JPS63306519A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的コ （産業上の利用分野） 本発明は、非磁性支持体上に磁性層を形成してなる磁気
記録媒体に係り、特に垂直磁気記録に適した低温、高温
、さらに低温〜高温のサイクル試験での耐久性を向上さ
せた磁気記録媒体に関する。

（従来の技術） オーディオ用、ビデオ用、あるいはコンピュータ用等の
各種の分野で使用されているテープ状やディスク状の磁
気記録媒体としては、ポリエステルのような支持体上に
、磁性粉末、樹脂結合材、溶剤および各種添加剤とから
なる磁性塗料を均一に塗布して磁性層、すなわち記録層
を形成することによって構成されたものが知られている
。このような磁気記録媒体における磁性層としては、記
録・再生時に磁気ヘッド等と激しく摺接するため、耐摩
耗性に優れ、耐久性に富んだものが要求されている。ま
た、電磁変換特性の面からは、表面平滑性に優れたもの
が要求されている。

このため、従来より、磁性層を形−する磁性塗料中にミ
リスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸
等の脂肪酸やステアリン酸ブチル、バルミチン酸ブチル
等の脂肪酸エステルのような潤滑剤を配合することによ
り、得られる磁性層の摺動性能を良好にすることにより
耐久性を向上させる試みがなされている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、上述したような従来の潤滑剤では、磁性層の
耐久性を改善しているものの十分ではなく、また高温、
低温等の悪条件下では添加した潤滑剤の粘度が変化し、
粘度の低下により磁性層からのプリーディング（にじみ
出し）を起こしたり、粘度の上昇により表面平滑特性が
損われたり、さらに潤滑効果が低下してしまうという問
題があった。

また、最近、磁気記録媒体のさらなる高密度化を可能に
した、結晶構造が六角板状で磁化容易軸を板面に対して
垂直方向に有する六方晶系フェライトのような六方晶強
磁性粉末が注目されており、このような六方晶強磁性粉
末は、従来より磁性粉末として用いられてきたＣｏ−γ
−Ｆｅ２Ｏ３等とは粉体表面の化学的性質が異なり、さ
らに高密度記録媒体としての表面精度を上げた場合には
、従来の潤滑剤ではさらに十分な耐久性を得ることが困
難であるという問題があった。

本発明はこのような従来の問題点を解消するためになさ
れたもので、磁性粉末、特に六方晶系フェライト粉末を
用いて磁性層を形成した際の高温、低温、さらには低温
〜高温のサイクル試験での耐久性および表面平滑特性を
向上させ、長期間安定して電磁変換特性が得られる磁気
記録媒体を提供することを目的とする。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明者らは、このような従来の問題を解決するために
種々の有機化合物の磁気記録媒体における潤滑剤として
の特性について鋭意研究を進めたところ、特定の脂肪酸
エステルとこの脂肪酸エステルの生成反応時に未反応成
分として残留する高級不飽和脂肪酸とを併用して使用し
た場合に、優れた摺動特性が得られることを見出し本発
明を成すに至った。

すなわち本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、
磁性粉末と結合材とを有する磁性層を形成してなる磁気
記録媒体において、前記磁性層が高級不飽和脂肪酸と不
飽和アルコールとの縮合反応により得られた脂肪酸エス
テルおよび未反応の前記高級不飽和脂肪酸を潤滑剤とし
て含有することを特徴としている。

本発明における磁性層の潤滑剤は、高級不飽和脂肪酸と
不飽和アルコールとを縮合反応させて脂肪酸エステルを
生成する際に、一方の出発原料である高級不飽和脂肪酸
を化学量論比よりも若干多めに使用して得られる脂肪酸
エステル中に未反応成分として高級不飽和脂肪酸を残留
させたものを使用しており、上記脂肪酸エステルによる
使用温度条件に対する安定性と未反応の高級不飽和脂肪
酸による磁性層内への分散性を兼備えたものである。

この未反応の高級不飽和脂肪酸の量としては、上記脂肪
酸エステル中に０．１〜１０ｖ量％の範囲が好ましく、
さらに好ましくは０．１〜５重量％の範囲である。未反
応の高級不飽和脂肪酸の量が０．１重量％未満では磁性
層内への相溶性が悪くなり、１０重量％を超えると上記
脂肪酸エステルによる安定した潤滑効果が損われる。

