JPS63300768A - 脱臭剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙おむつに配合使用し、脱臭性能を付与する
目的に適した脱臭剤組成物に関するものである。

〔従来の技術および問題点〕

現在、一般に使用されている脱臭剤はその機構から分類
すると物理吸着型、反応型、生物脱臭型があり、これに
加えて、悪臭を芳香剤でマスキングするタイプなどがあ
る。

物理吸着型の１つである活性炭は多くの悪臭に有効であ
る優れた脱臭剤であり、紙おむつにも多く利用されてい
るが、尿臭の代表的成分の１つであるアンモニア等の塩
基性の悪臭に対して効果が少ない。また、色か黒色であ
るため、商品の外観に問題がある。

反応型脱臭剤のうち、酸化還元反応によるものは、これ
らの反応性による他素材への影響や、人体に対する毒性
、刺激性や脱臭剤自身の安定性など問題点が多い。

生物脱臭型は脱臭機能を発揮するための反応条件の制約
や反応に時間を要するなど使用上問題が多くいまだ実用
には到っていない。

芳香剤によるマスキング法は紙おむつ用として一部実用
化されているが、本質的な脱臭ではなく、好適な脱臭方
法とは言えない。

反応型脱臭剤のうち、中和機構によって脱臭を行うもの
としては、多価金属塩によるものが知られている。これ
らは、比較的反応速度が早く、比較的安全性が高いとい
う利点がある。その代表的なものが硫酸第１鉄であって
、従来から脱臭用に広く使用されている。しかしながら
、一般に多価金属化合物は、高分子吸水剤特にアニオン
性高分子吸水剤と共存した場合、その吸水能力を大幅に
低下させる傾向がある。紙おむつには、コンパクトで大
きな吸液量が望まれるため、高分子吸水剤の使用は、殆
ど必須要件となりつつある。従って、高分子吸水剤の性
能を損なうことは、紙おむつ用の脱臭剤として致命的な
欠陥となるものである。

又、鉄化合物については、尿と接触したとき著しく着色
する傾向がある。これは、紙おむつを必要とする老人、
病人などは排尿の色で健康状態を判定することがあるた
め、その判定を狂わせることになる。

高分子吸水剤の生産量は、毎年伸長しているが、これに
は紙おむつ用途の寄与が太きいと考えられる。高分子吸
水剤は、基本的には、水溶性高分子を架橋不溶化した構
造を有するものであり、非イオン性のものとイオン性の
高分子とに分類できる。而してイオン性の高分子は、そ
の殆どがアニオン性高分子であって、これに属するもの
が一般に吸水倍率も高く、比較的安価であるので、紙お
むつ用途に多用されている。

具体的には、ポリアクリル酸系、アクリル酸グラフトデ
ンプン系、加水分解ポリアクリルニトリル系などがある
。

これらの高分子吸水剤は、紙おむつの吸液能力を高める
のに有用であり、アニオン性高分子の場合、カチオン性
の悪臭、例えばアンモニア、アミン等を成程度除去する
性質をも有している。

しかしながら、人体の排泄物の悪臭は決してカチオン性
の物質のみによるのではなく、多くの物質が関与してい
る。これらのことから、紙おむつ用の脱臭剤としては、
その一部の脱臭ｍ能を高分子吸水剤に負担さゼることか
できるとしても、高分子吸水剤では除去できない悪臭を
除去するとともに、高分子吸水剤の吸水性能を阻害しな
い性能を有するものを配合するのが望ましい。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、高分子吸水剤を共存してもその機能を阻
害せず、且つアニオン性物質に基因する悪臭物質をよく
脱臭するとともに、アニオン性高分子吸水剤では脱臭し
きれないカチオン性悪臭物質を脱臭する脱臭剤として両
性金属化合物の少なくとも２種類を混合したものが優れ
ていることを認め、本発明に到達した。

即ち、本発明は、両性金属弱酸塩又は酸化物、両性金属
強酸塩及びアニオン性高分子吸水剤との粉体温合物から
なることを特徴とする脱臭剤組成物に関するものである
。

両性金属酸化物とは酸に対しては塩基として作用し、塩
基に対しては酸として作用する金属酸化物で、亜鉛、カ
ドミウム、アルミニウム、インジウム、スズ、ゲルマニ
ウム、鉛、ヒ素、アンチモンなどの酸化物であり、両性
金属弱酸塩又は両性金属強酸塩とは、両性酸化物を生じ
るようなこれら金属の弱酸塩又は強酸塩を意味する。具
体的には、これらの化合物から毒性のあるもの、高価な
ものは除外し、アルミニウム化合物と亜鉛化合物が有用
である。特に両性金属弱酸塩として塩基性炭酸亜鉛、両
性金属強酸塩として硫酸アルミニウムからなる混合物が
本発明の目的に有用である。

