JPS632946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、円筒状の商品を横倒し姿勢で積上げ
収納して成る自動販売機の商品送出装置に関す
る。

(ロ) 従来の技術 従来、この種の商品送出装置は、対向して垂設
した左右一対の側板間に円筒状の商品を横倒し状
態で千鳥状に積上げ収納する商品収納棚を設け、
この商品収納棚の下部に設けられ販売指令により
動作する商品送出装置にて最下位の商品から順次
送出するように構成されており、例えば実公昭47
−2515号公報に示されている。

そして従来のこの種の商品送出装置は、送出部
材を販売動作毎に一方向へ回動して商品の送出を
行なうよう構成され、半円筒状の送出部材内への
商品の取込み係止を確実にするために、すくなく
とも送出部材近傍の商品通路を狭く構成しなけれ
ばならなかつた。このため従来では第１図に示す
ように、商品収納棚１内に商品Ａを千鳥状に積上
げ収納し、下部の送出部材７近傍で商品を１列に
するように商品通路５を狭く構成したもの、また
は第２図に示すように、送出部材７近傍で商品の
千鳥状間隔が狭くなるように商品収納棚１の側板
３，４の相対向した位置にスペーサ２０をそれぞ
れ設けて商品通路５を狭くした構成のものがあ
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら前者の場合は、商品が千鳥状の積
上げ状態から一列に移行する際に商品同士の係合
による詰りを生じ易く、また後者の場合は収納商
品の大きさ形状等によつてスペーサ２０取付けの
調整が必要であつた。また前者及び後者ともに最
下位商品の送出時に、送出部材７の上端が次の商
品を上方かつ側板３方向へ押圧して最下位商品と
次の商品との間に強制的に進入するため、次の商
品が送出部材７によつて変形されたり、送出部材
７と側板３との間にロツクされる等の欠点を有し
ていた。

本考案はこのようなことから、円筒状商品を千
鳥状に積上げ収納する商品収納棚の下部中央に、
商品の軸方向と平行に半円筒状の送出部材を設
け、この送出部材を正逆転させて商品を送出する
ようにし、商品通路を狭くすることなく確実な商
品の送出が行なえる自動販売機の商品送出装置を
提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、対向して垂設した左右一対の側板間
に円筒状の商品を横倒し状態で千鳥状に積上げ収
納する商品収納棚を設け、この商品収納棚の下部
に設けられ販売指令により動作する商品送出装置
にて最下位の商品から順次送出するようにした自
動販売機において、前記商品収納棚の下部中央に
前記商品の軸方向と平行に軸支された半円筒状の
送出部材と、該送出部材を回動すべく連結した正
逆転可能な駆動モータと、前記送出部材の回動動
作に連動して動作する回転制御部材及び送出制御
部材と、該回転制御部材に対向して設けられ該回
転制御部材の位置を検出して前記駆動モータの回
転方向を決定する方向変更スイツチと、前記送出
制御部材により動作され前記駆動モータの回動を
停止するリセツトスイツチとを備え、商品収納棚
は商品の軸方向に複数の商品を並置収納可能に成
すとともに、送出部材に対応する左右の側板後部
にはそれぞれ対向して突出した制御部材を設け、
かつリセツトスイツチを動作する送出制御部材の
制御部を変更可能に成し、比較的長い商品の収納
販売時には千鳥状に積上げた左右の商品を販売動
作毎に交互に送出せしめ、また比較的短い商品は
前後に並置収納して販売動作毎に前後かつ左右の
商品を順次１個宛送出するよう構成している。

(ホ) 作用 販売指令が送出されると、駆動モータは方向変
更スイツチによつて回転方向が決定され、送出部
材を回動する。そしてこの送出部材の回動によつ
て送出部材の半円筒内に係止した最下位の商品を
送出するとともに、次段の商品を半円筒外壁に係
止し、リセツトスイツチが動作されると駆動モー
タを停止して送出部材の回動を停止する。またリ
セツトスイツチを動作する送出制御部材の制御部
を変更することによつて、長い商品の販売時には
左右の商品を交互に送出し、短い商品は商品収納
棚内にて商品の軸方向である前後に複数の商品を
収納しかつ左右に千鳥状に積上げ収納して、前後
かつ左右の商品を順次１個宛送出する。

