JPS6330429B2 - - Google Patents
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- JPS6330429B2 JPS6330429B2 JP55124023A JP12402380A JPS6330429B2 JP S6330429 B2 JPS6330429 B2 JP S6330429B2 JP 55124023 A JP55124023 A JP 55124023A JP 12402380 A JP12402380 A JP 12402380A JP S6330429 B2 JPS6330429 B2 JP S6330429B2
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- nonwoven fabric
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Landscapes
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
本発明はポリオレフイン系ポリマーからなる不
織布の製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは、ポリオレフイン系ポリマーを紡糸後、ロー
ルで特定の延伸倍率で延伸したのち、大型のスリ
ツト型エアサツカー中を通して開繊、堆積したの
ち、熱圧着する不織布の製造方法に関するもので
ある。 その目的とするところは、従来のエアサツカー
で牽引する長繊維不織布の製造方法にかわり、ロ
ールで牽引・延伸することにより、より安価でか
つ分散のきれいなポリオレフイン系不織布を提供
するものである。 従来、熱可塑性ポリマーを溶融・紡糸し、エア
サツカーあるいは回転ロールで牽引・細化並びに
開繊・堆積して長繊維からなるウエブとしたのち
加圧ロールにて、加熱圧着させる方法は公知であ
る。上記の方法は一般にスパンボンド法と称し、
素材に関しては特に制限がなく、ポリエステル・
ポリアミド・ポリオレフイン等が選ばれ、既に企
業化されたものも多い。スパンボンド法としては
特公昭37−4993号公報が知られている。 素材として見た場合、ポリエステル系、ポリア
ミド系共に、エアサツカー牽引方式においては比
較的低圧圧気(1〜7Kg/cm2G)によるものが多
いが、それにもかかわらず、高速牽引、(例えば
ウエブ中の糸速度に換算して5Km/分以上はポリ
エチレンテレフタレートの熱圧着時の形態収縮を
止める為に必要である)する為には多量の圧気を
必要とし、その圧気製造の為の電力消費量は製造
コストのうちでも高い比率を占めている。今後の
原油事情を考えると、ますます製造費が高くなる
要因を秘めている。 本発明者らはかゝる現状に鑑み、ポリオレフイ
ン系、特にポリプロピレンからなる長繊維不織布
の製造方法に関し、特に包装材料、シート裏材、
クツシヨン内張用などに適する風合が柔らかく、
高強力を有し、かつ製造コストの安い不織布の製
造方法について鋭意研究を重ねた結果本発明を完
成するに至つた。 すなわち本発明は、メルトフローレート
(ASTM−D−1238、230℃、2.16Kgでの測定値)
が5以下の値を有するポリプロピレンを紡出後、
引取ロールと延伸ロール間で1.5〜2.5倍に延伸
し、導糸方向に対して直角方向のスリツト長さが
1m以上のスリツト型エアサツカーを通して開繊
し堆積したのちエンボスロールで熱圧着すること
を特徴とするポリオレフイン系不織布の製造方法
である。 本発明の不織布の製造方法はポリオレフインと
しては特にポリプロピレンが好ましいものであ
る。 本発明の特徴は従来技術で知られているエアサ
ツカー牽引方式や紡糸したのち高倍率延伸した延
伸糸からの不織布とは明らかに異なり、メルトフ
ローレートが5以下の高粘度ポリオレフインと延
伸倍率が1.5〜2.5倍という延伸比との組合せによ
り、従来考えられなかつた高強力糸と収縮なしで
熱圧着可能という効果を見出したものであり、延
伸した繊維を導糸方向に対して直角方向のスリツ
ト長さが1m以上であるスリツト型エアサツカー
に僅かの圧気でもつて一段に通すことにより均一
分散させることを可能にした。そして製造コスト
を低減させることを可能ならしめた不織布の製造
