト１６ａに遊嵌された
ピン６ａを介してカム板６に伝達され、回転板
１の回転位置に対応してスイツチSWの接点開
閉時期が正確に制御される。

(b) 而して、軸受１０に上記要因に基づく摩耗現
象が生じて回転軸４が不規則な軌跡上の回転運
動をすると、即ち、回転軸４がその軸径方向
（軸線に対して上下、左右方向）の運動を伴う
ようになつた場合には、レバー１６も回転軸４
と同一の不規則な軌跡上の回転運動をする。

しかし、上下方向の運動に対しては、レバー
１６のスロツト１６ａがカム６に突設されたピ
ン６ａを遊嵌した状態で単に上下に移動するの
みで、カム板６には何んらの影響も及ぼさず、
また左右方向の運動に対しては、レバー１６の
スロツト１６ａによりピン６ａが移動し、カム
板６が回転軸４の変則運動に追従して移動する
こととなるので、カム板６とスイツチSWとの
相対位置に変化を来たさず、スイツチSWの接
点開閉の時期が狂うことがない。

(c) また、軸受１０の摩耗に直接起因するもので
はないが、回転板１は上記のように、駆動側回
転軸と回転軸４にその両端部が固着されて、駆
動側回転軸の駆動によつて回転し、かつ両回転
軸は枠体８の軸受部９に対して軸方向にも移動
しうるように装架されているので、回転板１の
かき上げ動作時に、塵芥が局部的に集中したよ
うな場合には回転板１にねじれが生じて回転軸
４がその軸線方向に変位した不規則な回転運動
をすることがある。

しかし上記の状態は、レバー１６のスロツト
１６ａがカム板６の突設したピン６ａを遊嵌し
た状態で単に前後方向に移動する態様となるの
で、カム板６には何んらの影響も及ぼさず、し
たがつてカム板６とスイツチSWとの相対位置
に変化を来すことがなく、スイツチSWの接点
開閉時期が正確に制御される。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案のタイミング装置は、ス
イツチを取付けたスイツチブラケツトを回転軸と
間隙を介して遊嵌すると共に一端を固定側に固定
支持し、回転軸の回転方向の動きを阻止し、また
回転軸の回転運動と同期回転するレバーのスロツ
トに遊嵌したピンに伝達し、もつてカム板の回転
運動を規制するように構成したので、正常時は勿
論、軸受の摩耗に基づく回転軸の軸径方向の変位
及び塵芥の局部的集中に基づく回転軸の軸線方向
の変位を伴う不規則な回転運動があつても、カム
板は何んの影響をこうむらないか又は回転軸の変
則運動に追従するので、カム板とスイツチとの相
対位置に何んらの変化も来たさず、塵芥の自動積
込み動作をタイミングよく円滑に行うことがで
き、長期間安全にして能率のよい積込み動作を期
することができる極めて有益なものである。

なお、上記のタイミング装置は押込み板の回転
軸にも適用しうるものであり、この場合には上記
の軸受摩耗に比し、押込み板に対する塵芥の局部
的集中荷重に効力を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常の塵芥収集車の全体側面図で、塵
芥積込み機構部分を断面で示し、第２図は従来の
塵芥積込みタイミング装置の説明図、第３図及び
第４図は本考案に係る塵芥積込みタイミング装置
の一実施例の断面図及び正面図である。 １……回転板、２……押込み板、４……回転板
の回転軸、６……カム板、６ａ……ピン、８……
枠体、９……回転軸の軸受部、１０……軸受、１
１……スイツチブラケツト、１１ａ……筒状体、
１６……レバー、１６ａ……スロツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カム板に応動するスイツチにより回転板と押込
   み板の連続作動順序を制御する油圧駆動装置及び
   電気式操作装置を備えた塵芥収集車において、 前記回転板の一側を固定した回転軸の外周に間
   隙を介してスイツチブラケツトを遊嵌すると共
   に、該スイツチブラケツトの一端を投入箱の固定
   側枠体に固定支持し、 前記回転軸へのスイツチブラケツトの遊嵌部分
   に形成された筒状体の外周に軸受を介してカム板
   の筒状部を回転自在に取付け、該カム板の筒状部
   から延出した腕部にピンを突設し、 前記回転軸の外端面に一端を固定したレバー
   に、前記ピンが遊嵌されるスロツトを先端より内
   方へ向け切欠した、 ことを特徴とする塵芥収集車の塵芥積込みタイ
   ミング装置。