JPS6328999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、トラクターの前部に装着したフロン
トローダを支持するための装置に関するものであ
る。

(ロ) 従来技術 従来からフロントローダをトラクターに装着す
る技術に関しては、種々の技術が公知とされてい
るのである。

例えば実開昭56−59257号公報の如くである。

しかし、従来の技術においてはフロントローダ
を取り付ける支持フレームは、トラクターのフロ
ントアクスルブラケツトの側面にボルトにより固
設していたので、ローダーにより前後方向への押
し作用を行う場合には、該締結ボルトに剪断力が
掛かり、強度的に弱かつたのである。またバケツ
トの繰り返し上下によつても、支持フレームとフ
ロントブラケツトを締結するボルトがへたつた
り、剪断される恐れがあつたのである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 フロントローダは、バケツトやヘイフオークを
トラクターの前部に装着して、土砂や堆肥、牧草
等を掬い、前方へ押したり、持ち上げたり、積み
込んだり、移動したりするのに利用される作業機
である。

フロントローダをトラクターに装着する場合に
は、容易に装着できるようにしなければならない
ために、支持フレームをフロントブラケツトに対
し、左右から嵌装した締結ボルトにより固定して
いたのである。

しかし該取付方法では、ローダーによる土砂の
押し作用をした場合や、バケツトに大量の土砂を
掬つて繰り返し昇降作業をした場合には、締結ボ
ルトが剪断されたり、支持部に変形や歪を生じ、
取り外しが困難になつたり、作業においても危険
な状態になつたりしていたのである。

本考案は、このような負荷の大きい作業に対し
ても充分対応できるように、支持フレームをボル
トだけでなく、さらに左右の支持フレーム間に設
けた取付支持板を、左右のフロントブラケツト間
に架設したフロントブラケツト補強板前に固定
し、前輪駆動用センターボツクスを枢支するセン
ターピンを貫通することにより、従来の弱点であ
つた締結ボルトの剪断を防止し、荷重の大きい物
の持ち上げや土の押し均らしに対しても耐えられ
るように構成したものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

左右のフロントブラケツト１１，１１の間に横
架したフロントブラケツト補強板前１１ａとフロ
ントブラケツト補強板後１１ｂの間に、前輪駆動
用のセンターボツクス１９を介装し、該フロント
ブラケツト補強板前１１ａとセンターボツクス１
９とフロントブラケツト補強板後１１ｂを貫通し
て、前後方向にセンターボツクス１９を枢支する
センターピン１８を嵌装した構成において、フロ
ントローダの支持フレーム６，６をフロントブラ
ケツト１１の左右外側面に近接配置し、該支持フ
レーム６，６の間に渡架した補強フレーム９の取
付支持板１７をフロントブラケツト補強板前１１
ａの前面から接当して締結し、前記センターピン
１８を取付支持板１７をも貫通させたものであ
る。

(ホ) 実施例 本考案の目的・構成は以上の如くであり、次に
添付の図面に示した実施例の構成を説明すると。

第１図は、フロントローダを装着した農用トラ
クターの全体側面図である。

フロントローダは、土砂等を掬い込むバケツト
５をリフトアーム１の先端に枢支し、リフトアー
ム１の中央上部に固設された支持体１５に油圧シ
リンダー４を枢支し、該油圧シリンダー４の伸縮
運動によりバケツト５の掬い込み運動をするので
ある。

取り付け基台３の上部にリフトアーム１を、下
部に油圧シリンダー２をそれぞれ枢支する。油圧
シリンダー２によりリフトアーム１は上下に回動
され、油圧シリンダー２，４の操作は操作パネル
横に設けられた操作レバー１３，１４にて制御
し、バケツト５及びリフトアーム１を回動する。
取り付け基台３は、フロントブラケツト１１後部
底面及び側面にボルトにより固定され、側面より
支持フレーム６が突設されている。

従来、支持フレーム６の前部をフレームブラケ
ツト１１にボルト固定していたのであるが、上下
及び前後方向の力に対して弱かつたので、本考案
は補強するために次ぎの如く構成した。

第２図はフロントローダ斜視図、第３図は支持
フレーム断面図、第４図はフロントローダ支持部
の組立図である。

支持フレーム６は、第３図の如く補強フレーム
９及び補強プレート１０を固定し、互いに補強し
あいフロントブラケツト１１に固着する。

補強フレーム９には取付支持板１７を固着し、
左右両支持フレーム６に固設されていることによ
り取付支持板１７を支架する状態となる。

取付支持板１７の中央には、センターピン１８
を挿入するための穴部を設けてある。

支持フレーム６をフロントブラケツト１１に装
着するには、フロントブラケツト補強板前１１ａ
の前部に取付支持板１７を固定し、次にフロント
ブラケツト補強板前１１ａとフロントブラケツト
補強板後１１ｂの間にセンターボツクス１９を配
置し、センターピン１８をフロントブラケツト補
強板前１１ａ側から挿入し固定するのである。

センターボツクス１９の両側には、フロントア
クスルケース２０Ｒ，２０Ｌを固着し両端に車軸
を軸支すべく構成している。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、左右のフロントブラケツト１１，１１
の間に架設したフロントブラケツト補強板前１１
ａの前面に、左右の支持フレーム６，６の間に架
設した取付支持板１７を接当固定したので、フロ
ントローダにより、土砂を前方へ押して移動する
操作の場合にも、取付支持板１７とフロントブラ
ケツト補強板前１１ａにより押動力を受けること
ができ、従来の如く、左右方向に挿入した締結ボ
ルトにより支持フレームとフロントブラケツトを
締結していた場合に発生する、土砂の押動移動時
の締結ボルトの剪断や支持部に変形や歪を生じ、
取り外しを困難にしたり、作業においても危険な
状態になつたりするという事故を防ぐことが出来
たものである。

第２に、フロントローダのバケツト５部を繰り
返し上下することによつても、従来は支持フレー
ムとフロントブラケツトを締結するボルトがへた
つたり、剪断されたりしていたのであるが、本考
案においては、締結ボルト以外に取付支持板１７
とフロントブラケツト補強板前１１ａとの間に、
大径ピンより構成されたセンターピン１８を貫通
しているので、該センターピン１８により剪断力
を受けることが出来るので、上下方向の繰り返し
荷重による締結ボルトの剪断に対しても補強する
ことが出来たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はフロントローダを装着した農用トラク
ターの全体側面図、第２図はフロントローダ斜視
図、第３図は支持フレーム断面図、第４図はフロ
ントローダ支持部組立図である。 ６……支持フレーム、９……補強フレーム、１
１……フロントブラケツト、１７……取付支持
板、１８……センターピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のフロントブラケツト１１，１１の間に横
   架したフロントブラケツト補強板前１１ａとフロ
   ントブラケツト補強板後１１ｂの間に、前輪駆動
   用のセンターボツクス１９を介装し、該フロント
   ブラケツト補強板前１１ａとセンターボツクス１
   ９とフロントブラケツト補強板後１１ｂを貫通し
   て、センターボツクス１９を枢支するセンターピ
   ン１８を前後方向に嵌装した構成において、フロ
   ントローダの支持フレーム６，６をフロントブラ
   ケツト１１の左右外側面に近接配置し、該支持フ
   レーム６，６の間に渡架した補強フレーム９の取
   付支持板１７をフロントブラケツト補強板前１１
   ａの前面から接当して締結し、前記センターピン
   １８を取付支持板１７をも貫通させたことを特徴
   とするフロントローダの支持装置。