方法である。 本発明に用いるポリオレフインのメルトフロー
レートは5以下であるのが好ましい。当然の事な
がら、メルトフローレートが5を超えても同様の
プロセスにより不織布化することが可能である
が、メルトフローレートの減少は単糸強力の低下
を伴なう。単糸強度はメルトフローレートの低下
と共に急激に変化するものではないが、高強力不
織布である以上、単糸強度は3.5g/d以上を必
要とする。この為にはメルトフローレートが5以
下、特に好ましくは3.5以下である。 高粘度ポリオレフインを例にとれば、例えばチ
ツソ社製ポリプロピレンK1011(ブロー成型用メ
ルトフローレート0.7)においても良好な紡糸延
伸性を示し、実施例にも示すとおり、メルトフロ
ーレートが小さい程高強力不織布が得られる。 紡糸条件は従来のポリオレフイン系繊維とほぼ
同じでよいが、吐出口径に関しては小さい方がよ
り好ましい。吐出口径の大きさは、紡口からの吐
出時のメルトフラクチヤーの発現の有無により限
定される。本発明者らの実験結果では0.23〜0.40
mmが適当である。 延伸倍率は1.5〜2.5倍の範囲が好ましい。1.5倍
未満は単糸強度が小さいという欠点があり、2.5
倍を超えると特にメルトフローレートが1以下の
場合には熱圧着時に収縮を伴なう為に好ましくな
い。熱圧着時に収縮を伴なう場合風合の硬いもの
しか得られない。 紡糸口金と引取ロールとの距離は通常の溶融紡
糸の場合と同じく4m以上ある方が好ましい。 本発明者らの研究によればポリオレフイン、特
にポリプロピレンの場合、紡糸口金と引取ロール
との距離が5m程度であり、不織布製造において
も同程度の距離が好ましい。引取・延伸ロールは
通常のスピンドローロール、あるいはトウ延伸ロ
ールであつてもよく、特に制限はないが、ランニ
ンングコストを小さくする為にはロール・モータ
ーの数を減らすのが好ましく、トウ延伸ロールの
使用がより好ましい。トウ延伸ロールを用いる場
合には、ロール速度は、数百m/分しかない為、
スピンヘツドを重ねて紡糸口金の列数を増やして
生産性を上げることも可能である。 ロールは加熱装置があつてもよく、もしない場
合には熱処理装置(ヒーター)を第1ロール群と
第2ロール群の間に設けてもよい。 ポリオレフイン系不織布であつて、細デニール
繊維を用いた柔軟不織布を製造コストを安くして
得る為には、分散手段として導糸方向に対して直
角方向のスリツト長さが1m以上のスリツト型エ
アサツカーを通して開繊する必要がある。従来、
開繊手段としては小型エアサツカーを多数個コン
ベアの流れ方向に対して直角、あるいは一定の角
度をもたせて並べるが普通であるが、このような
方法においては、多数個並べたエアサツカーの間
がどうしても目付が薄くなる為、通常は2層ある
いはそれ以上の積層手段をとり、薄くなつた部分
に他の列の目付の厚い部分を重ねて均一なウエブ
にする必要がある。 すなわち従来の方法では、非常に多数のエアサ
ツカーを使用する為、圧気の使用量が大きく、ロ
ール牽引方式は必ずしも有利ではなかつたが、本
発明によれば、どのような広幅の不織布でも低コ
ストで製造可能である。本発明のように広幅のエ
アサツカーで一段で開繊する方法は、紡糸・延伸
後のエアサツカーへの糸通しが一回で済み、例え
ば紡口汚れなどの為ワイピングが必要で、ワイピ
ング後の導糸時間が大幅に短縮でき、収率の良い
紡糸が可能となり、安価にポリオレフイン不織布
を製造できる。 多数個のエアサツカーを用いる場合にはどうし
ても多数のフイラメントを個別のエアサツカーに
糸別けする必要がある。さらに均一に分散させる
場合には、積層する必要があり、その積層回数だ
け多く糸別けの為の時間がかかり、製造ロスを大
きくする。これに対し、広幅のスリツト型エアサ
ツカーで一段で開繊する場合は極めて簡単に糸通
しが1回で済み、必要があればガイド等で糸を分
けて均一分散させることが簡単に出来無駄が少な
く原単位が向上する。スリツト型エアサツカーの
スリツトの長さが1m未満の狭い場合でも省エネ
ルギー・糸掛け時間の短縮効果はあるが、その効
果としては薄いものである。 不織布としての生産性をあげる為には例えば3
m幅で日産5トン以上は最低必要であり、しかも
細デニールであるから、特にフイラメント数は多
いが、1本のエアサツカーであれば作業性は問題
はない。 また包装材料等の用途から考えるとスリツト型