(ヘ) 実施例 以下本考案の実施例を図面により説明する。な
お従来例と同一符号のものは同一物または類似物
を示す。

第３図乃至第７図において、１は自動販売機本
体内に設けた前面に開口部２を有する商品収納棚
で、左右の側板３，４との間に円筒状商品を前後
方向に横倒し状態で千鳥状に積上げ収納可能に成
すとともに、商品の長手方向の比較的短い商品Ａ
１を前後に１個宛並置可能な商品通路５を形成し
ている。またこの商品通路５は、該商品通路５の
後壁を形成すべく商品収納棚１内に前後に移動可
能に垂設した後板６によつて前後方向の間隔を変
更可能にしている。即ち、短い商品Ａ１例えば罐
入り飲料商品を収納販売する場合は、短い商品Ａ
１を前後に２本並べた間隔よりも若干大きい間隔
を形成するように後板を後部に固定し、また長い
商品Ａ２例えばビン入り飲料商品を収納販売する
場合は、長い商品Ａ２１本を収納した間隔よりも
若干大きい間隔になるように後板６を後方より前
方へ移動して固定するようにしている。７は略半
円筒状に形成れた送出部材で、前記商品収納棚１
下部の商品通路５内の左右方向の中央で、前後に
延在するよう前後両端を前記商品収納棚１の前後
壁にそれぞれ回動自在に軸支されている。また送
出部材７前部の支持軸８は前記商品収納棚１を貫
通して前面に突出して設けられ、商品収納棚１前
面に設けた減速機構を有する直流駆動モータに連
結している。１０は前記支持軸８に装着した回転
制御部材で、前記送出部材７が左側に回動位置し
て成る時にこの回転制御部材１０に対応して設け
られた方向変更スイツチ１１を動作するようにし
ている。１２は前記回転制御部材１０に並設して
前記支持軸８に装着した送出制御部材で、外周に
外方へ突出した制御部１３を前記支持軸８を挾ん
で略対称に設けている。１４は前記送出制御部材
１２に対応して設けたリセツトスイツチで、作動
杆１５が前記制御部１３を乗り越えたときに前記
駆動モータ９を停止するよう構成している。１６
は前記送出制御部材１２の制御部１３，１３間に
着脱自在に装着する補助制御部材で、制御部１
３，１３間に装着したときには該制御部１３，１
３を連続した一つの制御部１３とした状態と成し
て、長い商品Ａ２の販売送出を行なえるようにし
ている。１７は前記送出部材７に対応して前記左
右の側板３，４後部にそれぞれ相対向して前記商
品通路５内へ突出した制御部材で、商品通路５内
後部における前記送出部材７との間隔を狭くして
いる。即ち、短い商品Ａ１を販売送出する際に、
送出部材７に係止された前後２本の商品Ａ１のう
ち、最初の回動にて前部の商品Ａ１が送出され、
次の送出回動にて後部の商品Ａ１が送出されるよ
うに、前部における送出部材７と側板３，４との
間の商品通路５を広く形成し、後部における商品
通路５は制御部材１７にて狭く形成している。な
お制御部材１７は側板３，４に着脱自在に設けて
も良い。

次に上記の構成による動作を第８図の電気回路
図とともに説明する。

先ず、短い商品Ａ１を収納販売する場合の動作
を説明すると、第３図の販売待機状態に示す如
く、送出部材７内下部には前後に２本の商品Ａ１
が係止され、また送出部材７の外壁には前後に２
本の商品Ａ１が載置されるとともに、該商品Ａ１
上には千鳥状で前後に２本の商品Ａ１が積上げ収
納されている。また方向変更スイツチ１１は回転
制御部材１０によつて動作されて開成した状態に
ある。また送出制御部材１２は補助制御部材１６
が外され、該送出制御部材１２に対応位置したリ
セツトスイツチ１４は常開接点に閉成している。