本発明の潤滑剤の一方の出発原料となる高級不飽和脂肪
酸は、分子内に炭素〜炭素二重結合を１個または２個以
上有し、炭素数が１６〜２４であるものが好ましく、例
えばオレイン酸、エルカ酸、リノール酸等が挙げられる
。また、他方の出発原料となる不飽和アルコールは、分
子内に炭素〜炭素二重結合を１個または２個以上有し、
炭素数が１６〜２４であるものが好ましく、例えばオレ
インアルコールが挙げられる。そして、これらの出発原
料を用いて得られる脂肪酸を含有する脂肪酸エステルと
しては、オレイン酸を含有するオレイン酸オレイル、エ
ルカ酸を含有するエルカ酸オレイル等が好ましい。

上記未反応の高級不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸エステ
ルの配合量は、磁性粉末１００重量部に対して１．５〜
１５重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは４〜１
０重量部の範囲であり、この範囲内で結合材の使用量に
応じて適宜設定する。未反応の高級不飽和脂肪酸を含有
する脂肪酸エステルの配合量が１．５重量部未満では潤
滑効果、すなわち耐久性向上効果が十分に得られず、１
５重量部を超えるとブリーディングを起こし電磁変換特
性を低下させる可能性がある。

なお、本発明に使用される潤滑剤としては、上記した未
反応の高級不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸エステルと併
用して、カルピトール等の他の有機化合物を全潤滑剤成
分の５０重量％程度まで使用することが可能である。

本発明の磁性層に使用される結合材とてしては、例えば
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール
系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩酢ビ共
重合体、イソシアネート系化合物、その他従来より磁気
記録媒体の結合材として使用されている各種の樹脂を使
用することが可能である。

また、本発明の磁性層に使用される磁性粉末としては、
ＣＯ−γ−Ｆｅ２０　ｚ等の針状酸化鉄、Ｃ「０２　、
Ｆｅ−Ｃｏ等の金属粉を使用することも可能であるが、
特に 一般式 ％式％） （式中、ＨはＢａ、　Ｓｒ、Ｐｂ、　Ｃａのいずれか１
種の元素を表わし、ｎは５〜６の数を表わす、但し、Ｆ
ｅの一部はＴｉ、　Ｃｏ、Ｚｎ、　Ｉｎ、　Ｈｎ、　Ｃ
ｕ、　Ｇｅ、　Ｎｂ、　Ｚｒ、Ｖ、ＡＪ２、Ｓｎ等の金
属で置換されていてもよい、）で示される一軸異方性の
六方晶系フェライト粉末が適しており、これら六方晶系
フェライト粉末は保磁力を２００〜２００００　ｅの範
囲に調節したものが、高密度記録が可能な垂直磁気記録
媒体の磁性粉末として好ましい、また、これらは六角板
状の結晶構造を有しており、一般に板面の対角線の長さ
が粒径（Ｄ）と呼ばれ、この粒径（Ｄ）を板厚（１）で
除した値が板状比（Ｄ／ｌ）と呼ばれる０本発明の磁性
層に用いる六方晶系フェライト粉末としては、平均粒径
が０．００５〜０．３μｍの範囲で、かつ板状比（Ｄ／
ｌ　）が１〜１５の範囲であるものが好ましい、六方晶
系フェライト粉末の平均粒径が０．３μｍを超えると磁
気記録密度が低下し、また板状比が大きくなるにつれて
六角板面どうしが密接して積層する傾向が強くなり分散
性が低下する。

さらに、本発明の磁性層は上記した各構成成分の他にカ
ーボンや研磨剤としてα−ＡＪ２２０３を併用すること
により、上記未反応の高級不飽和脂肪酸を含有する脂肪
酸エステルとの相乗効果によりさらに耐久性が向上する
。

このカーボンとしては、平均粒径０．０９〜０．４５μ
Ｉの比較的粗大な粒子径のカーボンや平均粒径０，０２
〜０．０５μｍの比較的微細な粒子径のカーボン、特に
これらの混合物の使用が好ましい、比較的粗大な粒子径
のカーボンを含有させることにより、磁性層の強度が向
上し、またこのカーボンを磁性層の表面に適当量突出さ
せることによりさらに潤滑性、すなわち耐久性が向上し
、比較的微細な粒子径のカーボンを含有させることによ
り、このカーボンが磁性粉末間に入って磁性粉末の分散
性を向上させる。また、α−ＡＪ２２０ｔとしては、平
均粒径が０．１〜０．８μｌの範囲のものが好ましく、
これによっても同様に磁性層の強度向上効果が得られ、
さらにこの研磨剤を磁性層表面に適当量突出させること
により、磁気ヘッド表面のクリーニング効果や摩擦力低
減効果が得られる。