エアサツカーのスリツト長さは6m程度で実用上
は充分であるが、それ以上であつても特に問題は
ない。ここでいうスリツト型エアサツカーとは第
2図に示す断面構造を有し開繊に用いる導糸部が
長方形状としていることが必要で、かつ隔壁がな
いことが必要である。 以下、図面によつて、本発明の製造方法を更に
詳しく説明する。 本発明に係る不織布の製造工程を第1図に示
す。1はチツプホツパーで2は押出機、3はスピ
ンヘツドである。用いる紡糸口金は矩型であつて
も丸型紡口を多数連続させてもよい。4は紡出さ
れたポリオレフイン糸条である。5は糸条を引取
るロール群、6はホツトゾーン、7は延伸する為
の第2ロール群である。第1ロール群と第2ロー
ル群との間で所定の倍率で延伸を実施する。8は
1m以上のスリツト長さを有するスリツト型エア
サツカーである。9はネツトコンベア、10は凹
凸を有するエンボスロール、11は巻上げ不織
布、12は巻取装置を示す。3のスピンヘツドの
幅と、5,7のロール群、8のスリツト型エアサ
ツカーのスリツトの長さは同じであつても又、ス
ピンヘツド3とロール群5,7の幅に比較してス
リツト型エアサツカーのスリツトの長さを長くし
てもよい。該エアサツカーは開繊させるだけの機
能を有する為、エアーの使用量を減らすことが出
来、良好な開繊性を示すようになり、分散のきれ
いな不織布が得られる。 本発明のポリオレフイン系不織布の製造方法に
よれば、高強力と加熱圧着性を有するポリオレフ
イン系繊維が得られ、この繊維を導糸方向に対し
て直角方向のスリツト長さが1m以上のスリツト
型エアサツカーに通して開繊させる方法と組合せ
ることにより、糸掛け作業性は格段に向上し、か
つ糸掛け作業時間を大幅に短縮出来、しかも分散
よく製造できる。 このように、本発明は優れた不織布を極めて安
価に製造する事を可能にしたものである。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 ポリオレフインとして、チツソ社製ポリプロピ
レンK1014(メルトフローレート3.5)を用い、
0.35φ×4000ホール(1.1m幅矩形)の紡口を用い
300℃で紡糸した。ロールは1.2m幅でありトウ延
伸ロールと類似の5本ロール構造をもつている。
(第1図参照)第1ロール群は400m/分、第2ロ
ール群は800m/分で回転させた(延伸倍率2.0
倍)。特に加熱延伸手段は用いず、フイラメント
群は紡口から第1ロール〜第2ロール〜スリツト
型エアサツカーまで約1m幅のままで処理した。
第2ロール群を出たフイラメント群はスリツト長
さが1.2mのスリツト型エアサツカーに導糸され、
開繊・堆積した後、148℃の表面温度を有するエ
ンボスロールで圧着した。得られた不織布はJIS
−L−1068:ストリツプ法によれば、引張強力
13.0Kg/3cm幅(目付換算:50g/cm2)を示し
た。 この時の単糸2.0デニール、単糸強度は4.0g/
dを示した。 実施例 2 ポリオレフインとしてチツソ社製ポリプロピレ
ン:グレードK1011(メルトフローレート:0.7)
を用い、実施例1と同じく0.35φ×4000ホールの
矩形紡口を用い310℃で紡糸した。この時第2ロ
ール群は1000m/分に固定し、第1ロール群の速
度を変えることにより第1表に示すように延伸倍
率を変化させた。この時の吐出量はホール当り
0.17g/分(延伸後のデニールで単糸1.5d)に調
整してある。延伸比を変えた時の熱接着性(及び
熱融着時の収縮の評価を含む)を第1表に示す。
織布の製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは、ポリオレフイン系ポリマーを紡糸後、ロー
ルで特定の延伸倍率で延伸したのち、大型のスリ
ツト型エアサツカー中を通して開繊、堆積したの
ち、熱圧着する不織布の製造方法に関するもので
ある。 その目的とするところは、従来のエアサツカー
で牽引する長繊維不織布の製造方法にかわり、ロ
ールで牽引・延伸することにより、より安価でか
つ分散のきれいなポリオレフイン系不織布を提供
するものである。 従来、熱可塑性ポリマーを溶融・紡糸し、エア
サツカーあるいは回転ロールで牽引・細化並びに
開繊・堆積して長繊維からなるウエブとしたのち
加圧ロールにて、加熱圧着させる方法は公知であ