ここで所定の貨幣が貨幣選別計数装置１８に投
入され該硬貨選別計数装置１８から販売可信号が
出力されて、選択スイツチ１９が閉成されると、
選択リレーRSが励磁するとともに電源Ｌ１、ス
イツチRR−１、スイツチRS−２、選択リレー
RS、スイツチRS−１、電源Ｌ２の閉回路によつ
て自己保持される。この選択リレーRSの励磁に
よりスイツチRS−１が常開接点に閉成するため、
電源Ｌ１、ダイオードＤ２、抵抗Ｒ１、抵抗Ｒ
２、ベンドリレーRV、スイツチRS−１、電源Ｌ
２の回路が開路して、ベンドリレーRVがコンデ
ンサＣ１による遅延時間後に消磁する。ベンドリ
レーRVの消磁によりスイツチRV−２が閉成し
て貨幣選別計数装置１８に販売開始信号が送達さ
れて貨幣選別計数装置１８からの販売可信号が中
止されるとともに、電源Ｌ１、スイツチRV−
２、トランスTRの１次側、電源Ｌ２の閉回路が
形成されるため、トランスTRの２次側に電圧が
生じる。従つて＋電源、スイツチRS−３、スイ
ツチRC−２の常閉接点、駆動モータ９、スイツ
チRC−３の常閉接点、−電源の閉回路に通電さ
れ、駆動モータ９は第３図において送出部材７を
時計方向に回動する。この回動により送出部材７
内壁下部と側板３との間に係止された前後２本の
商品Ａ１のうち前部と商品Ａ１が下方へ落下送出
され、後部の商品Ａ１は送出部材７と制御部材１
７との間に継続して係止される。一方、送出部材
７の回動によつてリセツトスイツチ１４の作動杆
１５が送出制御部材１２の制御部１３に乗り上げ
て、リセツトスイツチ１４が常閉接点に閉成し、
この閉成によつてコンデンサＣ３が充電される。
そして送出部材７が該送出部材７に係止された前
部に商品Ａ１を落下送出する所定位置まで回動す
ると、リセツトスイツチ１４の作動杆１５が制御
部１３を乗り越えて、リセツトスイツチ１４常開
接点に閉成する。この閉成によりコンデンサＣ３
が放電し、この所定の放電時間中リセツトリレー
RRが励磁してスイツチRR−１が開成するため、
選択リレーRSの自己保持が解除される。選択リ
レーRSの消磁によりスイツチRS−３が常閉接点
に閉成するため駆動モータ９の通電回老が開路さ
れ、駆動モータ９は停止する。またベンドリレー
RVは選択リレーRSの消磁によつてスイツチRS
−１が常閉接点に閉成するたる再び励磁する。こ
の状態で１販売動作を終了する。この状態を第４
図に示す。

次の販売動作は前記動作と略同様に行なわれる
が、送出部材７の時計方向への回動により、送出
部材７と制御部材１７との間に係止された後部の
商品Ａ１が落下送出される。そして送出部材７は
外壁に載置した商品Ａ１を商品通路５内方へ摺動
押圧する如く更に回動して商品通路５右側に移行
する。そして送出部材７の外壁に載置していた前
後の商品Ａ１を送出部材７の内壁と側板４との間
に係止するとともに、その上部に位置した商品Ａ
１を送出部材７の外壁に載置支持する位置まで回
動すると、リセツトスイツチ１４の作動杆１５が
送出制御部材１２の制御部１３を乗り越えるため
駆動モータ９が停止し、販売動作を終了する。ま
た前記販売動作中に方向変更スイツチ１１が回転
制御部材１０から離れて閉成するが、選択スイツ
チRSにより動作するスイツチRS−４の常閉接点
が開成しているため方向変更リレーRCは励磁せ
ず、駆動モータ９の回転に変化はない。この状態
を第５図に示す。

次の販売動作は、方向変更スイツチ１１が閉成
状態にあるため、方向変更リレーRCが励磁して
おり、従つて駆動モータ９への通電回路は＋電
源、スイツチRS−３、スイツチRC−２の常開接
点、駆動モータ９、スイツチRC−３の常開接点、
−電源の通電回路となるため、駆動モータ９への
極性が変つて逆方向へ回転する。即ち第５図にお
いて送出部材７は反時計方向に回動して販売動作
を行なう。

次に、長い商品Ａ２を収納販売する場合の動作
を説明する。先ず商品Ａ２１本の長さに対応すべ
く後板６を商品収納棚１内前方へ移動固定すると
ともに、送出部材７内壁に商品Ａ２１本を係止せ
しめ、送出部材７外壁に商品Ａ２を載置しかつ千
鳥状に積上げ収納する。そしてリセツトスイツチ
１４を動作する側の送出制御部材１２の制御部１
３と制御部１３との間に補助制御部材１６を装着
する。従つて送出部材７は１販売動作毎に商品通
路５の右側または左側に回動移行して商品Ａ２を
１本宛落下送出する。