これらカーボンやα−＾Ｊ２０ｇの配合量は、あまり少
なくても耐久性向上効果が十分に得られず、逆に多すぎ
ると磁性層の表面平滑特性を低下させ電磁変換特性に悪
影響を与えるため、カーボンは磁性粉末１００重量部に
対して１〜９重量部程度、α−ＡＪ２２０３は２〜１０
重量部程皿部好ましい。

本発明の磁気記録媒体の製造方法としては、例えば上記
した磁性粉末、未反応の不飽和高級脂肪酸を含有する脂
肪酸エステル、結合材、さらに必要に応じて各種添加剤
を溶媒とともに混練して均一に分散させ磁性塗料を作製
し、この磁性塗料を非磁性支持体上に塗布した後、配向
処理、乾燥処理等を施し、また必要に応じてカレンダー
処理等を加えて磁性層を形成して、磁気記録媒体を製造
する方法が挙げられる。

本発明に使用される非磁性支持体としては、各種の磁気
テープ、フロッピーディスク等のベースとして用いられ
ている公知のものを使用することができ、例えば、テー
プベースとしてはポリエステルフィルム等が、またフロ
ッピーディスクベースとしてはポリエステルシートやア
ルミ基板が使用される。

（作　用） 本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤として使用する
高級不飽和脂肪酸と不飽和アルコールとの縮合反応によ
り得られる未反応の高級不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸
エステルは、分子構造中に炭素〜炭素二重結合を有して
おり、高温や低温においても粘度の変化が少なく、これ
により使用温度の変化に対しても安定して潤滑剤として
作用して耐久性を向上させ、表面平滑特性も安定したも
のとなる。さらに、残留させた未反応の高級不飽和脂肪
酸は、磁性層の他の構成成分である結合材や磁性粉末へ
の分散性に優れていることから、系内に均一に分散して
安定して潤滑特性を示すとともに、磁性粉末の分散性も
向上させ優れた表面性を有する磁性層が得られる。

（実施例） 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。

なお、以下の実施例中の１部」は重量部を示す。

実施例Ｉ Ｂａフェライト（Ｃｏ、Ｔｉ置換）粉末（平均粒径０．
０８　μ＋１　、Ｈｃ　　７Ｇ０Ｏｅ　）　　　１００
部オレイン酸オレイル （オレイン酸を０．３重量％含有）　　　　　　５部ポ
リウレタン樹脂　　　　　　　　　　　１４部ニトロセ
ルロース樹脂　　　　　　　　　　６部レシチン　　　
　　　　　　　　　　　　　２部溶剤（ＭＥＫ／）ルエ
ン／シクロヘキサノン）（重量比１／１／１　）　　　
　　　　　　　１８７．５部上記の組成物をサンドグラ
インダーで混練して磁性塗料を調整した後にろ過し、硬
化剤として三悪能性低分子量イソシアネート化合物５部
を添加混合して、この磁性塗料を７５μｍ厚のポリエチ
レンテレフタレートの両面に乾燥後の厚さが２．５μｍ
になるように塗布し、乾燥、硬化させて磁性層を形成し
、次いでカレンダーにより鏡面化し、円板状に打抜いて
磁気ディスクを作製した。

実施例２ 実施例１で用いたオレイン酸を含有するオレイン酸オレ
イルに代えて、エルカ酸を０．２ｆｔ１％含有・するエ
ルカ酸オレイルを同量用いた以外は実施例１と同様にし
て磁性塗料を作製し、同様に磁気ディスクを作製した。

実施例３ 実施例１で用いた磁性塗料の構成成分にさらに平均粒径
０．０８μｍのカーボンを１．５部および平均粒径０．
２μｍのカーボンを２．５部添加した以外は実施例１と
同様にして磁性塗料を作製し、同様にして磁気ディスク
を作製した。

実施例４ 実施例１で用いた磁性塗料の構成成分にさらに平均粒径
０．１μｍのａ−＾Ｊ２２０３を５部添加した以外は実
施例１と同様にして磁性塗料を作製し、同様にして磁気
ディスクを作製した。