る。上記の方法は一般にスパンボンド法と称し、
素材に関しては特に制限がなく、ポリエステル・
ポリアミド・ポリオレフイン等が選ばれ、既に企
業化されたものも多い。スパンボンド法としては
特公昭37−4993号公報が知られている。 素材として見た場合、ポリエステル系、ポリア
ミド系共に、エアサツカー牽引方式においては比
較的低圧圧気(1〜7Kg/cm2G)によるものが多
いが、それにもかかわらず、高速牽引、(例えば
ウエブ中の糸速度に換算して5Km/分以上はポリ
エチレンテレフタレートの熱圧着時の形態収縮を
止める為に必要である)する為には多量の圧気を
必要とし、その圧気製造の為の電力消費量は製造
コストのうちでも高い比率を占めている。今後の
原油事情を考えると、ますます製造費が高くなる
要因を秘めている。 本発明者らはかゝる現状に鑑み、ポリオレフイ
ン系、特にポリプロピレンからなる長繊維不織布
の製造方法に関し、特に包装材料、シート裏材、
クツシヨン内張用などに適する風合が柔らかく、
高強力を有し、かつ製造コストの安い不織布の製
造方法について鋭意研究を重ねた結果本発明を完
成するに至つた。 すなわち本発明は、メルトフローレート
(ASTM−D−1238、230℃、2.16Kgでの測定値)
が5以下の値を有するポリプロピレンを紡出後、
引取ロールと延伸ロール間で1.5〜2.5倍に延伸
し、導糸方向に対して直角方向のスリツト長さが
1m以上のスリツト型エアサツカーを通して開繊
し堆積したのちエンボスロールで熱圧着すること
を特徴とするポリオレフイン系不織布の製造方法
である。 本発明の不織布の製造方法はポリオレフインと
しては特にポリプロピレンが好ましいものであ
る。 本発明の特徴は従来技術で知られているエアサ
ツカー牽引方式や紡糸したのち高倍率延伸した延
伸糸からの不織布とは明らかに異なり、メルトフ
ローレートが5以下の高粘度ポリオレフインと延
伸倍率が1.5〜2.5倍という延伸比との組合せによ
り、従来考えられなかつた高強力糸と収縮なしで
熱圧着可能という効果を見出したものであり、延
伸した繊維を導糸方向に対して直角方向のスリツ
ト長さが1m以上であるスリツト型エアサツカー
に僅かの圧気でもつて一段に通すことにより均一
分散させることを可能にした。そして製造コスト
を低減させることを可能ならしめた不織布の製造
方法である。 本発明に用いるポリオレフインのメルトフロー
レートは5以下であるのが好ましい。当然の事な
がら、メルトフローレートが5を超えても同様の
プロセスにより不織布化することが可能である
が、メルトフローレートの減少は単糸強力の低下
を伴なう。単糸強度はメルトフローレートの低下
と共に急激に変化するものではないが、高強力不
織布である以上、単糸強度は3.5g/d以上を必
要とする。この為にはメルトフローレートが5以
下、特に好ましくは3.5以下である。 高粘度ポリオレフインを例にとれば、例えばチ
ツソ社製ポリプロピレンK1011(ブロー成型用メ
ルトフローレート0.7)においても良好な紡糸延
伸性を示し、実施例にも示すとおり、メルトフロ
ーレートが小さい程高強力不織布が得られる。 紡糸条件は従来のポリオレフイン系繊維とほぼ
同じでよいが、吐出口径に関しては小さい方がよ
り好ましい。吐出口径の大きさは、紡口からの吐
出時のメルトフラクチヤーの発現の有無により限
定される。本発明者らの実験結果では0.23〜0.40
mmが適当である。 延伸倍率は1.5〜2.5倍の範囲が好ましい。1.5倍
未満は単糸強度が小さいという欠点があり、2.5
倍を超えると特にメルトフローレートが1以下の
場合には熱圧着時に収縮を伴なう為に好ましくな
い。熱圧着時に収縮を伴なう場合風合の硬いもの
しか得られない。 紡糸口金と引取ロールとの距離は通常の溶融紡
糸の場合と同じく4m以上ある方が好ましい。 本発明者らの研究によればポリオレフイン、特
にポリプロピレンの場合、紡糸口金と引取ロール
との距離が5m程度であり、不織布製造において
も同程度の距離が好ましい。引取・延伸ロールは
通常のスピンドローロール、あるいはトウ延伸ロ
ールであつてもよく、特に制限はないが、ランニ
ンングコストを小さくする為にはロール・モータ
ーの数を減らすのが好ましく、トウ延伸ロールの
使用がより好ましい。トウ延伸ロールを用いる場