一方、本発明に使用するアニオン性高分子吸水剤は、デ
ンプン−アクリル酸塩のグラフト共重合体、カルボキシ
メチルセルロースの架橋体、ポリアクリルニトリルの部
分加水分解物、架橋ポリアクリル酸塩などであり、多く
の市販品の中から尿に対する吸収性の高いものから選択
できる。

本発明の脱臭剤組成物の好ましい実施例において、塩基
性炭酸亜鉛は硫化水素のようなアニオン性悪臭物質を除
去する。また、硫酸アルミニウムは、カチオン性悪臭物
質を強力に除去する性質がある。これらの金属化合物も
多価金属であるが、アニオン性高分子吸水剤と共存して
もその吸水性能を減少させることがない。

本発明の脱臭剤組成物は、各成分の粉体混合物として得
ることができる。各成分の比率は要求に応じ適宜変更す
ればよいが、好ましくは、両性金属弱酸塩又は酸化物（
八）／両性金属強酸塩（Ｂ）　＝２０／８０〜８０／２
０、（Ａ）と（Ｂ）の合計に対するアニオン性高分子吸
収剤の割合が１．５〜５である。

本発明の組成物は紙おむつに対して添加すると、排泄物
から発する多数の悪臭物質を広い範囲にわたって脱臭す
るので、特に排泄物用の脱臭剤組成物に適したものであ
る。紙おむつに対する添加量は、特に制限はないが、成
人用紙おむつ１枚あたり０．０５　ｇ〜５ｇ程度が適当
である。

〔発明の効果〕

本発明の脱臭剤組成物を使用した紙おむつは、優れた脱
臭性能を有しているため、寝たきり老人や術後の患者等
の紙おむつ使用者の排便、排尿時の臭いの漏れを著しく
減少させ、病室等の環境改善や本人の精神的負担の軽減
をもたらすことができると同時に、紙おむつ交換時の看
護人の負担軽減や廃棄処理までの仮置き中の悪臭発生を
減少させることができる。

また、実験動物やペット等のケージの敷物等に本発明の
脱臭剤組成物を含有したシートを使用すれば、実験室や
居室の悪臭を減少させ、仕事や生活の快適化につながる
。

本発明の脱臭剤組成物は含有する高分子吸水剤の吸水性
能が維持されているため、吸水性能の優れた脱臭紙おむ
つ、生理用品、衛生材料、脱臭吸水シート等を提供する
ことが可能である。

本発明の脱臭剤組成物は、紙おむつ製造機等の既設の高
分子吸水剤のフィーダーより粉末にて添加することがで
きるため、特別な設備や工程が不要であり、コストアン
プも少ない。

更に、着色や経時変化がなく、安全性も高いため、安心
して使用できる。

〔実施例〕

以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。

実施例１ 金属化合物として塩基性炭酸亜鉛及び無水硫酸アルミニ
ウム、高分子吸水剤としてポリアクリル酸系高分子（ア
クアリックＣＡＷ−４、日本触媒化学工業製）を用い、
それらの重量比率が１：１：１０になる様に混合し、ヘ
ンシェルミキサーにて１５分間ブレンドし、脱臭剤組成
物を調製した。

この脱臭剤組成物の脱臭性能を下記の方法にて測定した
。

アンモニアガス（ＮＨ３）　；予め初期濃度（Ｃ，）４
５０〜５００ｐｐｍに調整した６、３　βのデシケータ
−内に脱臭剤組成物３．０ｇを投入し、３０分後及び４
時間経過後のアンモニアガス濃度（Ｃ）を測定し、Ｃ／
Ｃｏを求めた。

硫化水素ガス（ｌＩｚｓ）　；予め初期濃度（Ｃ，）３
５〜４０ｐｐｍに調整した６、３１のデシケータ−内に
脱臭剤組成物３．０ｇを投入し、３０分後及び４時間経
過後の硫化水素ガス濃度（Ｃ）を測定し、Ｃ／Ｃ６を求
めた。

試験結果を比較例１，２の結果とともに表１に示した。

比較例１ 金属化合物として硫酸第一鉄（−水塩）のみを用いて高
分子吸水剤との比率を２：１０になるように混合し、脱
臭剤組成物を調製し、実施例１と同様な方法で脱臭性能
を測定した。

比較例２ 金属化合物は用いず高分子吸水剤のみの脱臭性能を実施
例１と同様の方法で測定した。

表　　　　　　　　　　　１ 実施例２ 金属化合物として塩基性炭酸亜鉛と無水硫酸アルミニウ
ム（１：１）、高分子吸水剤としてアクアリンクＣＡト
４（日本触媒化学工業製）を用いて、金属化合物存在下
での高分子吸水剤の吸水性能を次の方法で評価した。