(ト) 考案の効果 本考案は上記したように、商品収納棚の下部中
央に前記商品の軸方向と平行に軸支された半円筒
状の送出部材と、該送出部材を回動すべく連結し
た正逆回転可能な駆動モータと、前記送出部材の
回動動作に連動して動作する回転制御部材及び送
出制御部材と、該回転制御部材に対向して設けら
れ該回転制御部材の位置を検出して前記駆動モー
タの回動方向を決定する方向変更スイツチと、前
記送出制御部材により動作され前記駆動モータの
回動を停止するリスツトスイツチとから成り、前
記送出部材は送出販売商品を半円筒内壁にて係止
し、積上げ収納した最下位の商品を半円筒外壁に
て係止するとともに、商品の送出販売毎に半円筒
外壁に係止された商品を商品収納棚の内方向へ押
圧する如く摺動接触して回動するよう構成したも
のであるから、送出部材の外壁に載置支持された
商品を、該送出部材の回動によつて側板との間に
かみ込むロツク状態を生じることがなく、また従
来例のように送出部材の上端を最下位商品と次の
商品との間に強制的に進入せしめて分離送出する
構成と異なり、収納時と全く同じ状態の千鳥状積
上げ状態で、かつ積上げられた最下位商品から送
出部材の上端が離れる方向へ回動して該最下位商
品と次の商品とを分離する構成であるから商品の
変形等を生じることもない。また更に、販売待機
時は常に商品を送出部材内壁に係止している構成
であるから、販売指令の発生による商品の送出時
間が極めて速く、かつ常に略一定の時間で送出で
きるため、顧客に不安を与えることがない。

また、商品収納棚は商品の軸方向に複数の商品
を並置収納可能に成すとともに、送出部材に対応
する左右の側板後部にはそれぞれ対向して突出し
た制御部材を設け、かつリセツトスイツチを動作
する送出制御部材の制御部を変更可能に成し、比
較的長い商品を収納販売時には、千鳥状に積上げ
た左右の商品を販売動作毎に交互に送出せしめ、
また、比較的短い商品は前後に並置収納して販売
動作毎に前後かつ左右の商品を順次１個宛送出す
るよう構成成したものであるから、収納販売する
商品種類に汎用性のある自動販売機が得られるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示し、第３図乃至
第８図は本考案の実施例を示す自動販売機の商品
送出装置で、第３図乃至第５図はそれぞれ異なる
状態を示す正面断面図、第６図は側面断面図、第
７図は回転制御部材及び送出制御部材の分解斜視
図、第８図は電気回路図である。 １…商品収納棚、３，４…側板、７…送出部
材、９…駆動モータ、１０…回転制御部材、１１
…方向変更スイツチ、１２…送出制御部材、１３
…制御部、１４…リセツトスイツチ、１７…制御
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向して垂設した左右一対の側板間に円筒状の
   商品を横倒し状態で千鳥状に積上げ収納する商品
   収納棚を設け、この商品収納棚の下部に設けられ
   販売指令により動作する商品送出装置にて最下位
   の商品から順次送出するようにした自動販売機に
   おいて、前記商品収納棚の下部中央に前記商品の
   軸方向と平行に軸支された半円筒状の送出部材
   と、該送出部材を回動すべく連結した正逆転可能
   な駆動モータと、前記送出部材の回動動作に連動
   して動作する回転制御部材及び送出制御部材と、
   該回転制御部材に対向して設けられ該回転制御部
   材の位置を検出して前記駆動モータの回転方向を
   決定する方向変更スイツチと、前記送出制御部材
   により動作され前記駆動モータの回動を停止する
   リセツトスイツチとを備え、商品収納棚は商品の
   軸方向に複数の商品を並置収納可能に成すととも
   に、送出部材に対応する左右の側板後部にはそれ
   ぞれ対向して突出した制御部材を設け、かつリセ
   ツトスイツチを動作する送出制御部材の制御部を
   変更可能に成し、比較的長い商品の収納販売時に
   は千鳥状に積上げた左右の商品を販売動作毎に交
   互に送出せしめ、また比較的短い商品は前後に並
   置収納して販売動作毎に前後かつ左右の商品を順
   次１個宛送出するよう構成した自動販売機の商品
   送出装置。