合には、ロール速度は、数百m/分しかない為、
スピンヘツドを重ねて紡糸口金の列数を増やして
生産性を上げることも可能である。 ロールは加熱装置があつてもよく、もしない場
合には熱処理装置(ヒーター)を第1ロール群と
第2ロール群の間に設けてもよい。 ポリオレフイン系不織布であつて、細デニール
繊維を用いた柔軟不織布を製造コストを安くして
得る為には、分散手段として導糸方向に対して直
角方向のスリツト長さが1m以上のスリツト型エ
アサツカーを通して開繊する必要がある。従来、
開繊手段としては小型エアサツカーを多数個コン
ベアの流れ方向に対して直角、あるいは一定の角
度をもたせて並べるが普通であるが、このような
方法においては、多数個並べたエアサツカーの間
がどうしても目付が薄くなる為、通常は2層ある
いはそれ以上の積層手段をとり、薄くなつた部分
に他の列の目付の厚い部分を重ねて均一なウエブ
にする必要がある。 すなわち従来の方法では、非常に多数のエアサ
ツカーを使用する為、圧気の使用量が大きく、ロ
ール牽引方式は必ずしも有利ではなかつたが、本
発明によれば、どのような広幅の不織布でも低コ
ストで製造可能である。本発明のように広幅のエ
アサツカーで一段で開繊する方法は、紡糸・延伸
後のエアサツカーへの糸通しが一回で済み、例え
ば紡口汚れなどの為ワイピングが必要で、ワイピ
ング後の導糸時間が大幅に短縮でき、収率の良い
紡糸が可能となり、安価にポリオレフイン不織布
を製造できる。 多数個のエアサツカーを用いる場合にはどうし
ても多数のフイラメントを個別のエアサツカーに
糸別けする必要がある。さらに均一に分散させる
場合には、積層する必要があり、その積層回数だ
け多く糸別けの為の時間がかかり、製造ロスを大
きくする。これに対し、広幅のスリツト型エアサ
ツカーで一段で開繊する場合は極めて簡単に糸通
しが1回で済み、必要があればガイド等で糸を分
けて均一分散させることが簡単に出来無駄が少な
く原単位が向上する。スリツト型エアサツカーの
スリツトの長さが1m未満の狭い場合でも省エネ
ルギー・糸掛け時間の短縮効果はあるが、その効
果としては薄いものである。 不織布としての生産性をあげる為には例えば3
m幅で日産5トン以上は最低必要であり、しかも
細デニールであるから、特にフイラメント数は多
いが、1本のエアサツカーであれば作業性は問題
はない。 また包装材料等の用途から考えるとスリツト型
エアサツカーのスリツト長さは6m程度で実用上
は充分であるが、それ以上であつても特に問題は
ない。ここでいうスリツト型エアサツカーとは第
2図に示す断面構造を有し開繊に用いる導糸部が
長方形状としていることが必要で、かつ隔壁がな
いことが必要である。 以下、図面によつて、本発明の製造方法を更に
詳しく説明する。 本発明に係る不織布の製造工程を第1図に示
す。1はチツプホツパーで2は押出機、3はスピ
ンヘツドである。用いる紡糸口金は矩型であつて
も丸型紡口を多数連続させてもよい。4は紡出さ
れたポリオレフイン糸条である。5は糸条を引取
るロール群、6はホツトゾーン、7は延伸する為
の第2ロール群である。第1ロール群と第2ロー
ル群との間で所定の倍率で延伸を実施する。8は
1m以上のスリツト長さを有するスリツト型エア
サツカーである。9はネツトコンベア、10は凹
凸を有するエンボスロール、11は巻上げ不織
布、12は巻取装置を示す。3のスピンヘツドの
幅と、5,7のロール群、8のスリツト型エアサ
ツカーのスリツトの長さは同じであつても又、ス
ピンヘツド3とロール群5,7の幅に比較してス
リツト型エアサツカーのスリツトの長さを長くし
てもよい。該エアサツカーは開繊させるだけの機
能を有する為、エアーの使用量を減らすことが出
来、良好な開繊性を示すようになり、分散のきれ
いな不織布が得られる。 本発明のポリオレフイン系不織布の製造方法に
よれば、高強力と加熱圧着性を有するポリオレフ
イン系繊維が得られ、この繊維を導糸方向に対し
て直角方向のスリツト長さが1m以上のスリツト
型エアサツカーに通して開繊させる方法と組合せ
ることにより、糸掛け作業性は格段に向上し、か
つ糸掛け作業時間を大幅に短縮出来、しかも分散
よく製造できる。 このように、本発明は優れた不織布を極めて安
価に製造する事を可能にしたものである。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 ポリオレフインとして、チツソ社製ポリプロピ