（１）吸水倍率 ０．９％食塩水１０１００Ｏに金属化合物１ｇを溶解又
は分散させて試験溶液を調整する。

次に高分子吸水剤０．３ｇをティーバッグ用不織布製の
袋に正確にはかりとり、試験溶液に所定時間（３０分、
１時間、２時間、３時間、４時間）浸漬し、５分間水切
り後重量（ａ）ｇを測定する。別途、高分子吸水剤を入
れないティーバッグを用いて同様の測定を行い、重量Ｃ
ｂ）ｇを求め、下式より吸水倍率を求めた。

吸水倍率（ｇ／ｇ）　＝（（ａ）　−Ｃｂｌ　）１０．
３００（２）吸水ゲルのみかけ粘度 高分子吸水剤５．７ｇを（１）と同様にして調製した試
験溶液に投入して高分子吸水剤の３５倍吸水ゲルを作り
、１時間、２時間、３時間及び４時間経過後、回転粘度
計で測定できるみかけのゲル粘度を室温にて測定した。

また、その時の着色状況を同時に観察した。

実施例２の試験結果を吸水倍率は図−１、吸水ゲルのみ
かけ粘度は図−２、着色状況は表−２に示した。

比較例３ 金属化合物として硫酸第一鉄（−水塩）を使用した以外
は実施例２と同様に行った。

比較例４ 金属化合物を用いなかった以外は実施例２、比較例３と
同様に行った。比較例３．４の結果を実施例２と同様に
図−１、図−２、表−２に示した。

表　　　−２ 実施例３、比較例５．６ 人体側から、透水性表面シート、吸水紙、解砕バルブシ
ート×２、吸水紙、非透水性防漏シ一トの順に積層構成
した紙おむつにおいて、金属化合物、高分子吸水剤又は
それらの混合物である粉体の脱臭剤組成物をおむつ１枚
あたり３．Ｏｇずつ２枚のバルブシートの中間、且つお
むつの中央部に薄く広がるように仕込んだものを作成し
た。但し、使用した吸水紙の坪量は１８ｇＸ２／ｍ２、
解粉バルブシートの坪量は２５ｇＸ２／ｍ２、おむつ１
枚当たりの吸水紙及びパルプ使用量は５８ｇであった。

この紙おむつの尿素に対する脱臭性能、保水性能、着色
状況を以下に示した方法で評価した。

（１）脱臭性能 尿素に対する脱臭性能評価法二紙おむつの中心に１枚当
たり１５０　ｍｌの人尿（健康人のもので採尿直後のも
の）を吸収させた後、紙おむつをポリ袋中に密封し、３
５℃±１℃の条件下に放置する。放置後１時間、及び４
時間経過した時点で取り出して１０人のパネラ−により
次の基準で官能テストを行い、におい強度の平均値を求
めた。

におい強度 ０：におわない １：ごくわずかににおう ２：少しにおう ３：におう ４：強くにおう （２）保水性能 紙おむつサンプルを半分に切り、その中心に１５０　ｍ
ｌの人尿（健康人のもので採尿直後のもの）を吸収させ
る。５分間放置後、予め重量を測定した吸水紙１０枚を
のせ、上から２ｋｇ／１００ｃｍ２の荷重をかけ、更に
５分間放置する。

吸水紙の重量を測定し、その増加分をもどり量として保
水性能の目安とする（数値が小さい程紙おむつの保水性
能が良い）。

（３）着色状況 （２）の保水量測定後のサンプルを目視観察し、着色状
況を判定する。

おむつ１枚あたりに使用した脱臭剤組成物は塩基性炭酸
亜鉛／硫酸アルミニウム／高分子吸水剤−０，２５ｇ１
０．２５ｇ／２．５　ｇ　（実施例３）、硫酸第１鉄１
水塩／高分子吸水剤−０，５ｇ／２．５ｇ（比較例４）
、高分子吸水剤−３，０ｇ　（比較例５）である。

評価結果を表−３に示す。

表　　　　　　　　　３

【図面の簡単な説明】

図−１、図−２はそれぞれ吸水倍率及び３５倍吸水ゲル
みかけ粘度の実験結果を示すグラフである。 出願人代理人　　古　谷　　　馨 図　　−１ 時　　　　間　（ｈｒ）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　両性金属弱酸塩又は酸化物、両性金属強酸塩及びア
   ニオン性高分子吸水剤との粉体混合物からなることを特
   徴とする脱臭剤組成物。 ２　両性金属弱酸塩が塩基性炭酸亜鉛である特許請求の
   範囲第１項記載の脱臭剤組成物。 ３　両性金属強酸塩が硫酸アルミニウムである特許請求
   の範囲第１項又は第２項記載の脱臭剤組成物。