実施例５ 実施例１で用いた磁性塗料の構成成分にさらに実施例３
で用いたものと同一のカーボンを同量と実施例４で用い
たものと同一のα−ＡＪ２２Ｑ３を同量添加した以外は
実施例１と同様にして磁性塗料を作製し、同様にして磁
気ディスクを作製した。

比較例１ 実施例１で用いたオレイン酸オレイルに代えて、ステア
リン酸ｎ−ブチルを同量用いた以外は実施例１と同様に
して磁性塗料を作製し、同様に磁気ディスクを作製した
。

比較例２ 実施例１で用いたオレイン酸オレイルに代えて、オレイ
ン酸メチルを同量用いた以外は実施例１と同様にして磁
性塗料を作製し、同様に磁気ディスクを作製した。

比較例３ 実施例１で用いたオレイン酸オレイルに代えて、オレイ
ン酸ｎ−ブチルを同量用いた以外は実施例１と同様にし
て磁性塗料を作製し、同様に磁気ディスクを作製しな。

比較例４ 実施例１で用いたＢａフェライト粉末に代えて、Ｃｏ−
γ−Ｆｅ２０３粉末を同量用いた以外は実施例１と同様
にして磁性塗料を作製し、同様に磁気ディスクを作製し
た。

以上の各実施例および比較例で得られた磁気ディスクに
ついて、耐久性試験を行った結果を次表に示す、なお耐
久性試験は、各磁気ディスクを記録再生装置に装填して
、これに磁気ヘッドをパッド圧４０Ｑ／ｄで摺接させな
がら再生出力が初期出力の７０％になるまでの走行時間
を両次時間として、各磁気ディスクの作成直後（初期）
、５０℃で５週間保存後（高温保存）について、各々低
温（５℃）、高温（５０°Ｃ）および低温〜高温のサイ
クル（５℃〜５０℃）の各条件下で測定を行なった。

（以下余白） ［発明の効果］ 以上の実施例からも明らかなように、本発明の磁気記録
媒体は、磁性層に高級不飽和脂肪酸と不飽和アルコール
との縮合反応により得られた未反応の高級不飽和脂肪酸
を含有する脂肪酸エステルを潤滑剤として含有させてい
るので、低温から高温までの使用環境下において、磁性
層の耐摩耗性に優れているばかりでなく、高温下で長時
間保存した後においても、初期状態が良好に維持され、
高温保存性においても優れた特性が得られるとともに、
磁性層の表面平滑特性も良好となり出力特性の優れたも
のとなる。特に−軸性の六方晶系フェライト粉末を磁性
粉末として用いた場合には、磁性粉末の形状等との相乗
効果で、一層耐久性に優れた特性を発揮する。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）非磁性支持体上に、磁性粉末と結合材とを有する
   磁性層を形成してなる磁気記録媒体において、 前記磁性層が、高級不飽和脂肪酸と不飽和アルコールと
   の縮合反応により得られた脂肪酸エステルおよび未反応
   の前記高級不飽和脂肪酸を潤滑剤として含有することを
   特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）前記磁性粉末は、一軸異方性の六方晶系フェライ
   ト粉末であり、かつ保磁力が２００〜２０００Ｏｅであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気記
   録媒体。
3. （３）前記一軸異方性の六方晶系フェライト粉末は、平
   均粒径が０．００５〜０．３μｍであり、かつ板状比が
   １〜１５であることを特徴とする特許請求の範囲第２項
   記載の磁気記録媒体。
4. （４）前記磁性層は、平均粒径０．０９〜０．４５μｍ
   のカーボンおよび／または平均粒径０．０２〜０．０５
   μｍのカーボンを含有することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項ないし第３項のいずれか１項記載の磁気記録
   媒体。
5. （５）前記磁性層は、平均粒径０．１〜０．８μｍのα
   −Ａｌ＿２Ｏ＿３を含有することを特徴とする特許請求
   の範囲第１項ないし第４項のいずれか１項記載の磁気記
   録媒体。
6. （６）前記脂肪酸エステルは、オレイン酸オレイルまた
   はエルカ酸オレイルであり、かつこれら脂肪酸エステル
   が前記未反応の高級不飽和脂肪酸としてオレイン酸また
   はエルカ酸を含有していることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項ないし第５項のいずれか１項記載の磁気記録
   媒体。