レンK1014(メルトフローレート3.5)を用い、
0.35φ×4000ホール(1.1m幅矩形)の紡口を用い
300℃で紡糸した。ロールは1.2m幅でありトウ延
伸ロールと類似の5本ロール構造をもつている。
(第1図参照)第1ロール群は400m/分、第2ロ
ール群は800m/分で回転させた(延伸倍率2.0
倍)。特に加熱延伸手段は用いず、フイラメント
群は紡口から第1ロール〜第2ロール〜スリツト
型エアサツカーまで約1m幅のままで処理した。
第2ロール群を出たフイラメント群はスリツト長
さが1.2mのスリツト型エアサツカーに導糸され、
開繊・堆積した後、148℃の表面温度を有するエ
ンボスロールで圧着した。得られた不織布はJIS
−L−1068:ストリツプ法によれば、引張強力
13.0Kg/3cm幅(目付換算:50g/cm2)を示し
た。 この時の単糸2.0デニール、単糸強度は4.0g/
dを示した。 実施例 2 ポリオレフインとしてチツソ社製ポリプロピレ
ン:グレードK1011(メルトフローレート:0.7)
を用い、実施例1と同じく0.35φ×4000ホールの
矩形紡口を用い310℃で紡糸した。この時第2ロ
ール群は1000m/分に固定し、第1ロール群の速
度を変えることにより第1表に示すように延伸倍
率を変化させた。この時の吐出量はホール当り
0.17g/分(延伸後のデニールで単糸1.5d)に調
整してある。延伸比を変えた時の熱接着性(及び
熱融着時の収縮の評価を含む)を第1表に示す。
【表】
〓 生ウエブの面積
〓
この式からわかるように熱収縮面積率はゼロに
近いのが望ましく、又単糸強度は4g/d以上と
なるのは延伸倍率は1.5倍以上が必要である。延
伸倍率が2.7倍にすると紡糸延伸時に単糸切れが
発生し、又熱収縮が大きく好ましくない。 実施例 3 ポリオレフインのメルトフローレートを第2表
に示すように変化させ実施例1と同じ装置を用い
て紡糸・延伸(延伸比2.0倍)して不織布を製造
した。上記で得た不織布の物性を第2表に示す。
〓
この式からわかるように熱収縮面積率はゼロに
近いのが望ましく、又単糸強度は4g/d以上と
なるのは延伸倍率は1.5倍以上が必要である。延
伸倍率が2.7倍にすると紡糸延伸時に単糸切れが
発生し、又熱収縮が大きく好ましくない。 実施例 3 ポリオレフインのメルトフローレートを第2表
に示すように変化させ実施例1と同じ装置を用い
て紡糸・延伸(延伸比2.0倍)して不織布を製造
した。上記で得た不織布の物性を第2表に示す。
【表】
実施例 4
実施例1と同じ製造工程においてスリツト長さ
が1.2cmのスリツト型エアサツカーを用いた方法
と、比較例として4cm幅に30本丸型エアサツカー
を並べた場合の糸掛け時間と分散性を表3表に示
す。本発明の方法によるスリツト型エアサツカー
の方が糸掛け時間が短かく。かつこの差は幅が大
きくなるにつれて増大する。
が1.2cmのスリツト型エアサツカーを用いた方法
と、比較例として4cm幅に30本丸型エアサツカー
を並べた場合の糸掛け時間と分散性を表3表に示
す。本発明の方法によるスリツト型エアサツカー
の方が糸掛け時間が短かく。かつこの差は幅が大
きくなるにつれて増大する。
第1図は本発明の不織布製造工程の一実施態様
を示す。第2図は、スリツト型エアサツカーの構
造を示す部分、斜視図である。 1……チツプホツパー、2……押出機、3……
スピンヘツド、4……フイラメント、5……第1
ロール群、6……加熱装置、7……第2ロール
群、8……スリツト型エアサツカー、9……ネツ
トコンベア、10……パーシヤルプレスロール、
11……不織布、12……巻取機、13……導糸
孔、14……スリツト、15……エア導入部、1
6……エアタンク。
を示す。第2図は、スリツト型エアサツカーの構
造を示す部分、斜視図である。 1……チツプホツパー、2……押出機、3……
スピンヘツド、4……フイラメント、5……第1
ロール群、6……加熱装置、7……第2ロール
群、8……スリツト型エアサツカー、9……ネツ
トコンベア、10……パーシヤルプレスロール、
11……不織布、12……巻取機、13……導糸
孔、14……スリツト、15……エア導入部、1
6……エアタンク。
Claims (1)
- 1 メルトフローレート(ASTM−D1238、230
℃、2.16Kgでの測定値)が5以下の値を有するポ
リプロピレンを紡出後、引取ロールと延伸ロール
間で1.5〜2.5倍に延伸し、導糸方向に対して直角
方向のスリツト長さが1m以上のスリツト型エア
サツカーを通して開繊し堆積したのち、エンボス
ロールで熱圧着することを特徴とするポリオレフ
イン系不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55124023A JPS5751858A (en) | 1980-09-09 | 1980-09-09 | Production of polyolefine nonwoven fabric |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55124023A JPS5751858A (en) | 1980-09-09 | 1980-09-09 | Production of polyolefine nonwoven fabric |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5751858A JPS5751858A (en) | 1982-03-26 |
JPS6330429B2 true JPS6330429B2 (ja) | 1988-06-17 |
Family
ID=14875113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP55124023A Granted JPS5751858A (en) | 1980-09-09 | 1980-09-09 | Production of polyolefine nonwoven fabric |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5751858A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11020975B2 (en) * | 2019-02-15 | 2021-06-01 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and recording system |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57191358A (en) * | 1981-05-14 | 1982-11-25 | Asahi Chemical Ind | Production of long fiber nonwoven fabric |
DE3603814A1 (de) * | 1986-02-07 | 1987-08-13 | Reifenhaeuser Masch | Anlage fuer die herstellung eines fadenvlieses und verfahren zum betrieb einer solchen anlage |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4834534A (ja) * | 1971-09-04 | 1973-05-19 |
-
1980
- 1980-09-09 JP JP55124023A patent/JPS5751858A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4834534A (ja) * | 1971-09-04 | 1973-05-19 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11020975B2 (en) * | 2019-02-15 | 2021-06-01 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and recording system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5751858A (en) | 1982-03-26 |
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